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論文

Ferromagnetism in multi-orbital Fermi gas loaded on a one-dimensional optical lattice

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.016006_1 - 016006_6, 2014/06

光学格子中の冷却原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができることから、量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では多軌道を持った光学格子中の原子気体が実現しており、遷移金属などが示すさまざまな強相関電子物性を光学格子中で実現することが可能になると考えられている。本発表では多軌道を持つフェルミ原子気体が示す強磁性状態に対し、密度行列繰り込み群法を用いた解析を行った。得られた結果として、原子が金属的な状況にある場合に強磁性が発言することを示した。また、Haldane相と強磁性相が共存して現れることも明らかにした。強磁性相はHaldane相のedge状態と結合して現れ、強磁性自体がedge状態と同様の特性を持つという興味深い結果を得ることができた。

論文

Quantum phases in degenerate-$$p$$-orbital attractive one-dimensional fermionic optical lattices

小林 恵太; 太田 幸宏; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦

Physical Review A, 89(2), p.023625_1 - 023625_6, 2014/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:41.93(Optics)

光格子中の冷却原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができ、また、その高い実験制御性から量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では多軌道を持った光格子中の原子気体が実現しており、遷移金属などが示す強相関電子物性を光格子中で実現することが可能になると考えられている。本論文では$$p$$軌道中の引力相互作用する原子気体に対し、密度行列繰り込み群法を用いた解析を行った。得られた結果として、この系では特殊な絶縁体状態であるハルデン絶縁体相が実現することを明らかにした。更に系が有限磁化を持つ場合に、強い相分離が引き起こされることを示した。

論文

Nontrivial Haldane phase of an atomic two-component Fermi gas trapped in a 1D optical lattice

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

Physical Review Letters, 109(23), p.235302_1 - 235302_5, 2012/12

 被引用回数:25 パーセンタイル:74.94(Physics, Multidisciplinary)

冷却中性フェルミ原子気体はその高い実験制御性から、物質の量子シミュレーターとして注目を集めており、さまざまな物質の根源的メカニズムが理解できる可能性が指摘されている。特に、近年では、多軌道性を有する原子気体が実現しており、遷移金属からアクチナイド元素まで幅広い元素を主要元素とする化合物に対し、より実際の物質に近い状況での実験が可能となっている。本論文では、この光学格子中の多軌道を持つフェルミ原子気体においてハルデーン相を実現する方法を提案した。ハルデーン相とはスピンギャップと端状態を持つ系であり、近年では量子コンピューター等への応用等も提案されている。本文では系を記述する多軌道模型の導出を行い、密度行列繰り込み群を用いた数値解析によりハルデーン相の実現条件を明らかにした。さらに、相互作用が強い場合にはハルデーン相と強磁性体相が共存して現れることも示した。これらの結果は、例えばさまざまな多軌道を持つ機能材料物質に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後、さまざまな分野への発展が期待される。

報告書

FBR核燃料サイクル分析 原子力発電の炉型構成及び核燃料サイクルに係るシステム分析(V) (2)FCC Vコードの概要, Fuel Cycle and Cost V

稲垣 光之*; 石川 和夫*; 今井 哲比古*; 鯉江 康正*; 太田 雅彦*

PNC TJ2297 87-001VOL2, 137 Pages, 1987/03

PNC-TJ2297-87-001VOL2.pdf:3.7MB

本計算コードは、原子力発電の単一炉系ならびに複合炉系における物量収支および経済計算を行い、各種原子炉の導入効果の分析を目的に開発されたものである。本計算コードの特徴として、単一炉系と複合炉系の計算が可能であり、物量計算と経済計算が同時に計算できる。複合炉系の計算では、物量に制約を与えることにより、炉系構成を自動的に求めることが可能である。また、各種計算条件が可変となっている等、多くの特徴を持つ。FCCVコードでは、さらに、いくつかの改良を加え、より複雑なシミュレーションを行えるようにした。主な改良点を次に示す。(1)従来、燃料交換と定期点検を同時期に行うと仮定していた。ただし、長期寿命炉心では、燃料交換の間隔は非常に長くなり、定期点検はその間行わないことになる。そこで、燃料交換と定期点検を分けて、現実的な設定ができるように改良した。(2)複合炉系の炉系構成を求めるときに設定する炉型投入優先順位は、年や物量に関係なく固定であった。この場合、炉系構成は極端な炉型移行が行われる。これを回避するために、天然ウラン使用量とプルトニウム・バランスにより、炉型投入優先順位を変更する機能を追加した。(3)従来のFCCコードでは、リード・タイムおよびラグ・タイムは、炉心に関係なく同一であった。これを炉心ごとに設定できるように改良した。その他、細かい改良を加えた。さらに、241-Pu崩壊によるPu同位体組成変化と241-Am蓄積を考慮したプルトニウム量、および236-U蓄積を考慮した天然ウラン量の計算を行うために、PUSUBコードを開発した。このPUSUBコードは、FCCVコードで求めた複合炉系の炉系構成と同位体別炉心特性により、プルトニウム量と天然ウラン量のみ計算するものであり、FCCVコードのサブコードに位置する。

