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論文

A Review of Cs-bearing microparticles in the environment emitted by the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

五十嵐 康人*; 小暮 敏博*; 栗原 雄一; 三浦 輝*; 奥村 大河*; 佐藤 志彦; 高橋 嘉夫*; 山口 紀子*

Journal of Environmental Radioactivity, 205-206, p.101 - 118, 2019/09

福島第一原子力発電所事故ではチェルノブイリ原発事故と異なるケイ素,酸素,鉄,亜鉛を含む放射性微粒子が発見された。この放射性微粒子は高濃度のセシウムを含むことからセシウムマイクロパーティクル(CsMP)と呼ばれることもある。またこの粒子は少なくとも2種類が見つかっており、発見された順番に、2, 3号機(放出源未確定)と1号機由来をそれぞれTypeA, TypeBと呼んでおり、Cs同位体比, 形態, 採取場所で分類されている。本レビューではこれらの背景を含むCsMPの全体像を紹介する。

論文

Application of M$$_{V}$$-edge XANES to determination of U oxidation state in zircon

田中 万也; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 53(5), p.329 - 331, 2019/00

本研究では放射線量の異なる天然ジルコン3試料のウランM$$_{V}$$吸収端及びL$$_{III}$$吸収端XANESスペクトルの測定を行った。最も線量が高いジルコン試料中では、M$$_{V}$$吸収端及びL$$_{III}$$吸収端ともにウランが四価であることを示す結果が得られた。残りの2試料は五価ウランの存在の可能性を残しつつも、四価と六価のウランが共存していることが示唆された。本研究は、ウランM$$_{V}$$吸収端XANESを天然試料に適用した初めての論文である。

論文

A New technique for removing strontium from seawater by coprecipitation with barite

徳永 紘平; 香西 直文; 高橋 嘉夫*

Journal of Hazardous Materials, 359, p.307 - 315, 2018/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:59.95(Engineering, Environmental)

本研究では、有効な処理処分技術が乏しい海水中のストロンチウム(Sr)に対する新規の除去法として、バライトへの共沈反応を用いた手法の開発を行った。これらSrのバライトに対する共沈過程を分子レベルで明らかにし、取り込みに最適な条件を見出すことで、天然海水の条件において液相中のSr(1mg/L)の90%以上(分配係数10000kg/L以上)の除去が達成された。このように、バライトへの共沈反応を用いたSr除去はカルシウムなどの競合イオンを多く含む海水の系においても有効であることが示された。

論文

Mineralogical control of the size distribution of stable Cs and radiocesium in riverbed sediments

田中 万也; 渡邊 直子*; 山崎 信哉*; 坂口 綾*; Fan, Q.*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.173 - 185, 2018/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:29.42(Geochemistry & Geophysics)

福島県の山木屋(川俣町)と黒岩(福島市)において河川堆積物を採取し、粒径別の化学組成及び鉱物組成の分析を行った。セシウムを含むアルカリ元素の粒径分布は鉱物組成をよく反映していた。山木屋地点では$$^{133}$$Csと$$^{137}$$Csが同様の粒径分布を示し、シルト画分から砂画分にかけて濃度が低下した。シルト画分ではセシウムが粘土鉱物に固定されているものと考えられる。一方、黒岩地点では細粒砂・中粒砂画分において$$^{133}$$Csと$$^{137}$$Csの濃度が最も低く、粗粒砂・極粗粒砂画分において高い濃度を示した。これらの粗粒砂画分には風化黒雲母の粒子が肉眼で観察されており、こうした風化黒雲母にセシウムが固定されていると考えられる。山木屋と黒岩は対照的な結果を示したが、それぞれ地点において安定及び放射性セシウムの粒径分布が鉱物組成をよく反映していることが示された。

論文

Estimation of desorption ratios of radio/stable caesium from environmental samples (aerosols and soils) leached with seawater, diluted seawater and ultrapure water

坂口 綾*; 千賀 晴香*; 田中 万也; 鶴田 治雄*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.187 - 199, 2018/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.17(Geochemistry & Geophysics)

