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中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
studied by single-crystal time-of-flight neutron diffraction川崎 卓郎; 金子 耕士; 仲村 愛*; 阿曽 尚文*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大原 高志; 鬼柳 亮嗣; 及川 健一; 田村 格良; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 85(11), p.114711_1 - 114711_5, 2016/11
被引用回数:15 パーセンタイル:64.76(Physics, Multidisciplinary)The magnetic structure of the intermetallic compound EuGa
was investigated using single-crystal neutron diffraction with TOF Laue technique on the new diffractometer SENJU at MLF of J-PARC. Despite of the high neutron absorption of Eu, a vast number of diffraction spots were observed without isotope enrichment. The magnetic reflections appeared at
2
below 16 K, indicating that the ordering vector is
= (0, 0, 0). The continuous evolution of the magnetic reflection intensity below T
follows a squared Brillouin function for
= 7/2. By adopting a wavelength-dependent absorption collection, the magnetic structure of EuGa
revealed that a nearly full magnetic moment of 6.4
B of Eu lies within the basal plane of the lattice.
大原 高志; 鬼柳 亮嗣; 及川 健一; 金子 耕士; 川崎 卓郎; 田村 格良; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; 茂吉 武人*; et al.
Journal of Applied Crystallography, 49(1), p.120 - 127, 2016/02
被引用回数:61 パーセンタイル:96.25(Chemistry, Multidisciplinary)SENJU, a time-of-flight Laue-type single-crystal neutron diffractometer, was developed at the Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) of the Japan Accelerator Research Complex (J-PARC). Molecular structure analysis of a sub-millimeter taurine crystal and magnetic structure analysis of a MnF
crystal were performed to evaluate its performance.
及川 健一; 川崎 卓郎; 大原 高志; 鬼柳 亮嗣; 金子 耕士; 田村 格良; 中村 龍也; 原田 正英; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 1, p.014013_1 - 014013_5, 2014/03
新しいTOF型単結晶中性子回折装置がJ-PARC/MLFのBL18に設置された。本装置「SENJU」は、低温高磁場のような多重極限環境下において1.0mm
未満の小さな単結晶を使用して精密な結晶構造や磁気構造解析を実現するために設計された。2012年3月5日に、本装置へ初中性子が導かれ、その後SENJUのハードウェア及びソフトウェアが設計通り機能していることが確認された。また、幾つかの有機及び無機の標準的な単結晶を用いて回折実験が行われた。これらの測定では、高いQ領域(d
0.5
のブラッグ反射が明確に測定され、精度よく解析された。発表では、SENJUの装置設計及びその性能評価を詳細に報告する。

川崎 卓郎; 金子 耕士; 阿曽 尚文*; 仲村 愛*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*; 大原 高志; 鬼柳 亮嗣; 及川 健一; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 1, p.014009_1 - 014009_4, 2014/03
Single crystal neutron diffraction measurement of EuGa
has been carried out using time-of-flight single crystal neutron diffractometer SENJU at BL18 in MLF/J-PARC. In spite of extremely high neutron absorption of natural Eu, significant numbers of Bragg reflection were observed. Lattice parameters and Bravais lattice at above
(=15 K) obtained from the positions and systematic extinction of the reflections were well agreed with the result of single crystal X-ray diffraction. Further, magnetic reflections were clearly observed at below
at the positions of forbidden reflections of body-centered lattice of EuGa
. An antiferromagnetic structure with the propagation vector
= 0 was clarified.
