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永井 崇之; 岡本 芳浩; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2024-014, 54 Pages, 2025/02
軟X線領域におけるXAFS測定は、X線の透過率が低くなるため、測定試料の表層を対象とした化学状態の評価に適している。本研究では、模擬廃棄物ガラスの凝固した表層とガラス内部の差異を確認することを目的に、ガラス構成元素であるホウ素(B)、酸素(O)、ナトリウム(Na)及びケイ素(Si)のK吸収端と、廃棄物成分のセリウム(Ce)のL吸収端のXANESスペクトルを測定した。その結果、BのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層でのB-Oの4配位sp
構造(BO
)の割合がガラス内部の切断面と比べて高く、凝固表層の耐水性が向上することが期待される。一方、OのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のO存在量がガラス内部の切断面より低く、凝固表層にアルカリ金属元素が集中する可能性が予想された。しかしながら、凝固表層と切断面のNaのK吸収端スペクトルに差は認められず、SiのK吸収端XANESスペクトルも凝固表層とガラス内部で違いはなかった。また、CeのL
吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のCe原子価がガラス内部と比較して酸化していることを確認した。
勝岡 菜々子; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 永井 崇之; 岡本 芳浩; 佐藤 修彰*
2023年度「物質・デバイス領域共同研究拠点」研究成果・活動報告書(インターネット), 1 Pages, 2024/07
ガラス原料へウラン(U)化合物を添加し、雰囲気を変えてU含有ガラスを作製した。作製条件でガラス色調が変化し、色斑を呈するガラスも見られたことから、この色斑の原因をX線透過画像により観察した。
三上 智; 時吉 正憲*; 佐藤 里奈*; 田中 大輔*; 吉村 和也
日本放射線安全管理学会誌, 23(1), p.10 - 17, 2024/06
複数の除染作業員のリアルタイムの被ばく管理に適用することをねらいとして大成建設とインフォキューブLAFLAが開発したスマートフォン無線接続型線量計について基本特性を把握するため、原子力機構の光子線校正場にて校正及び線量率特性、エネルギー特性、方向特性等の試験を行った。結果は、それぞれの項目で概ね良好な特性を示した。除染作業には有効に利用できるものと評価した。
勝又 哲裕*; 鈴木 涼*; 佐藤 直人*; 小田 良哉*; 本山 慎吾*; 鈴木 俊平*; 中島 護*; 稲熊 宜之*; 森 大輔*; 相見 晃久*; et al.
Chemistry of Materials, 36(8), p.3697 - 3704, 2024/04
被引用回数:1 パーセンタイル:30.18(Chemistry, Physical)ペロブスカイト型酸窒化物のBaFeOFを高圧合成によって作製した。得られた物質はSHGシグナルが観測されたことから自発分極の存在を示唆していたため、分極発現機構を放射光高エネルギーX線回折で調べた。得られた2体相関分布関数をフィットした結果、方位の異なる局所的な分極発現機構を見出した。BaFeO
Fは磁性材料でもあるため、磁気ドメインと強誘電ドメインが共存していると考えられる。
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Materials, 589, p.154862_1 - 154862_10, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:43.92(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉構造材料のステンレス鋼成分である鉄とUOの高温反応により生成したFeUO
化合物の溶解挙動を大気条件下で調べた。化合物はU
O
とFe
O
を出発原料として電気炉で調製し、X線回折、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法、X線吸収微細構造分光法を用いて固体状態を分析した。FeUO
化合物の浸出試験を最長3か月行い、水中に溶存する核種の濃度を調べた。FeUO
の溶解の初期段階で3価のFeイオンと5価のUイオンの間で酸化還元反応が起こることが提案された。還元された2価のFeイオンは、溶存酸素の存在下で最終的に3価のイオンに酸化され、水酸化鉄がFeの溶解度を制限することが熱力学的に推論された。一方、6価のU(すなわちウラニルイオン)の濃度は、メタショエパイトやウラン酸ナトリウムなどの二次鉱物の存在によって制限され、その後、Fe酸化物などへの収着によって減少したと考えられる。RuやCeなどの核分裂生成物の多価イオン濃度も減少したが、これは上記の理由によるものと考えられる。一方、可溶性Csイオンの濃度は減少しなかった。この解釈の妥当性は、参照試料(Feを含まないU
O
)の溶解挙動と比較することで裏付けられた。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2023-004, 45 Pages, 2023/09
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、ガラス固化体を模擬したガラス(以下、模擬廃棄物ガラス)を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供したガラス表面を対象に、BのK吸収端、FeのL、L
吸収端及びCsのM
、M
吸収端のXANESスペクトル測定を行った。その結果、浸出液に曝露されたガラス表面は変化し、明瞭なXANESスペクトルが得にくくなることが分かった。BのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後の試料表面は未浸漬の試料表面と比較してB-Oの3配位構造(BO
)が増加し、4配位構造(BO
)が減少する傾向を確認した。FeのL
、L
吸収端及びCsのM
、M
吸収端のXANESスペクトルから、浸漬時間が長くなるに従って、ガラス表面に存在するCsが浸出液中へ溶出することを確認した。未浸漬の模擬廃棄物ガラスを対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、Na
O濃度によるXANESスペクトルの変化が廃棄物成分濃度による変化より大きいことを確認した。
永井 崇之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 勝岡 菜々子; 岡本 芳浩; 佐藤 修彰*
