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論文

Measurement of activation cross sections of aluminum for protons with energies between 0.4 GeV and 3.0 GeV at J-PARC

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.171 - 174, 2019/01

核破砕中性子源や核変換システムの核設計の精度向上のためには高精度な核反応断面積が必要となり、コスト削減やより精度の高い遮蔽設計のためには放射化断面積の精度向上が必要とされる。放射化断面積は、これまでに既存施設において測定されてきたものの実験データにおいてバラつきが大きく必ずしも十分な精度でない。特にJ-PARCの核破砕中性子源で用いられている3GeV陽子のデータはほとんどないため、ターゲット構造材の更なる安全性向上のために実験データが必要となる。そこで我々は、J-PARCの加速器施設を用いてターゲット構造材や窓材に使用される核種の測定するためにタングステン、金、インジウム、及びベリリウムの放射化断面積を0.4, 1.3, 2,2及び3GeVの陽子に対し測定した。また試料固定用に設置したアルミニウムの放射化断面積を測定することにより実験の妥当性を検証した。測定で得た実験データを評価済み核データ(JENDL-HE 2007)、及び核内カスケードモデル計算と比較検討した。この結果、アルミニウムの実験結果は、JENDL-HE 2007は実験と比較的よい一致を示すことがわかった。一方、PHITSの核内カスケードモデルによる計算は、実験を約40%程度過小評価することがわかった。この過小評価の原因はPHITSに含まれる蒸発過程モデル(GEM)に問題があることが考えられ、GEMの改良により実験結果を再現できることが分かった。アルミニウム以外の核種は現在解析中であるが、PHITSコードによる計算結果は実験値を再現するものとしないものとあり体系的に比較する必要がある。

論文

Measurement of displacement cross sections of aluminum and copper at 5 K by using 200 MeV protons

岩元 洋介; 吉田 誠*; 義家 敏正*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 嶋 達志*

Journal of Nuclear Materials, 508, p.195 - 202, 2018/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.17(Materials Science, Multidisciplinary)

加速器施設の材料損傷評価で使用される放射線輸送計算コードのはじき出し損傷モデルを検証するため、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設において、極低温下での200MeV陽子照射による、はじき出し断面積の導出に必要な金属試料の照射欠陥に伴う電気抵抗増加を測定した。照射装置は、GM冷凍機を用いて2つの照射試料を同時に熱伝導冷却する構造とし、熱伝導と電気的絶縁性に優れた2枚の窒化アルミ板により、照射試料となる直径250$$mu$$mのアルミニウム及び銅線を挟み込む構造とした。その結果、ビーム強度3nA以下において温度5K以下を保ちつつ、欠陥に伴う金属の電気抵抗率増加の測定に成功した。また、照射前後の電気抵抗率変化、陽子フルエンス及びフレンケル対あたりの抵抗率増加から導出したはじき出し断面積は欠陥生成率を考慮したPHITSの計算値に近いことがわかった。

論文

Proton-induced activation cross section measurement for aluminum with proton energy range from 0.4 to 3 GeV at J-PARC

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(8), p.955 - 961, 2018/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:38.14(Nuclear Science & Technology)

大強度陽子加速器施設(J-PARC)において広く用いられる構造材に対する陽子入射の核破砕反応による放射化断面積をシステマティックに測定するための一連の実験を開始した。J-PARCの3GeVシンクロトロン陽子加速器施設において提案した測定方法の妥当性の確認のため、実験データが比較的豊富に存在するアルミニウムの断面積を測定した。陽子入射に伴い、アルミニウムより$$^{7}$$Be, $$^{22}$$Na、および$$^{24}$$Naを生成する断面積を、0.4, 1.3, 2.2, 3.0GeVのエネルギーに対し測定した。有効照射陽子数決定法により実験データの妥当性を確認し、問題ないことを確認した。本実験で得た断面積を、既存の実験データ,評価済み核データ(JENDL-HE/2007)およびPHITSによる計算値と比較した。JENDL-HE/2007は実験データと一致を示したものの、PHITSによる計算値は40%程度過小評価した。この原因には、PHITSに用いられる蒸発モデルに起因すると考えられたため、Furihataにより提案されたGEMモデルを適用したところ、実験を再現できるようになった。

