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福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 12, p.433 - 437, 1991/05
被引用回数:34 パーセンタイル:86(Engineering, Biomedical)16900~41300の重量平均分子量(Mw)をもつ無定形ポリ(L-ラクチド-Co-グリコライド、70:30mol%)を触媒の存在下開環重合によって調製した。この場合、分子量は分子量調節剤(ラウリルアルコール)を用いてコントロールした。このポリマーのin vivo分解パターンはS-型を示す。前立腺治療薬をMw=24000のポリマー中に包括し、in vivo分解とin vivo放出の関係を調べた。その結果、ポリマーからin vivoにおいて放出した薬物の累積放出量はポリマーの分解パターンとよく対応することが分かった。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Int. J. Pharm., 67, p.67 - 77, 1991/00
被引用回数:31 パーセンタイル:78.12(Pharmacology & Pharmacy)放物線型のin vivo分解パターン(5週で100%分解)をもつ低分子量DL-乳酸ポリマー(Mn=1400)とS字型の分解パターン(10週の誘導期間)をもつ高分子量DL-ラクチド(Mn=11500)を溶融混合した。黄体形成ホルモン・放出ホルモン拮抗体(LH-RH agonist)をブレンドポリマーに包括し、ポリマーのin vivo分解における誘導期間と包括系からのLH-RH agonistの放出パターンの関係をラット背中皮下埋入実験によって調べた。薬物の初期多量放出(バースト現象)は、高分子量ポリマーをブレンドすることによって抑制され、結果的に最も長期間にわたっての一定持続放出が75%高分子量ポリマーも含むブレンドポリマー系で認められた。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
J. Biomed. Mater. Res., 25, p.315 - 328, 1991/00
被引用回数:17 パーセンタイル:57.5(Engineering, Biomedical)グリコール酸(GA)とラクトン(BL:-グチロラクトン、VL:-バレロラクトン、CL:-カプロラクトン)からなる低分子量ポリエステルを無触媒系の縮合反応によって合成し、ドラッブデリバリーシステムへの生分解型ポリマーとしての用途を検討した。85mol-%GA含有ポリマー(Mn=2900100)は、いずれの系においても、結晶・固体で放物線型のin vivo分解パターンを示した。これに対し、非結晶・ペースト状ポリ(GA/CL、50/50mol-%)のin vivo分解パターンは、ポリマーの分子量が増加すると、放物線型直線型S-字型へと変化した。[Leu、des-Gly]-LHRHエチルアミド(前立腺癌治療薬)を、これらのポリマー中に包括し、担体のin vivo分解過程での薬物の放出挙動および薬理効果について、ウイスター系ラットを用いて検討した。放物線型分解パターンをもつポリマー系からの薬物の放出は初期にバースト現象がみられた。しかし、このバースト現象は、S-字型のそれぞれでは、著しく抑制された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Polymer, 31, p.2006 - 2014, 1990/10
被引用回数:111 パーセンタイル:96.32(Polymer Science)エステル酵素分解型の低分子量コポリエステルを得るため、L-乳酸(LA)と-カプロラクトン(CL)を窒素雰囲気・無触媒下200Cの温度で直接脱水縮合法によって合成した。この反応は環状CLの加水分解生成物(直鎖状6-ヒドロキシカプロン酸)と直鎖状LAの縮合によって進む。反応メカニズムおよびポリマーの特性はGPC、H-NMR、C-NMR、X線回折などによって調べた。ガラス転移温度と結晶性の結果から、ポリマーの形態を固体状(0-15mol-%CL組成範囲)、ペースト状(30-70mol-%CL組成範囲)、ワックス状(85-100mol-%CL組成範囲)の3つの状態に分類した。これらのポリマーの酵素分解性を調べたところ、最も強い分解活性はRhizopus delemen起源のリパーゼ酵素を用いた時に観察された。この場合、酵素分解はポリマーの形態に強く依存し、ペースト状ポリマーか酵素による分解作用を最も受けやすいことが判明した。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 11, p.441 - 446, 1990/08