報告書

FBR核燃料サイクル分析 原子力発電の炉型構成及び核燃料サイクルに係るシステム分析(V) (1)成果報告書

稲垣 光之*; 石川 和夫*; 今井 哲比古*; 鯉江 康正*; 太田 雅彦*

PNC TJ2297 87-001VOL1, 244 Pages, 1987/03

PNC-TJ2297-87-001VOL1.pdf:6.79MB

本分析は、計算で用いる炉心特性データや各種燃料単価などの諸条件を最新のものとし、原子力発電の物量収支ならびに経済性の評価を行うことを目的にしたものである。分析・評価は、「単一炉系システム分析」と「複合炉系システム分析」の2つに分けて行った。単一炉系システム分析では、どのような高速増殖炉が経済的に優位であるかを分析するために、燃焼度、燃料ピン径、炉心高さなどを変えた様々なタイプの高速増殖炉について、シミュレーションを行った。また、高速増殖炉の不確定要素を分析するために、建設費や燃料単価などの条件をパラメトリックに変化させてシミュレーションを行い、軽水炉など他種炉型と比較した。複合炉系システム分析は、将来の炉系構成と、このときの物量収支の評価を行うものであり、天然ウラン使用量制約とプルトニウム・バランス制約の2面から炉系構成を求めた。また本分析では、天然ウラン使用量およびプルトニウム・バランス量により炉型投入優先順位を変化させることにより、より現実的な炉系構成を求めている。さらに、今回新たに開発したPUSUBコードにより、241‐Pu崩壊によるPu同位体組成変化と241‐Am蓄積を考慮したプルトニウム装荷量およびプルトニウム・バランスの試算、236‐U蓄積を考慮した天然ウラン使用量の試算を行った。以上の分析により、高速増殖炉の導入意義を総合的に評価した。

報告書

FBR核燃料サイクル分析 原子力発電の炉型構成及び核燃料サイクルに係るシステム分析(IV) (2)FCC IVコードの概要

稲垣 光之*; 石川 和夫*; 太田 雅彦*

PNC TJ2297 86-001VOL2, 42 Pages, 1986/01

PNC-TJ2297-86-001VOL2.pdf:1.81MB

本計算コードは,原子力発電の単一炉系ならびに複合炉系における物量収支と経済計算を行い,超長期にわたって各種原子炉の導入効果を分析・評価することを目的として開発したものである。本計算コードの特徴は,次のとおりである。・単一炉系,複合炉系の計算が可能である。・物量収支と経済計算を共に計算できる。・各種発電原価の計算が可能である。・各種計算条件の変更が可能である。さらに,今回のFCC4コードでは,従来のFCCコードにいくつかの改良を加え,原子力発電の分析・評価により適切に行えるようにした。FCC4コードの主な改良点を次に示す。・計算炉型数を最大20炉型とし,計算対象炉型を可変とした。・複合炉型シミュレーション期間を最大140年間とした。すなわち計算開始年を1960年とすれば2100年までの計算が可能。・物量制約条件下で炉系構成の計算を可能にした(物量制約のみ,また制約なしの計算も可能)。・燃料費の計算をバッチ対応とし,炉内滞在期間の償却,炉内金利の計算に改良した。物量制約条件下における炉系構成を計算することにより,炉系構成の最適化の観点から,将来における炉系構成のあり方を検討することが可能となる。

報告書

FBR核燃料サイクル分析 原子力発電の炉型構成及び核燃料サイクルに係るシステム分析(IV) (1)成果報告書

稲垣 光之*; 石川 和夫*; 太田 雅彦*

PNC TJ2297 86-001VOL1, 109 Pages, 1986/01

PNC-TJ2297-86-001VOL1.pdf:4.75MB

本研究は,最新の炉心特性データとコストデータを用いて,高速増殖炉を中心とする原子力発電の物量収入並びに経済性の分析・評価を行ったものである。分析は,単一炉系のシステム分析と複合炉系のシステム分析の2つに分けて行い,各々高速増殖炉の経済性と高速増殖炉の導入意義について,定量的な分析を行った。単一炉系のシステム分析では,原子力発電の経済性を適確に評価するために,炉内金利の考え方を明示的に導入した。また,高速増殖炉の建設費や燃料単価等の不確実性の高いコスト要因については,パラメトリックに変化させてシミュレーションを行うことにより,種々の角度から高速増殖炉の経済性を分析した。複合炉系のシステム分析では,天然ウラン利用可能量,プルトニウム利用可能量,再処理工場の容量等の種々の制約条件下でのシミュレーションを行うことにより,超長期における炉系構成のあり方を検討し,高速増殖炉の導入意義を評価した。

