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高崎 浩司; 安宗 貴志; 山口 祐加子; 橋本 周; 前田 宏治; 加藤 正人
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1437 - 1446, 2023/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)空気力学的放射能中央径(AMAD)は内部被ばくの評価に必要な情報である。2017年6月6日に日本原子力研究開発機構の大洗サイトのプルトニウム取扱施設において、核燃料物質を収納した貯蔵容器の調査作業中に事故的な汚染が発生し、5名の作業者がプルトニウムを含む放射性物質を吸入した。線量評価のために、いくつかのスミアろ紙と空気サンプリングフィルタをイメージングプレートで測定し、硝酸プルトニウムと二酸化プルトニウムの2つのケースの最小AMADを保守的に推定した。AMADの指定の結果、スミアろ紙の極端に大きな粒子を除いても、塗抹紙からの硝酸プルトニウムの最小AMADは4.3-11.3m、二酸化プルトニウムのそれは5.6-14.1mであった。また、空気サンプリングフィルタからの硝酸プルトニウムの最小AMADは3.0mで、二酸化プルトニウムは3.9mであった。
安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
高崎 浩司; 安宗 貴志; 橋本 周; 前田 宏治; 加藤 正人; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
JAEA-Review 2019-003, 48 Pages, 2019/03
平成29年6月6日に大洗研究開発センター燃料研究棟の管理区域内において、貯蔵容器の点検等作業中、貯蔵容器内にある核燃料物質が入った容器を封入した樹脂製の袋が破裂した。室内で作業をしていた作業員5名は半面マスクを着用していたが、5名全員が飛散したPu等のダストで汚染され、体内摂取による内部被ばくが生じた。国際放射線防護委員会は作業者による放射性核種の吸入摂取について、空気力学的放射能中央径(AMAD)の1mと5mの実効線量係数を示しており、内部被ばく線量の評価において、放射性粒子のAMADは重要な情報である。事象発生後に採取した室内のスミヤ試料14枚とPuダストモニタのサンプリングろ紙1枚について、イメージングプレートで測定し、画像解析により室内に飛散したPu等の粒子のAMADを評価した。評価の結果、スミヤ試料からは硝酸Pu塩と仮定した場合のAMADは4.311m以上、酸化Puと仮定した場合のAMADは5.614m以上と評価された。また、Puダストモニタの集塵ろ紙については、硝酸Pu塩とした場合のAMADは3.0m以上、酸化Puとした場合は3.9m以上と評価された。
芦田 貴志; 高松 操; 川原 啓孝; 前田 茂貴; 前田 幸基; 原 正秀*; 加藤 潤悟*
no journal, ,
高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置の試料部が炉内燃料貯蔵ラック上で変形していること、及び試料部と回転プラグの接触による炉心上部機構の下部の一部損傷を確認しており、「常陽」を再起動するためには、炉心上部機構の交換及び試料部の回収が必要である。本報告では、炉心上部機構の交換作業の概要及び交換作業に使用する機器及び工法等について述べる。
安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 加藤 貴志*; 松山 英也*
no journal, ,
放射線により半導体デバイス内に誘起された電荷が、電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)を引き起こす。PHITSでソフトエラーの発生率を評価する際、メモリの記憶ノードに収集される電荷量を迅速かつ精度よく計算するモデルが必要となる。近年その使用が広がっているFinFETは、従来主流であったPlanar型素子と構造が異なるため、電荷収集の物理過程も従来とは異なることが予想される。そこで本研究では、FinFETに関する収集電荷量概算モデルの構築を目的とし、三次元TCADシミュレータHyENEXSSを用いて、放射線誘起電荷の収集過程の系統的調査を実施した。解析の結果、数psecの時刻にソース-ドレイン間の一時的な導通が生じることが判明した。また、fin部にのみ電荷が誘起された場合にはこの成分が電荷収集の主因となる一方で、基板にまで電荷が誘起された場合には100psec以降の拡散による電荷収集が主因となることを明らかにした。
板垣 亘; 野口 好一; 遠藤 紀生; 中村 俊之; 芦田 貴志; 齊藤 隆一; 染谷 博之*; 遠峰 洋*; 加藤 淳*; 郡司 雅勝*
no journal, ,
近年、原子力業界では福島第一原子力発電所の事故以来、多くの原子力プラントが長期停止したことで、原子力に携わる技術者の技術維持が困難な環境となっている。高速実験炉「常陽」においても、平成19年に発生した「燃料交換機能の一部阻害」および東日本大震災の影響により、「常陽」を利用した照射試験が長らく休止している。このため、「常陽」で照射する装置の製作の一翼を担う照射装置組立検査施設(IRAF)における「ものづくり」の技術維持が困難な状況になっている。「常陽」が平成26年12月に「燃料交換機能の一部阻害」からの復旧を果たして、今後、新規制基準の適合性審査をへて再起動を目指してゆく中、照射試験再開の前提となる照射装置の製作技術の伝承は喫緊の課題の一つである。本件では、IRAFにおける照射装置製作に係る技術伝承活動について報告する。
安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 加藤 貴志*; 松山 英也*
no journal, ,