2011年3月15日に川崎市で採取したエアロゾル試料を海水を用いてリーチング実験を行った。その結果、30日間で$$^{137}$$Csの60%が試料から溶出した。また、福島原子力発電所事故の2か月後に川俣町で採取した土壌試料を海水,超純水及び希釈海水(海水:超純水=1:1)でそれぞれリーチング実験を行った。223日間のリーチング実験の結果、海水では15%を超える$$^{137}$$Csの溶出率であったが、希釈海水では9%に低下した。超純水では溶出率が1%以下と非常に低い値であった。$$^{133}$$Csは全体の傾向として$$^{137}$$Csと同様の溶出挙動を示した。

論文

Discovery of radiocesium-bearing microparticles in river water and their influence on the solid-water distribution coefficient ($$K_{rm d}$$) of radiocesium in the Kuchibuto River in Fukushima

三浦 輝*; 栗原 雄一*; 坂口 綾*; 田中 万也; 山口 紀子*; 桧垣 正吾*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.145 - 154, 2018/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:11.05(Geochemistry & Geophysics)

福島の河川の浮遊懸濁粒子中には放射性セシウムを特に高濃度に含む微粒子(CsMPs)が含まれている可能性がある。CsMPsは一粒で高い放射能をもつため、こうした微粒子の有無により河川における放射性セシウム固液分配係数を見かけ上大きく上昇させる可能性がある。そこで本研究では、福島県の河川で採取した浮遊懸濁粒子中からCsMPsを分離して、懸濁粒子全体の放射性セシウムへの寄与率を見積もった。その結果、CsMPsの寄与率は0から46%であり見かけの分配係数を桁レベルで上昇させるほどではないことが明らかとなった。

論文

Discovery of ion-adsorption type deposits of rare earth elements (REE) in Southwest Japan with speciation of REE by extended X-ray absorption fine structure spectroscopy

山口 瑛子*; 本多 翼*; 田中 雅人*; 田中 万也; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(5), p.415 - 425, 2018/00

 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)

風化花崗岩中にみられるイオン吸着型鉱床は重要な希土類元素資源として知られている。しかし、日本においてはこうしたイオン吸着型鉱床の存在の有無はほとんど調査されてこなかった。そこで本研究では広島県と島根県において風化花崗岩試料を採取し、希土類元素の分析を行った。その結果、中国でみられるイオン吸着型鉱床と同程度の希土類元素を含むことが分かった。EXAFSスペクトルを測定した結果、塩化アンモニウム水溶液により抽出される交換性の希土類元素は外圏型錯体として吸着していることが明らかとなった。一方、抽出されなかった画分は内圏型錯体を形成していた。

論文

Comparison of solid-water partitions of radiocesium in river waters in Fukushima and Chernobyl Areas

高橋 嘉夫*; Fan, Q.*; 菅 大暉*; 田中 万也; 坂口 綾*; 武市 泰男*; 小野 寛太*; 間瀬 一彦*; 加藤 憲二*; Kanivets, V. V.*

Scientific Reports (Internet), 7(1), p.12407_1 - 12407_11, 2017/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:56.63(Multidisciplinary Sciences)

本研究では、河川における粒子状物質及び堆積物への放射性セシウムの分配挙動を支配する要因に関して、福島とチェルノブイリの違いに着目した。プリピァチ川(チェルノブイリ)では溶存態の放射性セシウムが主要であった。これは鉱物粒子表面を有機物がコーティングすることにより放射性セシウムの吸着を阻害しているためであると考えられる。一方、口太川(福島)ではこうした有機物による阻害効果は小さく鉱物粒子に強く吸着していることが明らかとなった。福島とチェルノブイリの河川におけるこうした対照的な放射性セシウムの挙動は、両者の地質や土壌タイプの違いを反映していると考えられる。

論文

Effective removal of selenite and selenate ions from aqueous solution by barite

徳永 紘平*; 高橋 嘉夫*

Environmental Science & Technology, 51(16), p.9194 - 9201, 2017/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:31.72(Engineering, Environmental)

