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渡邉 友章; 須山 賢也; 多田 健一; Ferrer, R. M.*; Hykes, J.*; Wemple, C. A.*
Nuclear Science and Engineering, 198(11), p.2230 - 2239, 2024/11
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)先進的格子計算コードCASMO5用の新しい核データライブラリをJENDL-5に基づいて作成した。JENDL-5では、従来の軽水炉解析に不可欠な多くの核種の核データが最新の評価に基づいて更新されている。新しいJENDL-5ベースのCASMO5ライブラリは、現行のCASMO5用ENDF/B-VII.1ベースのライブラリの核データを可能な限りJENDL-5に置き換えることにより作成された。本研究では、この新しいライブラリの検証と妥当性の確認を行った。OECD/NEA燃焼度クレジット臨界安全ベンチマークフェーズIII-Cに基づき検証を行い、計算されたk及びBWR燃料集合体の燃料組成を報告されているベンチマーク結果と比較した。また、同じベンチマークモデルを用いてMCNP6.2の結果との比較も行った。さらに、TCA臨界実験と高浜3号照射後試験を検証に用いた。その結果、新しいライブラリは、軽水炉システムの反応度及び燃料組成の予測において、ENDF/B-VII.1ベースのライブラリと同等かつ良好な性能を示した。
Rochman, D.*; 湊 太志; 渡邉 友章; 他52名*
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 10, p.9_1 - 9_83, 2024/10
This paper summarized the efforts performed to understand decay heat estimation from existing spent nuclear fuel (SNF), under the auspices of the Working Party on Nuclear Criticality Safety (WPNCS) of the OECD Nuclear Energy Agency. Needs for precise estimations are related to safety, cost, and optimization of SNF handling, storage, and repository. The physical origins of decay heat (a more correct denomination would be decay power) are then introduced, to identify its main contributors (fission products and actinides) and time-dependent evolution. Due to limited absolute prediction capabilities, experimental information is crucial; measurement facilities and methods are then presented, highlighting both their relevance and our need for maintaining the unique current full-scale facility and developing new ones. The third part of this report is dedicated to the computational aspect of the decay heat estimation: calculation methods, codes, and validation. Different approaches and implementations currently exist for these three aspects, directly impacting our capabilities to predict decay heat and to inform decision-makers. Finally, recommendations from the expert community are proposed, potentially guiding future experimental and computational developments.
須山 賢也; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 島田 和弥; 藤田 達也; 植木 太郎; Nguyen, H.
JAEA-Conf 2024-001, 40 Pages, 2024/07
第12回臨界安全性国際会議(ICNC2023)は2023年10月1日から10月6日に仙台国際センター(〒980-0856宮城県仙台市青葉区青葉山)において、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の主催、日本原子力学会炉物理部会と経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の共催によって開催された。最終的に査読を通過した224件の発表と273名のテクニカルセッション参加登録があり、同伴者を含めた総登録数は289名であった。テクニカルツアーもi)東京電力福島第一原子力発電所及び中間貯蔵工事情報センター、ii)原子力機構原子力科学研究所(STACY更新炉及びFCA)、iii)東北大学ナノテラス(放射光施設)及び東北電力女川原子力発電所の3コースで実施された。会議の概要とともに、発表された論文で予稿集掲載に合意されたものを本報告書に取り纏めた。
渡邉 友章; 山根 祐一
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.958 - 966, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核分裂性溶液の沸騰を伴う臨界事故では、沸騰中に比較的高い核分裂出力が継続するため、放出される総核分裂エネルギーが高くなる傾向がある。このような場合において総核分裂エネルギーを推定するためには、沸騰中の核分裂出力変化を正確に模擬することが必要不可欠と考えられる。沸騰時の核分裂出力は、核分裂性物質の濃度や溶液の蒸発に伴う体積によって変化する。本研究では、長時間の沸騰における核分裂生成物濃度と体積の変化が総核分裂エネルギー推定に与える影響を調査した。改良準定常法に核分裂性溶液の蒸発を計算するモデルを導入し、沸騰中の出力変化を模擬した。3つのCRAC実験と1959年のIdaho Chemical Processing Plant(ICPP)臨界事故を解析した。その結果、沸騰時の濃度と体積変化を考慮して得られたエネルギー計算値は、エネルギー測定値をよく再現した。
