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論文

Establishment of a novel detection system for measuring primary knock-on atoms

Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。

論文

Measurement of displacement cross sections of aluminum and copper at 5 K by using 200 MeV protons

岩元 洋介; 吉田 誠*; 義家 敏正*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 嶋 達志*

Journal of Nuclear Materials, 508, p.195 - 202, 2018/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.14(Materials Science, Multidisciplinary)

加速器施設の材料損傷評価で使用される放射線輸送計算コードのはじき出し損傷モデルを検証するため、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設において、極低温下での200MeV陽子照射による、はじき出し断面積の導出に必要な金属試料の照射欠陥に伴う電気抵抗増加を測定した。照射装置は、GM冷凍機を用いて2つの照射試料を同時に熱伝導冷却する構造とし、熱伝導と電気的絶縁性に優れた2枚の窒化アルミ板により、照射試料となる直径250$$mu$$mのアルミニウム及び銅線を挟み込む構造とした。その結果、ビーム強度3nA以下において温度5K以下を保ちつつ、欠陥に伴う金属の電気抵抗率増加の測定に成功した。また、照射前後の電気抵抗率変化、陽子フルエンス及びフレンケル対あたりの抵抗率増加から導出したはじき出し断面積は欠陥生成率を考慮したPHITSの計算値に近いことがわかった。

論文

Radiation damage calculation in PHITS and benchmarking experiment for cryogenic-sample high-energy proton irradiation

岩元 洋介; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 中本 建志*; 吉田 誠*; 石 禎浩*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 八島 浩*; et al.

Proceedings of 61st ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2018) (Internet), p.116 - 121, 2018/07

放射線挙動計算コードPHITSにより放射線照射による材料損傷評価の基礎データを解析するため、入射粒子と核反応から生成する二次粒子によるターゲット1次はじき出し原子(PKA)のエネルギーを考慮した照射損傷モデルを開発した。このモデルを用いた解析により、100MeV以上の高エネルギー陽子による照射損傷において、二次粒子により生成したターゲットPKAの寄与が入射陽子によるPKAの寄与に比べて大きいことがわかった。また、高エネルギー陽子照射に対する照射損傷モデルを検証するため、サンプルを極低温まで冷却するギフォード-マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置を開発した。本装置を用いて、125及び200MeV陽子を照射した銅とアルミニウムについて、はじき出し断面積に関連する極低温での欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。実験値と計算値の比較の結果、欠陥生成効率を考慮したはじき出し損傷の計算値が実験値を良く再現することがわかった。

論文

Features of particle and heavy ion transport code system (PHITS) version 3.02

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; Tsai, P.-E.; 松田 規宏; 岩瀬 広*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(6), p.684 - 690, 2018/06

 被引用回数:32 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITS Version 3.02を開発して公開した。核反応モデルや原子反応モデルを改良することにより、適応エネルギー範囲や精度を向上させた。また、計算効率を向上させる新しいタリーや、放射性同位元素を線源とする機能、医学物理分野にPHITSを応用する際に有用となるソフトウェアなど、様々なユーザーサポート機能を開発して、その利便性を大幅に向上させた。これらの改良により、PHITSは、加速器設計、放射線遮へい及び防護、医学物理、宇宙線研究など、幅広い分野で3000名以上のユーザーに利用されている。本論文では、2013年に公開したPHITS2.52以降に追加された新機能を中心に紹介する。

論文

日本原子力学会「2018年春の年会」部会・連絡会セッション,核データ部会「シグマ」特別専門委員会共催; 我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン,4; PHITSコードにおける核反応モデルの役割と高度化

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 仁井田 浩二*

核データニュース(インターネット), (120), p.26 - 34, 2018/06

放射線の挙動を模擬できる粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器の遮へい設計や宇宙線・地球科学、放射線防護研究等の広範な分野で利用されている。PHITSでは、放射線が引き起こす物理現象を輸送過程と衝突過程の2つに分けて記述しており、さらに核反応が含まれる衝突過程を「核反応の発生」、「前平衡過程」、「複合核過程」の3段階的に分けて計算することで模擬している。これらの計算では断面積モデルKurotamaや核反応モデルINCL4.6やJQMDといった数多くの物理モデルが使用されており、PHITSの信頼性を高めるために、我々は各モデルの高度化を行ってきた。本稿は、日本原子力学会2018年春の年会の企画セッション「我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン」における報告を踏まえ、PHITSにおける核反応モデルの役割を解説するとともに、近年我々が行ってきた様々なモデルの高度化や今後の展開についてまとめたものである。