田村 格良; 及川 健一; 川崎 卓郎; 大原 高志; 金子 耕士; 鬼柳 亮嗣; 木村 宏之*; 高橋 美和子; 清谷 多美子*; 新井 正敏; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 340, p.012040_1 - 012040_4, 2012/02
被引用回数:11 パーセンタイル:93.80(Physics, Condensed Matter)SENJU is a state-of-the-art single crystal time-of-flight Laue diffractometer in Materials and Life Science Experimental Facility at Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC). The diffractometer is designed for precise crystal and magnetic structure analyses under multiple extreme conditions, such as low temperature, high-pressure, high-magnetic field. A measurement using small sample less than 1.0 mm
will be also realized, which allows us to study wide variety of materials. SENJU is aimed at a poisoned decoupled moderator to obtain peak profiles of Bragg reflection, and intensity distributions of superlattice reflections and diffuse scatterings with good accuracy. At the beginning, the diffractometer will have 31 two-dimensional scintillator detectors to cover wide area of reciprocal lattice space by a single measurement. The instrument is currently under construction and is scheduled to start on-beam commissioning by the end of 2011.
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:52 パーセンタイル:70.19(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
-type montmorillonite; Potential chemical species of iron contaminant香西 直文; 稲田 貢一*; 安達 美総*; 川村 幸*; 樫本 裕輔*; 小崎 完*; 佐藤 正知*; 大貫 敏彦; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; et al.
Journal of Solid State Chemistry, 180(8), p.2279 - 2289, 2007/08
被引用回数:14 パーセンタイル:46.90(Chemistry, Inorganic & Nuclear)陽イオン交換サイトにFe
イオンを吸着しているFe
型モンモリロナイトは、ベントナイト緩衝材の理想的な変質生成物である。著者らは既報において、不活性ガス雰囲気でFeCl
水溶液を用いることによって、ほぼすべての陽イオン交換サイトにFe
イオンを吸着させたFe
型モンモリロナイトを調製した。本研究では調製した試料中に生成した可能性がある鉄の不純物化学種について検討した。試料全体に少量の塩素イオンが残留していることがわかった。これは、FeCl
溶液中でFeCl
が粘土に吸着したこと、さらに過剰塩除去処理中にFeCl
から解離するはずのCl
が粘土中に閉じこめられたためと考えられる。後者については、次の2つの理由が考えられる。まず、Fe
の吸着によって閉じた粘土層間からのCl
拡散速度が遅いこと、あるいは残留したFeCl
の一部が溶解度の低い水酸化物に変化したことである。
香西 直文; 三田村 久吉; 大貫 敏彦; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 及川 将一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 231(1-4), p.530 - 535, 2005/04
被引用回数:9 パーセンタイル:55.00(Instruments & Instrumentation)土壌など鉱物の混合相中での重元素等有害元素の移行挙動を解明研究に役立てるため、鉱物に吸着した重元素の定量評価へのmicro-PIXE分析の適用性を検討した。このため、均一な形状大きさの鉱物に重元素を吸着させた外部標準試料を調製し、micro-PIXEにより分析した。その結果、そのような外部標準試料が定量評価のために有効であることがわかった。ただし、その適応範囲は実験条件などにより限定される可能性がある。
及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 大原 高志; 川崎 卓郎; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 高橋 美和子*; 清谷 多美子*; 鬼柳 亮嗣*; et al.
no journal, ,
J-PARC/MLFのBL18では、共用促進法に基づき新しい単結晶構造解析装置「SENJU」が、昨年度末より急ピッチで建設されている。SENJUは、1MWにおいて0.5mm角の単結晶を用いた実験を可能とし、中性子が得意とする複合特殊環境下での精密構造解析を目指す装置である。SENJUでは低温・高温のみならず磁場や圧力,電場,ガス雰囲気などを組合せた環境下での測定を比較的容易に実現することにより、展開されるサイエンスのすそ野は非常に広範囲に拡がることが期待される。SENJUは平成22年度末に建設を完了し、平成23年夏前に初ビーム受け入れを目指している。講演では、装置の詳細スペックの紹介並びに、具体的な試料環境等について述べる。
川崎 卓郎; 及川 健一; 大原 高志*; 鬼柳 亮嗣; 田村 格良; 金子 耕士; 中村 龍也; 坂佐井 馨; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; et al.
