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論文

Role of micropores, mass transfer, and reaction rate in the hydrothermal alteration process of plagioclase in a granitic pluton

湯口 貴史*; 菖蒲澤 花穂*; 小北 康弘*; 八木 公史*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

American Mineralogist, 104(4), p.536 - 556, 2019/04

 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)

結晶質岩内部における過去の流体の化学的特性を復元するためには、流体の化学的特性を記録しつつ形成された変質鉱物を研究対象とすることが有効となる。そこで本研究は、中部日本の土岐花崗岩体中に認められる斜長石の熱水変質プロセスを斜長石中の微小孔の役割、物質移動、反応速度の観点から論じ、斜長石の変質をもたらす熱水の化学的特徴の変遷について検討した。斜長石の変質はアルバイト化,カリ長石化、およびイライトの形成により特徴づけられる。本研究では、(1)変質領域と非変質領域の微小孔の分布特性の相違、(2)反応式の構築による斜長石変質に伴う流入・流出成分の解明、(3)イライトK-Arの年代決定に基づく変質年代・温度条件の推定、(4)斜長石の変質をもたらす年代・温度条件における熱水の化学的特徴の時間的な推移について論じた。

論文

Position-by-position cooling paths within the Toki granite, central Japan; Constraints and the relation with fracture population in a pluton

湯口 貴史*; 末岡 茂; 岩野 英樹*; 五十公野 裕也*; 石橋 正祐紀; 檀原 徹*; 笹尾 英嗣; 平田 岳史*; 西山 忠男*

Journal of Asian Earth Sciences, 169, p.47 - 66, 2019/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.4(Geosciences, Multidisciplinary)

本研究は、中部日本に位置する土岐花崗岩体を研究対象とし、熱年代学的な手法で冷却履歴(温度-時間履歴)を取得した。10本のボーリングコアから採取された15試料に対して、ジルコンU-Pb年代,黒雲母K-Ar年代,ジルコンフィッション・トラック(FT)年代,アパタイトFT年代、およびFTデータの逆解析からなる温度-時間履歴を提示した。得られた岩体内部の複数地点の冷却履歴の相違を比較し、その位置的な相違を生む原因について言及した。これは熱進化モデルの構築に資するデータとなる。また花崗岩内における物質移動は、水みちとして機能する割れ目により大きく支配されることから、割れ目の分布特性と得られた温度-時間履歴の関連について検討を行った。

論文

Spatial distribution of the apatite fission-track ages in the Toki granite, central Japan; Exhumation rate of a Cretaceous pluton emplaced in the East Asian continental margin

湯口 貴史*; 末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

Island Arc, 26(6), p.e12219_1 - e12219_15, 2017/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:49.96(Geosciences, Multidisciplinary)

本報告では、中部日本の東濃地域、土岐花崗岩体のアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代の空間分布を明らかにした。AFT年代の空間分布は低温条件での花崗岩の3次元的な冷却史を解明することに有用である。低温条件の冷却史の解明は、岩体の上昇速度の解明に有用となる。そこで、本報告ではAERs(age-elevation relationships)とHeFTyプログラムによるAFT逆解析に基づいて土岐花崗岩体の上昇速度について考察を行った。