2022年度「物質・デバイス領域共同研究拠点」研究成果・活動報告書(インターネット), 1 Pages, 2023/09
異なる組成のホウケイ酸ガラス粉末へウラン(U)化合物を添加し、溶融雰囲気等の作製条件を変えてU含有ガラスを作製した。これらU含有ガラス中のU化学状態をXAFS測定により評価した。
日下 良二; 熊谷 友多; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(5), p.603 - 613, 2023/05
被引用回数:6 パーセンタイル:60.29(Nuclear Science & Technology)Raman spectroscopy is a powerful technique for studying nuclear materials. However, it has been scarcely utilized for nuclear fuel debris. Here, we present a Raman study of several types of simulated nuclear debris synthesized from uranium, stainless steel, and zirconium to identify and characterize chemical components included in the simulated debris. Raman spectroscopy sensitively identified many kinds of chemical components: cubic UO, U
O
, (Fe,Cr)UO
(iron-chromium uranate), spinel oxides, monoclinic ZrO
, tetragonal ZrO
, and Zr
O. Some details concerning the chemical states of each component included in the simulated debris were obtained (e.g., spinel oxides were suggested to consist of Fe, Cr, Ni, Zr, and U). The results obtained here will be helpful in the Raman analysis of actual nuclear debris, such as that in the Fukushima-Daiichi nuclear power plants.
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:6 パーセンタイル:84.29(Nuclear Science & Technology)UO・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO
相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O
固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはU
O
と(Fe,Cr)UO
相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)O
が形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
秋山 大輔*; 日下 良二; 熊谷 友多; 中田 正美; 渡邉 雅之; 岡本 芳浩; 永井 崇之; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Materials, 568, p.153847_1 - 153847_10, 2022/09
被引用回数:4 パーセンタイル:51.78(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン酸鉄,ウラン酸クロム、およびその固溶体を合成し、これらのウラン酸塩が異なる熱的安定性を示すメカニズムを研究した。熱的安定性を評価するため、ウラン酸塩試料の熱重量分析を実施した結果、ウラン酸クロムの分解温度(約1250C)に対してウラン酸鉄は低温(約800
C)で分解するが、クロムを含む固溶体では熱分解に対する安定性が高まることが分かった。この熱的安定性と結晶構造との関係性を調べるため、エックス線結晶構造解析,エックス線吸収微細構造測定,メスバウアー分光測定,ラマン分光分析による詳細な結晶構造と物性の評価を行ったが、本研究で用いたウラン酸塩試料の間に明瞭な差異は観測されなかった。そのため、熱的安定性の違いは結晶構造に起因するものではなく、鉄とクロムとの酸化還元特性の違いによるものと推定した。クロムは3価が極めて安定であるのに対して、鉄の原子価は2価と3価を取ることができる。このため、ウラン酸鉄の場合には結晶中でウランと鉄との酸化還元反応が起こり、低温での分解反応を誘起したものと考えられる。
桐島 陽*; 秋山 大輔*; 熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Materials, 567, p.153842_1 - 153842_15, 2022/08
被引用回数:9 パーセンタイル:81.25(Materials Science, Multidisciplinary)福島第一原子力発電所事故では、UOやZr,ステンレス鋼(SUS)の高温反応により燃料デブリが形成されたとみられる。この燃料デブリの化学構造や安定性を理解するため、UO
-Zr-SUS系模擬デブリ試料の合成と物性評価を行い、より単純な組成の試料と比較した。模擬デブリ試料の合成では、不活性雰囲気(Ar)もしくは酸化雰囲気(Ar + 2% O
)において1600
Cで1時間から12時間の加熱処理を行った。
Npおよび
Amをトレーサーとして添加し、浸漬試験ではUに加えてこれらの核種の溶出を測定した。試料の物性評価は、XRD, SEM-EDX,ラマン分光法およびメスバウアー分光法により行った。その結果、模擬デブリの主なU含有相は、加熱処理時の雰囲気に依らず、Zr(IV)およびFe(II)が固溶したUO
相であることが分かった。模擬デブリ試料の純水もしくは海水への浸漬試験では、1年以上の浸漬の後も主な固相の結晶構造には変化が観測されず、化学的に安定であることが示された。さらに、U, Np, Amの溶出率はいずれも0.08%以下と、溶出は極めて限定的であることが明らかとなった。
熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 佐々木 隆之*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(8), p.961 - 971, 2022/08
