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論文

Ion desorption from bulk cesium chloride at moderate temperature ($$<$$500$$^{circ}$$C) under electric field

馬場 祐治; 下山 巖

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 16, p.53 - 59, 2018/03

固体を真空中で加熱すると吸着物質の一部がイオンとして脱離する現象は「表面電離」として知られているが、化合物など複雑な系では、その機構はわかっていない。本研究では、塩化セシウムおよび他のアルカリ金属塩化物の表面電離について調べた。塩化セシウムの場合、中性Csは塩化セシウムの融点に近い摂氏645度で脱離するが、Cs$$^{+}$$イオンの脱離は、摂氏400度から観測された。脱離するイオンと中性粒子の比(Cs$$^{+}$$/Cs $$^{0}$$)は、410度で最大となった。Cs$$^{+}$$/Cs $$^{0}$$比の温度依存性を、Saha-Langmuirの式で解析した結果、この現象は、塩化セシウムの構造変化に伴う表面の仕事関数変化によるものであることがわかった。

論文

Micro-orientation control of silicon polymer thin films on graphite surfaces modified by heteroatom doping

下山 巖; 馬場 祐治; 平尾 法恵*

Advances in Engineering (Internet), 1 Pages, 2018/02

有機デバイスの性能は有機薄膜中の分子配向に大きく依存する。したがって有機分子の微細配向制御はデバイス集積化に必須の技術であるが、その手法はまだ確立していない。我々はイオンビームによりヘテロ原子ドーピングを行ったグラファイト基板上にポリジメチルシラン(PDMS)薄膜を蒸着することで有機薄膜の微細配向制御を試みた。未照射基板上でPDMS薄膜は垂直配向をとるのに対し、Ar$$^{+}$$イオン照射を行った基板上ではランダム配向、N$$_{2}$$$$^{+}$$イオン照射を行った基板上では垂直配向をとることをX線吸収分光法の偏光依存性測定と分子軌道計算により明らかにした。さらに、数十ミクロン周期のパターンのN$$_{2}$$$$^{+}$$イオン照射を行ったグラファイト基板上でPDMS薄膜が配向構造に起因するパターンを示すことを光電子顕微鏡により明らかにした。以上の結果は、この手法が有機分子の微細配向制御に対して有効であることを示している。

論文

Proposed cesium-free mineralization method for soil decontamination; Demonstration of cesium removal from weathered biotite

本田 充紀; 下山 巖; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 鈴木 伸一; 矢板 毅

ACS Omega (Internet), 2(12), p.8678 - 8681, 2017/12

The possibility to remove sorbed cesium (Cs) from weathered biotite (WB), which is considered a major Cs-adsorbent in the soil of Fukushima, has been investigated by the addition of NaCl-CaCl$$_{2}$$ mixed salt and subsequent heat treatment in a low pressure. X-ray fluorescence analysis was employed to determine the Cs removal rate with elevated temperature. The structural changes and new phases formed were determined using powder X-ray diffraction, as well as electron diffraction and X-ray microanalysis in a transmission electron microscope. We found that Cs was completely removed from the specimen heated at 700 $$^{circ}$$C, when WB completely decomposed and augite with a pyroxene structure was formed. On the basis of this finding, we propose the cesium-free mineralization (CFM) method, a new soil decontamination process by means of transformation of Cs-sorbing minerals to those where Cs is impossible to be incorporated, by heating with certain additives.

論文

Micro-orientation control of silicon polymer thin films on graphite surfaces modified by heteroatom doping

下山 巖; 馬場 祐治; 平尾 法恵*

Applied Surface Science, 405, p.255 - 266, 2017/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:81.49(Chemistry, Physical)

イオンビームによりヘテロ原子ドーピングを行ったグラファイト基板上に蒸着したポリジメチルシラン(PDMS)薄膜の配向構造を調べるため、吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)分光法を用いた。Si ${it K}$端NEXAFSスペクトルは非照射基板上とN$$_{2}$$$$^{+}$$照射基板上で互いに逆の傾向を示す偏光依存性を示し、Ar$$^{+}$$イオン照射基板上では偏光依存性を示さなかった。第一原理計算によるNEXAFSスペクトルの理論的解釈に基づき、PDMSは非照射基板で水平配向、N$$_{2}$$$$^{+}$$照射基板上で垂直配向、Ar+イオン照射基板上でランダム配向をとることがわかった。我々はさらに光電子顕微鏡を用いた分析を行い、同一基板上で照射・非照射領域が分離した表面でPDMS薄膜が$$mu$$mオーダーで異なる配向を持ちうることを見いだした。これらの結果は集光イオンビームを用いたグラファイトの表面改質が有機薄膜のための新たな微細配向制御法となる可能性を示唆している。