論文

花崗岩類中の鉱物分布および鉱物組合せとその量比(モード組成)の新たな評価手法の構築; 走査型X線分析顕微鏡で取得した元素分布図を用いた画像解析

石橋 正祐紀; 湯口 貴史*

応用地質, 58(2), p.80 - 93, 2017/06

花崗岩類中の鉱物分布やモード組成は、その形成過程の検討、花崗岩類中の割れ目の分布特性や基質中の物質移動を理解する上で有用な情報である。モード解析手法としては、ポイントカウンティング法、電子顕微鏡など用いた画像解析手法などが提案される。しかし、既存手法では観測者の技量や解析可能な領域が狭いなどの課題がある。そこで、本研究は、測定領域が広い走査型X線分析顕微鏡(SXAM)で取得した元素分布図を用いて、鉱物個々の化学組成の不均質性を考慮し、花崗岩類中の二次鉱物も含めた鉱物分布とモード組成を簡易かつ客観的に評価できる新たな手法(MJPD法)を提示する。MJPD法は、各鉱物から出力される元素のX線強度分布を正規分布と仮定し、X線強度のバラつきを考慮して各画素の鉱物種を同定可能とした。土岐花崗岩の肉眼観察で顕著に変質を被る試料と被らない試料を対象としてMJPD法の妥当性を検証した結果、岩石薄片程度であれば、SXAMで約10,000秒測定することで簡易にモード組成が把握でき、かつ鉱物分布図の構築が可能であることを確認した。また、MJPD法は、他の機器で取得した元素分布図にも適用可能であり、今後の適用の拡大が期待できる。

論文

Long term behavior of hydrogeological structures associated with faulting; An Example from the deep crystalline rock in the Mizunami URL, Central Japan

石橋 正祐紀; 吉田 英一*; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史*

Engineering Geology, 208, p.114 - 127, 2016/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:21.11(Engineering, Geological)

断層周辺に発達するダメージゾーンは、選択的な物質移動経路となりうることから、これらの水理学的な特長およびその長期変遷を把握することは重要である。そこで、本研究では瑞浪超深地層研究所の深度300mおよび500mにおける調査結果に基づき、ダメージゾーン中の透水性割れ目の特徴とその長期変遷について検討を行った。ボーリング調査や坑道壁面観察の結果から、断層周辺岩盤は3つのステージを経て現在に至ると考えられ、それぞれのステージでダメージゾーン中の透水性割れ目の透水性が変化していたと考えられる。1stステージは初生的な割れ目が形成されるステージ、2ndステージは断層運動に伴いダメージゾーンが形成されるステージ(透水性が増加)、3rdステージは割れ目充填鉱物が形成され、ダメージゾーン内の割れ目が充填または閉塞されるステージ(透水性の低下)である。3rdステージでは、割れ目内に未固結の充填物も形成され、これがダメージゾーン中の透水性割れ目の透水性をより低下された可能性がある。以上より、日本のような変動帯において、断層影響を評価する上では断層の発達ステージを考慮して検討することが重要である。

論文

Zircon growth in a granitic pluton with specific mechanisms, crystallization temperatures and U-Pb ages; Implication to the "spatiotemporal" formation process of the Toki granite, central Japan

湯口 貴史*; 岩野 英樹*; 加藤 丈典*; 坂田 周平*; 服部 健太郎*; 平田 岳史*; 末岡 茂; 檀原 徹*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; et al.

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(1), p.9 - 34, 2016/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:58.43(Mineralogy)

花崗岩体の形成・発達に関する熱進化の解明は、大陸地殻の発達・進化を考える上で、有用な知見をもたらすことができる。本研究ではジルコンに着目し、(1)カソードルミネッセンス像観察に基づくジルコンの内部構造の分類: LLC (low luminescence core)/ OZ (oscillatory zonation)、(2)Ti-in-zircon温度計より内部構造ごとの結晶化温度の決定、(3)内部構造ごとのU-Pb年代の決定を実施し、ジルコンの成長は2つのイベントを経ることを見出した。

論文

Formative mechanism of inhomogeneous distribution of fractures, an example of the Toki Granite, Central Japan

笹尾 英嗣; 湯口 貴史*; 伊藤 康人*; 井上 貴至*; 石橋 正祐紀

Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2015/09

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、割れ目ネットワークの理解は物質移動特性を評価する上で重要な課題である。本報告では、土岐花崗岩を事例として、割れ目の不均一な分布の成因を検討した。土岐花崗岩では、浅部に低角度および高角度傾斜の割れ目の多い部分があるが、深部では割れ目の数は減少し、高角度傾斜割れ目が卓越する。また、高角度傾斜割れ目の密度分布は不均一である。熱年代学および古地磁気学的研究からは花崗岩形成初期には冷却速度が速く、地磁気方位がばらつくことが明らかになった。これらのことから、花崗岩は急速冷却期に不均一に歪が分布し、その結果として脆性領域に達した際に歪分布に基づいて、不均一に割れ目が形成されたと考えられる。このことから、割れ目ネットワークの理解には、花崗岩冷却過程の理解が必要である。

