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大島 武; 横関 貴史; 村田 航一; 松田 拓磨; 三友 啓; 阿部 浩之; 牧野 高紘; 小野田 忍; 土方 泰斗*; 田中 雄季*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 55(1S), p.01AD01_1 - 01AD01_4, 2016/01
被引用回数:14 パーセンタイル:54.92(Physics, Applied)In this study, we report the effects of -ray irradiation and subsequent annealing on the electrical characteristics of vertical structure power 4H Silicon Carbide (SiC) Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistors (MOSFETs) with the blocking voltage of 1200 V. The MOSFETs were irradiated with -rays up to 1.2 MGy in a N atmosphere at room temperature (RT). During the irradiation, no bias was applied to each electrode of the MOSFETs. After the irradiation, the MOSFETs were kept at RT for 240 h to investigate the stability of their degraded characteristics. Then, the irradiated MOSFETs were annealed up to 360 C in the atmosphere. The current-voltage (I-V) characteristics of the MOSFETs were measured at RT. By 1.2 MGy irradiation, the shift of threshold voltage (V) for the MOSFETs was -3.39 V. After RT preservation for 240 h, MOSFETs showed no significant recovery in V. By annealing up to 360 C, the MOSFETs showed remarkable recovery, and the values of V become 91 % of the initial values. Those results indicate that the degraded characteristics of SiC MOSFETs can be recovered by thermal annealing at 360 C.
土方 泰斗*; 三友 啓*; 松田 拓磨*; 村田 航一*; 横関 貴史*; 牧野 高紘; 武山 昭憲; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; et al.
Proceedings of 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-11) (Internet), p.130 - 133, 2015/11
In order to develop semiconductor devices with MGy radiation resistivity, we are developing power metal-oxide-semiconductor field-effect-transistors (MOSFETs) based on silicon carbide (SiC) semiconductors. The -ray irradiation responses of power SiC-MOSFETs were studied under various irradiation temperatures and humidity with various gate-bias conditions. Making comparisons between these responses, the optimum device operating condition and a better device structure were derived and MGy resistivity was achieved. Besides, -ray irradiation tests for a motor-driver circuits consisting of SiC-MOSFETs were carried out, and as a result, their continuous operation up to 2 MGy was confirmed.
坂井 徹; 肘井 敬吾*; 大久保 晋*; 太田 仁*; 中野 博生*; 宮下 精二*
