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宇埜 正美*; 西 剛史*; 高野 公秀
Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.7, p.202 - 231, 2020/08
2012年にエルゼビア社から初版が刊行された原子力燃料・材料の詳説のうち、アクチニド窒化物の熱力学と熱物性に関して、近年論文として公開された最新の研究成果を追記して内容の充実化を図り改訂した。追記した主要なデータは、核変換用窒化物燃料の窒化ジルコニウム母材中へのアクチニド窒化物の固溶度、アクチニド窒化物中での自己照射損傷による結晶格子膨張とそれに伴う熱伝導率低下、窒化ジルコニウムを母材としたマイナーアクチノイド含有燃料の熱伝導率の組成依存性、および窒化キュリウムの熱膨張である。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 10 Pages, 2020/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つに、制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動がある。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、B
C-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び2018年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したB
C-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.418 - 427, 2019/09
制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動は、ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つである。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、B
C-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び平成29年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したB
C-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
太田 弘道*; 小久保 宏紀*; 西 剛史*; 山野 秀将
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.858 - 860, 2019/09
粘度計測装置を開発した。ステンレス鋼(SS)合金等の低粘度金属の取扱は難しいことから、高温溶融合金の粘度測定は難しいことが知られている。本研究では最初の段階として、溶融ニッケル(Ni)とステンレス鋼の粘度を、高温溶融合金の計測に適したるつぼ回転振動法により計測し、粘度計測装置の性能を確認している。溶融金属を入れたつるぼを吊るし、電磁的回転振動を与えたが、溶融金属の摩擦により、振動は弱まった。粘度は振動時間と対数減少から判断される。るつぼは、ミラーブロック,アルミ製の慣性ディスクに接続されており、全体は白金-ロジウム合金製のワイヤで吊られている。レーザー光線をミラーに照射し、その反射光を光センサで検知し、その後、溶融金属の対数減少を決定した。溶融Niと溶融SSの粘度は1823Kであった。この結果における溶融Ni及びSSの粘度数値は、溶融Ni及びSSの文献値に近く、この計測装置を使って溶融合金の粘度を計測する。溶融SS合金の粘度の濃度依存性は今後明らかにされる。
小久保 宏紀*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 山野 秀将
日本金属学会誌, 82(10), p.400 - 402, 2018/09
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Metallurgy & Metallurgical Engineering)ナトリウム冷却高速炉のシビアアクシデント評価手法の改良のため、ステンレス鋼と炭化ホウ素(SUS316L+BC合金)で構成される溶融混合物の粘度を取得することは重要である。本研究では、最初の段階として粘度計測装置の性能確認のため、溶融ニッケル(Ni)とステンレス鋼(SUS316L)の粘度を、るつぼ回転振動法により計測することにした。溶融NiとSUS316Lの粘度は1823Kまでを測定した。測定値のバラつきから、溶融NiとSUS316Lの測定誤差はそれぞれ
4%と
3%であった。また、溶融NiとSUS316Lの測定値は同様の組成をもつ文献値に近いことが分かった。さらに、SUS316L-B
C合金の粘度も暫定的に計測できた。本研究によりNiとSUS316Lの粘度のフィッテイング式を得た。
須藤 彩子; 西 剛史; 白数 訓子; 高野 公秀; 倉田 正輝
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1308 - 1312, 2015/10
被引用回数:5 パーセンタイル:46.24(Nuclear Science & Technology)BWRのシビアアクシデントでの制御棒ブレードの崩落進展理解のためには、燃料破損データベースを構築する必要がある。しかし制御棒の主成分であるFe-B-C系の相状態は、特にB, Cリッチな領域において未だ不確実な点が多い。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、制御棒ブレードの溶融開始に影響すると考えられる共晶点付近の組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K, 1273Kの相状態解明のための試験を行った。XRD及びSEM-EDXの結果は、FeB
C
