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論文

Modeling of yield estimation for DNA strand breaks based on Monte Carlo simulations of electron track structure in liquid water

松谷 悠佑; 甲斐 健師; 吉井 勇治*; 谷内 淑恵*; 内城 信吾*; 伊達 広行*; 佐藤 達彦

Journal of Applied Physics, 126(12), p.124701_1 - 124701_8, 2019/09

放射線被ばく後の生物学的効果は、DNA主鎖への初期損傷から生じる。DNA損傷はトラック構造解析とフリーラジカル拡散のシミュレーションにより推定可能であるが、両者を考慮した計算は時間を要する。本研究では、PHITSコードで得られる非弾性散乱(電離・電子的励起)の空間分布のパターンのみに着目して、主鎖切断を推定するシンプルなモデルを考案した。このモデルでは、トラック毎のイベント数と10塩基対のサイズに相当する3.4nm以内に存在するイベントの組合せを確率的にサンプリングし、一本鎖切断(SSB)と二本鎖切断(DSB)を計算した。単一エネルギー電子線照射に対するDSB生成率ならびにDSB/SSBの生成率比の計算結果については、他の計算結果や実測値とよく一致した。また、様々な光子照射に対して、DSBをエンドポイントとした生物学的効果比の再現にも成功した。本研究により、電離ならびに電子的励起で構成される非弾性散乱の空間分布のパターンにより、電子線が誘発するDNA主鎖切断の生成率を十分に推定できることが示された。

論文

Impact of stellar superflares on planetary habitability

山敷 庸亮*; 前原 裕之*; Airapetian, V.*; 野津 湧太*; 佐藤 達彦; 野津 翔太*; 黒木 龍介*; 村嶋 慶哉*; 佐藤 啓明*; 行方 宏介*; et al.

Astrophysical Journal, 881(2), p.114_1 - 114_24, 2019/08

系外惑星における生命存在の可能性を検討する際、恒星が引き起こすスーパーフレアによる影響を評価することは重要となる。そこで本研究では、いくつか実在する恒星と仮想的な惑星を想定し、その大気・海洋内における被ばく線量を様々なタイプの太陽フレアに対して推定する方法を提案する。具体的には、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSと系外惑星データベースシステムExoKyotoを組み合わせ、実際に観測された太陽フレアと恒星フレアの比較から影響を推定する。その結果、ある程度の大気圧があれば、惑星地表面における被ばく線量は複雑系生物の致死量には至らない可能性が高いことが分かった。

論文

A Biologically based mathematical model for spontaneous and ionizing radiation cataractogenesis

坂下 哲哉*; 佐藤 達彦; 浜田 信行*

PLOS ONE (Internet), 14(8), p.e0221579_1 - e0221579_20, 2019/08

放射線被ばくに起因する白内障発症をより確実に防ぐため、国際放射線防護委員会は眼の水晶体線量限度値の引き下げを提案している。しかしながら、白内障発症のメカニズムや線量応答は明らかになっていない。そこで本研究では、個々の細胞動態に基づいて白内障発症率を計算する数理モデルを開発し、そのモデルで使用するパラメータを白内障自然発症に対する疫学データから決定した。そして、決定したパラメータを用いて、放射線被ばくに起因する白内障発症率の線量応答関数を推定した。本モデルは、今後、白内障に対する放射線防護指針を改訂する際、極めて有用となる。

論文

Intensity modulated radiation fields induce protective effects and reduce importance of dose-rate effects

松谷 悠佑; McMahon, S. J.*; Ghita, M.*; 吉井 勇治*; 佐藤 達彦; 伊達 広行*; Prise, K. M.*

Scientific Reports (Internet), 9(1), p.9483_1 - 9483_12, 2019/07

放射線治療において、強度変調放射線場と複雑な線量伝達を使用して腫瘍へ高線量を処方する。しかしながら、それらを組み合わせた照射中の細胞応答は未だ明らかになっていない。そこで、強度変調放射線場が放射線感受性と照射中の回復に与える影響を解析した。先ず、培養細胞を含む培養フラスコの50%(半照射野)もしくは100%(全照射野)の面積に照射を行った。また、線量率と細胞間シグナルの両効果を考慮した細胞死を表現しうるモデルを構築した。その結果、(i)同吸収線量被ばく時の全照射野被ばくと比較し、半照射野被ばく時の照射野内細胞は高い生存率を示し、(ii)半照射野下におけるヒト正常皮膚線維芽細胞の亜致死損傷 回復の重要度が低減することが分かった。さらに、(iii)半照射野時の生存率の増加はレスキュー効果(修復の増加)ではなく防御効果(初期DNA損傷生成率の低減)に起因する知見を得た。これらの知見は、不均一被ばく後の照射細胞と非照射細胞に対する放射線感受性の新たな理解に貢献するものである。

