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山口 徹治; 坂本 好文; 赤井 政信; 高澤 真由美; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一
Physics and Chemistry of the Earth, 32(1-7), p.298 - 310, 2007/00
被引用回数:43 パーセンタイル:72.99(Geosciences, Multidisciplinary)モンモリロナイトの溶解速度,水酸化物イオンの拡散係数及び透水係数をベントナイト-砂混合土圧縮体について実験的に調べ、定式化した。これらの式を用いてベントナイト系人工バリアの透水係数の変化を予測するために、物質移行-化学反応連成解析コードを開発した。
山口 徹治; 坂本 好文; 飯田 芳久; 根岸 久美; 瀧 洋; 赤井 政信; 神野 文香; 木村 祐一郎; 上田 正人; 田中 忠夫; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
地層処分の長期評価では不確かさの定量化が必要である。日本原子力研究開発機構の確率論的核種移行評価は確率論的な評価結果の分布を計算するだけでなく、パラメータ不確かさやモデル不確かさを提示することができる。これにより、核種移行解析結果の不確かさに相関の大きいパラメータが明らかになる。これらのパラメータのうち、定量的に解明されていないものがわれわれの実験的研究の対象である。優先的に取り組むべき研究対象は具体的には、セメントの影響を受けた高pH環境下におけるベントナイト系緩衝材の変質,放射性核種の溶解度,ベントナイト系緩衝材中拡散,深地下の還元的環境を維持したまま採取した地層試料に対する重要核種の収着である。不確かさをもたらす原因としては、海水系地下水の浸入によるイオン強度の上昇,TRU廃棄物に含まれる硝酸ナトリウムの溶解に伴うNO, NO及びNH濃度の上昇,セメント系材料に起因する高pH環境,オーバーパック腐食に伴う間隙水化学組成の変化を考慮する。本論文はこの研究の現状を報告するものである。
田中 忠夫; 坂本 好文; 山口 徹治; 高澤 真由美; 赤井 政信; 根岸 久美; 飯田 芳久; 中山 真一
JAERI-Conf 2005-007, p.105 - 110, 2005/08
放射性廃棄物処分場で使用されるセメント系材料に起因する高アルカリ性環境により、ベントナイト系緩衝材の主要な成分であるモンモリロナイトは溶解変質する。放射性廃棄物地層処分の長期安全評価において求められるのは、放射性廃棄物処分場で使われるベントナイト-砂混合土圧縮体の透水係数の長期的な変化の予測である。「緩衝材透水係数の長期的な変化」の予測を目的としたベントナイト長期変質の定量化は、圧縮体,粉体ベントナイトなど種々の供試体の使用並びにバッチ実験,カラム実験など種々の手法で蓄積した知見に基づき整合性ある検討が行われるべきである。本報告では、実験システムの違いにより得られる知見の特徴や効果的な利用のあり方を整理するとともに、整合性ある実験研究アプローチを提案した。
高澤 真由美; 根岸 久美; 坂本 好文; 赤井 政信; 山口 徹治; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一
JAERI-Conf 2005-007, p.236 - 241, 2005/08
処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施した。また、セメントの二次鉱物生成モデルとセメント内の空隙モデルを明らかにする実験を始めた。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。
中山 真一; 坂本 好文; 山口 徹治; 赤井 政信; 田中 忠夫; 佐藤 努*; 飯田 芳久
Applied Clay Science, 27(1-2), p.53 - 65, 2004/10