の領域ではJAEA熱力学データベース(JAEA-DB)とは異なり、1273KでFe成分を多く含む相を持つことが明らかとなり、1273KでのCementite相の固溶範囲の再評価が必要であるとの知見を得た。また、溶融開始温度の測定結果から、熱力学解析では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されたが、本実験では、3種の合金すべてが約1400Kで溶融が開始したため、JAEA-DBではCementite相の生成自由エネルギーが過大評価されている可能性があることを明らかにした。
西 剛史; 中島 邦久; 高野 公秀; 倉田 正輝; 有田 裕二*
Journal of Nuclear Materials, 464, p.270 - 274, 2015/09
被引用回数:2 パーセンタイル:74.39(Materials Science, Multidisciplinary)U-20wt.%Pu-2wt.%Am-10wt.%Zr合金の熱伝導率は高速炉で用いるマイナーアクチノイド(MA)含有金属燃料の炉心設計に必要不可欠な物性値である。本研究では、2つのU-20wt.%Pu-2wt.%Am-10wt.%Zr合金を調製し、測定した比熱及び熱拡散率を用いて熱伝導率の評価を行った。U-20wt.%Pu-2wt.%Am-10wt.%Zr合金の比熱は金属U及びU-Zr合金の文献値とほぼ一致しており、Pu及びAm添加に伴う影響は小さいことを確認した。一方、U-20wt.%Pu-2wt.%Am-10wt.%Zr合金の熱伝導率はU-Pu-Zr及びU-Pu-MA-Zr合金の文献値よりわずかに高い値を示した。U-Pu-Zr及びU-Pu-MA-Zr合金の文献値はいくつかの仮定に基づいて算出した熱伝導率であるため、実測値との差は文献値の精度の低さに原因があると考えられる。さらに、MA含有金属燃料の炉心設計に必要な誤差を伴う熱伝導率評価式も提唱した。
林 博和; 西 剛史*; 佐藤 匠; 倉田 正輝
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1811 - 1817, 2015/09
原子力機構では、マイナーアクチノイド(MA: Np, Am, Cm)など長寿命核種の核変換に関する研究を実施している。階層型燃料サイクル概念に基づき、核変換専用の加速器駆動システム(ADS)を用いてMA核変換を行う方法については、ウランを含まない窒化物燃料を用いることが検討されている。MAの核変換率を向上させるためには、使用済燃料を処理し、残存するMAを回収して再利用することが必要であり、その燃料サイクル技術の研究開発は重要である。本論文では、原子力機構で実施している窒化物燃料と乾式再処理法を用いた燃料サイクルに関する研究の現状及び今後の予定を紹介する。
長谷川 登; 錦野 将元; 富田 卓朗*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 井筒 類*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; et al.
X-Ray Lasers and Coherent X-Ray Sources; Development and Applications XI (Proceedings of SPIE, Vol.9589), p.95890A_1 - 95890A_8, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:36.32フェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブ計測法を開発し、フェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を開始している。レーザーアブレーション過程は、初期過程における変化が高速(~ピコ秒)である反面、粒子が飛散する過程はマイクロ秒程度と長い時間をかけて行われる。我々は、この様な現象を同一の装置で観測するため、ポンプ光とプローブ光を異なる発振器で発生させることで両者の遅延時間を数ピコ秒の時間精度を保ちつつ、マイクロ秒以上の幅広い時間に対応させた。今回は本システムを用いることで、金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程において、その初期(数ピコ秒)に金属表面から剥離した薄膜が、マイクロ秒程度まで膜としての形状を保持したまま膨張することを新たに見いだした。
長谷川 登; 富田 卓朗*; 錦野 将元; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 河内 哲哉; et al.
JAEA-Conf 2015-001, p.17 - 20, 2015/07
軟X線レーザーをプローブとした干渉計を構築することで、フェムト秒レーザーアブレーション過程におけるexpansion frontとablation frontの同時計測に成功した。これにより、フェムト秒レーザーアブレーションのダイナミクスの全体像を実験的に得ることに成功した。更に金とタングステンのexpansion frontの形状を比較することにより、アブレーション過程が局所的な照射強度と加工閾値に強く依存していることが示された。これは、照射レーザーのプロファイルの制御により、expansion frontの形状が制御可能であることを示しており、過渡的な光学素子の形成等への応用が期待される。
林 博和; 西 剛史; 高野 公秀; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 倉田 正輝
NEA/NSC/R(2015)2 (Internet), p.360 - 367, 2015/06
加速器駆動システム(ADS)を用いたマイナーアクチノイド(MA)核変換用燃料について、原子力機構ではウランを含まない窒化物燃料を第一候補としている。窒化物燃料は熱特性がよくアクチノイド同士の固溶度が大きいという長所がある。また、窒化物燃料の再処理法としては、MA含有量の多い燃料で影響の大きい放射線損傷に対する耐性の大きい乾式再処理法を、第一候補としている。本論文では、原子力機構における窒化物燃料サイクル技術研究開発の状況及び今後の予定を紹介する。
錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 馬場 基芳*; 南 康夫*; 河内 哲哉; et al.