論文

Measurement of displacement cross-section for structural materials in High-Power Proton Accelerator Facility

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 岩元 大樹; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 吉田 誠*; 石田 卓*; 牧村 俊助*; 中本 建志*

Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.499 - 501, 2018/06

核変換システム等のハドロン加速器施設では、ビーム出力の上昇に伴いターゲット材料に対する損傷の評価が重要となる。加速器施設で用いられているターゲット材料等の損傷は、原子あたりの弾き出し損傷(DPA)が広く用いられており、カスケードモデルに基づく計算で得られた弾き出し損傷断面積に粒子束を乗ずることで評価されている。DPAによる損傷評価は広く一般的に用いられているものの、20MeV以上のエネルギー範囲における陽子に対する損傷断面積の実験データは数点しかなく十分でない。最近の研究において、タングステンの弾き出し損傷断面積が計算モデル間で約8倍異なることが報告されており、ターゲット材料の損傷評価のためには弾き出し損傷断面積の実験データ取得が重要となる。そこで、我々はJ-PARC加速器施設の3GeVシンクロトロン加速器施設を用い、弾き出し損傷断面積の測定実験を開始した。弾き出し損傷断面積は、冷凍機(GM冷凍機)で極低温(4K)に冷却された試料に陽子ビームを照射し、照射に伴う抵抗率の変化により得ることができる。本発表では、銅に3GeV陽子を入射する場合の弾き出し損傷断面積の測定結果を速報として報告する。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,7; 高エネルギー領域への挑戦

執行 信寛*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 達彦

日本原子力学会誌, 60(5), p.294 - 298, 2018/05

加速器駆動未臨界炉システム(ADS)等の核設計における中性子生成や照射損傷量等の計算、放射線がん治療における二次粒子による被ばく線量等の計算において、実測データに基づき評価された20MeV以上の高エネルギー核データライブラリを用いた放射線輸送シミュレーションが重要な役割を果たす。また、実測データが計算コードに組み込まれている核反応モデルの精度検証や改良のために必要となる。本稿では重粒子線がん治療装置HIMACにおける中性子生成断面積、大阪大学核物理研究センターRCNPにおける遮蔽体中の中性子減衰及び京都大学原子炉実験所FFAG施設における照射損傷量の測定を紹介するとともに、国内で開発されている粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの進展について概観する。

論文

Implementing displacement damage calculations for electrons and $$gamma$$ rays in the Particle and Heavy-Ion Transport code System

岩元 洋介

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 419, p.32 - 37, 2018/03

 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

電子及び$$gamma$$線照射による原子当たりのはじき出し数(DPA)を計算するため、粒子・重イオン輸送計算コードシステム(PHITS)のモンテカルロはじき出し損傷計算手法を改良した。電子及び$$gamma$$線の損傷について、PHITSはEGS5アルゴリズムを用いて電磁カスケードを模擬し、電子に対する反跳原子のエネルギーからDPA値を計算する。PHITSとモンテカルロ支援の古典的手法(MCCM)による計算の比較から、10MeV以下の$$gamma$$線照射によるシリコン及び鉄のDPA値について、両者の計算値はよく一致することがわかった。10MeV以上において、PHITSは電子だけでなく光核反応から生成する荷電粒子によるDPA値を計算できる。30GeV以上の陽子照射による90cm厚さの炭素の損傷において、全DPA値に対する二次電子のDPA値の割合は10%以上であり、入射エネルギーが増えるにつれてその割合は増加することがわかった。

論文

Neutron production in deuteron-induced reactions on Li, Be, and C at an incident energy of 102 MeV

荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences (Internet), 146, p.11027_1 - 11027_4, 2017/09

 パーセンタイル:100

近年、核融合マテリアルの損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで、本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、100MeVの重陽子入射によるリチウム、ベリリウム及び炭素の中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6角度とし、飛行時間法により中性子エネルギーを導出した。中性子検出器に、大きさの異なる3台の液体有機シンチレータNE213(直径及び厚さが2インチ, 5インチ, 10インチ)を用い、中性子の飛行距離をそれぞれ7, 24, 74mとした。中性子検出効率は、SCINFUL-QMDコードの計算により導出した。実験結果から、中性子エネルギー強度分布は、重陽子入射エネルギーの半分のエネルギーにおいて、重陽子ブレークアップ過程に起因するなだらかなピーク構造を持つことがわかった。また、PHITSによる計算値は、理論モデルの不備から実験値をよく再現しないことがわかった。