論文

DNA damage induction during localized chronic exposure to an insoluble radioactive microparticle

松谷 悠佑; 佐藤 志彦; 浜田 信行*; 伊達 広行*; 石川 正純*; 佐藤 達彦

Scientific Reports (Internet), 9(1), p.10365_1 - 10365_9, 2019/07

不溶性放射性微粒子(Cs含有粒子)は、呼吸器系に吸引された後、長期にわたって気管に付着し、微粒子周辺の正常組織に不均一な線量分布をもたらすと考えられている。このような微粒子によってもたらされる生物影響は不明なままであるため、本研究では、均一な被ばくとの比較の中で、微粒子による局所的慢性被ばく下において蓄積される核内DNA損傷を研究した。我々は、微粒子を含むマイクロキャピラリーを、正常肺細胞を含む培養皿に配置し、24時間もしくは48時間被ばく後に核内誘発$$gamma$$-H2AX focusの有意な変化を観察した。モンテカルロ計算と均一被ばくとの比較から、微粒子による局所被ばく下では、遠位細胞に対する細胞間シグナル誘発DNA損傷と近位細胞に対するDNA損傷誘発の低減(防御効果)の両者が誘発されることが示唆された。微粒子による臓器線量は微量であることから、従来の放射線リスク評価で十分であると思われる。本研究により、不溶性Cs含有粒子による不均一暴露下でのDNA損傷の空間分布を定量化することに初めて成功した。

論文

Depth distributions of RBE-weighted dose and photon-isoeffective dose for boron neutron capture therapy

佐藤 達彦; 増永 慎一郎*; 熊田 博明*; 浜田 信行*

Radiation Protection Dosimetry, 183(1-2), p.247 - 250, 2019/05

粒子・重イオン輸送計算コードの放射線生物学への応用として、我々は、様々な放射線治療の治療効果を推定する確率論的マイクロドジメトリック運動学(SMK)モデルを開発している。本研究では、ホウ素・中性子捕捉療法の治療効果推定にSMKモデルを利用可能とするため、ホウ素薬剤の細胞内・細胞間不均一性及び線量率効果を考慮できるようモデルを改良した。改良したモデルは、過去において実施したホウ素薬剤を投与したマウスに中性子ビームを照射した動物実験結果を用いて検証した。発表では、改良したSMKモデル及び検証結果の詳細を報告する。

論文

Estimation method of systematic uncertainties in Monte Carlo particle transport simulation based on analysis of variance

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(4), p.345 - 354, 2019/04

 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

モンテカルロ法に基づいた粒子輸送シミュレーションは、加速器施設の遮蔽計算等の様々な目的で利用されている。モンテカルロ法による計算結果の信頼性を定量的に評価するためには、試行回数によって決まる統計的不確かさに加えて、計算で使われる反応断面積や計算の入力情報となる遮蔽材の密度がもつ誤差の影響を系統的不確かさとして求める必要がある。本研究の評価方法は分散分析に基づいており、これを鉄やコンクリートを遮蔽材とする中性子の遮蔽計算の解析に適用し、統計的及び系統的不確かさの両方を評価可能であることを示した。その際、入力情報の値を誤差の範囲で変動させるランダム条件法の他、三条件(中央値,上限値及び下限値)のみ変動させる三条件法を提案した。ランダム条件法は計算体系に関わらず適切に系統的不確かさが評価できるものの長い計算時間を必要とするのに対し、入力情報の誤差の影響が複雑な場合を除いて、三条件法は計算時間を抑えてランダム条件法と同じ評価結果を与えることがわかった。さらに、試行回数を増加させた場合の収束状況を判断できる新しい基準値を示し、必要最小限の計算時間で収束した評価結果が得られることを明らかにした。

論文

Dosimetric impact of a new computational voxel phantom series for the Japanese atomic bomb survivors; Children and adults

Griffin, K.*; Paulbeck, C.*; Bolch, W.*; Cullings, H.*; Egbert, S.*; 船本 幸代*; 佐藤 達彦; 遠藤 章; Hertel, N.*; Lee, C.*

Radiation Research, 191(4), p.369 - 379, 2019/04

 パーセンタイル:100(Biology)