レーザー学会第471回研究会報告; 短波長量子ビーム発生と応用, p.9 - 12, 2014/12
フェムト秒レーザーアブレーションによるリップル形成、ナノスケールアブレーションやナノ粒子生成などに関する興味深い現象が数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。これまでの金や白金に加えて融点の高いタングステンを用いて実験を開始した。フェムト秒レーザー照射によるタングステンのアブレーション過程の解明のために、フェムト秒レーザー(波長795nm、パルス幅80fs)ポンプ・ピコ秒軟X線レーザー(波長13.9nm、パルス幅7ps)プローブを構築し、ピコからナノ秒スケールで起きる金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を行った。レーザー照射の数ピコ秒後から数ナノ秒後の時間領域のサンプル表面でのアブレーション面の膨張過程について軟X線による反射及び干渉計測を行い、アブレーションフロントの表面状態について解析を行った。また、講演ではタングステンと他の金属のアブレーション過程の違いについて考察を行う。
高野 公秀; 西 剛史; 白数 訓子
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.859 - 875, 2014/07
被引用回数:14 パーセンタイル:16.7(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故で生じた炉心溶融固化物中の基礎的な化合物相関係を推測するため、炉心材料をアーク溶融し、固化物中に生じる相と組成をX線回折、顕微鏡観察及び元素分析により評価した。生成した酸化物セラミック相は(U,Zr)Oのみであるのに対し、金属質部分には安定な相としてFe-Cr-Ni合金と(Fe,Cr,Ni)
(U,Zr)で表される金属間化合物に加え、ZrB
及びFe
B型の(Fe,Cr,Ni)
Bホウ化物が析出した。酸化性雰囲気下1773Kで焼鈍した結果、合金及びZrB
中のウランとジルコニウムが選択的に酸化して(U,Zr)O
層を表面に形成し、内部の金属質部分には(Fe,Cr,Ni)
BとFe-Cr-Ni合金が主要な相になることがわかった。これらの金属質部分の相関係は、金属ジルコニウムの初期含有率が支配的因子であることを明らかにした。生成した各相について、基本的な機械特性である微小硬度を測定した結果、ホウ化物、特にZrB
が顕著に高硬度であることがわかった。
徳永 陽; 西 剛史; 中田 正美; 伊藤 昭憲*; 酒井 宏典; 神戸 振作; 本間 佳哉*; 本多 史憲*; 青木 大*; Walstedt, R. E.*
Physical Review B, 89(21), p.214416_1 - 214416_8, 2014/06
被引用回数:7 パーセンタイル:60.14(Materials Science, Multidisciplinary)AmOの低温の磁気相転移の起源を
O NMR法により調べた。この相転移については帯磁率では8.5K付近で明確な異常が観測されるが、中性子やメスバウアー分光測定では磁気双極子の秩序は観測されていない。このためNpO
と同じ高次多極子の秩序の可能性も指摘されていた。今回我々は新たに
O核を置換したAmO
試料を準備し、それをできる限り短時間でNMR実験サイトへと運び測定を行った。これにより自己照射効果がほぼ存在しない場合の電子状態を確認することができた。さらに同試料を極低温状態に一ヶ月保管することで、自己損傷効果が急激に進み、それによって短時間で試料内の電子状態に変化していく様子を観測することができた。さらにNMRスペクトルの温度依存性と核磁気緩和時間の測定から、AmO
の磁気相転移がスピン-グラス的な特徴を持つことも明らかになった。
西 剛史; 荒井 康夫; 高野 公秀; 倉田 正輝
JAEA-Data/Code 2014-001, 45 Pages, 2014/03
本研究の目的はマイナーアクチノイド(MA)核変換用加速器駆動システム(ADS)の燃料設計に必要な窒化物燃料の物性データベースを整備することである。ADS用の窒化物燃料にはPu及びMAが主要成分として含まれること、ならびにZrN等の希釈材が添加されることに特徴がある。このためPuやMAの窒化物のほかZrNを含む窒化物固溶体を対象として、ADSの燃料設計に必要な物性に関する実験値や評価値を収集・整理した。これらの物性値は設計において種々の条件に対応しやすくするため、可能な限り定式化することに努めた。また、誤差の推定が可能な物性値についてはその評価結果も記載した。PuやMA等の超ウラン元素(TRU)窒化物については実験値や評価値が報告されていない物性値も多いので、その場合は代替としてUNや(U,Pu)Nの報告されている物性値でデータベースを補完することにより、許容できる精度を持ったADS燃料の設計ができるようにした。