論文

Hydrothermal chloritization processes from biotite in the Toki granite, Central Japan; Temporal variations of the compositions of hydrothermal fluids associated with chloritization

湯口 貴史; 笹尾 英嗣; 石橋 正祐紀; 西山 忠男*

American Mineralogist, 100(5-6), p.1134 - 1152, 2015/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:61.37(Geochemistry & Geophysics)

花崗岩における地球化学的特徴の将来的な変遷を予測するためには、今日にいたるまでの花崗岩体で生じた現象(たとえば熱水変質や岩石-水反応)の長期的変遷を理解することが、重要な視点の1つとなる。そこで、本論文では中部日本に位置する土岐花崗岩体において黒雲母から緑泥石への熱水変質プロセスの解明を行った。花崗岩体の熱水変質の中で、黒雲母の緑泥石化は広い温度条件で生ずることが報告されており、かつ花崗岩体を通して普遍的に観察される。このため、変質に伴う鉱物と熱水流体間の物質移動に着目することで、花崗岩体内の熱水流体の化学的特徴の長期的な変遷を明らかにした。土岐花崗岩体中における緑泥石化に伴って生じる鉱物の組み合わせの違いは、熱水から流入する成分の相違に支配されることが明らかとなった。このことは、熱水に含有する化学成分の不均質性を示す。また、緑泥石化が進行するにつれ、熱水流体中のケイ素とカリウム,塩素が増大し、金属成分とカルシウムが減少する化学的特徴の経時的な変化を明らかにした。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2013年度

濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 川本 康司; 山田 信人; 石橋 正祐紀; 村上 裕晃; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; 真田 祐幸; et al.

JAEA-Review 2014-038, 137 Pages, 2014/12

JAEA-Review-2014-038.pdf:162.61MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2013年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

論文

深部結晶質岩における割れ目の形成・充填過程と透水性割れ目の地質学的特徴;土岐花崗岩を例として

石橋 正祐紀; 安藤 友美*; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史; 西本 昌司*; 吉田 英一*

応用地質, 55(4), p.156 - 165, 2014/10

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、長期的な透水性構造の変遷を考慮する必要がある。そのため、本研究では透水性割れ目の特徴に着目し、地下約300mの水平坑道から取得したデータに基づいて、透水性割れ目の変遷について検討を行った。その結果、深度300mの坑道では1670本の割れ目が認められ、そのうち約11%の割れ目が透水性割れ目であった。透水性割れ目のうち、グラウト材で充填されるような割れ目は、割れ目周辺母岩の変質が顕著ではなく、方解石で充填される。一方で、グラウト材で充填されていないが、少量の湧水を伴う割れ目は、水みちとして機能していないと考えられるシーリング割れ目と類似した特徴を示す。割れ目充填鉱物と割れ目周辺母岩の変質に基づくと、これらの割れ目は、花崗岩の貫入・定置(ステージI)後の冷却過程における形成及び熱水活動時期における充填(ステージII)、その後の隆起・侵食に伴う開口・伸長(ステージIII)といった履歴が考えられた。また、現在の透水性割れ目は、ステージIIにおいて割れ目の充填による透水性の低下を被るが、その後の隆起・侵食に伴う開口又は伸長による透水性の増大によって形成されたと考える。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2012年度

濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一*; 丹野 剛男*; 真田 祐幸; 尾上 博則; et al.