原爆生存者に対する被ばく線量評価は、幼児・小児・成人の3年齢群に対する幾何学形状人体ファントムを用いて実施されており、最新の結果はDS02レポートにまとめられている。しかし、幾何学形状ファントムは、人体の詳細な解剖学的特性を表現しておらず、また、年齢群も3つでは不十分との指摘があった。そこで、1945年の日本人体系を詳細に模擬した6年齢群に対するボクセル形状ファントムを開発し、解剖学的な違いが線量評価に与える影響を調査した。その結果、典型的な原爆被ばく条件に対して光子及び中性子による臓器吸収線量は最大でそれぞれ25%及び70%程度異なることが明らかとなった。本成果は、今後、原爆生存者に対する線量再評価を行う際に役立つと考えられる。

論文

アルファ線核医学治療のための薬剤開発の考察,2

矢野 恒夫*; 長谷川 功紀*; 佐藤 達彦; 蜂須賀 暁子*; 深瀬 浩一*; 平林 容子*

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス, 50(3), p.122 - 134, 2019/03

$$alpha$$線核医学治療(内用療法)は、従来の手法では治療が困難であった浸潤がんなどにも高い効果が期待できるため、世界各国でその薬剤開発や臨床試験が進められている。$$alpha$$線の飛程は細胞数個分と短いため、その治療効果を推定するためには、従来のような臓器レベルの線量評価ではなく、臓器微細構造や細胞レベルでの線量評価(マイクロドジメトリ)が必要となる。本稿では、これまで$$alpha$$線核医学治療を対象として行われてきたマイクロドジメトリ研究をレビューすると共に、現在、原子力機構や大阪大学で開発が進められているPHITS-SMKモデルを用いた生物学的線量評価モデルについて解説する。

論文

Nowcast and forecast of galactic cosmic ray (GCR) and solar energetic particle (SEP) fluxes in magnetosphere and ionosphere; Extension of WASAVIES to earth orbit

佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*; 石井 守*; 保田 浩志*; 三宅 晶子*; 三好 由純*; 上野 遥*; 永松 愛子*

Journal of Space Weather and Space Climate (Internet), 9, p.A9_1 - A9_11, 2019/03

巨大な太陽フレア発生時における宇宙飛行士のリアルタイム被ばく線量評価モデルの開発は、宇宙放射線防護研究で最も挑戦的なトピックの1つである。そこで、原子力機構では、科学研究費補助金(科研費)新学術領域PSTEPの枠組みで、国内の研究機関や大学と協力して、航空機被ばく警報システムWASAVIESを地球衛星軌道に拡張したWASAVIES-EOを開発した。WASAVIES-EOは、任意の地球衛星軌道上における巨大太陽フレア時の銀河宇宙線及び太陽高エネルギー粒子をリアルタイムで推定することができる。また、国際宇宙ステーション(ISS)の乗組員の実効線量当量も計算可能であり、その計算精度は、POSE衛星で測定した陽子フラックス及びISS内で測定した吸収線量により検証した。

論文

Transient ionization of the mesosphere during auroral breakup; Arase satellite and ground-based conjugate observations at Syowa Station

片岡 龍峰*; 西山 尚典*; 田中 良昌*; 門倉 昭*; 内田 ヘルベルト陽仁*; 海老原 祐輔*; 江尻 省*; 冨川 喜弘*; 堤 雅基*; 佐藤 薫*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 71, p.9_1 - 9_10, 2019/01

 パーセンタイル:100(Geosciences, Multidisciplinary)

2017年6月30日22時21分から26分(世界時)にかけて、昭和基地にあるPANSYレーダーによってオーロラ爆発時の中間圏における過渡電離が観測された。通常、中間圏における過渡電離は100keV以上の高エネルギー電子が中間圏まで到達することにより引き起こされるが、同時間帯においてあらせ衛星が観測した100keV以上の電子フラックスは有意な上昇を示していなかった。このことから、本イベントは、10keV以下の低エネルギー電子が大量に熱圏に降り注ぐことにより発生したX線による電離であるとの仮説を立てた。この仮説の妥当性を検証するため、粒子・重イオン挙動解析コードPHITSを用いて様々なエネルギースペクトルを持つ電子が大気上空に進入した場合の電離分布を計算した。その結果、10keV以下の電子でも中間圏において十分な電離を引き起こすことが可能であることが分かり、仮説の妥当性が証明された。

論文

A New Standard DNA Damage (SDD) data format

Schuemann, J.*; McNamara, A. L.*; Warmenhoven, J. W.*; Henthorn, N. T.*; Kirkby, K.*; Merchant, M. J.*; Ingram, S.*; Paganetti, H.*; Held, K. D.*; Ramos-Mendez, J.*; et al.