渡邉 友章
炉物理の研究(インターネット), (77), 3 Pages, 2024/06
2024年4月にサンフランシスコで開催された炉物理国際会議PHYSOR2024に参加した。本報告では、会議の様子や会議参加を通じて得られた所感等について述べる。
渡邉 友章; 植木 太郎; 須山 賢也
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/04
原子力機構が開発中のモンテカルロソルバーSolomonは、燃料デブリの臨界性評価を目的とした複数の物質の乱雑体系における臨界性の計算が可能である。本研究では、Solomonを用いて燃料乱雑体系の臨界量計算を実施することにより、燃料デブリの臨界量計算へのSolomonの適用性を検討した。臨界量計算では、燃焼度の異なる燃料と水が乱雑に分布するような燃料乱雑体系に対してSolomonの不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)モデルあるいはボクセル形状によりモデル化された。また、単純な均質系及び不均質系の臨界量計算を行い、燃料乱雑体系の臨界量と比較した。その結果、燃料の乱雑化によって臨界量が大きく変化することが分かった。得られた臨界量は正規分布に近い分布をしており、臨界量の不確かさをSolomonにより得られた標準偏差により推定できる見通しが得られた。また、燃料の乱雑さによる不確かさを考慮した場合、Solomonによって得られた臨界量は単純な非均質体系のものよりも小さくなるケースが見いだされた。この結果から、Solomonが燃料デブリの臨界安全評価において妥当な安全裕度の推定などに有用である可能性が示された。
渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1386 - 1396, 2023/11
被引用回数:4 パーセンタイル:65.16(Nuclear Science & Technology)使用済み燃料の核種組成を計算する燃焼計算は核データに大きく依存する。日本における最新の評価済み核データJENDL-5では多くの核種がJENDL-4.0から修正されており、その修正は燃焼計算に影響を及ぼす。本研究では、燃焼計算におけるJENDL-5の妥当性を確認した。検証には高浜3号機のPIEデータを使用した。JENDL-4.0からJENDL-5への例えば断面積や核分裂収率等のパラメータ変更が核種組成に与える影響を定量的に調査した。計算の結果、JENDL-5はJENDL-4.0と同程度の性能を有することがわかった。また計算結果から、アクチニド核種の断面積、核分裂収率、HO中の水素の熱中性子散乱則データの変更がPWR使用済燃料の核種組成に影響を与えることが明らかになった。
渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10
2021年に公開された最新の日本の評価済み核データライブラリであるJENDL-5では、U-235を始めとした重核種や可燃性毒物として燃料に含まれるGd-155及びGd-157の断面積が修正されている。また、燃焼燃料の特性把握に必要不可欠な核分裂収率や崩壊データが全面的に見直されている。本研究では、JENDL-5の妥当性確認の一環として、これらJENDL-5において修正された核データが燃焼燃料の核特性に与える影響を調査した。BWRの99型STEP-3燃料に基づくOECD/NEA燃焼ベンチマークPhase III-CをJENDL-4.0とJENDL-5を用いて解析を行い、両者のk
を比較した。その結果、JENDL-5は燃焼を通じてk
を小さく評価し、12GWd/tのk
のピークあたりで約600pcmの大きな差異が生じること、また20GWd/t以降は燃焼度の増加につれて差異が拡大し、50GWd/tで約600pcmに達することが分かった。また本研究では、核種毎にJENDL-4.0からJENDL-5に核データを入れ替えて計算を行うことで、k
の差異にどの核種の核データが寄与しているかを調査した。
須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 山根 祐一; 井澤 一彦; 長家 康展; 菊地 丈夫; et al.
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 6 Pages, 2023/10
2011年の福島第一原子力発電所の事故により発生した燃料デブリの臨界安全性評価において採用される手法の妥当性を臨界実験で得られたデータに基づいて検証するため、NRAからの委託により原子力機構は2014年から関連研究開発プロジェクトを実施している。このプロジェクトにおいては、i)燃料デブリの臨界特性の網羅的計算とデータベース化(燃料デブリ臨界マップの開発)、ii)新しい連続エネルギーモンテカルロコードの開発、iii)臨界事故の評価、iv)臨界安全性評価手法の検証実験のための臨界集合体STACYの改良などが行われている。前回のICNC2019以降、本プロジェクトは2024年5月に正式運転を開始するSTACYの改造やパワースペクトルに準拠した空間ランダム分布を持つ物質の臨界計算に適したモンテカルロコード「Solomon」の開発で大きな進展があった。本発表では、この研究開発プロジェクトの全体像と各技術トピックの状況について紹介する。
郡司 智; 荒木 祥平; 渡邉 友章; Fernex, F.*; Leclaire, N.*; Bardelay, A.*; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)と日本原子力研究開発機構(JAEA)は、臨界安全分野において長年のパートナーシップを築いている。今回の共同研究でIRSNとJAEAは、JAEAが更新する新しい臨界実験装置STACYを用いた共同実験を計画している。STACY実験の計画で両機関が使用するコード(MVP3, MORET6など)や核データ(JENDL, JEFF)を比較するため、両機関がかつて所有していた臨界集合体であるApparatus BとTCAのICSBEPハンドブックからのベンチマーク、新しいSTACYの計算モデルについて計算結果の比較が実施された。新STACYの計算モデルを含め、数種類の中性子減速条件と臨界水高さを含む計算を行い、その計算結果には、核データライブラリの処理や形式に起因すると思われるわずかな系統的な差異があった。しかし、新しいコードと新しい核データを含む計算結果は、概して実験値とよく一致することがわかった。したがって、双方の有する計算ツールを新STACYの実験設計に利用することに問題はない。加えて、JENDL-5に含まれる新しいTSLデータが実効増倍率に与える影響についても計算解析で調査した。これらの計算結果に対する実験的検証は、両研究機関共同による新STACYの臨界実験によって行われる予定である。
須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大