JAEA-Review 2013-050, 114 Pages, 2014/02

JAEA-Review-2013-050.pdf:19.95MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

報告書

瑞浪超深地層研究所における深度500mまでの地球化学調査および調査技術開発

岩月 輝希; 湯口 貴史; 大森 一秋; 長谷川 隆; 宗本 隆志

JAEA-Research 2013-021, 63 Pages, 2013/12

JAEA-Research-2013-021.pdf:13.42MB

瑞浪超深地層研究所計画第2段階の調査研究では、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」において構築された地球化学モデルの妥当性を確認するとともに、施設建設が周辺の地球化学特性に与える影響の観測とそれに基づく将来予測を行った。第3段階の調査研究では、坑道で利用する調査技術として地下水の酸化還元電位の観測技術、コロイド/有機物の調査技術の開発を行った。深度500mまでの調査研究の結果、堆積岩及び花崗岩における施設操業、維持管理時の水質変化が、塩分濃度の異なる地下水の混合状態の変化に起因することが明らかになった。また、坑道周辺の地下水の水質が将来的に花崗岩浅部の地下水の組成に変化していくことが明らかになった。これらの結果に基づき、第1段階及び第2段階の調査にかかわる留意点として、地球化学特性の擾乱にかかわる高透水性の地質構造に焦点を当てたモニタリングの考え方や多変量解析の有効性を提示することができた。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2011年度

國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; et al.

JAEA-Review 2013-018, 169 Pages, 2013/09

JAEA-Review-2013-018.pdf:15.71MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階及び第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

報告書

瑞浪超深地層研究所の深度300m研究アクセス坑道で実施したグラウト充填割れ目を含む岩石試料の採取と薄片作成・観察

湯口 貴史; 石橋 正祐紀; 森川 佳太; 國丸 貴紀

JAEA-Data/Code 2013-004, 38 Pages, 2013/06

JAEA-Data-Code-2013-004.pdf:15.49MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。超深地層研究所計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定めている。2005年3月には第1段階の研究を終了し、現在は、第2段階及び第3段階における調査研究を進めている。本研究は第3段階における物質移動に関する調査研究の一環として、2011年度に深度300m研究アクセス坑道において、グラウト材が充填された割れ目(グラウト充填割れ目)を含む岩石試料を採取し、琢磨薄片の作成及び観察を実施した。グラウト材は、深度300m研究アクセス坑道の先行ボーリング時及び坑道掘削時の湧水抑制対策のために、水みちに充填された。このためグラウト充填割れ目は、地下水や物質の移動経路と捉えることが可能である。本報告書はグラウト充填割れ目を含む岩石試料の採取の手法及び琢磨薄片作成・観察結果を取りまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画地質・地質構造に関する調査研究; 深度300mまでの地質・地質構造

窪島 光志; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦; 田上 雅彦*; 湯口 貴史

JAEA-Research 2012-037, 78 Pages, 2013/03

JAEA-Research-2012-037.pdf:235.85MB

日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。現在は、第2段階及び第3段階における調査研究を進めている。そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書は、今後の調査研究に資するため、第2段階における地質・地質構造の調査研究結果に基づき、深度300mまでに認められた地質・地質構造を取りまとめた。また、本取りまとめ結果は、第2段階で更新された地質構造モデルに反映した。

論文

The Spatial variation of initial $$^{87}$$Sr/$$^{86}$$Sr ratios in the Toki granite, Central Japan; Implications for the intrusion and cooling processes of a granitic pluton

湯口 貴史; 鶴田 忠彦; 濱 克宏; 西山 忠男*

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 108(1), p.1 - 12, 2013/02

 被引用回数:9 パーセンタイル:51.14(Mineralogy)

本稿は、中部日本に位置する土岐花崗岩体からストロンチウム同位体比初生値の空間分布を示し、それを用いて岩体の貫入・定置過程及び冷却固化過程を提示する。7本のボーリングコアから採取された14試料に基づき、土岐花崗岩体の全岩Rb-Sr年代は71.04Maとの結果を得た。この年代は土岐花崗岩体が貫入・定置した時代を示す。また土岐花崗岩体のストロンチウム同位体比初生値は0.708507から0.709409までの幅(不均質性)を持つ。ストロンチウム同位体比初生値の不均質性と花崗岩体内の化学組成の不均質性との比較検討の結果、土岐花崗岩体は貫入・定置の際に、地殻の混成作用並びに分別結晶作用が複合的に生じて形成されたことを明らかにした。また地殻の混成の影響の大きい場所から冷却されたという冷却固化過程に関しても言及を行った。

