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豊田 新*; 井上 一彦*; 山口 一郎*; 星 正治*; 廣田 誠子*; 岡 壽崇; 島崎 達也*; 水野 秀之*; 谷 篤史*; 保田 浩志*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 199(14), p.1557 - 1564, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)EPR(electron paramagnetic resonance, electron spin resonance (ESR)ともいう)線量計測法の汎用性評価のため、相互比較試験を行った。線量を推定するために必要な、数十から数百mGyの線量を与えた標準試料は、各参加機関が作成した。同様にして作成した試料に未知線量を与えたものとあわせた試料セットを測定した後、他の参加機関に送り、また、他の参加機関が作成した別の試料セットを測定するということを繰り返した。既知線量の試料で作成した検量線の傾きには若干の差が見られるが、未知線量試料の測定値の差は系統的であり、測定値ではなく試料に起因するところが大きいことが示唆された。詳細な解析結果も報告する予定である。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
Chen, J.*; 吉田 健太*; 鈴土 知明; 嶋田 雄介*; 井上 耕治*; 今野 豊彦*; 永井 康介*
Materials Transactions, 63(4), p.468 - 474, 2022/04
被引用回数:1 パーセンタイル:17.21(Materials Science, Multidisciplinary)高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)を用いてその場電子照射により、アルミニウム-銅(Al-Cu)合金のフランクループの発達を0.12nmの原子スケールの空間分解能で視覚化した。FCC-Al格子の[110]方向に沿ったその場HRTEM観察では、固有の積層欠陥の境界となるフランク部分転位は、純Al参照サンプルの場合とは異なり、112方向に沿って非対称の上昇を示した。この時の弾き出し損傷率は0.055-0.120dpa/sであった。分子動力学シミュレーションによって、この部分転位の非対称上昇はギニア-プレストンゾーン(GPゾーン)でのCu-Cu結合によるピン止め効果として説明された。
大野 真也*; 井上 慧*; 森本 真弘*; 新江 定憲*; 豊島 弘明*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 尾形 祥一*; 安田 哲二*; 田中 正俊*
Surface Science, 606(21-22), p.1685 - 1692, 2012/11
被引用回数:8 パーセンタイル:35.38(Chemistry, Physical)The initial oxidation on high-index silicon surfaces with (113) and (120) orientations at 820 K has been investigated by real-time X-ray photoemission spectroscopy (Si 2p and O 1s) using 687 eV photons. The time evolutions of the Si (n=1-4) components in the Si 2p spectrum indicate that the Si state is suppressed on high-index surfaces compared with Si(001). The O 1s state consists of two components, a low-binding-energy component (LBC) and a high-binding-energy component (HBC). It is suggested that the O atom in strained Si-O-Si contributes to the LBC component. The reaction rates are slower on high-index surfaces compared with that on Si(001).
花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10
被引用回数:13 パーセンタイル:69.64(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.466 - 475, 2011/09
被引用回数:2 パーセンタイル:53.22(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が400keVと設計値の500keVよりも低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、実機負イオン源や小型電極を用いた真空耐電圧試験を行い、耐電圧低下の原因を調べた。その結果、従来の面積依存性だけでなく、電極孔や支持枠角部に代表される局所高電界の領域が広がることにより、耐電圧が低下することが明らかとなった。そこで、既存の加速器体系を大幅に改造することなく、この局所高電界を低下させて耐電圧を改善するために、電極間隔を広げて耐電圧試験を行った。しかし、最短距離が伸長されないために耐電圧の改善が飽和する傾向が観測された。そこで、最短距離の伸長を制限していたビーム放射シールドの再設計を行った。その際、ビームからの放射光がFRPに照射されるのを妨げる機能を保ちつつ、FRP表面電界と陽極電界を低減させて最適化する必要があった。そして、既存の体系の中でビーム放射シールドを最適化するとともに、電極間隔を調整した結果、負イオン源の耐電圧は500kV以上に改善した。この改良した負イオン源を利用して、500keVの負イオンビームを3Aまで加速することに成功した。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08