論文

Experimental analysis of neutron and background $$gamma$$-ray energy spectra of 80-400 MeV $$^{7}$$Li(p,n) reactions under the quasi-monoenergetic neutron field at RCNP, Osaka University

岩元 洋介; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩瀬 広*; 嶋 達志*; 中村 尚司*

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.08019_1 - 08019_3, 2017/09

 パーセンタイル:100

100-400MeVの準単色中性子照射場の開発のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の100mトンネルにおいて、$$^{7}$$Li(p,n)反応から生成する中性子及び中性子場に混在する目的外放射線の$$gamma$$線のエネルギースペクトルを測定した。飛行時間法を用いて3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを測定し、放射線線量モニターDARWINの自動アンフォールディング機能を用いて0.1MeV以上の$$gamma$$線エネルギースペクトルを測定した。中性子スペクトルについて、3MeV以上の中性子収量に対するピーク成分である単色中性子収量の比は0.38-0.48であった。また、入射陽子エネルギー200MeV以上において、$$pi$$$$^{0}$$崩壊に伴う70MeV程度の高エネルギー$$gamma$$線を実測した。246MeV$$^{7}$$Li(p,n)反応について、70MeV近傍における中性子収量と$$gamma$$線収量は同程度であった。一方、全エネルギー領域の中性子線量に対する$$gamma$$線線量の比は0.014と、$$gamma$$線の全体の線量に対する寄与は小さいことがわかった。

論文

Characterization of the PTW 34031 ionization chamber (PMI) at RCNP with high energy neutrons ranging from 100 - 392 MeV

Theis, C.*; Carbonez, P.*; Feldbaumer, E.*; Forkel-Wirth, D.*; Jaegerhofer, L.*; Pangallo, M.*; Perrin, D.*; Urscheler, C.*; Roesler, S.*; Vincke, H.*; et al.

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.08018_1 - 08018_5, 2017/09

 パーセンタイル:100

欧州原子核研究機構(CERN)の放射線モニタとして、中性子、陽子、$$gamma$$線等の様々な放射線に対して有感な空気入り電離箱PTW-34031(PMI)が使用されている。PMIの各放射線に対する応答関数の計算では、CERNが開発を支援している放射線輸送計算コードFLUKAが用いられている。本研究では、このうち高エネルギー中性子に対するPMIの応答関数の精度検証のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の$$^{7}$$Li(p,n)反応を利用した準単色中性子照射場において、100-392MeVの準単色中性子に対するPMIの応答関数を測定した。その結果、200MeV以下の準単色中性子照射において、中性子エネルギースペクトルの測定値を線源としたFLUKAによる応答関数の計算値と実験値はよく一致しすることがわかった。一方、250及び392MeVの場合、中性子場に$$^{7}$$Li(p,n)反応から生成する$$pi$$$$^{0}$$の崩壊に伴う$$gamma$$線が混在するため、中性子のみを線源とした計算値は実験値を過小評価することがわかった。

論文

Recent improvements of particle and heavy ion transport code system: PHITS

佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 奥村 啓介; et al.

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.06008_1 - 06008_6, 2017/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.15

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構を中心とする日本やヨーロッパの研究所が共同で開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。現在、国内外2500名以上のユーザーが、加速器設計、放射線遮へい、放射線防護、医学物理、地球惑星科学など様々な分野で利用している。本発表では、PHITS2.52からPHITS2.82までの間に導入した新しい物理モデルや計算機能などを紹介する。

論文

Shielding experiments of concrete and iron for the 244 MeV and 387 MeV quasi-mono energetic neutrons using a Bonner sphere spectrometer (at RCNP, Osaka Univ.)

松本 哲郎*; 増田 明彦*; 西山 潤*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 八島 浩*; 嶋 達志*; et al.

