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和田 成一*; 舟山 知夫; 松本 義久*; 大戸 貴代*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 柿崎 竹彦; 細井 義夫*; 鈴木 紀夫*; 小林 泰彦
no journal, ,
哺乳動物細胞のDNA2本鎖切断修復はおもに非相同性末端結合であり、この修復機構ではKu70/80がDNA損傷を認識することによって修復が開始すると考えられている。そこで、Ku80の高LET重イオンによるDNA損傷に対する反応を解析することにより、高LET重イオンによるDNA損傷に対する修復過程を調べた。照射細胞にはKu80の変異したxrs5細胞を形質転換し、GFPを融合したKu80を発現する細胞(xrs5-GFP-Ku80)と、GFPのみを発現する細胞(xrs5-GFP)を用いた。Arイオン(LET=1610keV/m)を照射した各細胞の生存曲線はほぼ同程度の感受性を示し、Arイオン照射によって生じたDNA損傷はKu80によって修復困難であることが示唆された。照射10分後ではH2AXとKuのGFPシグナルの共局在が観察されたが、照射20分後にはGFPシグナルが不明瞭になった。すなわちKuは高LET重イオン照射によるDNA損傷を認識するが、修復できずに損傷部位から解離すると推察された。
和田 成一; 小林 泰彦; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 松本 義久*; 大戸 貴代*; 細井 義夫*; 鈴木 紀夫*; 浜田 信行*; et al.
no journal, ,
高LET重イオン照射では修復困難な、又は修復不可能なDNA損傷のクラスター損傷が生じると考えられている。しかしながら、高LET重イオン照射によるDNA損傷の修復反応はいまだ詳細には解明されていない。DNA2本鎖切断修復はおもに非相同性末端結合によるので、非相同性末端結合を担うKuの高LET重イオン照射によるDNA損傷に対する反応を解析することにより、高LET重イオン照射による非相同性末端結合を調べた。照射細胞にはKu80の変異したxrs5細胞を形質転換し、GFPを融合したKu80を発現する細胞(xrs5-GFP-Ku80)とGFPのみを発現する細胞(xrs5-GFP)を用いた。照射には線及び原研高崎のTIARAにおいてイオンビーム(LET=2.71610keV/m)を照射した。xrs5-GFP-Ku80細胞はxrs5-GFP細胞よりも放射線抵抗性であることが観察された。不活化断面積を算出したとき、xrs5-GFP-Ku80細胞とxrs5-GFP細胞の不活化断面積の差はLETが増加するにつれて小さくなった。細胞核内のH2AXとKuを観察したとき、Cイオン(108keV/m)やNeイオン(321keV/m)照射では照射1030分後までH2AXとKuが共局在することが観察された。一方、Arイオン(1610keV/m)照射において照射10分後では細胞内に共局在するシグナルは観察されたが、照射20分後には明確なGFPシグナルの局在化は観察されなかった。LETによって非相同性末端結合の反応は異なっていた。
和田 成一; 舟山 知夫; 松本 義久*; 大戸 貴代*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 横田 裕一郎; 柿崎 竹彦; 細野 義夫*; 鈴木 紀夫*; et al.
no journal, ,
高LET重イオン照射細胞におけるDNA2本鎖切断の非相同性末端結合修復を解明するため、非相同性末端結合を担うKuのDNA損傷に対する反応を解析した。照射細胞にはKu80の変異したxrs5細胞を形質転換し、GFPを融合したxrs5-GFP-Ku80とGFPのみのxrs5-GFPを用いた。そして線及び各種イオンビーム(LET=2.71610keV/m)を照射し、細胞の生存率を調べた。いずれの照射でもxrs5-GFP-Ku80はxrs5-GFPよりも放射線抵抗性であり、不活性化断面積の差はLETが増加するにつれて小さくなった。細胞核内のH2AXとKuを観察したとき、Cイオン(108keV/m)照射では1030分後まで共局在が観察された。一方、Arイオン(1610keV/m)照射では、照射10分後は共局在するシグナルは観察されたが、照射20分後には明確な局在化は観察されず、LETによってDNA修復の非相同性末端結合の反応は異なっていた。
和田 成一*; 松本 義久*; 大戸 貴代*; 浜田 信行*; 原 孝光*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 深本 花菜; 柿崎 竹彦; 鈴木 芳代; et al.
no journal, ,
高LET重イオン照射による細胞致死効果は低LET放射線照射よりも高いことが広く知られている。この高い細胞致死効果の原因の一つは高LET重イオン照射による修復困難な、又は修復不可能なDNA損傷によると考えられている。しかし、この損傷の修復反応や修復過程のどの段階で修復が阻害されるかなど未だ詳細には解明されていない。哺乳動物細胞のDNA2本鎖切断修復はおもに非相同性末端結合であり、この修復機構ではKu70/80がDNA損傷を認識することによって修復が開始すると考えられている。そこで、Ku80の高LET重イオンによるDNA損傷に対する反応を解析することにより、高LET重イオンによるDNA損傷に対する修復過程を調べた。照射細胞にはKu80の変異したxrs5細胞を形質転換し、GFPを融合したKu80を発現する細胞(8xrs5-GFP-Ku80)とGFPのみを発現する細胞(xrs5-GFP)を用いた。Arイオン(LET=1610keV/m)を照射した各細胞の生存曲線はほぼ同程度の感受性を示し、Arイオン照射によって生じたDNA損傷はKu80によって修復困難であることが示唆された。照射10分後ではH2AXとKuのGFPシグナルの共局在が観察されたが、照射20分後にはGFPシグナルが不明瞭になった。すなわちKuは高LET重イオン照射によるDNA損傷を認識するが、修復できずに損傷部位から解離すると推察された。