論文

福島汚染土壌の除染と再利用のためのセシウムフリー鉱化法の開発

下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一

Photon Factory News, 35(1), p.17 - 22, 2017/05

福島放射性汚染土壌のCs除染と再生利用に対して提案しているセシウムフリー鉱化法(CFM)について紹介すると共に、PFのJAEA放射光ビームラインで実施している研究について報告する。本研究では風化黒雲母(WB)からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させたWBにNaCl-CaCl$$_{2}$$混合塩を添加し、低圧加熱処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700$$^{circ}$$Cで約3割のCsが除去され、塩添加時はほぼ全てのCsとKが除去された。一方、Caは温度と共に増加し、700$$^{circ}$$CではSiよりも多い主成分となった。さらにX線回折法、透過型電子顕微鏡による分析によりWBが普通輝石などの異なるケイ酸塩鉱物に相変化することを明らかにした。これらの結果は相変化に伴ってイオン半径の大きい1価陽イオンが排出されるメカニズムを示唆しており、我々はこれに基づいてCFMの着想に至った。また、X線吸収分光法を用いたClの化学状態分析により、塩由来のClが反応の初期段階で粘土鉱物の酸素とCl-O結合を形成しながら生成物の鉱物中に取り込まれることを明らかにした。

論文

Chemical states of trace-level strontium adsorbed on layered oxide by XPS and XANES under total reflection condition

馬場 祐治; 下山 巖

Photon Factory Activity Report 2016, 2 Pages, 2017/00

土壌中におけるストロンチウム(Sr)の吸着状態を明らかにするため、層状酸化物(雲母)に吸着した非放射性Srの化学結合状態をX線光電子分光法(XPS)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により調べた。放射性Sr-90の原子数は極めて少ないので、超微量のSrの測定を行うため、X線の全反射条件下でXPS, XANESを測定した。全反射XPSでは、1cm$$^{2}$$当たり300ベクレルのSr-90に相当する150ピコグラムまでのSrの測定が可能であった。XPSで測定したSr2p$$_{3/2}$$軌道のエネルギーは、吸着量の減少とともに低エネルギー側にシフトした。またXANESスペクトルにおけるSr2p$$_{3/2}$$ $$rightarrow$$ Sr4d$$^{*}$$共鳴ピークのエネルギーも、吸着量の減少とともに低エネルギー側にシフトした。これらのエネルギーシフトを、点電荷モデルにより解析した結果、Srと雲母表面の化学結合は、極微量になるほどイオン結合性が強くなることを明らかにした。

論文

Chemical state analysis of trace-level alkali metals sorbed in micaceous oxide by total reflection X-ray photoelectron spectroscopy

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵*

Applied Surface Science, 384, p.511 - 516, 2016/10

AA2016-0127.pdf:0.71MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:88.02(Chemistry, Physical)

層状酸化物に吸着した放射性セシウムの化学結合状態を明らかにするため、放射性セシウムの原子数に匹敵するレベルの極微量セシウムおよび他のアルカリ金属について、放射光を用いたX線光電子分光測定を行った。人造マイカ表面に吸着したセシウムでは、X線の全反射条件で光電子分光測定を行うことにより、1cm$$^{2}$$あたり100ピコグラム(200ベクレルの$$^{137}$$Csに相当)までのセシウムの測定が可能となった。光電子分光スペクトルを詳細に解析したところ、セシウムとルビジウムでは極微量になるほど、内殻結合エネルギーが低エネルギー側にシフトした。一方、ナトリウムでは逆の傾向が認められた。これらの化学シフトを点電荷モデルにより解析した結果、いずれのアルカリ金属においても、金属-酸化物間の結合は微量になるほど、より分極が大きくなりイオン結合性が高くなることが明らかとなった。