被引用回数:3 パーセンタイル:41.50(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所事故では核燃料と被覆管,構造材料が高温で反応し、燃料デブリが形成されたと考えられる。この燃料デブリが水の放射線分解の影響により経年変化する可能性を調べるため、模擬燃料デブリを用いて過酸化水素水溶液への浸漬試験を行った。その結果、過酸化水素の反応により、ウランが溶出し、ウラニル過酸化物が析出することが分かった。また、模擬燃料デブリ試料のうちウランとジルコニウムの酸化物固溶体を主成分とする試料では、他の試料と比較してウランの溶出は遅く、ウラニル過酸化物の析出も観測されなかった。この結果から、ウランとジルコニウムの酸化物固溶体は過酸化水素に対して安定性が高いことを明らかにした。
先崎 達也; 荒井 陽一; 矢野 公彦; 佐藤 大輔; 多田 康平; 小木 浩通*; 川野邊 崇之*; 大野 真平; 中村 雅弘; 北脇 慎一; et al.
JAEA-Testing 2022-001, 28 Pages, 2022/05
核燃料サイクル工学研究所B棟における試験、分析の実施により発生し、長期間グローブボックス内に保管していた核燃料物質について、当該施設の廃止措置の決定に伴い、高レベル放射性物質研究施設(CPF)の貯蔵庫においてポリ塩化ビニル製の袋(PVCバッグ)で密封して保管していた。CPF安全作業基準に基づく貯蔵物の定期点検においてPVCバッグが徐々に膨らむ状況が確認されたことから、当該試料中から放射線分解によると思われる何らかのガスが発生していると考えられた。ガスが滞留した状態で放置すると、PVCバッグの破裂・破損に繋がるため、ガスが発生しない状態に安定化する必要があると考えた。安定化処理までの処理フローを確立するため、当該核燃料物質の性状を調査した。また、その結果から模擬物質を選定してモックアップ試験を実施した。性状調査においては放射能分析や成分分析、熱分析を実施した。放射性物質濃度及び組成を明らかにするため、線スペクトロメトリーによる定性分析及び試料溶解による成分分析を実施した。次に、加熱処理による発熱反応を確認するため、酸素をコントロールした条件下で熱分析を実施した。熱分析の結果から有機物含有核燃料物質の組成を推定し、700
Cの熱処理により安定化が可能と判断できたことから、全量を熱処理し安定化処理作業を完了した。核燃料物質の熱処理においては、まずは少量の試料により安全性を確認した後、処理規模をスケールアップした。熱分解処理後の重量減少量の測定により、核燃料物質に混合する有機物が完全に分解できたことを確認した。安定化処理後の核燃料物質はSUS製貯蔵容器に収納してバッグアウトし、CPFの貯蔵庫に貯蔵することで一連の安定化処理作業を完了した。今後の廃止措置においても、性状不明な核燃料物質の安定化処理が必要なケースが想定されることから、安定化処理において得られた知見について報告書にまとめる。
熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 佐々木 隆之*
放射線化学(インターネット), (113), p.61 - 64, 2022/04
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故では燃料や被覆管、構造材料等が高温で反応して燃料デブリが形成されたとみられている。1F炉内は注水や地下水の流入で湿潤な環境にあり、放射線による水の分解が継続していると考えられ、これが燃料デブリの化学的な性状に影響する可能性がある。1F燃料デブリの組成や形状については、いまだに十分な情報が得られていないが、炉内や周辺で採取された微粒子の分析結果では、様々な組成が観測されており、事故進展における温度履歴や物質移動の複雑さを反映していると考えられる。1Fサンプルのように複雑組成の混合物については、水の放射線分解が与える影響に関する知見が乏しい。そこで、水の放射線分解の影響として想定すべき燃料デブリの性状変化を明らかにするため、模擬デブリ試料を用いてHO
水溶液への浸漬試験を行った。その結果、H
O
の反応により、模擬デブリ試料からウランが溶出し、過酸化ウラニルの形成が進むことが分かった。またUO
相の固溶体形成によるH
O
に対する安定化が観測された。これらの酸化劣化の過程は、ウラン含有相の反応性や安定性に基づいて説明できることを明らかにした。
上原 章寛*; 秋山 大輔*; 池田 篤史; 沼子 千弥*; 寺田 靖子*; 新田 清文*; 伊奈 稔哲*; 武田 志乃*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Materials, 559, p.153422_1 - 153422_11, 2022/02
被引用回数:4 パーセンタイル:51.78(Materials Science, Multidisciplinary)The reaction products were analysed by a combination of powder X-ray diffraction (PXRD) and X-ray absorption spectroscopic measurements of the U L- and Zr K-edges. Under an oxidizing atmosphere, the formation of U
O
and U
Zr
O
was observed in equilibrium with UO
, monoclinic-ZrO
, and tetragonal-ZrO
. However, when O
gas was purged through the reaction tube during the cooling process to room temperature, pentavalent U in ZrU
O
was produced by the oxidation of solid solution UO
formed at
1774 K during the temperature dropped at
1473 K. Under the inert atmosphere, mixed oxides of uranium were found to form at
1673 K due to a low concentration of O
impurity with the Ar gas. This study can pave the way for understanding the interaction between the nuclear fuels and the cladding materials in damaged reactors enabling further simulation of possible decontamination procedures.