no journal, ,
J-PARC/MLFのBL18では、新しい単結晶構造解析装置SENJUが建設されている。SENJUは0.5mm角の単結晶を用いた実験を可能とし、中性子が得意とする複合特殊環境下での精密構造解析を目指す装置である。SENJUではJ-PARCの大強度パルス中性子と31台の波長シフトファイバ型大面積シンチレータ検出器によって、従来の装置では実施が困難であった微小な試料を用いた測定を、低温・高磁場などを組合せた試料環境下において非常に効率的に行うことが可能となり、単結晶中性子回折法による物質構造研究の間口が大きく広がることが期待される。SENJUは2012年春より本格的に稼働を開始する予定であるが、真空槽・検出器・光学機器・試料環境機器等の製作はほぼ完了し、建設の最終段階に差し掛かっている。発表当日は装置の現状と今後の調整計画について報告する。
鬼柳 亮嗣; 大原 高志*; 川崎 卓郎; 及川 健一; 田村 格良; 金子 耕士; 花島 隆泰*; 中尾 朗子*; 宗像 孝司*; 木村 宏之*; et al.
no journal, ,
共用促進法に基づきJ-PARC/MLFのBL18に建設が進められてきた単結晶構造解析装置SENJUは、2012年3月よりオンビームコミッショニングを開始した。7月2日のJ-PARCビーム運転終了まで、装置調整やテスト測定等を行ったのでこれを報告する。装置を構成するハードウェア及びソフトウェアの調整を行いつつ、標準試料としてNaCl(1mm
)やタウリン(1.3mm
)等を用いた測定を行った。全検出器で測定されたBragg反射から求められた格子定数は、期待される値と良い一致を示した。また、その回折強度データを用いた結晶構造解析を行ったところ、良い精度で構造解析できた。これらは、装置調整とともに白色中性子特有の各種補正が順調に機能していることを示している。タウリンの測定は210kWで2日間である。また、1mm
以下の微小有機結晶を用いたテスト測定でも、数MWhの照射で高いQ領域までBragg反射を観測できることが確認された。発表では、装置の現状と性能について具体的なデータを用いて紹介するとともに、今後の課題や計画について報告を行う予定である。
川崎 卓郎; 高橋 美和子*; 大原 高志*; 鬼柳 亮嗣; 及川 健一; 田村 格良; 金子 耕士; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*
no journal, ,
本研究ではBL18/MLFで2012年3月から新たに稼働を開始した単結晶中性子回折装置SENJUを使用して、ラフィノース五水和物の結晶構造解析を行い、ラフィノースと水分子の間の水素結合の詳細を明らかにすることを目的とする。本発表はSENJUで実施された最初の一般課題の結果である。水溶液からの再結晶化によって作製した単結晶試料(0.7
0.7
2mm
)を用いて、120Kで6方位についてそれぞれ8時間、回折強度を測定した。結晶構造解析の結果、非等方性温度因子を含めたすべての構造パラメータは妥当な値に収束した。結晶中で5つの水分子は水素結合によって互いに鎖状に結ばれているが、そのうち3つの水分子は4つの水素結合をもち、残る2つは3つの結合をもっている。後者の2分子の方が構造的に不安定であり、高温あるいは真空下において確認されている脱水反応において優先的に脱離するものと考えられる。
K
H(SeO
)
by single crystal neutron diffraction鬼柳 亮嗣; 松尾 康光*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; 中尾 朗子*; et al.
no journal, ,
M
H(XO
)
で表される固体酸と呼ばれる物質群は比較的低温で超プロトン伝導性を示すことが知られている。超プロトン伝導性は構造相転移と同時に発現し、その相転移温度はMやXの組成により変化する。また、超プロトン伝導相における伝導度もMやXの組成により変化することがわかっているが、その原因はわかっていない。そこで超プロトン伝導性の発現と内部構造の関係を明らかにするため、超プロトン伝導体の混晶であるRb
K
H(SeO
)
(x=0, 1, 2, 3)の中性子単結晶構造解析を行った。測定の結果、xの変化とともに格子定数が線形に変化することが観測され、これは平均イオン半径を考慮することにより理解される。一方、K原子が二つの独立なサイトのうち一つに優先的に入ることが明らかとなり、この占有率の変化と水素結合間距離の変化が一致することが明らかとなった。マクロ測定により、xの変化に相転移温度の変化は線形ではないことがわかっており、この相転移温度の変化とK原子占有率及び水素結合間距離に相関があることが明らかとなった。
K
H(SeO
)
の結晶構造と相転移鬼柳 亮嗣; 松尾 康光*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; et al.