Applied Magnetic Resonance, 46(9), p.997 - 1002, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:6.49(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)S=1/2カゴメ格子反強磁性体について18スピン・クラスターの数値対角化により研究した。ジャロシンスキー・守谷相互作用がある場合に起こり得るESRシングレット・トリプレット遷移の強度に比例する行列要素を計算した。いくつかの角度に依存した選択則を示した。
齊藤 徹; 大久保 暁一*; 泉 敬介*; 大川 慶直*; 小林 宣博*; 山崎 亨; 河野 勝己; 礒野 高明
低温工学, 50(8), p.400 - 408, 2015/08
アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)は軽量、かつ高強度の長所を有する構造材料として開発されてきた。本研究においては、室温、液体窒素温度(77K)と液体ヘリウム温度(4.2K)中における、鉄筋代替コンクリート補強材として用いられる市販品のAFRPロッドの引張強度を評価するために、張力試験を行った。これまでは極低温環境下での試験において、試験片がつかみ部ジグをすり抜ける現象か生じるため、引張試験を実施することは困難であった。そのため、AFRPロッドの滑りを防ぐために、ジグに樹脂を充填して行った。また、グリップジグを改良し、ロッドの表面処理を行い、AFRPロッドのグリップ力を高めるために極低温用エポキシ樹脂を使うことによって、適切な引張試験条件を確立させた。各温度環境下での引張強さは1100MPa以上を示し、さらに、試験温度の減少に伴いヤング率が増加する温度依存を示した。ヤング率の増加の要因はアラミド繊維がエポキシ樹脂より支配的であることを確認した。
近澤 佳隆; 岡野 靖; 堀 徹*; 大久保 良幸*; 島川 佳郎*; 田中 俊彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(8), p.829 - 843, 2006/08
被引用回数:4 パーセンタイル:30.68(Nuclear Science & Technology)実用化戦略調査研究の一環として、都市近郊設置型の電源を想定したナトリウム冷却小型炉の概念検討を実施した。原子炉構造及び主冷却系構成をパラメータとしてプラント概念案のサーベイ検討を実施し中間熱交換器・電磁ポンプ直列配置タンク型炉を選定した。炉心コンパクト化及び中間熱交換器と電磁ポンプの直列配置による原子炉容器構造の簡素化を中心に検討を実施した。炉心型式はZr含有率3領域単一Pu富化度炉心を採用して炉心出口温度を510Cから550Cに上昇した。この効果により熱効率が向上し原子炉電気出力は150MWeから165MWeに向上した。建設単価の評価では、都市近郊設置型電源の建設単価目標として35万円/kWeを設定したが、本概念は初号基建設単価(FOAK)は目標の160.1%となった。ただし、複数基の建設を前提とした建設単価(NOAK)では85.6%となり目標を達成する可能性があることが示された。
臼井 伸一; 近澤 佳隆; 此村 守; 田中 俊彦; 堀 徹*; 大久保 俊之*
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), 0 Pages, 2005/05
実用化戦略調査研究フェーズIIの小型炉設計研究では、電源以外の多目的利用を幅広く想定して、経済性、安全性などの要求条件を満たすナトリウム冷却小型炉の検討を進めており、平成15年度の成果として経済性の向上を目指した出力165MWeで,原子炉出口温度550、燃料交換期間20年を同時に達成したナトリウム冷却小型炉プラントの概念を構築した。炉心はZr含有率3領域単一Pu富化度炉心を採用し、万一のATWS発生時にもSASS挿入に期待しないで高温整定する見通しを明らかにした。冷却系は、一体型の環状IHX及びEMPを原子炉容器内に収納した強制循環冷却式のタンク型炉で2次冷却系は1ループとし、崩壊熱除去系は自然冷却方式を採用することでシステムの簡素化を図った。経済性は、NOAKで建設単価の基準値(35万円/kWe)を満足することを確認した。
此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.
JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06
ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。
藤井 正; 堀 徹; 此村 守; 堺 公明; 小川 伸太; 大木 義久; 大久保 良幸
JNC TN9400 2002-049, 78 Pages, 2002/09