Radiation Research, 191(1), p.76 - 93, 2019/01

DNA損傷には様々なタイプがあり、異なった生物学的効果を引き起こす。過去数10年間、放射線照射によるDNA損傷の生成やそれらが引き起こす生物効果のシミュレーションが行われてきたが、各研究者が独自のデータフォーマットを用いて解析していたため、相互比較を行うことができなかった。そこで、本論文では、新しい標準DNA損傷データフォーマットを提案し、モデル間の相互比較を可能とする。これにより、放射線照射によるDNA損傷のメカニズム解明や放射線影響シミュレーション研究の活性化を図る。

論文

BNCTの治療効果を細胞レベルの線量分布から予測する

佐藤 達彦

Isotope News, (760), p.2 - 5, 2018/12

ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)の治療効果は薬剤の種類や濃度に依存することが知られていたが、その詳細な依存性やメカニズムは未だ解明されていなかった。そこで原子力機構では、他の研究機関と協力してBNCTの治療効果を細胞レベルでの線量解析結果から推定する新たな数理モデルを構築した。また、そのモデルを用いて、(1)薬剤治療効果比を高めるためには、より細胞核近傍に集積性を持ち細胞間に均一に分布するホウ素薬剤の開発が鍵となること、(2)治療計画を高度化するためには、薬剤治療効果比の吸収線量依存性を考慮することが重要であることを定量的に明らかにした。本稿では、開発した数理モデルの概要と特徴を解説する。

論文

Internal doses from radionuclides and their health effects following the Fukushima accident

石川 徹夫*; 松本 雅紀*; 佐藤 達彦; 山口 一郎*; 甲斐 倫明*

Journal of Radiological Protection, 38(4), p.1253 - 1268, 2018/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:38.14(Environmental Sciences)

本稿では、内部被ばく線量評価とそれに伴う健康影響研究の現状について解説する。その主な目的は、線量係数の不確定性について議論すること、外部被ばくと内部被ばくの放射線影響の違いについて比較すること、近年の疫学研究の結果をレビューすることである。その際、主に扱う放射性核種は、福島第一原子力発電所の事故による内部被ばく線量を評価する上で重要となる$$^{137}$$Cs, $$^{134}$$Cs, $$^{131}$$Iとした。本解説により、現状の科学的知見に基づく場合、内部被ばくによるリスクは同じ実効線量の外部被ばくによるリスクと比較してほぼ同等かやや低いと考えるのが妥当であると結論づけられた。

論文

Establishment of a novel detection system for measuring primary knock-on atoms

Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。

論文

Analysis of scintillation light intensity by microscopic radiation transport calculation and F$"{o}$rster quenching model

小川 達彦; 八巻 徹也*; 佐藤 達彦

PLOS ONE (Internet), 13(8), p.e0202011_1 - e0202011_19, 2018/08

 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)

シンチレータは、電子線, $$gamma$$線,陽子,重イオンなどの多様な種類の放射線を検知するために広く利用され、付与されたエネルギー量に応じた光を発する。シンチレータにおいては、エネルギー付与密度の高い重イオンのような粒子に対してはクエンチング現象が起こり、エネルギー付与量と比して発光が少なくなることが知られている。さらに、クエンチング現象は励起した蛍光分子が他の蛍光分子にエネルギーを受け渡すメカニズム(F$"{o}$rster効果)によって発生すると推測されている。そこで本研究では、様々なエネルギー・線種の放射線の照射を受けたシンチレータ内でのエネルギー付与を飛跡構造計算コードRITRACKSや汎用放射線輸送計算コードPHITSのT-SED機能により計算し、励起する蛍光分子の空間配置や量を予測した。この計算結果に基づき、各励起分子に対してF$"{o}$rster効果が発生する確率を計算し、励起した分子のうち発光する分子の数を計算した。その結果、電子入射の場合は入射エネルギーと発光量が比例するが、陽子入射の場合は入射エネルギーに対して発光量が非線形に増加し、特に低エネルギーの重イオンに対してはその非線形性がより強くなる実験値を正確に再現することができた。

