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立川 崇之; 阪上 雅昭*; 樽家 篤史*; 岡村 隆*; Ruffo, S.*
no journal, ,
システムの平衡状態を知ることは、例えば振動の緩和過程を解析するうえで非常に重要である。統計力学の視点で見ると、平衡状態はエントロピー最大の状態に対応する。エントロピー最大状態の分布関数を導出する方法は長年研究されてきたが、従来の方法では導出において解の収束性に問題があった。そこでわれわれは解の導出に際し、収束性を考慮してエントロピー最大状態の分布関数を導出する新たな方法を開発した。平衡状態はボルツマンエントロピー最大の状態で導出できる。近年は緩和過程を記述できると期待されるさまざまなエントロピーモデルが提案されている。われわれの方法はさまざまなエントロピーモデルにも拡張が容易であり、これらのモデルの妥当性を検証できる。本研究ではわれわれの方法の評価の一例として、2次元HMFモデルと呼ばれる簡単な長距離モデルに対し、N体シミュレーションとさまざまなエントロピー最大状態の分布関数を導出する方法を比較し、システムの緩和過程を記述できるエントロピーモデルを検証した。
立川 崇之; 阪上 雅昭*; 樽家 篤史*; 岡村 隆*; Ruffo, S.*
no journal, ,
N体シミュレーションを用いて、長距離相互作用系における熱平衡に至る緩和過程を議論する。この系の進化の初期には、平均運動エネルギーのような物理量の値が平衡状態とは異なる、準平衡状態に達する。そして系は徐々に熱平衡状態に達する。われわれは系が負の比熱を持つ時には、この過渡状態がエネルギーに関するポリトロープ型の1粒子分布関数で与えられることを見いだした。緩和過程は、ボルツマン分布に対応するnが無限大に向かって増大することで特徴づけられる。力学的進化において、われわれは画像処理プロセッサを一般計算の目的に用いるGPGPUの技術を用いて、N体シミュレーションの加速を試みた。GPGPUは2体相互作用の計算の高速化が可能である。この技術は原子力課題において、粒子シミュレーションを高速化し、大きな変形を伴う流体の挙動や材料の経年変化などの解析を効率化するための、計算機基盤技術である。