森口 祐一*; 佐藤 陽祐*; 森野 悠*; 五藤 大輔*; 関山 剛*; 寺田 宏明; 滝川 雅之*; 鶴田 治雄*; 山澤 弘実*
KEK Proceedings 2021-2, p.21 - 27, 2021/12
福島第一原子力発電所事故時の呼吸由来の内部被ばく線量評価において、I-131等の短寿命核種は重要であるが、被ばく線量や大気中濃度の実測値が少ない。そのため、他の核種の環境中濃度の実測値、大気移流拡散沈着モデル(ATDM)による推計値、空間線量率の測定値等に基づく総合解析が必要である。本研究では、Cs-137を対象として、これまでに構築してきた大気中濃度と地表沈着量に基づく空間線量率推計手法をATDM相互比較に供された国内外の多数のモデルに適用し、これまで検証が困難であった福島県内外の地域を中心に選定した計64地点を対象にATDMの再現性の検証を行った。その結果、初期被ばくの評価上特に重要な3月12日の原発から北方向へ輸送されたプルームについて、これまで対象としていた原発から25km地点より近傍の約10km地点における線量率のピーク値やそのタイミングを比較的良好に再現するATDMが複数存在することが分かった。また、実測値がなくこれまで検証が困難であった北関東地域でのプルームの輸送状況の再現性の検証に見通しが得られた。
永井 崇之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 岡本 芳浩
2020年度「物質・デバイス領域共同研究拠点」および「人・環境と物質をつなぐイノベーション創出ダイナミック・アライアンス」研究成果・活動報告書(CD-ROM), 1 Pages, 2021/11
本研究は、ガラス組成や溶融条件を変えて作製したウラン(U)含有模擬廃棄物ガラスを放射光XAFS測定し、還元雰囲気で溶融作製したホウケイ酸ガラス中のUが4価状態で内包されることを確認した。
日下 良二; 熊谷 友多; 蓬田 匠; 高野 公秀; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(6), p.629 - 634, 2021/06
被引用回数:9 パーセンタイル:60.25(Nuclear Science & Technology)Studtite and metastudtite are uranyl peroxides formed on nuclear fuel in water through the reaction with HO
produced by the radiolysis of water. However, it is unclear how the two types of uranyl peroxides are generated and distributed on the surface of nuclear fuel. Here, we used Raman imaging technique to exemplify distribution data of the two uranyl peroxides formed on the surface of a U
O
pellet through immersion in a H
O
aqueous solution. As a result, we observed that studtite and metastudtite are heterogeneously distributed on the U
O
surface. No clear correlation between the distributions of studtite and metastudtite was observed, suggesting that the two uranyl peroxides are independently generated on the surface of U
O
. We anticipate that this Raman imaging technique could reveal how these uranyl peroxides are generated and distributed on the surface of the nuclear fuel debris in the Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plants.
和田 有希*; 榎戸 輝揚*; 久保 守*; 中澤 知洋*; 篠田 太郎*; 米徳 大輔*; 澤野 達哉*; 湯浅 孝行*; 牛尾 知雄*; 佐藤 陽祐*; et al.
Geophysical Research Letters, 48(7), 11 Pages, 2021/04
被引用回数:23 パーセンタイル:82.95(Geosciences, Multidisciplinary)graupels
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。