被引用回数:51 パーセンタイル:88.4(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
大野 真也*; 井上 慧*; 森本 真弘*; 新江 定憲*; 豊島 弘明*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 尾形 祥一*; 安田 哲二*; 田中 正俊*
信学技報, 111(114), p.23 - 27, 2011/07
シリコン高指数面(113)及び(120)の820Kでの初期酸化過程を687eVの放射光を用いてリアルタイムX線光電子分光(Si2p, O1s)によって調べた。Si2p光電子スペクトルの中のSi(n=1-4)成分の時間発展から、Si(100)基板の酸化に比べて高指数面ではSi状態の形成が抑制されることがわかった。O1s光電子スペクトルは、低結合エネルギー成分LBCと高結合エネルギー成分HBCのふたつの成分から構成されている。LBCはひずんだSi-O-Siに対応している。反応速度はSi(100)基板の酸化に比べて高指数面では遅いこともわかった。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 小島 有志; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; Hemsworth, R. S.*; 水野 貴敏*; 武本 純平; 田中 政信*; 田中 豊*; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
原子力機構の多孔多段加速器では、ITERの中性粒子入射装置に必要な1MeV, 200A/mの負イオンビーム加速を目指している。耐電圧試験では、加速器の耐電圧は理想的な電極の耐電圧の半分程度であることがわかった。複雑な構造を有する電極や電極支持部の局所的な電界集中が問題であると考え、電極間ギャップを延長し、電極支持部の端部の曲率を大きくして電界集中を抑えた。その結果、真空耐電圧が改善し、1MVで4000秒の電圧保持を達成した。ビーム加速でも、従来の796keV, 0.32A (140A/m)から879keV, 0.36A (157A/m)に大きく進展した。一方、ビーム加速試験では、磁場とビーム間の空間電荷反発によりビームが曲げられて電極に衝突し、ビームエネルギー・電流減少の原因となっていた。3次元ビーム解析において、このビームの偏向量を明らかにして孔ずれと電界補正板を用いたビーム偏向補正方法を設計し、加速器試験でこの補正法が有効に機能することを確認した。
花田 磨砂也; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 小島 有志; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.208 - 213, 2010/08
原子力機構では、JT-60SAに向けた負イオンNBI装置の開発及び設計を進めている。特に、開発に関しては、500keV, 22Aの重水素負イオンビームの生成に向けて、既存のJT-60負イオン源を改良し、JT-60負イオンNBI装置に取り付けて、試験を行っている。現在、開発の最優先課題である負イオン源の高エネルギー化を精力的に進めている。負イオン源内の電極間のギャップ長を従来よりも伸張することによって、イオン源に印加可能な加速電圧を従来の400kVから要求性能である500kVまで改善した。加えて、イオン引き出し領域の1/5を用いて、世界に先駆けて、500keV, 3Aの高エネルギー水素負イオンビームの生成に成功した。負イオン源の高エネルギー化と並行して、JT-60SAにおける100秒入射に向けて、既設のJT-60負イオンNBI装置の長パルス化を図った。負イオン源内の電極熱負荷を従来より20%低減し、同装置の限界である30秒入射を実現した。その結果、入射時間とパワーの積である入射エネルギーは世界最大値80MJに到達し、プラズマの高性能化に大きく貢献した。
谷口 正樹; 水野 貴敏; 梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 小島 有志; 田中 豊; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; et al.
Review of Scientific Instruments, 81(2), p.02B101_1 - 02B101_3, 2010/02
被引用回数:7 パーセンタイル:34.72(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER NBI用負イオン加速器として、5段の静電加速器であるMeV級加速器の開発を行っている。MeV級加速器では、2007年までに796keV, 320mAの負イオン加速に成功したが、積極的な冷却機構を持たない慣性冷却電極のため、パルス幅が0.2sに制限されていた。本研究では、MeV級加速器に水冷加速電極を組み込んで長パルス・大電流負イオン加速試験を行った。その結果、最適パービアンス条件下で750keV, 221mA, 5sの負イオン加速に成功した。また、負イオン加速の最大積算エネルギーは、1.01MJ(651keV, 155mA, 10s)であった。上記以上の大パワー加速では、第3加速電極、及び接地電極への熱負荷が過大となり、絶縁破壊が頻発した。試験後の加速器を分解・観察した結果、ビーム偏向によりこれらの電極が溶融し、絶縁破壊が生じたことが明らかとなった。
田中 豊; 花田 磨砂也; 小島 有志; 秋野 昇; 清水 達夫; 大島 克己; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; et al.