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.08016_1 - 08016_3, 2017/09

 パーセンタイル:100

200MeV以上の準単色中性子に対するコンクリート及び鉄遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルをボナー球スペクトルメータ(BSS)を用いて測定した。246及び389MeVの陽子-$$^{7}$$Li反応を用いて準単色中性子を生成し、コンクリート及び鉄遮蔽体の厚さを、それぞれ25-300cm及び10-100cmとした。100-387MeVのエネルギーを持つ準単色中性子を用いて実測したBSSの応答関数とアンフォールディングコードMAXEDを用いて、遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルを導出した。その際、放射線輸送計算コードMCNPXを用いてBSSと遮蔽体の間の中性子多重散乱の効果を評価し、中性子エネルギースペクトルの補正を行った。その結果、エネルギースペクトルの実験値からコンクリート及び鉄遮蔽体の厚さに対する線量当量の変化を得ることができた。また、244MeVの中性子をコンクリートへ入射した場合、50cm以下の厚さにおいて線量当量に対する中性子多重散乱の影響が大きいことがわかった。

論文

Neutron spectrometry and dosimetry in 100 and 300 MeV quasi-mono-energetic neutron field at RCNP, Osaka University, Japan

Mares, V.*; Trinkl, S.*; 岩元 洋介; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 嶋 達志*; 中村 尚司*

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.08020_1 - 08020_3, 2017/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.15

大阪大学RCNPの準単色中性子場において、広いエネルギー範囲に対応した$$^{3}$$He比例計数管付属の改良型ボナー球スペクトロメータ(ERBSS)の応答特性を検証した。実験では、100及び300MeVの陽子ビームによる$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応で生成される96及び293MeVの準単色中性子のうち、0度と25度方向に生成する中性子を100m飛行時間(TOF)トンネルへ導き、ターゲットから35mの位置で中性子測定を行った。ERBSSによる波高データからアンフォールディングコードMSANDBを用いて、熱領域から数百MeVのエネルギースペクトルを導出した。また、同じ場所における液体有機シンチレータとTOF法を用いた測定により、3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを導出した。その結果、ERBSSによる結果は、中性子エネルギー5MeV以上において、TOFによる中性子エネルギースペクトルとよく一致し、両手法で得られたエネルギースペクトルに基づく周辺線量当量H$$^{*}$$(10)の値はよく一致した。

論文

PHITS version 2.88の特徴

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 岩瀬 広*; 仁井田 浩二*

放射線, 43(2), p.55 - 58, 2017/05

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構が中心となって開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。これまでに、放射線施設の設計、医学物理計算、放射線防護研究、宇宙線・地球惑星科学など、工学,医学,理学の様々な分野で国内外2,500名以上の研究者・技術者に利用され、現在もその応用範囲は拡がっている。本稿では、その最新版であるPHITS2.88の特徴をまとめる。

論文

Benchmark study of the recent version of the PHITS code

岩元 洋介; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 細山田 龍二*; 仁井田 浩二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(5), p.617 - 635, 2017/05

 被引用回数:14 パーセンタイル:0.75(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器遮蔽設計、医学物理計算など様々な目的で利用されている。本研究では、最新のPHITSバージョン2.88を用いて、核反応による粒子生成断面積、中性子輸送計算、電磁カスケード等に対する58ケースのベンチマーク計算を実施した。本稿では、このうち特徴的な結果を示した22のケースについて詳細に報告する。ベンチマーク計算の結果、100MeV以上の陽子、中性子、重イオン等の入射反応や電磁カスケードについては、PHITSによる計算結果は実験値を概ね再現した。一方、100MeV未満の粒子入射反応は、PHITSが設定を推奨している核内カスケードモデルINCL4の適用範囲外のエネルギー領域であるため、再現性が悪いことが確認された。また、100MeV以上の陽子入射反応のうち、核分裂成分の収率に対して、蒸発モデルGEMの高エネルギー核分裂過程の取り扱いの問題から実験値を再現しない場合があった。これらの課題は、評価済み核データJENDL4.0/HEをPHITSに組み込むこと等で改善していく予定である。以上のように、本研究でPHITSの様々な適用分野における計算精度を検証するとともに、今後の効率的な改善に重要な指針を得ることができた。

論文

Comparative study of Monte Carlo particle transport code PHITS and nuclear data processing code NJOY for recoil cross section spectra under neutron irradiation

岩元 洋介; 小川 達彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 396, p.26 - 33, 2017/04