論文

真空加熱による粘土鉱物からのセシウム脱離挙動; 放射光を用いたX線光電子分光法及び昇温脱離法による分析

平尾 法恵; 下山 巖; 馬場 祐治; 和泉 寿範; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一

分析化学, 65(5), p.259 - 266, 2016/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:72.14(Chemistry, Analytical)

福島原子力発電所事故後の放射能汚染の主な原因であるCsは土壌中の粘土鉱物に強く固定されており、土壌除染のため様々なCs除去法が開発されている。本手法は、乾式法によるCs除去法として、乾式法における処理温度の低減を目的とし、真空溶融塩処理法を提案する。非放射性Csを飽和収着させたバーミキュライトを真空加熱し、X線光電子分光法を用いて加熱前後のCs含有量変化を分析した。バーミキュライトのみを用いた場合は、800$$^{circ}$$C 3分間の加熱で約4割のCsが除去された。NaCl/CaCl$$_{2}$$混合塩をバーミキュライトに添加した場合は、450$$^{circ}$$C 3分間の加熱で約7割のCsが除去されることを見いだした。これらの結果から真空溶融塩処理法による大幅な処理温度の低下と除去効率の向上が期待できる。

論文

Thiophene adsorption on phosphorus- and nitrogen-doped graphites; Control of desulfurization properties of carbon materials by heteroatom doping

下山 巖; 馬場 祐治

Carbon, 98, p.115 - 125, 2016/03

 被引用回数:20 パーセンタイル:16.62(Chemistry, Physical)

$$pi$$共役系炭素材料へのヘテロ原子ドーピングが吸着脱硫特性に与える影響を調べるため、リン及び窒素をドーピングしたグラファイトに対してチオフェン吸着量を比較した。X線光電子分光法から求めた被覆率から、リンドープしたグラファイトの方が窒素ドープ試料よりも10$$sim$$20倍高いチオフェン吸着能を持つことを明らかにし、吸着脱硫特性がドーパントの種類に大きく依存することを示した。また、吸収端近傍X線吸収微細構造スペクトルの偏光依存性を用いてドーパントサイトでの立体配置の違いを区別し、曲面構造のリンサイトが平面構造のリンサイトよりも約10倍高いチオフェン吸着能を持つことを明らかにした。分子軌道計算を用いた解析により、リンと窒素のドーパント効果の違い、及び平面構造と曲面構造におけるチオフェン吸着特性の違いを理論的に明らかにした。チオフェン吸着後の加熱処理によるチオフェン脱離結果から、再活性化におけるリンドーピングの利点についても指摘する。

論文

グラファイトにドーピングされたPの電子構造; DVX$$alpha$$法によるP K端NEXAFSスペクトル解析

下山 巖; 馬場 祐治

DV-X$$alpha$$研究協会会報, 28(1&2), p.62 - 69, 2016/03

触媒として注目されているリンドープグラファイトに対しドーパントの効果を調べるため、吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)分光法によりPサイトの電子構造を調べた。70$$^{circ}$$Cの高温ドーピングで作製した試料のP K端NEXAFSスペクトルにはグラファイト的な偏光依存性が観測され、リンサイトが平面構造をとることを明らかにした。配位数の異なる複数の平面リンサイトのモデルクラスターについてDVX$$alpha$$法による電子構造解析を行い、NEXAFSスペクトルと比較したところ、炭素3配位の平面構造を持つグラファイト構造のPサイトがNEXAFSスペクトルを最もよく再現することがわかった。一方、室温ドーピングと800$$^{circ}$$Cのアニーリングにより作製した試料では偏光依存性の低下が観測された。5員環を含んだ曲面構造のPサイトをもつモデルクラスターの電子構造計算により、NEXAFSの偏光依存性の低下とスペクトル形状の変化を説明できることがわかった。この結果はイオンドーピング時の温度によりリンサイトの局所構造を制御できることを示している。

論文

X-ray absorption fine structure at the cesium $$L$$3 absorption edge for cesium sorbed in clay minerals

本田 充紀; 下山 巖; 岡本 芳浩; 馬場 祐治; 鈴木 伸一; 矢板 毅

Journal of Physical Chemistry C, 120(10), p.5534 - 5538, 2016/03

 被引用回数:11 パーセンタイル:32.04(Chemistry, Physical)