バライト(重晶石, BaSO$$_{4}$$)は、溶解度が低く、安定性が非常に高い鉱物であり、周囲の環境が変化しても元素を保持し続けるため、有害元素を安定に隔離する鉱物として非常に有用である。本論文では、対象元素として、高い毒性を持ち、選択的な除去が難しく、有効な処理処分技術が乏しいセレンのオキソアニオン(セレン酸: SeO$$_{4}$$$$^{2-}$$,亜セレン酸: SeO$$_{3}$$$$^{2-}$$)に対して実験を行い、これらの元素の共沈過程を分子レベルで明らかにすることで、溶液中からこれらの元素を効率的に除去するための条件を最適化した。実験の結果、バライトへの亜セレン酸の分配には、鉱物表面への微量元素の吸着のしやすさ(=1化学的な親和性)と鉱物構造内での安定性(=2構造規制)の2つが、またセレン酸の分配には構造規制のみがそれぞれ強く働くことが示され、これらの条件を調整することで溶液からの80%以上の除去がセレン酸、亜セレン酸ともに達成された。

論文

Ligand exchange adsorption and coordination structure of Pd on $$delta$$-MnO$$_{2}$$ in NaCl solution

田中 万也; 田中 雅人*; 渡邊 直子*; 徳永 紘平*; 高橋 嘉夫*

Chemical Geology, 460, p.130 - 137, 2017/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:62.26(Geochemistry & Geophysics)

深海海洋底に存在する鉄マンガン団塊・クラストにはPdが海水に比べてかなり濃集していることが知られている。しかし、こうしたPdの濃集機構はこれまでほとんど研究されてこなかった。そこで本研究ではX線吸収微細構造法を用いて鉄マンガン団塊・クラストの主要構成物質であるマンガン酸化物へのPd吸着機構を調べた。その結果、海水を模擬したNaCl水溶液中では塩化物錯体(Cl配位)であるPdはマンガン酸化物表面に吸着する過程で酸素配位に変化することが明らかとなった。さらに、マンガン酸化物表面に吸着したPdは単核二座配位と二核二座配位の2種類の内圏型錯体を形成することが分かった。これら2種類の内圏型錯体の形成は密度汎関数理論を用いた量子化学計算の結果からも支持された。こうした内圏型錯体の形成は、マンガン酸化物-NaCl水溶液間のPd吸着実験から得られた分配係数が大きいことと調和的であると言える。

論文

Simultaneous recovery and separation of rare earth elements in ferromanganese nodules by using ${{it Shewanella putrefaciens}}$

藤本 潤*; 田中 万也; 渡邊 直子*; 高橋 嘉夫*

Hydrometallurgy, 166, p.80 - 86, 2016/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:82.56(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、鉄還元菌を用いた鉄マンガン団塊からの希土類元素回収法について検討を行った。本研究の特長は鉄マンガン団塊の分解と回収が一つの水溶液系において実現できることである。乳酸ナトリウムを電子供与体として鉄還元菌を嫌気的雰囲気下において培養し、鉄マンガン団塊を還元溶解させた。その結果、鉄マンガン団塊の溶解に伴って水溶液中に放出された希土類元素が再度鉄還元菌の細胞表面に吸着することが確認された。pH7の0.5M NaCl溶液を用いた際に希土類元素の吸着量が最大であった。

論文

Age and speciation of iodine in groundwater and mudstones of the Horonobe area, Hokkaido, Japan; Implications for the origin and migration of iodine during basin evolution

東郷 洋子*; 高橋 嘉夫*; 天野 由記; 松崎 浩之*; 鈴木 庸平*; 寺田 靖子*; 村松 康行*; 伊藤 一誠*; 岩月 輝希

Geochimica et Cosmochimica Acta, 191, p.165 - 186, 2016/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.46(Geochemistry & Geophysics)

ヨウ素の地層中での移行挙動を理解するうえで、化学状態(価数及び局所構造・結合状態)を把握することは重要である。ヨウ素は環境中で一般的には陰イオンの形態を取りやすく、地層への収着性が低い元素であるとともに、陰イオンの他にさまざまな化学形態をとり、各形態で挙動が異なるため、移行挙動の予測は極めて難しい。そこで、本研究では固液両相の化学形態を分析し、表層土壌圏及び地下岩石圏でのヨウ素の挙動解明を試みた。その結果、有機物が熟成される過程でヨウ素イオンが地下水中に溶出されることが示唆された。また、表層で有機態として固相へ分配されたヨウ素は、深層で無機態となって液相へと溶出するが、一部は有機ヨウ素として固相に残ることが明らかとなった。