no journal, ,
M
H(XO
)
で表される物質群は、比較的低温で超プロトン伝導性を示すことが知られているが、超プロトン伝導相出現の起源やプロトン電動メカニズムは未解明な部分も多い。本研究では、M=Rb, K, X=Seの混晶試料Rb
K
H(SeO
)
の伝導度測定と中性子単結晶構造解析により、構造と相転移温度、伝導度の関係について調べた。中性子実験はJ-PARC/MLFの中性子単結晶回折装置SENJUで行った。マクロ測定の結果、相転移温度の変化はxに対して線形とはならず、x=2以下で大きく変化することが明らかとなった。一方、伝導度はx=2以上での変化が大きいことが明らかとなった。中性子構造解析の結果、結晶学的に非等価な2つのMサイトのうち一つに優先的にK原子が入ることが明らかとなり、このサイトのK原子占有率と相転移温度の相関が示唆された。
H(SeO
)
鬼柳 亮嗣; 松尾 康光*; 石川 喜久*; 野田 幸男*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 花島 隆泰*; et al.
no journal, ,
M
H(XO
)
(M=アルカリ金属、X=Se, S)で表わされる物質群は比較的低温で高いプロトン伝導性(超プロトン伝導性)を示すことが知られており、センサーや電池など様々な応用が期待されている。超プロトン伝導性は、相転移に伴う水素結合の無秩序化に起因すると考えられているが、詳細はまだ理解されていない。また、超プロトン伝導性は相転移により発現するため、その相転移のメカニズムを明らかにすることも非常に重要である。本研究では、Rb
H(SeO
)
を対象とした超プロトン伝導相での中性子構造解析、Rb
K
H(SeO
)
で表わされる混晶試料を対象とした伝導度測定と中性子構造解析を行った。高温での中性子構造解析の結果、室温で局在していたプロトンが高温では2次元的に広がった分布をしていることがわかった。これは、伝導プロトンを直接観測したものと考えられる。混晶試料の実験では、Kイオンの濃度が増えるに従い相転移温度が非線形に低下することがわかった。中性子構造解析の結果、Kイオンは選択的に一つのサイトを占有することがわかり、このサイトの占有率と相転移温度の変化に密接なつながりがあることがわかった。
(X=Al,Ga)の磁気構造の研究川崎 卓郎; 金子 耕士; 阿曽 尚文*; 仲村 愛*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*; 茂吉 武人*; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; et al.
no journal, ,
単結晶中性子回折法による磁気反射の観測は物質の磁気的性質を調べるための最も基礎的かつ強力な手法であるが、Eu, Gd, Sm, Dyなどの希土類元素は中性子の吸収が非常に大きく、これらの元素を含む化合物の中性子回折による磁気構造の研究例は限られている。一方、吸収の影響が小さい短波長中性子を利用可能な白色中性子と、大面積検出器を組み合わせたパルス中性子回折装置を用いることで、吸収の大きな希土類元素を含む物質の磁気構造を効率的に調べられることが期待できる。我々はEuを含み、同一な結晶構造と原子価をもちながらも異なる磁気転移を示す二つの物質、EuGa
とEuAl
に注目し、J-PARC MLF BL18に設置された単結晶中性子回折装置SENJUを用いて中性子回折測定を実施した。その結果、これらの物質において異なる磁気的秩序状態を示す磁気反射を観測し、EuGa
は4Kにおいて伝搬ベクトルq=(0 0 0)の反強磁性的構造であり、EuAl
は不整合的な磁気構造となっていることがわかった。

(
=Al, Ga)の対照的な基底状態金子 耕士; 川崎 卓郎; 仲村 愛*; 茂吉 武人*; 宗像 孝司*; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 鬼柳 亮嗣; 大原 高志; 及川 健一; et al.