We present the use of near-edge X-ray absorption fine structure (NEXAFS) to investigate local electronic structures of cesium ions sorbed in two types of clay minerals (vermiculite and kaolinite) with a different capacity to fix Cs. NEXAFS is element specific because X-ray absorption edges of different elements have different energies. However, the energy of the Cs $$L$$3 absorption edge is close to that of the $$K$$-edge of titanium generally contained in clay minerals. Therefore, Cs $$L$$3-edge NEXAFS measurements of Cs in clay minerals have not yet succeeded. In this study, we successfully measured pure Cs $$L$$3-edge NEXAFS spectra for cesium sorbed in clay minerals by completely separating Ti $$K alpha$$ and Cs $$L alpha$$ fluorescence X-rays using a fluorescence method. We confirmed the peak intensity between vermiculite and kaolinite in the NEXAFS spectra. To clarify the identification of NEXAFS spectra, theoretical calculations were performed using the discrete variational X$$alpha$$ molecular orbital method (DV-X$$alpha$$), and peak identification was achieved. The difference in peak intensity was explained by the difference in the electron density of unoccupied molecular orbitals. We studied the influence of water molecules and found a change in the electron densities of unoccupied molecular orbitals caused by the coordination of water molecules.

論文

Development of fluorescence XAFS system in soft X-ray region toward operando conditions using polycapillary X-ray lens

本田 充紀; 下山 巖; 馬場 祐治; 鈴木 伸一; 岡本 芳浩; 矢板 毅

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 14, p.35 - 38, 2016/02

We developed a fluorescence XAFS system toward operando conditions using soft X-ray radiation at KEK-PF BL-27A. X-ray adsorption fine structure (XAFS) analysis in the soft X-ray region is useful for elucidating molecular structures in both atmosphere and solutions. Particularly, light elements play an important role in many cases in this energy region. The attenuation of soft X-rays in a solution is large compared to that of hard X-rays. Thus, appropriate spectral statistics cannot be obtained in the soft X-ray region. Recently, using fluorescence XAFS measurement at the S K-edge (2.4 keV), we found that biological molecules containing sulfur atoms adopt specific molecular structures under different pH conditions in a solution. However, the diameter of the beam of this beam line at BL-27A was large, leading to difficulties in uniformly irradiating only the sample surface. Therefore, it was necessary to uniformly irradiate samples using a small-area X-ray beam. To collimate the beam and improve its intensity, we installed an X-ray focusing device. Herein, we introduce a light-collecting device that uses a polycapillary X-ray lens to focus soft X-rays. After installing this lens, we confirmed that focused X-rays and a higher-intensity beam were achieved. We conclude that focusing X-rays using a polycapillary lens in the soft X-ray region is an effective method for obtaining better spectral statistics in fluorescence XAFS measurements.

論文

Observation of oriented organic semiconductor using Photo-Electron Emission Microscope (PEEM) with polarized synchrotron

関口 哲弘; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 本田 充紀; 和泉 寿範; 池浦 広美*

Molecular Crystals and Liquid Crystals, 622(1), p.44 - 49, 2015/12

BB2014-1632.pdf:0.72MB

 パーセンタイル:100(Chemistry, Multidisciplinary)

分子配向は有機半導体材料の様々な性能を制御する上で重要な因子の一つである。一般に薄膜材料は様々な方向を向く微小配向領域の混合状態となっている。したがって、各々の微小領域において配向方向を選別して顕微分光観測できる手法が望まれてきた。我々は、光電子顕微鏡(PEEM)法と直線偏光性をもつ放射光X線や真空紫外(VUV)光を組み合わせる装置の開発を行っている。ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)導電性ポリマー薄膜を溶液法により作製し、偏光放射光励起によるPEEM像の観測を行った。また様々な偏光角度のUV照射下におけるPEEM像を測定した。放射光励起実験において各微小領域の硫黄S 1s励起X線吸収スペクトルが得られ、微小領域におけるポリマー分子配向の情報を得ることができた。またUV励起実験においては、偏光角度に依存して異なる微結晶層を選択観測することに成功した。実験結果はポリマーの特定の分子軸へ向いた配向領域だけを選択的に顕微鏡観測できることを示唆する。

論文

Interaction between ultra-trace amount of cesium and oxides studied by total-reflection X-ray photoelectron spectroscopy