論文

Design study of beam window for accelerator-driven system with subcriticality adjustment rod

菅原 隆徳; 江口 悠太; 大林 寛生; 岩元 大樹; 松田 洋樹; 辻本 和文

Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 10 Pages, 2018/07

本研究では、加速器駆動核変換システム(ADS)の大きな課題の一つであるビーム窓の設計検討を行った。ADS炉心に未臨界度調整棒を導入し、燃焼期間中の陽子ビーム電流値を低減することでビーム窓の設計条件を緩和し、新たな設計条件で検討を行った。ADS核計算においては、ADS3Dコードを使用し、未臨界度調整棒を導入することで陽子ビーム電流値を従来の20mAから13.5mAへ低減できることを示した。この条件を元に、ビーム窓および核破砕ターゲットに対して、陽子・中性子輸送計算(PHITSコード)、熱流動解析(STAR-CCM+コード)、構造解析(ANSYSコード)を実施した。これらの連成解析の結果、成立性の高いビーム窓概念の設計条件を提示した。最も堅牢な概念は、半球型で外径470mm、先端厚さ3.5mm、座屈圧力9となる概念である。

論文

Radiation damage calculation in PHITS and benchmarking experiment for cryogenic-sample high-energy proton irradiation

岩元 洋介; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 中本 建志*; 吉田 誠*; 石 禎浩*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 八島 浩*; et al.

Proceedings of 61st ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2018) (Internet), p.116 - 121, 2018/07

放射線挙動計算コードPHITSにより放射線照射による材料損傷評価の基礎データを解析するため、入射粒子と核反応から生成する二次粒子によるターゲット1次はじき出し原子(PKA)のエネルギーを考慮した照射損傷モデルを開発した。このモデルを用いた解析により、100MeV以上の高エネルギー陽子による照射損傷において、二次粒子により生成したターゲットPKAの寄与が入射陽子によるPKAの寄与に比べて大きいことがわかった。また、高エネルギー陽子照射に対する照射損傷モデルを検証するため、サンプルを極低温まで冷却するギフォード-マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置を開発した。本装置を用いて、125及び200MeV陽子を照射した銅とアルミニウムについて、はじき出し断面積に関連する極低温での欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。実験値と計算値の比較の結果、欠陥生成効率を考慮したはじき出し損傷の計算値が実験値を良く再現することがわかった。

論文

Measurement of activation cross sections of the target and the proton beam window materials at J-PARC

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012016_1 - 012016_4, 2018/06

核破砕中性子源や核変換システムの核設計の精度向上のためには、高精度な核反応断面積が必要となり、今後重要と考えられる加速器施設のデコミッショニングのシナリオ構築のためには放射化断面積の精度向上が必要とされる。放射化断面積は、これまでに既存施設において測定されてきたものの、実験データにおいてバラつきが大きく必ずしも十分な精度でない。特にJ-PARCの核破砕中性子源で用いられている3GeV陽子のデータはほとんどないため、ターゲット構造材の更なる安全性向上のために実験データが必要となる。そこで我々は、J-PARCの加速器施設を用いてターゲット構造材に使用される核種の測定を行う予定とし、テスト実験としてアルミの放射化断面積を0.4, 1.3, 2,2及び3GeVの陽子に対し測定した。この結果、本実験のデータは、精密はビーム制御と高精度はモニタにより、既存の実験より高精度なデータを取得できることがわかった。本実験データを用いて評価済み核データ(JENDL-HE 2007)と核内カスケードモデルの計算結果との比較を行った。この結果、JENDL-HE 2007は実験と比較的よい一致を示すことがわかった。一方、PHITSの核内カスケードモデルによる計算は、実験を約40%程度を過小評価することがわかった。この過小評価の原因はPHITSに含まれる蒸発過程モデル(GEM)に問題があることが考えられ、GEMの改良により実験結果を再現できることが分かった。