被引用回数:13 パーセンタイル:57.32(Engineering, Biomedical)70%L-乳酸(LA)を含む低分子量・無定形コポリエステルを種々のDL-オキシ酸(DL-LA:DL-乳酸、DL-HBA:DL--ヒドロキシ-n-酪酸、DL-HIVA:DL--ヒドロキシ-iso-吉草酸、DL-HICA:DL--ヒドロキシ-iso-カプロン酸)と無触媒下で直接脱水縮合させることにより合成した。ドラッグデリバリーシステムの生分解型担体としてのこれらのポリマーのin vivo性能は動物実験によって評価した。その結果、in vivo分解パターンは、担体の種類によって、放物線型(LA/DL-HBA)、直線型(LA/DL-LA)、そしてS-字型(LA/DL-HIVA、LA/DL-HICA)からなることが分かった。ポリマー複合体からの薬物の一定速度でのin vivo放出は、LA/DL-HICA系が最も効果的で、約15週の期間にわたって45g/dayの速度で維持された。この効果は血中薬物濃度および薬理作用の結果から示唆された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Makromol. Chem., 191, p.731 - 736, 1990/04
Mn=1600-4800の非晶性コポリマーをL-乳酸(LA)とDL-ヒドロキシイソカプロン酸(HICA)の無触媒・直接脱水縮合反応によって合成した。このコポリマーはdrog delivery systemへの応用に対し生分解型材料として有用である。この場合、in vivo分解パターンはポリマーの分子量と密接に関係しており、分子量の増加によってそのパターンが放物線型からS-字型へと変化することが分かった。LH-RH類似物質(des-Gly-[D-Len]-LH-RH ethylamide)を圧融着法によって針状に成形したポリマー中に複合化し、その複合体針のin vivo性能を動物実験から評価した。S-字型分解・放出パターンからなるCopoly(LA/HICA,70/30mol-%)(Mn=2200)複合体針の場合、血清薬物濃度は15週の実験期間を通して、約3.5ng/mlで一定レベルを維持した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Colloid and Polymer Science, 268(8), p.726 - 730, 1990/00
被引用回数:8 パーセンタイル:43.19(Chemistry, Physical)L-アラニル-L-アラニル--エテル-L-グルタミル-L-ラクテル(AlaAlaGlu(oE)Lac)の繰り返しからなるポリマーを合成し、このポリマーの粒子化を溶媒蒸発法で検討した。ポリマー(200mg)を含むクロロホルム/ジクロロ酢酸(98/2%)溶液(10ml)を1%ポリビニルアルコール水溶液(200ml)にそそぎ、30C400rpmで攪拌した時、58m径の球状粒子を得た。この場合、系中のジクロロ酢酸は粒子形成に最も重要な役割を果たす。一方、AlaAlaGlu(oE)Lacポリマーは、その主鎖にエステル結合とペプチド結合をもつため、エステラーゼ酵素とプロテアーゼ酵素作用によって分解を受けることが期待される。ポリマー粒子をウイスター系ラットの背中皮下に埋め込み、その分解性を調べたところ、25週目で完全に分解消失することが分かった。この粒子に薬物を包括し、粒子からの薬物の放出性及びラット前立腺におよぼす薬理作用も同時に調べた。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Drug Des. Delivery, 5, p.301 - 320, 1990/00
1400-16900の数平均分子量(Mn)をもつDL-乳酸ポリマー(PLA)を合成し、それのin vivo分解パターンを動物の背中皮下に埋め込むことによって調べた。Mnが1600以下のPLAでは、その分解パターンは放物線型で、Mn=2000以上になると分解に誘導期を示すS-字型になることが分かった。この場合、S-字型分解パターンに見られる誘導期はMnに強く依存し、Mnが大きくなると、より長期間になる傾向を示した。これらのポリマー担体に薬物を包括し、担体のin vivo分解パターンと薬物のin vivo放出パターンの関係および動物の前立腺におよぼす薬理作用についても調べた。放物線型のin vivo分解パターンをもつPLAの場合、薬物のin vivo放出は数週間以内で殆ど完結した。これに対し、S-字型のそれは、初期段階にみられる薬物の急激な放出を抑制できることが判明した。結果的に、最も強い薬理効果はMn=2000のPLA系で12週の期間にわたって観察された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(1), p.29 - 33, 1990/00
被引用回数:10 パーセンタイル:49.32(Polymer Science)32-67%の結晶性をもつpoly(-プロピオラクトン)(PL)を種々の有機溶媒系を用いて低温放射線固相重合によって合成した。この場合、結晶性は、有機溶媒の種類もしくは己の量をかえることによってコントロールできる。このポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、生体酵素作用によって分解を受ける。このような分解は、ポリマーの結晶性に強く依存し、結果的に結晶性の減少が分解を加速する。in vivo実験系において、20週埋入後のポリマーの分解率(y)と結晶性(x)の関係は、直線となり、そこでの回帰曲線はy=1.701x+120.6(=0.985)になることが分った。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 今坂 一道*; 永井 恒司*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(12), p.1273 - 1277, 1990/00