 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

中性子照射による一次はじき出し原子(PKA)が金属中に欠陥を生成するため、PKAスペクトル計算の妥当性を検証することは放射線損傷の評価において重要である。本研究では、評価済核データライブラリーTENDL2015、ENDF/B-VII.1等と粒子・重イオン輸送計算コードPHITSのイベントジェネレータモード及び核データ処理コードNJOYとを組み合わせて、原子炉で使用される代表的な材料のPKAスペクトルを計算し、計算値の相互比較を行った。また、PKAスペクトルの積分値である熱値をPHITSを用いて計算し、核データライブラリーのACEファイルに格納されている値と比較した。その結果、全ての核種に対して、TENDL2015とPHITS及びNJOYを組み合わせて得られたPKAスペクトルの差は小さくなった。また、ENDF/B-VII.1の$$^{72}$$Ge, $$^{75}$$As, $$^{89}$$Y及び$$^{109}$$Agにおける反跳核のエネルギーと角度分布が正しくない、TENDL2015のACEファイルに格納されている熱値は、中性子捕獲反応の$$gamma$$線データが正しくないため、本反応が起こるエネルギー領域で問題があること等が確認された。一方、PHITS+TENDL2015は全ての核種に対してPKAスペクトルや熱値を正しく計算できることがわかった。

論文

Applicability of the two-angle differential method to response measurement of neutron-sensitive devices at the RCNP high-energy neutron facility

増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 中根 佳弘; 西山 潤*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 849, p.94 - 101, 2017/03

 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

大阪大学核物理研究センターRCNPの陽子-リチウム核反応を用いた高エネルギー準単色中性子場は、放射線測定器の特性試験や校正などに利用されている。この中性子場のエネルギースペクトルは、0度方向に放出される中性子によるピーク部とそれ以外の角度に放出される連続部からなる。このうち、各試験で対象とするエネルギーはピーク部であるが、われわれは、これまでに0度と他角度方向に設置した検出器応答から、連続部の寄与を差し引く二角度差分法を開発してきた。本研究では、高密度ポリエチレン(HDPE)減速材付属のボナー球検出器に対する本手法の適用性を、96-387MeVの準単色中性子を用いて調査した。その結果、様々な大きさのHDPEに対して本手法は適応可能であることを検証できた。一方で、小型のHDPEは、中性子場のコリメータ,壁等による低エネルギー散乱中性子に感度を有するため、二角度差分法の他に、検出器の設置角度毎に低エネルギー散乱中性子に対する検出器応答の補正が必要である等、本中性子場を利用するユーザーに対する有益な指針を示すことができた。

論文

Systematic measurement of double-differential neutron production cross sections for deuteron-induced reactions at an incident energy of 102 MeV

荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 842, p.62 - 70, 2017/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:15.42(Instruments & Instrumentation)

近年、核融合材料の損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、102MeVの重陽子入射によるリチウム,ベリリウム,炭素,アルミニウム,銅及びニオブの中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、ビーム軸に対して0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6角度とした。全ての実験値を評価済み核データファイルTENDL-2015の値及びPHITSコードによる計算値と比較した結果、TENDL-2015の値は全てのケースにおいて実験値を約1桁程過小評価するが、PHITSは重陽子ブレークアップ過程に起因する中性子生成断面積のピーク構造を除いて、実験値をよく再現することがわかった。

論文

Impact of PHITS spallation models on the neutronics design of an accelerator-driven system

岩元 大樹; 西原 健司; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 松田 規宏; 佐藤 達彦; 原田 正英; 前川 藤夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1585 - 1594, 2016/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:9.72(Nuclear Science & Technology)

The impact of different spallation models and parametrisations of nucleon-nucleus interactions in PHITS on nuclear characteristics of an accelerator-driven system (ADS) is investigated. Cut-off neutrons below 20 MeV calculated by a current default option of the spallation model (i.e., Li${`e}$ge Intranuclear Cascade (INC) model version 4.6, INCL4.6) are found to be 14% less than those by the old spallation model (it i.e. Bertini INC model). This decrease increases the proton beam current that drives the 800-MW thermal power, and impacts various ADS parameters, including material damage, nuclear heating of the proton beam window (PBW), and the inventory of spallation products. To validate these options based on the ADS neutronics design, we conduct benchmark calculations of the total and nonelastic cross sections, thick target neutron yields, and activation reaction rate distributions. The results suggest that Pearlstein-Niita systematics, which is a default option of the nucleon-nucleus interaction parametrisation, would be best option and that the Bertini INC is better suited for cut-off neutrons than INCL4.6. However, because of the difficulty in making a definite conclusion on the spallation models, we conclude that relatively large uncertainty in the cut-off neutrons, which is the difference between the two spallation models (i.e. 14%), should be considered.

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