Pukari, M.*; 高野 公秀; 西 剛史
Journal of Nuclear Materials, 444(1-3), p.421 - 427, 2014/01
被引用回数:10 パーセンタイル:26.91(Materials Science, Multidisciplinary)鉛冷却の研究用小型高速炉ELECTRAでは、(PuZr
)Nの組成を有する窒化物燃料を装荷予定である。ライセンス取得に向けた燃料製造基礎試験を行い、その特性評価として焼結に及ぼす不純物元素、特に固溶酸素の影響を調べた。試験した酸素濃度0.6wt%までの範囲では、酸素固溶により明らかな焼結促進効果が認められた。焼結温度の効果は、1923Kから1973Kに50K上昇させることで、最大3.8%TDの密度上昇効果を確認した。製造過程における酸素濃度上昇を調べた結果、PuNとZrNの酸素濃度はそれぞれ0.08及び0.03wt%であったものの、固溶体化加熱,微粉砕,焼結を経る過程で0.34wt%まで上昇した。焼結したペレットの熱伝導率及び電気伝導率を測定した結果、これらの値はZrNよりもむしろPuNに近い値であった。
鈴木 知史; 西 剛史; 中田 正美; 都留 智仁; 赤堀 光雄; 平田 勝; 加治 芳行
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 74(12), p.1769 - 1774, 2013/12
被引用回数:11 パーセンタイル:46.27(Chemistry, Multidisciplinary)(Am,U)混合酸化物の電子構造と化学状態を評価するために密度汎関数法による理論計算を実施した。比較のため3価と4価のAm酸化物と4価と5価のU酸化物の計算も実施した。まず、有効電荷を評価したところ、混合酸化物中のAmは3価に近く、Uは5価であることが明らかとなった。また、電子構造を評価したところ、UO中のUがドナーとなりAmO
中のAmがアクセプターとなりえることから、混合酸化物形成時にUからAmに電荷移動が起こっていると考えられる。
西 剛史; 高野 公秀; 荒井 康夫; 倉田 正輝
第34回日本熱物性シンポジウム講演論文集, p.199 - 201, 2013/11
グローブボックス内にレーザフラッシュ法熱物性測定装置及び投下型熱量計を設置し、微小量のサンプルで熱拡散率及び比熱を測定するための試料ホルダー及び白金容器を考案したことで、長寿命放射性核種であるマイナーアクチノイドを含む窒化物(MA窒化物)の熱拡散率及び比熱測定を可能にし、熱伝導率評価に成功した。本研究により、MA窒化物の熱伝導率は、酸化物燃料と異なり温度とともに増加すること、Am含有率の増加とともに減少することを明らかにした。さらに、加速器駆動核変換システム(ADS)用燃料の最有力候補として提案されているZrN含有MA窒化物の熱伝導率の温度依存性及びZrN含有率依存性から熱伝導率評価式を構築した。評価式で得た熱伝導率は実験値と良い一致を示しており、ADSの炉心設計において必要な温度及び組成における熱伝導率を提供可能にした。
西 剛史; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Materials, 440(1-3), p.534 - 538, 2013/09
被引用回数:2 パーセンタイル:77.33(Materials Science, Multidisciplinary)Cm含有酸化物の熱伝導率の保管時間依存性を明らかにするため(NpPu
Am
Cm
)O
(x=0.02, 0.04)固溶体の焼結体を調製し、熱伝導率を評価したところ、(Np
Pu
Am
Cm
)O
の熱伝導率は保管時間の増加とともに指数関数的に減少することが明らかとなった。このような熱伝導率の減少は自己照射損傷による格子欠陥の蓄積によるものである。
高野 公秀; 西 剛史
Journal of Nuclear Materials, 443(1-3), p.32 - 39, 2013/09
被引用回数:9 パーセンタイル:32.61(Materials Science, Multidisciplinary)福島第一原子力発電所事故で生成した燃料デブリの物理的,化学的状態に及ぼす海水塩析出物の影響を明らかにするため、海水塩と(U,Zr)O模擬燃料デブリを用いた高温反応性試験を1088Kから1668Kの温度範囲で行った。空気中1275Kでの加熱により、Ca及びNaのウラン酸塩からなる緻密な層がペレット状デブリの表面に生成し、その厚さは12時間の加熱に対して50
m以上であった。一方、酸素分圧が低い条件では、Caがデブリ中に溶解し固溶体を形成することを明らかにした。同じ加熱温度,時間に対して、表面からの拡散深さは5-6
m程度であった。デブリ表面上には成長したMgO結晶が主要な残渣として残り、その一部は、より高温下で徐々にデブリ中に固溶する。