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伊藤 均; M.S.Islam*; H.O.Rashid*; N.Sangthong*; P.Rattagool*; Adulyatham, P.*
IAEA-TECDOC-871, 0, p.165 - 182, 1996/04
香辛料の殺菌については電子線の線量率の影響について検討した。各種香辛料とも6~9kGyで衛生基準以下に殺菌されたが、ガンマ線と比べ電子線では必要線量が若干増加した。そして、この差は線量率が著しく差がある場合に起る微生物に対する酸化損傷によって説明できることを明らかにした。しかし、電子線の高線量率は過酸化物価の上昇を低減した。冷凍エビについては12試料中の病原性細菌の分布とガンマ線殺菌効果について検討した。その結果、冷凍えび中にはVibrio Para Haemolyticusやリステリア菌などが検出されたが、サルモネラ菌は検出されなかった。これらの菌は凍結下では3~3.5kGyで殺菌された。凍結照射の場合には照射臭の発生が著しく少なく、過酸化物化やトリメチルアミン等の成分変化も著しく抑制された。
伊藤 均; H.O.Rashid*; N.Sangthong*; Adulyatham, P.*; P.Rattagool*; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 42(1-3), p.279 - 282, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.37(Chemistry, Physical)本研究では輸入冷凍エビ12試料について総菌数、大腸菌群、各種病原菌の分布をしらべた。総菌数は1g当り、310~610個検出され、大腸菌群はEnterobcterが若干検出される程度である。サルモネラ菌は各試料とも全く検出されなかった。一方、病原性ビブリオ菌であるV.parahaemolyticus,V.minicas,V.alginolyticus,V.vulnibicus,V.fluvialisとリステリア菌は熱帯産の試料から広く分離された。総菌数は4~5kGyで90~99%殺菌され、病原性ビブリオ菌、リステリア菌、サルモネラ菌は凍結下3kGyで殺菌可能である。照射による異臭発生は室温下照射では2.5kGyで検知されるが、凍結下の照射では5kGy以上の線量でも無視できる。また脂質の過酸化物価も室温照射では4kGy以上で急増するが、凍結下では10kGy以下では変化が少なかった。トリメチルアミン含量も10kGy以下では全く増加しなかった。
H.O.Rashid*; 伊藤 均; 石垣 功
World J. Microbiol. Biotechnol., 8, p.494 - 499, 1992/00
被引用回数:22 パーセンタイル:58.97(Biotechnology & Applied Microbiology)東南アジア等の国々からの輸入冷凍エビ8試料中の総細菌数は1g当り210~410個であり、大腸菌群はEnterobacterが若干検出され、サルモネラ菌は全く検出されなかった。一方、ビブリオ菌は66株分離され、V.para haemolyticusとV.alginolyticusが多くを占め、V.mimicusやV.vulnificus、V.fluvialisも若干検出された。リステリア菌についても4試料中2試料からL.monocytogenesが若干分離された。冷凍エビ中でのビブリオ菌やAeromonas hydrophilaのガンマ線殺菌線量は3kGyで十分であり、L.monocytogenesも3.5kGyで99.99%の殺菌が可能である。従って、輸入冷凍エビ中の病原性細菌を殺菌し、総細菌数を衛生基準以下に低減するためには3~5kGyの線量が必要と思われる。