Review of Scientific Instruments, 81(2), p.02A719_1 - 02A719_3, 2010/02
被引用回数:4 パーセンタイル:22.9(Instruments & Instrumentation)JT60負イオン源は、JT-60SAへ向けて、1台あたり22A, 500keVのDビームを生成することが要求されている。これまで、負イオン源は、真空絶縁破壊のために、設計性能を満足していなかった。真空絶縁破壊の原因を調べるために、実機JT-60負イオン源の耐電圧試験やイオン源内部の電界計算を行ったところ、電極支持枠の端部において、加速電極間の平等電界(3kV/mm)よりも高い電界(5.25.5kV/mm)領域において絶縁破壊が生じている可能性が高いことが判明した。そこで、局所電界強度の緩和のための改造を行い、その後耐電圧試験を実施した。3秒パルスで高電圧を印加し、負イオン源のコンディショニングを進め、15時間後、定格500kVを達成するとともに、同電圧を、絶縁破壊することなく、電源の制限パルス幅である40秒間安定に維持した。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; Grisham, L. R.*; et al.
Review of Scientific Instruments, 81(2), p.02B112_1 - 02B112_5, 2010/02
被引用回数:35 パーセンタイル:78.7(Instruments & Instrumentation)JT-60NNBIは実規模サイズの負イオン源を利用した世界で唯一の高エネルギーNBI装置である。今まで、400keVで35Aの負イオンビーム加速に成功し、5.8MW, 0.9sの最大入射パワーを達成している。また、ビームレット同士の反発を補正し、電極熱負荷を低減したことにより、3MW, 30sの長パルス入射にも成功している。それにより、JT-60Uの高ベータプラズマの開発に大きく貢献してきた。JT-60の改修のための停止期間には、JT-60SAに向けての改良として大きな問題であった負イオン源の耐電圧改善を図っている。それは、負イオン源の耐電圧性能を改善することにより、より高パワー・長パルスのビームを安定に入射することが目的である。今回電極間の距離を延ばすとともに局所電界を低減することによって耐電圧の改善に成功し、JT-60での標準運転より厳しい条件であるガスを導入しない無負荷耐電圧で設計値を超える500kVを達成した。また、設計値である490kVを40秒間絶縁破壊することなく保持することに成功した。これらの成果によりJT-60SAに向けた負イオン源の耐電圧改善について見通しを得た。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:41.25(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
池田 佳隆; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 本田 敦; 鎌田 正輝; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.791 - 797, 2007/10
被引用回数:22 パーセンタイル:80.64(Nuclear Science & Technology)ITERや原型炉に向けた研究を強化するため、JT-60Uを超伝導化するJT-60SA計画が進められている。この計画におけるNBI加熱装置は、入射パワーは1基あたりの入射パワー2MW(85keV)の正イオンNBI加熱装置が12基、入射パワー10MW(500keV)の負イオンNBI加熱装置が1基から構成され、総計34MW,100秒のビーム入射を行う予定である。一方、これまでにJT-60Uにおいては、正イオンNBIで2MW(85keV),30秒、負イオンNBIで3.2MW(320keV),20秒入射を既に達成している。これらの運転において両イオン源の加速電極の冷却水温度上昇は約20秒以内で飽和していることから、改修計画に向けては、電源の容量強化や負イオンNBIの加速エネルギー向上が鍵となると考えられる。本論文では、JT-60SA計画における、NBI加熱装置の増力に関する工学設計を報告する。
池田 佳隆; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Nuclear Fusion, 46(6), p.S211 - S219, 2006/06
被引用回数:59 パーセンタイル:87.2(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負イオンNBI装置では、準定常状態のプラズマ研究を行うため、パルス幅を10秒から30秒に拡張する試みに着手した。そのための最も重要な課題は、イオン源電極の熱負荷軽減であり、2つの改良を提案した。1つは、ビーム同士の相互作用によるビームの拡がりの抑制であり、そのために薄板を引出電極に取付け、局所的な電界を修正した。その厚みは、ビームの偏向を最適に制御するよう決めた。もう1つは、負イオンから電子が剥ぎ取られ、その電子がイオン源内で加速,電極に衝突するストリッピング損失の低減化である。このために加速部の真空排気速度を改善するようイオン源を改造した。これらの改造を行い、現在まで17秒,1.6MWあるいは25秒,約1MWの入射に成功した。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 栗山 正明; et al.