論文

The Measurements of neutron energy spectrum at 180 degrees with the mercury target at J-PARC

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012017_1 - 012017_4, 2018/06

180$$^{circ}$$方向に放出される核破砕中性子は将来のADS(加速器駆動未臨界システム)の遮蔽計算や核物理の観点から重要である。しかし、測定の困難さからこれまでほぼ全く測定されてこなかった。われわれは初めて180$$^{circ}$$方向に放出された水銀核破砕中性子のエネルギースペクトルをJ-PARCのMLFへの陽子ビーム輸送ライン(3NBT)においてNE213液体シンチレーターを用いて測定した。ターゲットに照射される陽子エネルギーは3GeVで、強度は1$$times$$10$$^{10}$$個以上である。中性子のエネルギーはn-$$gamma$$弁別を用いて信号を分離した後飛行時間法で決定した。またPHITSを用いて実験のセットアップを模して計算を行い、実験値との比較を行なった。本稿では実験概要及び測定結果などを報告する。

論文

Target test facility for ADS and cross-section experiment in J-PARC

明午 伸一郎; 岩元 大樹; 松田 洋樹; 武井 早憲

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012072_1 - 012072_4, 2018/06

J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)では、加速器駆動システム(ADS)のためのターゲット開発を行うためにADSターゲット試験施設(TEF-T)及び未臨界炉心の物理的特性等を探索するための核変換物理実験施設(TEF-P)の建設を計画している。本セクションでは、TEF-Tの核設計評価、陽子ビーム輸送系及び付帯設備の検討を進めており、これらの現状については報告を行う。また、本セクションではTEF-Pへ10W以下となる微弱なビームを安定に供給するために、TEF-Tに入射する大強度の負水素ビームにレーザーを照射しレーザー荷電変換によるビーム取り出し法の技術開発を行っており、この現状について報告する。更に、施設の更なる安全のために、J-PARC加速器施設を用いて核反応断面積測定や弾き出し損傷(DPA)断面積の測定を行う予定としており、これらの現状についても報告する。

論文

Shielding analysis of Transmutation Experimental Facility

岩元 大樹; 松田 洋樹; 明午 伸一郎

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012049_1 - 012049_4, 2018/06

400MeVに加速された最大出力250kWの負水素イオンビームを条件に、J-PARCセンターが建設を計画している核変換実験施設(TEF: Transmutation Experimental Facility)におけるADSターゲット試験施設(TEF-T: ADS Target Test Facility)の遮蔽解析を行った。解析にはMonte Carlo粒子輸送計算コードPHITSを使用し、高エネルギー核反応モデルにINCL4.6及びGEMを用いた。解析対象は鉛ビスマス標的から生成される中性子を遮蔽するターゲットステーション、ビーム調整に使用するビームダンプ、鉛ビスマス標的を取り扱うホットセル、及び400-MeV LINACから鉛ビスマス標的までのビーム輸送系の遮蔽構造とし、解析によりTEF-T全体の施設の構造を決定した。さらに、解析の結果、鉛ビスマス標的から陽子ビーム入射に対し180度方向に生成・放出される中性子が施設の遮蔽設計に重大な影響を与えることが分かった。

論文

Measurement of displacement cross-section for structural materials in High-Power Proton Accelerator Facility

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 岩元 大樹; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 吉田 誠*; 石田 卓*; 牧村 俊助*; 中本 建志*

Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.499 - 501, 2018/06

核変換システム等のハドロン加速器施設では、ビーム出力の上昇に伴いターゲット材料に対する損傷の評価が重要となる。加速器施設で用いられているターゲット材料等の損傷は、原子あたりの弾き出し損傷(DPA)が広く用いられており、カスケードモデルに基づく計算で得られた弾き出し損傷断面積に粒子束を乗ずることで評価されている。DPAによる損傷評価は広く一般的に用いられているものの、20MeV以上のエネルギー範囲における陽子に対する損傷断面積の実験データは数点しかなく十分でない。最近の研究において、タングステンの弾き出し損傷断面積が計算モデル間で約8倍異なることが報告されており、ターゲット材料の損傷評価のためには弾き出し損傷断面積の実験データ取得が重要となる。そこで、我々はJ-PARC加速器施設の3GeVシンクロトロン加速器施設を用い、弾き出し損傷断面積の測定実験を開始した。弾き出し損傷断面積は、冷凍機(GM冷凍機)で極低温(4K)に冷却された試料に陽子ビームを照射し、照射に伴う抵抗率の変化により得ることができる。本発表では、銅に3GeV陽子を入射する場合の弾き出し損傷断面積の測定結果を速報として報告する。

論文

Cross section measurement in J-PARC for neutronics of the ADS

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹

Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05

核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)$$^7$$Be, Al(p,x)$$^{22}$$Na及びAl(p,x)$$^{24}$$Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30$$%$$程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40$$%$$程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。

論文

Profile monitor on target for spallation neutron source

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 武井 早憲

Proceedings of 6th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2017) (Internet), p.373 - 376, 2018/03

J-PARCセンターの核破砕中性子源(JSNS)やJ-PARCセンターで進めている核変換実験施設では、標的に入射する大強度陽子ビームの形状を測定するために、発光型のプロファイルモニタの開発を行っている。このため、量子科学技術研究開発機構の高崎量子応用研究所のTIARA施設において、アルミナ発光型のプロファイルモニタの試験をArビーム(エネルギ150MeV)を用いて行った。実際の使用が予定される耐放射線性型のファイバイメージスコープを用いてビーム形状を測定したところ、明瞭な形状が得られることが確認された。さらに、発光体のビームに起因する発光量の劣化をスペクトロメータを用いて測定した。その結果、700nmより長波長領域では2.5時間程度の照射時間で20%程度の発効劣化が観測された。一方、700nmより短波長領域では著しい劣化が無いことが確認されたため、測定する波長を選択することにより劣化の影響を防げることがわかった。本発表ではまた、JSNSで用いているプロファイルモニタの現状について報告を行う。

報告書

J-PARC核変換実験施設・ADSターゲット試験施設における鉛ビスマス漏洩事象時の影響評価

岩元 大樹; 前川 藤夫; 松田 洋樹; 明午 伸一郎

JAEA-Technology 2017-029, 39 Pages, 2018/01

JAEA-Technology-2017-029.pdf:2.68MB

J-PARC核変換実験施設のADSターゲット試験施設において、250kW出力ビーム運転時に ターゲットとして使用される鉛ビスマスが鉛ビスマス循環系から漏洩し、放射性物質が排気筒か ら外部へ放出された場合の事業所境界における公衆が受ける被ばく線量について、様々な保守的 仮定を想定しながら評価した。その結果、事業所境界における被ばく量は約660$$mu$$Svであり、その大部分は鉛ビスマスから核破砕生成物として発生する水銀, 希ガスおよびヨウ素による寄与であることがわかった。保守的な事象想定にもかかわらず、被ばく量の合計は一般公衆が受ける年間被ばく量よりも低い値であり、本施設が放射性物質の漏洩に対して十分な安全裕度を持つことが示された。

論文

Measurement of aluminum activation cross section and gas production cross section for 0.4 and 3-GeV protons