Proceedings of 20th International Symposium on the Packaging and Transportation of Radioactive Materials (PATRAM22) (Internet), 5 Pages, 2023/06
1990年代以降計算機能力が向上して連続エネルギーモンテカルロコードが広く使用されるようになってから、どのような複雑な体系であっても必要なときに高精度な臨界計算が可能となり、臨界安全評価におけるハンドブック類の存在意義は大きく変化した。大量の計算をあらかじめ行ってデータを整理しておくことの価値は低下したため、1999年に第2版が公刊されて以降、過去四半世紀近く我が国では臨界安全ハンドブックの改訂は行われて来なかった。2011年に福島第一原子力発電所事故が発生した我が国では、複雑な構成元素を含む燃料デブリの輸送や貯蔵における臨界安全問題を取り扱う必要に迫られており、そのような複雑な物質の臨界安全管理のためのデータの整理が喫緊の課題となっている。また、燃焼度クレジットの分野では、事故の影響のために到達燃焼度の低い燃料集合体の輸送や貯蔵も課題となる。そして、連続エネルギーモンテカルロコードの入力となる核データは1990年代から数回改訂されてJENDL-5が2021年末から利用できるようになるなど、その取り入れも現場のニーズとして上がってきている。本報告では我が国における最新の臨界安全研究の概要と、輸送や貯蔵分野に適用することも可能な我が国における臨界安全ハンドブックの改訂計画について報告する。
外池 幸太郎; 渡邉 友章; 郡司 智; 山根 祐一; 長家 康展; 梅田 幹; 井澤 一彦; 小川 和彦
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理は、臨界を防止する決定論的な管理ではなく、臨界による影響を緩和するリスクの考え方に基づいた管理になる可能性がある。この課題に取り組むため、原子力規制委員会・規制庁は、2014年から、日本原子力研究開発機構に委託して研究開発を進めてきている。燃料デブリの臨界特性解析、臨界解析コードの整備、臨界実験の準備、リスク解析手法の開発の進捗について報告する。
渡邉 友章; 大久保 清志*; 荒木 祥平; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/09
The fuel debris produced by the accident of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) is probably in a state of mixture of burned fuels with different burnups each other. In such a case, the mixing ratio of burned fuels in fuel debris would affect its criticality. This report shows computation results of criticality characteristics of fuel-debris compositions prepared by mixing nuclide compositions of burned fuels in various patterns based on a fuel loading pattern. The results indicate that fuel debris is potentially subcritical when 1-cycle fuels, whose average burnup is several GWd/t, are included homogeneously in fuel debris because remaining Gd and
Gd in 1-cycle fuels works to reduce neutron multiplication. The results also indicate that
Gd/
U ratio well characterize criticality of fuel debris.
Michel-Sendis, F.*; Gauld, I.*; Martinez, J. S.*; Alejano, C.*; Bossant, M.*; Boulanger, D.*; Cabellos, O.*; Chrapciak, V.*; Conde, J.*; Fast, I.*; et al.
Annals of Nuclear Energy, 110, p.779 - 788, 2017/12
被引用回数:77 パーセンタイル:99.18(Nuclear Science & Technology)SFCOMPO-2.0 is the new release of the NEA database of experimentally measured assays, i.e. isotopic concentrations from destructive radiochemical analyses of spent nuclear fuel samples, complemented with design information of the fuel assembly and fuel rod from which each sample was taken, as well as with relevant information on operating conditions and characteristics of the host reactors, which are necessary for the modelling and simulation of the isotopic evolution of the fuel during irradiation. SFCOMPO-2.0 has been developed and is maintained by the OECD Nuclear Energy Agency (NEA) under the guidance of the Expert Group on Assay Data of Spent Nuclear Fuel (EGADSNF) of the NEA Working Party on Nuclear Criticality Safety (WPNCS). In this paper, the new database is described. Applications of SFCOMPO-2.0 for computer code validation, integral nuclear data benchmarking, and uncertainty analysis in nuclear waste package analysis are briefly illustrated.