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 和泉 寿範

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 13, p.417 - 421, 2015/09

 被引用回数:1

微量のアルカリ金属元素と酸化物表面の相互作用に関する研究は、不均一触媒, 化学反応促進剤, 高強度電子源の開発などにとって重要なテーマとなっている。また、セシウムと酸化物表面の相互作用を解明することは、粘土鉱物, 土壌などに吸着した放射性セシウムの除去法の開発にとっても重要となっている。そこで本研究では、放射性セシウムの原子数に相当する極微量の非放射性セシウムと二酸化ケイ素, 酸化アルミニウムなど酸化物表面の化学結合状態を、放射光を用いた全反射X線光電子分光法により調べた。その結果、吸着層の厚みが0.01層以上では、吸着量によらずセシウムと酸化物は、ファン・デア・ワールス結合に基づく弱い相互作用で結合していることが分かった。一方、放射性セシウムの原子数に相当する0.002層程度の極微量セシウムになると、セシウムと基板の分極が小さくなり共有結合性が増すことから、この結合状態の変化が放射性セシウムが脱離しにくい原因のひとつであると考えられる。

論文

Synthesis of hexagonal boron carbonitride without nitrogen void defects

Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 木田 徹也*; 永野 正光*; 野口 英行*

Materials Sciences and Applications, 6(5), p.353 - 359, 2015/05

蜂の巣状の構造を持つ六方晶ホウ素-炭素-窒素化合物(h-BCN)の合成を試み、その構造を調べた。試料は高周波プラズマ誘起化学蒸着法により作成した。欠陥の少ないきれいな薄膜を合成するため、h-BCNと格子定数の近いダイヤモンドを基板に用いるとともに、蒸着中の基板温度を950$$^{circ}$$Cと高温に保持した。X線光電子分光スペクトル(XPS)測定の結果、合成したh-BCN薄膜の組成は、ホウ素0.31, 炭素0.37, 窒素0.6であった。放射光を用い、ホウ素K吸収端および窒素K吸収端のX線吸収端微細構造(NEXAFS)スペクトルを測定した結果、得られた薄膜は理想的な蜂の巣状の構造を持ち、窒素の欠陥はほとんどないことが明らかとなった。

論文

Contracted interlayer distance in graphene/sapphire heterostructure

圓谷 志郎; Antipina, L. Y.*; Avramov, P.*; 大伴 真名歩*; 松本 吉弘*; 平尾 法恵; 下山 巖; 楢本 洋*; 馬場 祐治; Sorokin, P. B.*; et al.

Nano Research, 8(5), p.1535 - 1545, 2015/05

 被引用回数:17 パーセンタイル:20.87(Chemistry, Physical)

Direct growth of graphene on insulators is expected to yield significant improvements in performance of graphene-based electronic and spintronic devices. In this study, we successfully reveal atomic arrangement and electronic properties of the coherent heterostructure of single-layer graphene and $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001). In the atomic arrangement analysis of single-layer graphene on $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001), we observed apparently contradicting results. The in-plane analysis shows that single-layer graphene grows not in the single-crystalline epitaxial manner but in the polycrystalline form with two strongly pronounced preferred orientations. This suggests the relatively weak interfacial interactions to be operative. But, we demonstrate that there exists unusually strong physical interactions between graphene and $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001), as evidenced by the short vertical distance between graphene and $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001) surface. The interfacial interactions are shown to be dominated by the electrostatic force involved in the graphene $$pi$$-system and the unsaturated electrons of the topmost O layer of $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001) rather than the van der Waals interactions. Such feature causes hole doping into graphene, which gives graphene a chance to slide on the $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$(0001) surface with a small energy barrier despite the strong interfacial interactions.