Fusion Science and Technology, 44(2), p.508 - 512, 2003/09
被引用回数:5 パーセンタイル:36.81(Nuclear Science & Technology)JT-60U N-NBI用負イオン源は、500keV,22A,10秒間のビーム加速性能を持つ。このような大型負イオン源の運転実績はこれまでになく、1996年より本格的な特性試験を開始したが、この間、多くの改良に努力が費やされた。(1)ソースプラズマの不均一性による加速部電極の熱負荷過大の対策として、上下端部からの発散性ビームをカットするマスク板を設置した。不均一性の改良のために、アーク限流抵抗やグループ毎フィラメントパワーの最適化を行った。(2)その他改良として、ビーム引出し時のフィラメントパワー低減制御の導入やビーム発散抑制のための引出電極形状の最適化を行った。これら改良の積み重ねの結果、現在までに最大入射パワー6.2MW,最長パルス幅10秒を達成することができた。
及川 将一*; 神谷 富裕; 福田 光宏; 奥村 進; 井上 博光*; 益野 真一*; 梅宮 伸介*; 押山 義文*; 平 豊*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210(1-4), p.54 - 58, 2003/09
被引用回数:25 パーセンタイル:82.89(Instruments & Instrumentation)現在原研高崎TIARAでは、radio micro surgery等の生物医学への応用を目指して、AVFサイクロトロンの垂直ビームラインに設置する集束方式高エネルギー重イオンマイクロビーム装置の開発を進めている。レンズ集束における色収差の低減のため、AVFサイクロトロンは100MeV級重イオンビームのエネルギー幅を10以下にする必要がある。このためサイクロトロンRFシステムにフラットトップ加速技術が導入された。ビームラインは生物試料照射に適した鉛直下向きであり、オブジェクトスリットと発散制限スリットの二段のスリット、集束レンズである四連四重極電磁石により構成される。これにより空間分解能1mの重イオンマイクロビーム形成が可能となり、薄膜を介して大気中の試料を細胞レベル以下の精度で照射することが可能となる。さらに、短時間に多数の細胞を狙い撃ちするため、高速自動照準シングルイオン照射システムとマイクロビーム二次元走査システムをリンクさせ、散在する培養細胞等の微小試料に対して毎分1000個以上の高速シングルイオン照射を実現する。このような高速シングルイオンヒットには照射位置を正確にリアルタイムで観測できる検出システムが必要になる。そのために試料直下にシンチレータプレートを設置して、単一イオンが入射した際の微弱なシンチレーション光を超高感度カメラによって観測し、照射試料の光学顕微鏡画像と合成することで、照射試料へのシングルイオン入射位置を正確に把握できるシステムを開発中である。
森下 正樹; 青砥 紀身; 笠原 直人; 浅山 泰; 佐賀山 豊*; 井上 和彦*; 柴本 宏*; 田中 良彦*
JNC TY9400 2003-001, 644 Pages, 2003/05
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電(原電)では、安全性と経済性に優れた実用高速炉プラント概念の構築を目的として「高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究」を実施している。ここでは、高温構造設計の高度化、新材料の採用、ならびに3次元免震が経済性向上のためのシステム改善方策の枢要技術として挙げられている。そこで、JNCと原電は、平成12年度より、高温構造設計手法高度化と3次元免震開発に関する共同研究を開始した。本報告書はそのうち、高温構造設計手法高度化に関する平成14年度の成果をとりまとめたものである。なお、本成果のなかには、原電が経済産業省より受託し、JNCがその実施に協力した、高速増殖炉技術確証試験の成果が含まれている。本研究は、その内容を(1)実用化構造設計基準、(2)新材料の基準化、及び(3)システム化規格、の3つのスコープに整理して進めた。本年度の成果を要約すると、以下のとおりである。(1)実用化構造設計基準の検討 -実用化構造設計基準(FDS)に要求される最新の設計ニーズに照らし、実用高速炉合理化設計に貢献できる見通しがある項目、設計概念の成立性判断に必要な項目を優先して検討することとし、フェーズIIの研究方針を明らかにした。-破損クライテリアの高度化に関して、合理的なラチェット疲労試験方法を計画立案し、試験に着手した。また合理的なクリープ領域設定法であるNCカーブに関し、適用条件を拡張した。-非弾性解析指針に関し、策定方針、必要記載項目を明確にし、解析法の適用性を検討した。-熱荷重評価法に関し、事例集化を進めた。またサーマルストライピング荷重想定法に関して、熱応力の周波数伝達関数の高度化と、それに基づく疲労損傷評価法の検討を行った。(2)新材料の基準化の検討 -強度特性改善が期待できる12Cr候補仕様材について、中短時間材料試験を実施すると共に、低ひずみ範囲におけるクリープ疲労試験を行った。-候補仕様材(W中添加、W無添加)について、TIG溶接継手施工法を提案した。-新材料に求められる基準化条件について検討すると共に、新材料選定の指標となるパラメータについて検討した。(3)システム化規格の検討 -システム化規格開発の方向性検討に資するため、エキスパートパネルを設置し、典型的な構造を念頭に置いた例題を設定した上で、システム化規格WGで検討を進めた。