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下川 知子*; 中村 雅哉*; 長澤 尚胤; 玉田 正男; 石原 光朗*
森林総合研究所研究報告, 6(1), p.27 - 34, 2007/03
コーンコブ,米ぬかを主原料とした菌床栽培により生じるエノキタケ廃菌床の、酵素分解処理における線照射の影響について検討を行った。菌床の全重量は培養過程で34%減少していたが、リグニンは残存していた。廃菌床の主な糖組成はグルコースとキシロースであった。500kGyの線照射処理により廃菌床の酵素糖化率はほぼ倍になり、一定時間のブレンダー処理によって生じる細粒子の量も増加した。照射処理によって廃菌床中のホロセルロースは明らかに低分子化しており、試料がもろくなった原因と考えられた。また、照射によって、キシラン由来の糖成分の水溶解性が高まった。そのため、セルラーゼのほかに、キシラナーゼ,キシロシダーゼが含まれているトリコデルマ由来の酵素製剤セルロシンTP25を用いることで、酵素糖化率は48%から80%にまで上昇した。
木名瀬 栄; 野口 宏; 坂本 幸夫; 中村 尚司*; 木村 雅哉*
Proceedings of 1st Asian and Oceanic Congress for Radiation Protection (AOCRP-1) (CD-ROM), 10 Pages, 2002/10
本研究では、原研で1988年までに開発した人体組織等価材について、光子減弱係数データベースXCOM version 3.1を用いて光子減弱係数を再評価するとともに、Basic Data Methodに基づき、ベース材に対する添加剤最適量を光子エネルギー毎に評価し光子エネルギーと添加剤最適量との関係を調べた。さらに、未開発であった歯,皮質骨等価材等に適用するための高密度組織等価材を試作し、光子透過率を実測して、実測結果と理論値とを比較した。その結果、原研で開発した人体組織等価材は、16.6keVの光子に対して、ICRP Reference Manの組織/臓器のものと同等の性能を有し、ベース材に対する添加剤最適量も適切であることを確認した。また、本研究で考案した添加剤最適量評価手法の妥当性が検証され、 試作したHA 61.80w/o添加の高密度組織等価材(=1.81g/cm)は、59.5keV光子に対し皮質骨等価材として有用であることがわかった。