明午 伸一郎; 西川 雅章; 岩元 大樹; 松田 洋樹

EPJ Web of Conferences (Internet), 146, p.11039_1 - 11039_4, 2017/09

 パーセンタイル:100

J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミからなる陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。実験では、J-PARCの3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射するビームを用い、RCSのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4GeV及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)$$^7$$Be-7、Al(p,x)$$^{22}$$Na及びAl(p,x)$$^{24}$$Na反応の断面積を残留核から生成する$$gamma$$線の測定から導出した。さらに物質・生命科学実験施設内に設置されたミュオン生成用の炭素ターゲットから生成するガスを四重極質量分析器で分析し、炭素のガス生成断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること、陽子ビームがよくコリメートされていること、更に陽子エネルギが高精度に測定できること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できることがわかった。また、本測定で得られた結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30$$%$$程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。さらにTEFの核設計に用いられているPHITSコードよる計算結果との比較を行った。PHITSに最新の核内カスケードモデルによる計算は、概ね実験を再現するものの40$$%$$程度の過小評価を与えることがわかった。本研究や今後の反応断面積測定により核データや核反応モデルの高度化が期待できる。

口頭

J-PARC MLF水銀標的からの後方角核破砕中性子のスペクトル測定

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

no journal, , 

原子力機構等が提唱する加速器駆動システム(ADS)では、数GeVに加速された陽子を鉛ビスマス融解塩に入射し、核破砕中性子によりマイナーアクチニド等の核変換を行う。中性子源からの後方角に放出される中性子の挙動が遮蔽の観点で重要となる。J-PARCの核破砕中性子源(MLF)においても、水銀標的上流側のビーム輸送系の機器において放射化が発生しており、この原因の特定はMLFの大強度ビームの安定運転に必要となる。そこでMLFにおいて水銀標的からの入射陽子に対して180度方向に生成する中性子の絶対強度スペクトルをシンチレータ(BC501A)で測定した。測定の結果、ビーム損失で起因する中性子生成は無視できる程小さく、線源から後方角に生成する中性子による放射化が発生していることがわかった。またPHITSの計算との比較を行い、1MeV以上のエネルギ範囲においてスペクトル形状および強度は実験と良い一致を示すことがわかった。

口頭

極低温高エネルギー陽子照射装置の開発と200MeV陽子を用いたはじき出し断面積測定

岩元 洋介; 吉田 誠*; 義家 敏正*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 嶋 達志*

no journal, , 

加速器施設の材料損傷評価で使用されるPHITSのはじき出し損傷モデルを検証するため、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設において、極低温下での200MeV陽子照射による、はじき出し断面積の導出に必要な金属試料の照射欠陥に伴う電気抵抗増加を測定した。照射装置は、GM冷凍機を用いて、2つの照射試料を同時に熱伝導冷却する構造とし、熱伝導と電気的絶縁性に優れた2枚の窒化アルミ板により、照射試料となる直径250$$mu$$mのアルミニウム及び銅線を挟み込む構造とした。その結果、ビーム強度3nA以下において温度5K以下を保ちつつ、欠陥に伴う金属の電気抵抗増加の測定に成功した。また、照射前後の電気抵抗率変化、陽子フルエンス及びフレンケル対あたりの抵抗率増加から導出したはじき出し断面積は、アルミニウムで353(b), 銅で1640(b)であり、欠陥生成率を考慮したPHITSの計算値に近いことがわかった。

口頭

J-PARC MLF水銀標的から放出される180度方向核破砕中性子エネルギースペクトルの測定

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹

no journal, , 

現在、世界各国で研究開発が進められているADSを含む大強度中性子源施設は、標的の周りに重厚な遮蔽体を置くことで周囲の線量を低く抑える構造となっているが、標的上流側の180$$^{circ}$$方向には陽子ビームダクトを介して大量の核破砕中性子が漏洩し、この漏洩中性子が施設の遮蔽設計に重大なインパクトを与える。そのため、核反応モデルによる180$$^{circ}$$方向における核破砕中性子エネルギースペクトルの予測精度の向上は、当施設の遮蔽設計に極めて重要である。本研究では、大強度陽子加速器施設J-PARCの加速器から加速された3GeV陽子ビームを物質生命科学実験施設MLFの水銀標的に照射し、標的から180$$^{circ}$$方向に放出される核破砕中性子のエネルギースペクトル測定実験を実施した。測定実験では、飛行時間法を用い、核破砕中性子収量が支配的である0.5MeVから20MeV付近のエネルギー領域を測定した。標的から約125m上流側に設置された偏向電磁石付近に液体有機シンチレータを設置し、様々なビーム強度を変更した条件において中性子エネルギースペクトルを測定した。オフライン解析により、パイルアップ及び検出効率を考慮した補正を行い、中性子エネルギースペクトルを決定した。PHITSコードに組み込まれている核反応モデルとの比較の結果、INCL4.6/GEMは0.8MeVから20MeVの範囲で実験値をよく再現することが分かった。