論文

グラファイト構造ホウ素窒化炭素の原子配置に関する分極ルールの再検討

下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘

DV-X$$alpha$$研究協会会報, 27(1&2), p.34 - 44, 2015/03

$$pi$$共役系ホウ素窒化炭素化合物(B$$_{x}$$C$$_{y}$$N$$_{z}$$)は触媒活性などの機能性が注目を集めている。しかし、その原子配置は不明である。我々はNEXAFS分光法のN吸収端でのスペクトルをDVX$$alpha$$法で解析し、原子配置に関する分極ルールを提案した。本発表ではB吸収端でのスペクトルから分極ルールを再検討した結果について報告する。B$$_{x}$$C$$_{y}$$N$$_{z}$$のB及びNのNEXAFSスペクトルは六方晶窒化ホウ素(h-BN)のNEXAFSスペクトルの$$pi$$$$^{*}$$ピークよりも低エネルギー側にブロードな成分を示し、偏光依存性解析からそれらの成分は面外遷移に帰属される。グラファイト構造BC$$_{2}$$Nについて原子配置の異なる幾つかのモデルクラスターの$$pi$$$$^{*}$$準位の電子状態をDVX$$alpha$$法により計算した。BC2NはB, Nどちらの内殻励起においてもh-BNよりも低い励起エネルギー領域に$$pi$$$$^{*}$$準位を示した。B, C, N間で大きい分極をもつ原子配置の場合はB吸収端において大きい$$pi$$$$^{*}$$ピーク強度を示すが、B, C, N間の分極が小さい原子配置の場合は逆の傾向を示すことから、B吸収端のNEXAFSスペクトルの結果も分極ルールの存在を支持することがわかった。

論文

A Fluorescence XAFS measurement instrument in the Soft X-ray region toward observation under operando conditions

本田 充紀; 馬場 祐治; 下山 巖; 関口 哲弘

Review of Scientific Instruments, 86(3), p.035103_1 - 035103_5, 2015/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:62.53(Instruments & Instrumentation)

X-ray absorption fine structure (XAFS) measurements are widely used for the analysis of electronic structure. Generally, XAFS in the soft X-ray region is measured under vacuum, but chemical structures under vacuum are typically different from those under operando conditions, where chemical species exhibit their function. Here we developed an XAFS measurement instrument, as a step toward operando fluorescent yield XAFS measurement using synchrotron radiation in the soft X-ray region. We applied this method to analyze the local electronic structure of the sulfur atoms in L-cysteine in different pH solution. Our results show that this instrument aimed toward operando fluorescence XAFS measurements in the soft X-ray region is useful for structural analysis of sulfur atoms in organic molecules in air and in solution. The instrument will be applied to the structural analysis of materials containing elements that have absorption edges in soft X-ray region, such as phosphorus and alkali metals (potassium and cesium). It will be also particularly useful for the analysis of samples that are difficult to handle under vacuum and materials that have specific functions in solution.

論文

Influence of configuration at dopant sites on catalytic activity of phosphorus-doped graphite

下山 巖; 箱田 照幸; 島田 明彦; 馬場 祐治

Carbon, 81, p.260 - 271, 2015/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:38.7(Chemistry, Physical)

イオン注入法で作製したPドープグラファイトのドーパントサイトの局所構造と触媒活性との相関関係をX線吸収微細構造(NEXAFS)分光法と電気化学的手法により調べる。室温ドーピングを行った試料と高温でドーピングを行った試料はNEXAFSスペクトルの偏光依存性が異なり、高温ドーピングの試料はグラファイトのような明瞭な偏光依存性を示す。NEXAFSスペクトルを密度汎関数理論計算により解釈し、Pサイトの化学結合状態について考察する。また、酸水溶液を用いた電気化学測定において、偏光依存性の大きい試料は酸素還元反応の触媒活性をほとんど示さなかったが、偏光依存性の小さい試料では触媒活性を示す。このことはドーパントサイトの立体配置が触媒活性に影響することを示唆しており、曲面構造の導入が炭素系触媒設計において重要であるとの指針を与える。

論文

Structures of quasi-freestanding ultra-thin silicon films deposited on chemically inert surfaces

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 関口 哲弘

Chemical Physics, 444, p.1 - 6, 2014/09

AA2014-0499.pdf:0.68MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:94.71(Chemistry, Physical)

原子レベルで平坦であり、かつ化学的に不活性な表面を持つサファイアおよび高配向熱分解グラファイト(HOPG)表面にシリコンを蒸着し、その構造を直線偏光した放射光軟X線を用いたX線吸収分光法により調べた。厚みが0.2層より薄い試料について、シリコンK吸収端のX線吸収スペクトルを測定したところ、シリコン1s軌道から価電子帯の非占有$$pi$$軌道および$$sigma$$軌道への共鳴励起によるピークが観測された。これらのピーク強度の偏光依存性を解析した結果、$$pi$$軌道の向きは表面に垂直であることがわかった。このことから、極薄のシリコンは基板と相互作用の小さいsp2軌道を持つグラフェンと類似の構造をとりうることが明らかとなった。

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