渡邉 友章; 植木 太郎; 須山 賢也
no journal, ,
原子力機構が開発中のモンテカルロソルバーSolomonは、燃料デブリの臨界評価を目的とした多種物質乱雑体系での臨界計算が可能である。本研究では、Solomonを用いて数種類の燃焼燃料が乱雑に分布する体系での臨界量解析を実施した。その結果、燃料組成の乱雑さにより臨界量に有意なばらつきが生じることを確認した。得られた臨界量は正規分布に近い形で分布しており、燃料組成の乱雑さを考慮した臨界量とその不確かさを、臨界量平均値及び標準偏差の形で評価できる見通しを得た。
渡邉 友章; 須山 賢也; 多田 健一; Ferrer, R.*; Hykes, J.*
no journal, ,
JENDL-5に基づくCASMO5用核データライブラリを作成し、TCA臨界実験及び高浜3号機PIEの解析を通じて現行のENDF/B-VII.1ライブラリとの比較を行い、その妥当性を確認した。ライブラリ作成では、断面積に加え崩壊データや核分裂収率など、ENDF/BVII.1に基づくデータが可能な限りJENDL-5のデータで置き換えられた。TCA臨界実験解析の結果、全ての実験ケースでJENDL-5ライブラリの方がENDF/B-VII.1ライブラリよりわずかに実効増倍率を大きく評価する傾向が見られ、この傾向はMVP3.0を用いた同様の解析でも確認された。PIE解析では、ENDF/B-VII.1ライブラリとほぼ同等の解析結果が得られ、またCsなど一部の核種ではC/E値の改善が見られた。
渡邉 友章; 菊地 丈夫; 外池 幸太郎; 須山 賢也
no journal, ,
燃焼計算コードの妥当性確認に必要な照射後試験データの拡充のため、大飯発電所4号機で先行照射された1717型高燃焼度燃料(約53GWd/t)から得られた9試料について、ペレット中の核種組成測定を実施した。SWAT4.0を用いた燃焼計算を行い、測定結果と比較した。
吉川 智輝; 井澤 一彦; 荒木 祥平; 渡邉 友章; 郡司 智; 岩橋 大希*; 柴 茂樹*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し時の臨界安全管理技術の開発のため、JAEAでは臨界実験装置STACYを溶液体系から燃料棒と軽水で構成する非均質熱体系への改造を行った。STACYは2024年4月に初臨界を迎え、初臨界及び性能検査について格子間隔、臨界水位、燃料棒本数の異なる5種類の炉心を構成した。本発表では上記の5種類の炉心の臨界データ及びMVP2で解析した結果を報告する。
飯村 秀紀*; 渡邉 友章; 須山 賢也
no journal, ,
核燃料中の核種組成や放射能を計算する燃焼計算には、半減期や崩壊分岐比などの崩壊データが必要である。最新の評価済み核データライブラリJENDL-5の崩壊データのほとんどは評価済核構造データファイル(ENSDF)のデータが用いられている。ENSDFは利用可能な実験データを評価して定期的に更新されているものの、最新の改訂は多くの核種について10年以上前であり、評価データも古くなっている。そこで、ENSDFの更新に向けていくつかの核種の崩壊データについて新たに評価を行うとともに、JENDL-5の崩壊データとの比較を行った。結果の一例として、放射性廃棄物の管理上重要な核データであるI-129の崩壊半減期について、最新の文献を調査し、文献値に対して
検定等の統計解析を行った結果、古い評価値を含めた平均値ではなく、最新の文献値を推奨値とすべきと判断した。この値はJENDL-5の崩壊データの値と比較して約3%ほど大きくなった。また、不確かさや放出エネルギー(Q値)についても、今回評価した結果と比べて差異があることが分かった。
渡邉 友章; 相澤 直人*; 千葉 豪*; 多田 健一; 山本 章夫*
no journal, ,
現在、核燃料の核種組成を計算する燃焼計算では、燃焼ステップ毎に中性子輸送計算を行い中性子スペクトルの変化を考慮する手法が主流となっている。この手法は高精度である一方、中性子輸送計算の大きな計算コストが問題となる場合がある。そのため、固有直交分解(POD)を用いて中性子スペクトルを再構成に基づく高速かつ高精度な燃焼計算手法の開発を行っている。本発表では手法の概要とPWRのUO燃料ピンセルモデルにおける検討結果を報告する。本手法では、様々な入力パラメータに対する詳細燃焼計算により得られた多数の中性子束に対してPODによる次元削減を行い、低次元化した中性子束とパラメータを関係づける回帰モデルを構築する。この回帰モデルに計算対象である任意の入力パラメータを与えて中性子束を再構成し、燃焼計算を行う。本手法により、中性子輸送計算を行うことなく、入力条件に基づく中性子スペクトルの変化を考慮した燃焼計算を行うことができる。検討の結果、展開係数を5次まで考慮することにより、詳細計算と比較して核種インベントリを数パーセント以内の差異で計算できる見通しが得られた。