論文

福島原発事故の地球化学; 放射性核種の生成・飛散・移行

田中 万也; 高橋 嘉夫*; 福士 圭介*; 宇都宮 聡*

地球化学, 49(4), p.169 - 171, 2015/12

福島第一原子力発電所事故以来、環境中に放出された放射性核種の動態に関して多くの研究が行われてきた。本特集号は、大気エアロゾル,土壌,森林,河川,海洋などの調査や新しい分析技術を環境放射能研究に適用した例など様々な研究成果をまとめた7編の総説論文から成る。ここでは、個々の総説論文について簡単に紹介する。

論文

Cumulative history recorded in the depth distribution of radiocesium in sediments deposited on a sandbar

田中 万也; 近藤 宏壮*; 坂口 綾*; 高橋 嘉夫*

Journal of Environmental Radioactivity, 150, p.213 - 219, 2015/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:85.54(Environmental Sciences)

福島県の阿武隈川の砂州において表層から深さ20cmまでの堆積物を採取した。採取した堆積物はバルク試料の放射性セシウム濃度を測定するとともにサイズ分画した試料の測定も同様に行った。その結果、砂州堆積物には福島原子力発電所事故後の河川における放射性セシウムの堆積過程が記録されていることが明らかとなった。

論文

放射性廃棄物の地層処分における国内の地下水コロイド研究の現状と今後の展開

長尾 誠也*; 新堀 雄一*; 田中 忠夫; 佐々木 隆之*; 斉藤 拓巳*; 桐島 陽*; 吉川 英樹; 飯島 和毅; 濱 克宏; 岩月 輝希; et al.

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 20(1), p.3 - 14, 2013/06

本研究は、放射性廃棄物の地層処分における国内の地下水コロイドの影響評価研究の現状について各研究機関での研究を紹介し、実質的なネットワーク化と性能評価におけるコロイド影響の取り扱い方等について、今後の研究の方向性に関する提案を取りまとめた。具体的には、地下水コロイドの特性、地下環境における真性コロイドや擬似コロイドの移行挙動、国内における地下水コロイド研究の取り組み、コロイド評価の体系化、フィールド調査と実験室研究の連携、研究ネットワーク構築の必要性などについて解説するとともに、コロイド研究を展開するにあたって専門家が共有化しておくべき方向性を示した。

論文

Abundances of rare earth elements in crude oils and their partitions in water

中田 亮一*; 高橋 嘉夫*; Zheng, G.*; 山本 祐平; 清水 洋*

Geochemical Journal, 44(5), p.411 - 418, 2010/10

 被引用回数:19 パーセンタイル:39.07(Geochemistry & Geophysics)

中国、新彊ウイグル自治区の泥火山より採取した原油及び共存する水の中の希土類元素の存在度を世界で初めて報告した。原油は軽希土類元素に富み、重希土類元素に枯渇した相対存在度パターンを示した。原油中の希土類元素濃度は共存水より百倍高かった。原油の疎水性と希土類元素イオンの性質を考慮すると、原油中の希土類元素は錯体として存在していると考えられる。$$^{13}$$C-NMRの分析によると、原油中にはフェノール基とカルボキシル基が含まれており、希土類元素はそれらの官能基に錯生成していると考えられる。原油中の希土類元素の相対存在度パターンは泥火山中の泥のパターンと類似しており、原油中の希土類元素は原油が発生した岩石もしくは堆積物から供給されたと考えられる。

論文

A Specific Ce oxidation process during sorption of rare earth elements on biogenic Mn oxide produced by Acremonium sp. strain KR21-2

田中 万也; 谷 幸則*; 高橋 嘉夫*; 谷水 雅治*; 鈴木 義規*; 香西 直文; 大貫 敏彦

Geochimica et Cosmochimica Acta, 74(19), p.5463 - 5477, 2010/10

 被引用回数:49 パーセンタイル:12.65(Geochemistry & Geophysics)