no journal, ,
Euイオンは、2価ではS=7/2で磁性を有し、3価ではスピンと軌道磁気モーメントがキャンセルすることにより非磁性となる。すなわち、価数が磁性、軌道と密接な関わりをもっている。Eu化合物では、価数揺動や重い電子状態に加え、超伝導など多彩な物性を示すことから、微視的状態に興味が持たれている。Eu
(
= Al, Ga)では、Euは2価の電子状態を取り、S=7/2で記述される安定した磁性を示す一方、同じ価電子数をもつ2つの化合物において、EuGa
が
=16Kの反強磁性転移を示すのに対し、EuAl
は基底状態に至るまでに5つの転移点を持つ、複雑な物性を示すことが見出された。この違いを生じる起源は未知である。違いを生む機構を解明する上で、中性子は微視的知見が得られる最適なプローブである。反面、Euは中性子吸収体である上、同位体も高価であることから、中性子による研究は困難を伴う。今回J-PARC/MLFの単結晶中性子回折計SENJUにおいて、同位体置換なしの試料で実験を行った。その結果、転移に伴う超格子反射の観測に成功し、2つの化合物の違いを明らかにしたので報告する。
及川 健一; 田村 格良; 大原 高志; 金子 耕士; 川崎 卓郎; 中村 龍也; 坂佐井 馨; 新井 正敏; 木村 宏之*; 鬼柳 亮嗣*; et al.
no journal, ,
J-PARC/MLFのBL18では、共用促進法に基づき新しい単結晶構造解析装置「SENJU」が、昨年度末より急ピッチで建設されている。SENJUは、1MWにおいて0.5mm角の単結晶を用いた実験を可能とし、中性子が得意とする複合特殊環境下での精密構造解析を目指す装置である。SENJUでは実験室系のX線回折実験での標準的なサイズである0.1mm
で実験可能とし、また低温・高温のみならず磁場や圧力,電場,ガス雰囲気などを組合せた環境下での測定を比較的容易に実現することにより、展開されるサイエンスのすそ野は非常に広範囲に拡がることが期待される。本装置成功の鍵を握る改良型大面積検出器の仕様決定及び製作においては、同施設で稼働中のiBIXのために開発された2次元検出器で蓄積された技術・ノウハウを最大限活用している。SENJUは平成22年度末に建設を完了し、平成23年夏前に初ビーム受け入れを目指している。
鬼柳 亮嗣; 大原 高志; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; 茂吉 武人*; 黒田 哲也*; 田村 格良; 及川 健一; 金子 耕士; et al.
no journal, ,
J-PARC・MLFのBL18に設置されたTOF-Laue型単結晶中性子回折装置SENJUは、2012年にビームを受け入れ始め、現在共用装置としてユーザー実験が行なわれている。本装置は、無機物や低分子性物質、磁性体等を主な対象とし、特殊環境下での精密な構造解析を目的として開発された。特に、MLFの特徴である大強度の中性子を利用した微小単結晶での測定や、広い逆空間の効率的な測定を行うことが可能である。主要な試料環境装置である4K冷凍機は低温で駆動可能な2軸ゴニオメータを持っており、冷凍機本体を動かすことなく、また試料を取り出すことなく、低温下で試料を回転し方位を変更することができる。最大7Tの磁場を発生することのできる超電導マグネットでは、磁気散乱の測定に重要となる低波数領域(長波長領域: 4.4
- 8.8
)にマグネット由来となるブラッグ反射が存在せず、また希釈冷凍機との組み合わせにより約40mKまでの冷却も可能である。測定されたデータに対しては、独自に開発された解析ソフトウェアSTARGazerを用いて可視化、方位決定、積分強度計算を行い、得られる指数と構造因子から外部ソフトを用いて構造解析を行っている。