実用化戦略調査研究において概念設計を進めているナトリウム冷却大型炉では、燃料取扱設備の簡素化を図る候補概念として、水プール直接貯蔵方式を検討している。 本概念では、取扱う集合体の崩壊熱量が比較的高い条件(実証炉の炉外貯蔵方式の約4.5倍である18KW)となるため、通常時でのプール浸漬過程や、プール移送中の事故を想定した上部からの注水過程における冷却特性に関する知見が不足している。このため、高発熱燃料の冷却特性を把握することが、プラント概念の成立性を左右する熱流動課題の一つとして指摘されていた。今回、単ピン体系での試験装置を用いて、燃料ピンの熱的条件、集合体出口形状、浸漬速度等をパラメータとした試験を実施し、冷却特性に関して、実機設計に反映できる以下のような基礎的データを取得した。・通常浸漬時の沸騰挙動の可視化やヒータピンの温度変化等により、通常浸漬時の冷却形態を同定した。・ヒータ初期温度と出口部閉塞率が、発熱部全体の冷却終了時間に対する支配因子となる。・試験中のヒータ温度上昇の最大値は、通常浸積時で約4K、注水時に約6Kと小さく、有意な温度上昇を伴うことなく冷却できる。・通常浸漬時には、出口部閉塞率を大きくした条件でも、試験体上部圧力が下部圧力を上回ることはなく、発熱部への水位上昇は阻害されない。
寺門 嗣夫; 大内 雅之; 川崎 徹; 鹿野 千秋; 小貫 修; 鹿志村 洋一; 大久保 利行
PNC TN9440 95-014, 75 Pages, 1995/08
「常陽」では、これまでに外部電源喪失事象(D/Gは2基とも通常起動)異常事象に関する実機での経験がほとんどない。そこで、現行の異常時操作マニュアル(EPO)の妥協性の確認と実機での運転操作経験を得るためにもっと発生頬度の高い外部電源喪失時において、2基あるD/Gのうち1号D/Gが自動起動に失敗した場合を想定したプラント実動作試験を実施した。試験は、原子炉停止時において予め1号D/Gを待機除外として、大洗変電所常陽線用遮断器(352P)を「切」とすることにより行った。得られた結果は次のとおりである。1、「常陽」において初めての経験である外部電源喪失時の1号D/G起動失敗という貴重な運転経験を得ることができた。また、現行EPOの操作手順の妥当性を確認した。2、外部電源喪失後の1次オーバーフロー系と純化系電磁ポンプの起動には、母線切替え指示から約5分要した。これにより、外部電源喪失後5分以内に非常系4S母線への切替えの指示を出し、かつ手順通りに速やかに実施された場合、制限時間(外部電源喪失後10分)以内での起動が可能である。3、試験時のプラント状態での2号D/Gの実負荷は1.53MWであり、適切に負荷を制限する事により設計値の2MW以下に迎える事ができた。100MWでの原子炉定格運転時には、今回よりも2号D/Gの実負荷は下回ることがよそうされるが、系統降温後は2次予熱ヒータの投入により同等の負荷となることが予想され、設計上特に問題とはならない。
森本 誠; 大久保 利行; 堀 徹; 伊藤 和寛; 舟木 功; 藤原 昭和; 田村 政昭
PNC TN9410 91-334, 64 Pages, 1991/10
「常陽」では,破損燃料位置決めシステムとして,ナトリウムシッピング法による破損燃料集合体検出装置(FFDL)が採用されている。しかし,「常陽」ではこれまでに燃料破損の経験がなく,昭和60年度に実施された燃料破損模擬(FFDL-I)試験以降,FFDLは運転されていない。このため,平成4年度に計画しているFFDL-II試験に先立って平成3年7月12日から7月19日にFFDL運転試験(II)を実施した。本試験により得られた結論を以下に示す。(1)FFDLの基本的な機能及び運転手順を再確認するとともに,運転経験を蓄積することができた。(2)放射線計測の結果,バックグランドと差はなく燃料破損は検出されなかった。
上蓑 義朋*; 大久保 徹*; 柴田 誠一*; 柴田 徳思*
PNC TJ2602 87-003, 32 Pages, 1988/03
1986年4月から実験が始まったJASPER・径方向遮蔽実験には、東京大学原子核研究所から持ち込んでいるSUP3/He力ウンタ内蔵高感度ボナーボールスペクトロメータが使われている。本研究では核研ボナーボール測定の結果を集積し、中性子スペクトルへのアンフォールデイングを行った。アンフォールデイングに必要な初期値はDOT3.5による計算値を用いた。また各ボナーボール球の計数に寄与する中性子のエネルギー分布の評価も行った。これらのデータはJASPER・径方向遮蔽実験を中性子断面積評価に反映させるために役立つ。
清水 正亜; 清水 徹*; 秋野 昇; 山本 正弘; 高津 英幸; 大久保 実; 安東 俊郎; 太田 充; 梶浦 宗次*; 松本 潔
日本原子力学会誌, 29(12), p.1108 - 1115, 1987/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)臨界プラズマ試験装置JT-60の真空容器の加熱冷却装置及びその試験結果について述べる。JT-60の真空容器には超高真空対策の一つであるベーキングなどのために最高500Cまで加熱でき、かつ比較的短時間で冷却可能な加熱冷却装置を設けた。加熱には電気ヒータ、冷却には水または窒素ガスを用いた。現地における真空容器組立後のベーキング試験の結果、到達温度、昇温時間、温度分布などは目標値を十分に満足し、また到達圧力、放出ガス速度なども仕様を満し、ベーキング後の真空リークもすべて検出感度以下であった。また、昇降温時の熱膨張変位に対して摺動部も正常に作動することを確認した。
益子 勝夫; 河原崎 雄紀; 大久保 牧夫; 水本 元治; 信坂 幸男; 石崎 暢洋; 大橋 弘忠*; 小林 仁*; 上田 徹*; 小林 利明*; et al.