被引用回数:34 パーセンタイル:81.1(Polymer Science)側鎖基にフェニル基およびベンジル基をもつ芳香族オキシ酸をL-乳酸(LA)と無触媒下で脱水共縮合させ、生分解型低分子量コポリエステルを合成した。このポリマーの特性は、H-NMR(共重合性)、GPC(分子量)、DSC(結晶性)、in vivo試験(分解性)によって調べた。in vivo分解パターンは、コポリエステル中の芳香族オキシ酸組成の増加もしくはそれらのコポリマーの分子量の増加と共に、放物線型からS-字型に変化した。この場合、フェニル基をもつオキシ酸コポリエステル系の分解率は、ベンジル基をもつそれに比べ著しく抑制されることが分かった。この原因はセグメント効果によると考えられる。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
J. Biomed. Mater. Res., 24, p.1173 - 1184, 1990/00
被引用回数:32 パーセンタイル:75.14(Engineering, Biomedical)アミノ酸とオキシ酸からなるシーケンシャルポリデプシペプチドは主鎖にペプチド結合(-CONH-)とエステル結合(-COO-)をもつため、プロテアーゼ酵素とエステラーゼ酵素の競争反応によって分解を受けることが期待できる。この目的に対し、我々は、アミノ酸とオキシ酸による2-ニトロフェニルN-カルボキシアンヒドライド法を用いて、(L-アラニル)n--エチルレーグルタメート-L-ラクチル、[(Ala)-Glu(OEt)-Lac]、シーケンスからなるポリマーを合成した(n=0,1,2,3)。これらのポリマーに対する酵素分解作用は、エステル結合に作用するエステラーゼの方がペプチド結合に作用するプロテアーゼよりおおきいことが分った。この場合、リゾプスデレマー起源のリパーゼが最も強い酵素分解作用を示した。この酵素を用いた時、Ala-Ala-Glu(OEt)-Lacシーケンスポリマーが最も分解されやすかった。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Makromol. Chem. Rapid Commun., 11, p.337 - 343, 1990/00
(L-アラニル)-L-ラクチル[(Ala)-Lac](n=0-3)単位からなるシーケンシャルポリデプシペプチドを2-ニトロフェニルサルフェニルN-カルボキシ酸無水物法によって合成した。このポリマーは主鎖にペプチド結合とエステル結合をもつため、プロテアーゼ酵素(例、トリプシン)とエステラーゼ酵素(例、リパーゼ)の競争反応によって分解を受けることが考えられる。トリプシンによるポリマーの分解は、poly(Ala-Lac)で極大を示し、試験開始から10週目で約55%分解率に達した。同じ傾向はリパーゼを用いた時にも観察された。しかし、分解率は、トリプシンのそれより著しく高く、100%近くにまで達することが分かった。この結果は、エステル結合を切断する酵素作用によってポリマーの分解が優先的に起こっていることを意味する。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 10, p.569 - 573, 1989/10
被引用回数:37 パーセンタイル:92.86(Engineering, Biomedical)Mn=1800をもつ結晶・非晶性コポリマーをD-乳酸とL-乳酸の直接脱水共縮合によって合成した。このコポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、エステラーゼ酵素作用によって分解する。des-Gly-(D-Leu)-LH-RH ethylamideを、このコポリマー中に圧融着によって包含した。薬物のin vivo放出性は、コポリマーの結晶構造に強く依存し、結果的に非晶コポリマーからのin vivo放出が結晶コポリマーのそれより長期間にわたって調節可能であることが分った。逆に、担体自体のin vivo分解性は、非晶コポリマーの方がはやい。これは、薬物の分散状態の違いによって説明できる。すなわち、担体の分解は非晶部分から優先的におこるのに対し、薬物は結晶部分に分散していないためである。
吉田 勝; 浅野 雅春; 森田 泰司*; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Biomaterials, 10, p.16 - 22, 1989/01
被引用回数:10 パーセンタイル:46.07(Engineering, Biomedical)シスプラチンを低温放射線重合法によってビニルコポリマー(80/20vol-%組成のdiethylene glycol dimethacrylate/polyethylene glycol #600 dimethacrylate)中に固定した。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 鈴木 慶二*