論文

Cluster formation in relativistic nucleus-nucleus collisions

小川 達彦; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 仁井田 浩二*

Physical Review C, 98(2), p.024611_1 - 024611_15, 2018/08

 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

GeVからTeV級の原子核-原子核衝突による粒子生成は、重イオン加速器の安全設計や宇宙線被ばく評価などで非常に重要で、様々な反応モデルが考案されてきた。しかし、従来のモデルは核子間に働く相互作用が座標系に依存しており、運動する入射核と静止しているターゲット核が同じ座標系に移行すると本来は安定な核が壊れる問題があった。ここでは、人為的なバイアスを計算アルゴリズムに導入することで安定性を補っていたが、その副作用として残留核の質量や粒子の放出量が過小評価される問題があった。そこで、核子間の相互作用を座標系に依存しないよう記述した反応モデルJAMQMDを構築した。このモデルでは、原子核-原子核衝突反応を再現した際に核は座標系によらず安定を保ち、重陽子を含む多様な残留核の形成と二次粒子の生成も実験値をよく再現することも確認できた。さらに、3年前に開発された原子核-原子核衝突反応モデルJQMD Ver.2は3AGeV以下の入射エネルギーでしか適用できなかったが、JAMQMDでは入射エネルギーの制限をなくすことができた。そのため、JAMQMDは、放射線防護研究のみならず基礎研究の解析や計画などにも有益なモデルといえる。

論文

Comparison of cosmic-ray environments on earth, moon, mars and in spacecraft using PHITS

佐藤 達彦; 永松 愛子*; 上野 遥*; 片岡 龍峰*; 三宅 晶子*; 武田 和雄*; 仁井田 浩二*

Radiation Protection Dosimetry, 180(1-4), p.146 - 149, 2018/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:38.14(Environmental Sciences)

宇宙線環境は、太陽活動、磁場、遮へい効果の影響を受け、場所や時間によって大きく異なる。本研究では、原子力機構が中心となって開発している放射線挙動解析コードPHITSを用いて、地球・月・火星及び低軌道や惑星間空間にある宇宙機内の宇宙線環境を評価した。その際、惑星や宇宙機に入射する宇宙線フラックスは、ドイツDLRが開発した銀河宇宙線モデルと捕捉放射線モデルAP9/AE9を用いて再現し、宇宙機は、宇宙航空研究開発機構が開発した仮想国際宇宙ステーションモデルを用いて模擬した。そして、得られた結果を比較することにより、様々な宇宙線環境における最適な宇宙線遮へい方法に関して検討した。

論文

Radiation dose nowcast for the ground level enhancement on 10-11 September 2017

片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 三宅 晶子*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*

Space Weather, 16(7), p.917 - 923, 2018/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:2.3(Astronomy & Astrophysics)

2017年9月10-11日にかけて、太陽高エネルギー粒子(SEP)放出を伴う太陽フレアが発生した。SEPは、磁気圏や大気圏を突破することが可能なため、地上中性子モニタの計数率上昇(Ground Level Enhancement)や航空機高度における被ばく線量を上昇させる可能性がある。そこで我々は、航空機被ばく警報システムWASAVIESを用いてこのイベント時の航空機高度による被ばく線量を評価した。その結果、標準巡航高度(高度約12km)における被ばく線量は最大でも2$$mu$$Sv/h程度であり、人体に影響があるレベルではないことが分かった。

論文

Real time and automatic analysis program for WASAVIES; Warning system for aviation exposure to solar energetic particles

佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*; 石井 守*; 保田 浩志*; 三宅 晶子*; Park, I.*; 三好 由純*

Space Weather, 16(7), p.924 - 936, 2018/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:11.05(Astronomy & Astrophysics)

本研究では、航空機被ばく警報システムWASAVIESを改良し、太陽フレア時の航空機乗務員被ばく線量をリアルタイムで評価可能とした。具体的には、地上中性子モニタ計数率とGOES衛星により計測した高エネルギー陽子フラックスを5分毎にダウンロードし、そのデータを自動解析してWASAVIES物理モデルで必要となる4つのパラメータを決定することにより、世界各地での宇宙線被ばく線量の現況評価とその時間変化を予測するプログラムを開発した。改良したWASAVIESの性能は、21世紀に発生した3つの大きな太陽フレアイベントを解析することにより検証した。その結果、WASAVIESのリアルタイム線量評価結果は十分な精度を有するものの、その予報精度はイベント毎に大きく異なることが分かった。WASAVIESの結果は、近日中に情報通信機構の公開サーバーから発信される予定である。

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