放射線が半導体デバイス内に誘起した電荷が一定量以上記憶ノードに収集されたとき、電子機器は一時的な誤動作(ソフトエラー)を起こす。ソフトエラーの発生率をシミュレーションで評価する際、収集電荷量を迅速かつ精度よく計算するモデルが必要となる。これまでの研究で、三次元構造を有するFinFETの電荷収集効率(付与電荷量に対する収集電荷量の比)は、電荷付与位置およびfin部に付与される電荷量に依存することが判明した。そこで本研究では、三次元デバイスシミュレータHyENEXSSを用いて電荷収集効率の電荷付与位置および付与電荷量依存性をより詳細に調査し、その結果に基づいてFinFETに対する多重有感領域モデルを新たに構築した。多重有感領域モデルの精度検証として、PHITSで得られた任意の電荷付与イベントについて、HyENEXSSおよび単一有感領域モデルによる計算結果との比較を行った。その結果、多重有感領域モデルを用いて電荷収集効率の位置依存性および付与電荷量依存性を考慮することが、収集電荷量の概算精度向上に繋がることを実証した。
加藤 祥成; 橋本 周; 宮内 英明; 安宗 貴志; 小川 竜一郎; 後藤 真悟; 落合 行弘*; 松井 淳季
no journal, ,
平成29年6月6日、大洗研究開発センター燃料研究棟108号室にて発生した汚染・内部被ばく事故について、作業員5名(それぞれ、作業員AEとする。)の内部被ばく経路を推定するため、作業員が着用していた半面マスクに着目し、以下の項目について測定及び調査を実施した。(1)ペンシル型測定器を用いた半面マスク面体接顔部の汚染の相対強度分布の測定、(2)イメージングプレートを用いた半面マスク面体接顔部の汚染分布の測定、(3)フィルタカートリッジホルダー(内部)から採取したスミヤの線測定、(4)面体(顔側)から採取したスミヤと給排気弁の線測定。調査の結果、作業中に着用していたマスクについて、作業員B, C, D, Eの半面マスク接顔部の広い範囲で汚染が確認された。また、交換後の半面マスクについては、作業員Eが着用していたものと考えられるマスクから高い汚染が確認された。フィルタカートリッジ内側に汚染は認められないことから、フィルタの健全性が確認された。
加藤 祥成; 橋本 周; 宮内 英明; 安宗 貴志; 前田 英太; 高崎 浩司; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
no journal, ,
本発表では、主として作業員の内部被ばく線量評価及び内部被ばく経路の推定に資するために実施した種々の測定手法及び結果について報告する。作業員が着用していた半面マスクについて調査した結果、半面マスク接顔部の広い範囲で汚染が確認された。このことから、樹脂製の袋が破裂した際に直接浴びたPu等の粒子及び顔面に付着した汚染が、半面マスクと顔面の間に入り込み、内部被ばくを引き起こした可能性が高いと推定した。
安宗 貴志; 加藤 祥成; 前田 英太; 宮内 英明; 橋本 周; 高崎 浩司
no journal, ,
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの燃料研究棟における事故の状況調査のため、事故現場である燃料研究棟108号室から取得したスミヤ試料及びダストフィルタをイメージングプレートにより測定し、貯蔵容器から飛散した放射性物質の空気力学的放射能中央径が5m以上と評価された。
土井 章男*; 山下 圏*; 高橋 弘毅*; 加藤 徹*; 今渕 貴志; 羽成 敏秀; 谷藤 祐太; 伊藤 倫太郎
no journal, ,
廃炉作業を安全かつ効率的に行うために、構造物の状態、空間線量率等の情報を計測・収集・可視化・データ蓄積が行える「線源・線量率推定システム」の開発を行っている。構造物の状態は廃炉作業終了後に巡回する3D計測ロボットにより取得する。計測したデータは既知のデータと同期して差分情報のみを抽出することで自動的にデータベースを更新する。本研究では、この更新作業を容易に実施するために、抽出された差分情報に対して、Pointnet++による点群データ自動認識を行った。Pointnet++は点群データを直接入力して学習が行えるニューラルネットワークである。本ネットワークは入力点群の順序や密度に出力が変化しない特徴を有している。さらに認識された点群データは、必要に応じて、3角形メッシュ,平面,円筒,立方体(ボクセル)に自動変換され、「線源逆推定エンジン」のシミュレーションモデル更新に利用される。
土井 章男*; 山下 圏*; 高橋 弘毅*; 加藤 徹*; 今渕 貴志; 羽成 敏秀; 谷藤 祐太; 伊藤 倫太郎
no journal, ,
廃炉作業を安全かつ効率的に行うために、被ばく低減を目的とした環境・線源分布のデジタル化技術の開発を進めている。作業環境のデジタル化のために環境内の構造物の状態は3D計測ロボットにより取得し、得られたデータはデータベースに蓄積されている過去のデータとの同期により2時刻間の差分情報を抽出することで効率的なデータの更新・蓄積を行う。データ更新の際、環境中に新たに追加された点群データは深層学習を用いて形状からの構造物の認識・分類を行う。また、新たに追加された点群データは必要に応じて3角形メッシュ、ボクセルデータに自動変換(3Dモデル化)され、線源推定のためのシミュレーションの構造モデルとして利用される。現在、我々は作業環境のデジタル化技術として、この工程を自動化するための研究を進めている。本発表では、環境データの更新・蓄積作業を効率的に実施するために、深層学習を用いた点群データの自動認識および点群データからの3Dモデル化を試みた結果について報告する。
安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*
no journal, ,
二次宇宙線中性子によって引き起こされる半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)の一因である。我々は、1つの測定値と放射線挙動解析コードによるシミュレーションを活用した、様々な中性子源に適用可能な地上環境ソフトエラー率(SER: Soft Error Rate)評価手法を新たに開発した。また、これまでに様々な中性子照射施設で得た設計ルール65nmのBulk SRAMに関する測定値を用いて、従来手法と提案手法を用いてそれぞれ地上環境SERを算出し、両者の比較を通じて提案手法の妥当性および有効性などを明らかにした。本研究成果のレビュー講演を、荷電粒子等によるSEUを対象とする宇宙環境の研究者が多く参加する第67回宇宙科学技術連合講演会のオーガナイズドセッションにて行う。