口頭

J-PARCにおける0.4-3GeV陽子を用いた弾き出し断面積測定

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 牧村 俊助*; 中本 建志*; 石田 卓*

no journal, , 

大強度陽子加速器施設に用いられるターゲット及び窓の損傷評価は、計算モデルによる弾き出し損傷(DPA)の断面積に基づくDPAが広く用いられるが、20MeV以上の陽子の実験値がほとんどないため、DPA断面積の計算モデル検証は十分にされていない。このため我々は、J-PARCにおいて0.4GeVから3GeV陽子入射による様々な弾き出し断面積の測定を行う。DPA断面積は、陽子を試料に照射する際の抵抗率変化を1フランケル対欠損当たりの抵抗率変化で除することで得ることができる。照射による試料の損傷を保つため、試料はGM冷凍機の先端に照射試料を取り付けて極低温状態とした。試料には銅線(直径0.25mm)を用い、照射前の欠損の減少のため800$$^{circ}$$Cで焼鈍した。実験は3GeVシンクロトロン(RCS)から物質・生命実験施設(MLF)にビームを輸送する3NBT施設で行い、微弱ビームを用いて行う。既に実験装置はビームラインに設置してあり、J-PARCのビーム運転が可能な圧力に達した。低温試験による到達温度は試料を取り付けるロッドにおいて4Kであったが、試料周辺では熱流入等により20Kとなり予想よりも少し高い温度になったものの実験が行える条件を準備することができた。本講演では、実験装置の準備状況について報告し、ビーム形状の断面積への影響について議論を行う。

口頭

The Analytical prediction of inventories and physicochemical composition of spallation products produced in Lead-Bismuth Eutectic of Accelerator Driven System

宮原 信哉*; 有田 裕二*; 大平 直也*; 佐々 敏信; 前川 藤夫; 松田 洋樹

no journal, , 

鉛ビスマス共晶(LBE)合金は加速器駆動システム(ADS)の核破砕中性子ターゲットや冷却材として用いられ、核破砕生成物として多くの元素が生成するため、その放出および輸送挙動を評価することが重要である。そこで、J-PARCのADSターゲット試験施設(TEF-T)のLBEループについて、LBE中に生成する核破砕生成物のインベントリおよび物理化学的組成について検討した。LBE内の核破砕生成物インベントリは、PHITSコードを使用して評価した。LBE中の核破砕生成物の物理化学的組成は、350$$^{circ}$$C$$sim$$500$$^{circ}$$CのLBE運転温度及びLBE中の酸素濃度10ppb$$sim$$1ppmの条件下、Thermo-Calcコードを用いて計算した。計算の結果、Hg, Tl, Au, Os, Tcの5元素がすべての条件下でLBEに可溶であり、化合物は形成されなかった。Ce, Zr及びYの酸化物はLBE中でCeO$$_{2}$$, ZrO$$_{2}$$およびY$$_{2}$$O$$_{3}$$として安定であることが示唆された。

口頭

ADSにおける鉛ビスマス中の核破砕生成物の物理化学形態に関する研究,1; 核破砕精製物量の評価

前川 藤夫; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 宮原 信哉*; 有田 裕二*; 大平 直也*

no journal, , 

加速器駆動核変換システム(ADS)の標的兼冷却材である鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の核破砕生成物の物理化学形態評価のため、J-PARCのADSターゲット試験施設(TEF-T)のLBEループについて、PHITSコードにより核破砕生成物量を評価した。

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