Proceedings of 12th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.120 - 122, 1987/00
原研リニアックによるFEL実験は、東大・工・原施と原研物理部との共同で行い、相対論的電子ビームから光の波長590nmの自発放射光をモノクロメーターで観測し、リング状の光の写真撮影を行った。
高津 英幸; 山本 正弘; 大久保 実; 川崎 幸三; 安東 俊郎; 清水 正亜; 清水 徹*; 中尾 敬三; 原 泰博*; 芥沢 保典*; et al.
JAERI-M 85-136, 103 Pages, 1985/09
JT-60本体コイル通電試験が、昨年12月から2ヶ月強の期間を要して実施された。本試験の目的は、プラズマ生成に先立ち全コイルに最大定格まで電流を流し、本体、制御、電源などの全システムの健全性を確認することである。本報告はコイル通電試験の結果について、本体の熱構造的な観点からまとめたものであり、主な結論は以下の様にまとめられる。(1)全コイルを同時に最大定格まで通電することに成功し、全システムの健全性が確認された。(2)測定された歪、変位は設計値と比較的よく一致し、電磁力の支持が設計通りなされていることを示している。(3)電磁力による真空容器の振動が顕著であり、真空容器に取り付く桟器は振動対策が必要である。(4)熱構造的な観点から運転に対する制限項目が明らかとなった。(5)追加が必要と考えられる計測器が2点ほど指摘された。
藤澤 真士*; 白木 高輔*; 大久保 晋*; 太田 仁*; 吉田 誠*; 田中 秀数*; 坂井 徹
no journal, ,
二重鎖構造を持つ擬一次元反強磁性体CuClHCSOのスピンダイナミクスについて、電子スピン共鳴(ESR)を用いて研究した結果を報告する。この系はスピンギャップを持つことが知られているが、スピンギャップはスピン一重項と三重項の間の励起のため、ESR遷移はスピンの保存則により禁止されている。ところが、この系ではスピンギャップに相当するESR遷移が観測された。本研究では、このESR遷移のメカニズムがジャロシンスキー・守谷相互作用であることを立証し、ESR強度の角度依存性に選択則を適用することにより、その相互作用ベクトルの向きを特定することに成功した。
坂井 徹; 肘井 敬吾*; 大久保 晋*; 太田 仁*
no journal, ,
低次元量子スピン系や強相関電子系のスピンギャップは巨視的な量子現象として注目されている。このスピンギャップはシングレットの基底状態とトリプレットの励起状態の間のギャップであるため、これに対応するESR直接遷移は、スピン野保則を破るため観測されない。ところが、いくつかの物質でスピンギャップに相当するESR直接遷移が観測された。この禁制遷移が観測されるメカニズムとして、交代gテンソルやジャロシンスキー守谷相互作用が提唱されている。そこで、これらのメカニズムのうちのどれが効いているのかを実験的に検証するため、各メカニズムについて、外部磁場と入射マイクロ波の磁場成分、及び結晶軸との相対的な角度に依存するESR選択則を理論的に求めたので、これを報告する。
村田 航一; 三友 啓; 松田 拓磨; 横関 貴史; 牧野 高紘; 阿部 浩之; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
no journal, ,
原子力施設で使用可能な超耐放射線性エレクトロニクスの開発の一環として、炭化ケイ素(SiC)トランジスタの動作状態に及ぼす線照射効果を調べた。試料は、耐圧1.2kV、定格電流20Aのサンケン電気製の六方晶(4H)SiC金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いた。ゲート電極にそれぞれ-4.5, 0, +4.5Vの電圧を印加し、線を照射した。その結果、ゲートに正電圧を印加した試料は、負電圧を印加した場合や印加しない場合と比較して、デバイスの動作電圧である「しきい値電圧(V)」が大きく負電圧側にシフトすることが判明した。また、負電圧印加と無電圧の場合を比較すると、100kGy程度の線量までは、両者ともVの値に変化は見られないが、それ以上の線量では無電圧のものは負電圧方向にVがシフトすることが明らかになった。以上の結果は、酸化膜界面付近に正孔を捕獲する欠陥が多く存在し、正電圧の印加の場合は正孔が界面側に流れ込み欠陥が正に帯電することでVの大きなシフトとなるが、負電圧を印加した場合は、正孔は電極側に流れることで界面付近の欠陥に捕獲されないためVのシフトが少ないというモデルで説明できる。