Mn酸化真菌KR21-2株により形成させた生物性Mn酸化物を用いてCe(III)酸化実験を行った。その結果、pH3.8$$sim$$7の水溶液中において生物性Mn酸化物によりCe(III)がCe(IV)へと酸化されることが明らかとなった。さらにpHが中性付近では微生物が分泌した有機配位子と酸化されたCe(IV)が結合し、水溶液中で安定化することが明らかとなった。

論文

EXAFS study on the cause of enrichment of heavy REEs on bacterial cell surfaces

高橋 嘉夫*; 山本 美香*; 山本 祐平; 田中 万也

Geochimica et Cosmochimica Acta, 74(19), p.5443 - 5462, 2010/10

 被引用回数:51 パーセンタイル:11.84(Geochemistry & Geophysics)

希土類元素の相対存在度のパターン(REEパターン)はさまざまな天然の物質で観測されるユニークな地球化学的トレーサーである。バクテリアに吸着したREEのパターンは重希土類元素(HREE)を濃集し、天然試料におけるバクテリア関与の指標に成りえる。本研究では広域X線吸収微細構造(EXAFS)とバクテリアへのREEの分配パターンを用いて、バクテリアの細胞表面へのHREEの濃集機構の解明を試みた。EXAFSの結果より、HREEは低REE/バクテリア比環境では多座リン酸基に結合しているが、高REE/バクテリア比ではカルボキシル基に結合していることが示された。一方、軽希土類元素及び中希土類元素は低REE/バクテリア比において低配座数のリン酸基に結合し、高REE/バクテリア比ではカルボキシル基に結合していることが示された。REE/バクテリア比の変化に伴うバクテリアへのREEの分配パターンの変化は、EXAFSの結果と整合的であった。バクテリアの細胞表面へのHREEの濃集は多座リン酸基による安定な錯体の形成が原因であることがEXAFSによって示された。多座リン酸基はバクテリア以外の天然試料では見られない特徴であり、本研究の結果はバクテリアが関与した試料のREEパターンがバイオマーカーとして利用できる可能性を示した。

論文

Interaction of Eu(III) ion and non-porous silica; Irreversible sorption of Eu(III) on silica and hydrolysis of silica promoted by Eu(III)

高橋 嘉夫*; 村田 美穂*; 木村 貴海

Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1246 - 1251, 2006/02

 被引用回数:19 パーセンタイル:24.03(Chemistry, Physical)

Eu(III)とシリカとの相互作用を吸脱着実験とレーザー誘起蛍光分光法によるEu(III)の状態分析により研究した。Eu(III)の吸着がイオン強度に無関係なこと,シリカが重い希土類元素により強い親和力を示すこと、及び吸着によりEu(III)内圏の水分子が除去されることから、シリカ表面のシラノールとEu(III)の内圏錯体形成が初期反応の重要なプロセスであることを見いだした。また、時間とともにEu(III)の水和数がさらに減少すること及びEu(III)の吸着が非可逆的であることから、Eu(III)とSiを含む新たな相がシリカ表面で形成されることが示唆された。さらに、Eu(III)の存在がシリカの溶解を著しく促進することから、Eu(III)がSi-O-Si結合を効果的に加水分解することを明らかにした。

論文

Direct observation of Cm(III)-fulvate species on fulvic acid-montmorillonite hybrid by laser-induced fluorescence spectroscopy

高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 薬袋 佳孝*

Geochimica et Cosmochimica Acta, 66(1), p.1 - 12, 2002/01

 被引用回数:62 パーセンタイル:20.35

環境中において粘土鉱物などの無機粒子とフミン酸などの有機物は強く結合して、有機-無機複合体を形成する。このような複合体と金属イオンとの相互作用を明らかにするために、レーザー誘起蛍光分光法(LIF)を用いてフルボ酸-モンモリロナイト複合体に吸着したCm(III)を直接的に観察した。LIFによりCm(III)はフルボ酸錯体として複合体に吸着することが明確に示された。Cm(III)の固液分配及び錯形成の結果と合わせて、一般に、環境中におけるアクチノイド(III)イオンの挙動はフミン物質の固液分配により支配されることを明らかにした。

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