Journal of Controlled Release, 9, p.111 - 122, 1989/00
Mn=1600-3300をもつ、L-乳酸/グルコール酸のコポリマーの合成は、無触媒系、直接脱水共重縮合法によっておこなった。LH-RH agonist(前立腺癌治療薬)は圧融着法によって、針状複合体に成形したコポリマー中に均一に分散包括させた。この複合体を線滅菌ののち、雄性ラットの背中皮下に埋入した。コポリマーのin vivo分解は、系中のグルコール酸成分の増加と共に加速され、結果的に30/70mol-%L-乳酸グルコール酸組織で極大に達した。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Journal of Controlled Release, 10, p.293 - 303, 1989/00
Mn=1500-2600のCopoly(L-lactic acid/-valerolactone)(copoly(LA/VL))をDDSのための生分解性担体として用いるため、無触媒下で直接脱水縮合によって合成した。LA組成を関数として、固体状(100-80mol-%LA)、ペースト状(70-30mol%LA)、そしてワックス状(15-0mol-%LA)ポリマーを得た。Rhizopus delemer lipaseは最も高い分解活性を示した。この場合、ペースト状ポリマーの分解速度は、固体、ワックス状ポリマーのそれより著るしく速い。estradiol-17のnitrogen mustard誘導体であるestramustineをMn=2500をもつcopoly(LA/VL、70/30mol-%)(ペーストポリマー)の中に均一分散固定した。この系は、in vivo実験系において、埋入から5週目で完全分解消失する。rat prostateにおよぼす薬理作用は、5週の期間にわたって観察された。
吉田 勝; 浅野 雅春; 福崎 裕延*; 嘉悦 勲*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Prostate Cancer; Second Tokyo Symp., p.288 - 292, 1989/00
技術情報部登録No.B-7706で承認されている学会発表内容(昭和62年12月12日、東京で発表)が「Second Tokyo Symposium on Rrostate Cancer」のタイトルをもつ図書として出版される。
浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 大屋 正尚*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
薬剤学, 49(2), p.116 - 126, 1989/00
random copoly(Ala/Asp(OEf)、50/50 mol-%)をNCA法で合成し、drug delivery system用の生体分解型コポリマー担体としての性能試験をラットの背中皮下埋入によっておこなった。圧融着法によって針状に成形したコポリマーをラットの背中皮下に埋入した時、この担体は埋入開始から56日目で100%分解することが分った。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Polym. J., 20(3), p.281 - 284, 1988/00
被引用回数:7 パーセンタイル:71.96(Polymer Science)ペプチド結合とエステル結合をもつシーケンシャルポリデプシペプチド、〔Ala-Leu-Glu(OEt)-Lac〕とペプチド結合のみをもつシーケンシャルポリペプチド、〔Ala-Leu-Glu(OEt)-Ala〕を合成した。これらのポリマーの酵素分解性を検討した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 鈴木 慶二*; 森田 泰司*
人工臓器, 16(3), p.1333 - 1336, 1987/03
低温放射線重合法で調製したシスプラチンを含むvinyl copolymer針をウィスター系ラットの腎臓に埋入した。この針からシスプラチンが徐々に放出され、結果的に針周囲・組織が壊死化した。針周囲の組織壊死の立体像はラグビーボール状で、その中心に針が位置している形態を示した。この場合、針表面から外側へ向っての壊死の組織形態は凝固壊死層、融解壊死層そして非壊死(正常組織)からなることが分った。このような組織形態はurokinase(フィブリン溶融酵素)、lipase(脂肪分解酵素)およびtrypsin(タンパク質分解酵素)のような酵素をシスプラチンと共存させた時に顕著に変化した。すなわち、針埋入から7日目で比較した場合、非酵素もしくはurokinase含有系の壊死形態は殆んどが凝固壊死であったのに対し、lipaseおよびtrypsin含有系のそれは逆に融解壊死からなっていることが組織所見(HE染色)から判明した。