被引用回数:81 パーセンタイル:89.26(Chemistry, Physical)放射性廃棄物処分場で用いられるセメントに起因する高アルカリ環境は、ベントナイト系緩衝材の主要鉱物であるモンモリロナイトを変質させ、これが緩衝材の長期性能を劣化させる可能性が指摘されている。緩衝材に最も期待される性能の一つである止水性能に及ぼすアルカリ環境の影響を定量的に予測するために、圧密成型したベントナイト-砂混合中におけるアルカリ(水酸化物イオン)の拡散及びアルカリ水によるモンモリロナイトの溶解に関する実験を行った。溶解実験はpH 1314,温度90170Cで行い、変質速度の時間依存性及び温度依存性を得た。また、拡散実験は、変質の影響を排除して拡散現象だけを観察できるように、1050Cの低温で行い、1010m/sの値を得た。これらのデータは今後長期予測のためにモデルが開発される、化学反応-物質輸送連成解析に用いられる。
高澤 真由美; 山口 徹治; 坂本 好文; 赤井 政信; 田中 忠夫; 中山 真一
NUMO-TR-04-05, p.A3_59 - A3_62, 2004/10
処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施している。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。そして、アルカリ拡散試験を模擬した解析を行った結果、試験結果をおおむね再現できた。
山田 文香; 山口 徹治; 前田 敏克; 水野 大; 坂本 好文*; 根岸 久美*; 田中 忠夫; 飯田 芳久
no journal, ,
放射性廃棄物処分場で使用されるセメント系材料を起源とする高アルカリ環境では、廃棄物処分システムにおいて重要な人工バリアとして期待されるベントナイト系緩衝材の長期的な劣化が懸念されている。本研究では、緩衝材の重要なバリア機能である止水性の長期的な変動を予測するため、ベントナイトの変質速度,アルカリ成分の拡散挙動,透水係数に及ぼす溶液組成の影響等を実験により定式化するとともに、緩衝材内における物質移動現象と化学反応現象を連成解析するためのコード(MC-BENT)を開発した。MC-BENTは、実験で得られた定量式を用いて、緩衝材内における止水性の時間・空間的な分布を解析可能とする。ベントナイトの変質速度等で得られた溶液組成や鉱物組成の変遷をMC-BENTで再現計算するなど、コードの検証を実施している。
飯田 芳久; 山口 徹治; 山田 文香; 前田 敏克; 坂本 好文*; 水野 大; 田中 忠夫; 中山 真一
no journal, ,
圧縮ベントナイト内におけるモンモリロナイトの溶解実験をアルカリ環境下で行った。実験により得られたモンモリロナイト溶解速度のアルカリ濃度依存性は、粉体試料溶解速度のアルカリ濃度依存性に比べ510倍高いものであった。このアルカリ濃度依存性の違いは、ベントナイト内部と外部溶液のOH-イオン活量の違いによるものと推定され、その原因として、ドナン効果及びアルカリ-鉱物反応による局所的なOHイオンの減少が考えられる。ベントナイト間隙水中のOHイオンの活量を見積もるためには、間隙空間内におけるOHイオンの濃度分布を知る必要があるが、濃度分布を直接測定することはできない。そのため、間隙構造や表面電荷等の知見を集積し、間隙空間内でのイオン濃度分布のモデル化を行った。また、鉱物の間隙構造及び表面電荷は透水性や拡散性の決定要因となるため、開発したモデルは圧縮体内でのモンモリロナイトの溶解、イオンの拡散及び圧縮体の透水性に関する共通基盤となる。
田中 忠夫; 山口 徹治; 飯田 芳久; 木村 祐一郎; 瀧 洋; 藤原 武; 上田 正人*; 向井 雅之; 山田 文香; 水野 大; et al.
no journal, ,
地層処分の安全評価における評価期間は数千年以上の長期に及ぶため、評価結果には種々の不確かさが含まれる。本研究は、安全評価結果との相関が高く、しかも現在の知見では不確かさが大きいパラメータについてデータを取得し、パラメータの不確かさを定量化して確率論的安全評価の信頼性向上に資することを目的に実施している。本報告では平成17年度に得た主な成果を発表する。核種移行データ取得に関する研究では、ニオブ溶解度試験及びベントナイト内ヨウ素等拡散試験を進め、地下水や間隙水の組成変動に伴う溶解度及び拡散係数の不確かさを定量的に示した。また、岩石に対するセシウムの分配係数への硝酸塩及び塩水の影響を評価するためのデータを取得した。人工バリア材の長期変質に関する研究では、セメント変質に伴う間隙水組成及び間隙構造の変化を調べるセメント浸漬・拡散試験を実施するとともに、変質挙動及び拡散挙動をモデル化した。また、ベントナイト系緩衝材の長期バリア性能を評価するために整備した計算コード及び実験的に決定した評価パラメータ変動の定量式を用いて、緩衝材中透水係数の時間空間的変動の予測計算結果を例示した。