論文

Three-dimensional fracture distribution in relation to local cooling in a granitic body; An Example from the Toki granitic pluton, Central Japan

湯口 貴史; 田上 雅彦*; 鶴田 忠彦; 西山 忠男*

Engineering Geology, 149-150, p.35 - 46, 2012/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:58.14(Engineering, Geological)

本紙は、中部日本に位置する土岐花崗岩体の割れ目頻度の空間分布を示し、それと岩体中の冷却挙動との関連について評価を行った。19本のボーリング孔のBTV情報から、割れ目頻度の空間分布は2つの傾向を示す。1つは花崗岩体の中心部分で高い頻度を持ち、もう1つは標高が下がるにつれ頻度が減少する。サブソリダス反応組織の発達の程度は、花崗岩体の冷却過程の指標となるパラメータである。隣り合う2つの位置で測定したサブソリダス組織の発達程度の差を、この2点間の距離で割った値を、局所冷却速度と定義する。土岐花崗岩体中のこの局所冷却速度の分布を明らかにしたところ、割れ目頻度の高い領域で大きな局所冷却速度を持つという相関が認められる。この相関は、割れ目の発生が熱歪という概念を通じ局所冷却速度によって説明できることを示す。ゆえに、花崗岩体中の局所冷却速度の3次元パターンを明らかにすることは、割れ目頻度分布を評価する有用な手法である。

報告書

超深地層研究所計画,年度計画書; 2012年度

國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 窪島 光志; 竹内 竜史; 水野 崇; 佐藤 稔紀; et al.

JAEA-Review 2012-028, 31 Pages, 2012/08

JAEA-Review-2012-028.pdf:3.86MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2012年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2012年度の超深地層研究所計画の調査研究計画,施設建設計画,共同研究計画などを示したものである。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2010年度

國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 上野 孝志; 徳安 真吾; 大丸 修二; 竹内 竜史; et al.

JAEA-Review 2012-020, 178 Pages, 2012/06

JAEA-Review-2012-020.pdf:33.16MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」,「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2010年度は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めるとともに、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の調査研究を開始した。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」及び第3段階(研究坑道を利用した研究段階)における2010年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

論文

Thermochronology and the three-dimensional cooling pattern of a granitic pluton; An Example from the Toki granite, Central Japan

湯口 貴史; 天野 健治; 鶴田 忠彦; 檀原 徹*; 西山 忠男*

Contributions to Mineralogy and Petrology, 162(5), p.1063 - 1077, 2011/11

 被引用回数:14 パーセンタイル:41.54(Geochemistry & Geophysics)

The cooling process of a magmatic body in the crust is a key to understanding the thermal evolution of the crust. The three dimensional spatial variations in the cooling pattern of the Toki granitic body, a zoned pluton in Central Japan, have been evaluated quantitatively by thermochronology using age dating based on the different closure temperatures of target mineral species. The Toki granite has hornblende K-Ar ages of about 74.3$$pm$$3.7 Ma (closure temperature of 510$$pm$$25$$^{circ}$$C; n = 2), biotite K-Ar ages of 78.5$$pm$$3.9 to 59.7$$pm$$1.5 Ma (300$$pm$$50$$^{circ}$$C; n = 33), zircon fission-track ages of 75.6$$pm$$3.3 to 51.9$$pm$$2.6 Ma (240$$pm$$50$$^{circ}$$C; n = 44), and K-feldspar K-Ar ages of 70.8$$pm$$3.5 to 57.7$$pm$$1.3 Ma (150$$pm$$20$$^{circ}$$C; n = 21). Samples collected from 11 boreholes and seven outcrop sites in the Toki granite display spatial variations in the biotite K-Ar ages and the zircon fission-track ages, both of which have the same pattern, indicating that cooling was effectively from the roof and also from the western margin. The cooling process is affected by the extent of assimilation of the surrounding sedimentary rocks.

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