松田 拓磨; 横関 貴史; 三友 啓; 村田 航一; 牧野 高紘; 阿部 浩之; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
no journal, ,
原子炉等の極限環境下で作業可能なロボット開発に向け、SiC(炭化ケイ素)半導体を用いたMOSFET(金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ)の耐放射線性強化に関する研究を行った。150Cの温度で、Co線を4MGyまで照射した結果、しきい値電圧の負電圧側へのシフトが、室温照射に比べ抑制されていることを見いだした。具体的には、1MGyまではしきい値電圧が負電圧側へシフトを示したが、それよりも大きな照射量になると、負電圧側へのシフトが抑制されて一定値となることがわかった。これは高温照射により、酸化膜界面付近にトラップされる正孔がアニールされてしまうためであると考えられる。
三友 啓*; 松田 拓磨*; 村田 航一*; 横関 貴史; 牧野 高紘; 阿部 浩之; 小野田 忍; 大島 武; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; et al.
no journal, ,
SiC MOSFETのゲート酸化膜形成時、通常のドライ酸化で現れた高い界面準位密度Dが、ドライ酸化後の窒化処理によって大幅に低減化されており、窒化処理は高品質なSiC MOSFETの作製には不可欠なものとなっている。本研究では、異なる窒素濃度で処理を行い作製したSiC MOSFETに線照射を行い、特性劣化に及ぼす影響を調べた。実験には耐圧1.2kV、定格電流20A、オン抵抗100m、ゲート定格電圧20Vのサンケン電気製の4H-SiC MOSFETを用い、NO 100%ガスによって処理した試料と、NOを10%希釈したガスによって処理した試料の2種類を用意した。これら試料に線を800kGy(SiO)まで照射し、電流電圧特性からしきい値電圧(Vth)を算出した。その結果、NO 100%では、総線量100kGy以降大きな負電圧方向へのシフトを示し800kGyの照射でノーマリーオンに陥った。一方、NO 10%のサンプルは照射によって緩やかにVthが低下するが、NO 100%のような大きな変化は見られず、線耐性に対する優位性が認められた。このことから、窒化濃度は、耐放射線性の向上に関与する重要なパラメータと考えられる。
松田 拓磨; 横関 貴史; 三友 啓; 村田 航一; 牧野 高紘; 武山 昭憲; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の収束に向けた研究開発の一環として、炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の耐放射線性強化に関する研究を推進しており、これまでに150Cでの高温照射により特性劣化が抑制されることを見出している。今回は、SiC MOSFETの高温下線照射効果のメカニズム解明のため、MOSFETと同じプロセスで作製したSiC MOSキャパシタに150Cで線照射を行い、高周波キャパシタンス-電圧(C-V)測定の変化を調べた。その結果、照射量の増加とともにC-V曲線は形状(傾き)を変化させずに負電圧側にシフトする振る舞いを示すこと、シフト量は室温照射に比べて少ないことが明らかとなった。C-V曲線のシフトはゲート酸化膜中の固定電荷の発生に、傾きの変化はSiCと酸化膜の界面準位の発生に由来することから、高温下における線照射効果は主に酸化膜中に発生する固定電荷に起因するが、その発生量は室温に比べて少ないため特性劣化が抑制されると結論できた。