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野口 正安*; 小峰 隆志*; 上沖 寛; 松本 幹雄*
Radioisotopes, 50(7), p.301 - 307, 2001/07
標準面線源を用いてGe半導体検出器からの距離を変数とする面線源に対するピーク効率を求め、それを積分することによって任意の厚さと媒体の容積線源に対するピーク効率を計算する方法を検討した。従来の標準容積線源を用いる方法に比べて、この方法の長所は次のとおりである。正確な位置(高さ)決めと高い均一性のためピーク効率の精度が高い。一個の標準面線源を用いて、任意の媒体の容積試料に適用できる。また、線源の保管と廃棄が容易であり、かつ、経費があまりかからない。なお、容積線源におけるサム効果の補正に関する問題点が明らかになった。
上沖 寛
Radioisotopes, 44(2), p.151 - 152, 1995/00
モノクロナール抗体の標識などに注目されている高比放射能のReを発生させるWの製造とW-Reジェネレータの開発状況についてレビューを行った。その結果について報告する。
上沖 寛; S.Mirzadeh*; Lambrecht, R. M.*; R.Knapp*; K.Dadachova*
Radiochimica Acta, 65, p.39 - 46, 1994/00
アルミナカラムにWを吸着させたWReゼネレータを調整し、種々の溶離液を用いてReの溶離収率、Wのブレークスルおよび放射性核種的不純物等の諸特性について3ヶ月間にわたり調べた。また、溶離液量を減少させるとともに高純度のRe溶液を得るために、アルミナカラムに陰イオン交換樹脂カラムを連結したタンデム型ゼネレータについて検討を加えた。アルミナに対するタングステンの分配係数は0.05M硝酸アンモニウム溶液中で~8400であり、この液性において強くアルミナに保持されるのが認められた。ゼネレータからのReの溶離収率はタングステン量の影響をほとんど受けないことがわかった。これらの検討の結果、生体医用として本ゼネレータが有用であることが明らかになった。
米澤 仲四郎; 星 三千男; 立川 圓造; 上沖 寛
分析化学, 37(1), p.7 - 11, 1988/01
半導体メモリー構成材料中のppb以下の含量のウランとトリチウムを定量するため、TTA液液抽出分離法を用いた中性子放射化分析法を検討し、アルミニウム及びマグネシウム試料の分析に適用した。試料を原子炉で照射後溶解し、TTA-キシレン溶液で生成したNp(IV)とPa(V)を抽出する。10M硝酸でNpを、5M硫酸でPaを逆抽出する。試料と同時に照射したウランとトリウム標準溶液についても試料と同様に操作し、線スペクトロメトリーによりNpとPaを測定しウランとトリウムを定量する。NpとPaの回収率は90%以上であった。岩石標準試料(JB-1,JG-1)の分析により、本法の正確さと確認し、半導体メモリー構成材料のアルミニウム及びマグネシウム中の0.5ppb以上のウランとトリウムを定量した。
棚瀬 正和; 上沖 寛
Journal of Radioanalytical Chemistry, 59(1), p.99 - 110, 1980/00
中性子照射したLiAl合金中のトリチウムの回収と定量を行った。合金をHe雰囲気中,800Cで、加熱したとき放出されたトリチウム化合物をやはり800Cで加熱したCuOカラムに通してHO(T)に酸化し、水トラップで回収した後、そのトリチウムを液体シンチレーションカウンターで測定する方法を採用した。この方法で得られたトリチウム量とWestcottらの方法により計算された量と比較した結果、両者はよい一致を示した。
上沖 寛; 保泉 澄
JAERI-M 8070, 16 Pages, 1979/01
Mo製品中に含まれる放射性ヨウ素(I、I、I)の分析のために蒸留法による両元素の分離について検討した。酸化剤としては過酸化水素を用い、蒸留収率に与える酸化剤量、担体量の影響について検討して蒸留条件を定めた。本法の蒸留収率は99.6%、標準偏差は1.3%であった。また蒸留フラスコから捕集液へのMoの混入率は10%以下であって両元素の分離が完全であることがわかった。分析所要時間は蒸留、測定を含めて約40分である。
海老原 寛; 上沖 寛
分析化学, 24(1), p.56 - 60, 1975/01
市販の放射性クロム酸ナトリウム水溶液製品の放射科学的純度試験法の一つとして、放射性クロム酸塩溶液中に存在する非クロム酸形のCrの定量を行なうために、薄層クロマトグラフ法による迅速で正確な方法を開発した。製品中に含まれる放射化学的不純物の代表的なものは還元形のクロムであるので、これとクロム酸イオンとを分離するための最適条件を求めるために、いろいろな展開溶媒と薄層板との組合せを、日本薬局方によるペーパークロマトグラフ法と比較しながら検討した。クロム(VI)とクロム(III)はシリカゲル薄層と10%炭酸ナトリウム-10%モリブデン酸ナンモニウムのに1混合水溶液を用いることによって、うまく分離できた。この分析法によるCr(VI)のCr(III)の検出限界は0.05%程度であり、標準偏差はCr(III)の存在量が0.5%のレベルで0.5%以下である。
海老原 寛; 上沖 寛
分析化学, 23(10), p.1221 - 1225, 1974/10
放射性第二水銀溶液中の第一水銀、第二水銀および銀イオンの定量のためにペーパークロマトグラフ法による純度試験法を確立した。第一水銀と第二水銀の分離は酢酸-硝酸-水の混合溶媒で容積比150:3:5のものを展開済として用い、第一水銀と銀の分離には同一物質で混合比のみが異る溶媒(15:1:4)を用いることによって達成できる。したがって上記二種の溶媒を一つの試料に対して併用すれば、第一、第二水銀、銀の三者を分離定量できる。本法によれば放射性第二水銀溶液中に1%以上の第一水銀または銀イオンが存在すると、相対標準偏差5%以内で定量が可能である。試験に要する時間は展開、乾燥、測定を含めて約6時間である。市販の放射性第二水銀溶液に本報を適用すれば、放射化学的純度として99%以上を保証できる。