報告書

FBR核燃料サイクル分析 原子力発電の炉型構成及び核燃料サイクルに係るシステム分析(II) (2)FCC II(Fuel Cycle and Cost II)コード概要

稲垣 光之*; 今井 哲比古*; 伊藤 康浩*; 太田 雅彦*

PNC TJ299 84-03VOL2, 147 Pages, 1984/03

PNC-TJ299-84-03VOL2.pdf:4.96MB

本計算コードは、プルトニウム利用炉を含む多炉型系における、超長期にわたる物量収支、燃料コスト、資本費、運転維持費、関連費及び発電原価等をシミュレーションすることにより、炉型構成の問題点、最適化等を研究する事を目的に開発されたものである。 計算コードは、a)軽水炉LWR(U)、LWR(Pu) b)新型転換炉ATR(U)、ATR(Pu) c)高速増殖炉FBR(1)、FBR(2)、FBR(3)の炉型について、単独投入、複合投入それぞれを最大150年間に渡りシミュレーションすることが可能となっており、各種燃料装荷、取出に伴うリード及びラグタイム並びにロス率を可変にできる様に設定されている。燃料費、資本費、運転維持費、関連費では、金利、価格上昇率、現在価値換算の考慮が可能であり、入力データ、算定式等の各種パラメータの選択ができる。また発電原価では、現在価値換算の有無、各年発電原価、システム発電原価(送電端、発電端)、耐用年間平均発電原価(送電端、発電端)の算出が可能である。

口頭

光学格子に閉じ込められたp軌道冷却フェルミオン原子気体の解析

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

本発表は、科学技術振興機構からの受託研究(CREST)「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」に従って実施した、超伝導メゾスケールのシミュレーションに関する研究成果の発表である。発表者は、光学格子中に閉じ込められた中性原子フェルミオン気体において、多軌道を利用することにより、スピンギャップを持つ相(ハルデーン相)を実現する方法を提案する。具体的には横方向に強い閉じ込めポテンシャルが存在する擬一次元系を想定し、サブバンドのフェルミ粒子数がハーフフィリングである場合に系はスピン1のハイゼンベルグ模型により記述されることを示す。この成果は、鉄系超伝導などの多軌道が関与する高温超伝導等の理解を目標とした研究の一環として得られたが、さまざまな物質で普遍的な問題である多軌道強相関物性に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後の発展が期待される。なお、本成果は科学技術振興機構・受託研究の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。

口頭

光学格子に閉じ込められたマルチバンドフェルミ原子気体超流動の解析

小林 恵太; 太田 幸宏*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦

no journal, , 

本発表では、CREST(科学技術振興機構)受託研究課題「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の計画に従い実施した超伝導ミクロスケールのシミュレーションに関する研究成果を発表する。近年、鉄系超伝導系などに代表されるマルチバンドを持つ超伝導体が注目を集めているが、発表者らは、マルチバンド(p-軌道)を持つ光学格子中のフェルミ原子気体の超流動を解析し、2次元系と擬1次元系に対し、解析計算及び数値計算を行った。成果としては、2次元系で、超固体相が実現しやすい可能性を示した他、1次元系においてはフェルミオンペアによるハルデーン相が実現することを示し、密度行列繰り込み群を用いた数値計算により特徴的な原子密度波が現れることを明らかにした。これらの結果は、マルチバンドを持つ超伝導に対し新たな知見を与えるものである。なお、本成果は科学技術振興機構・受託研究「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。

口頭

擬一次元光学格子中のフェルミ原子気体におけるハルデーン相の解析

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

本発表では、CREST及び科学研究費補助金研究の計画に従い実施した「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の研究成果を発表する。研究目的は、冷却中性原子気体においてバンドの自由度を利用することによりハルデーン相を実現する方法を提案することであり、その目的を達成するため、密度行列繰りこみ群を用いた数値シミュレーションを行い、実際にバンドの自由度を利用することで、特徴的な磁気構造が現れること等を明らかにした。さらに、原子間相互作用が引力である場合にも、集団励起にギャップが現れることを示し、よりハルデーン相の実現が容易であることも明らかにした。これらの成果は量子相関の強い物質に対し新たな知見を与える成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション技術の開発にも資する成果である。

口頭

Haldane phase of ultra cold atom gas loaded on pseudo-one-dimensional optical lattice

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

本発表では、科学技術振興機構(CREST)の受託研究課題「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」に従い実施した超伝導メゾスケールのシミュレーションに関する研究成果を発表する。得られた成果は、光学格子中に閉じ込められた中性原子フェルミオン気体において、縮退した多軌道を利用することでハルデーン量子相を実現できるとするアイデアである。中性原子気体では、ハルデーン相のような特殊な量子相の実現が重要なトピックスとなっており、発表では、その実現のためのアイデアと実現可能性を議論することで、実験による実現とその確認の重要性を指摘する。なお、提案するアイデアについては、具体的に縮退多軌道(p-軌道)の自由度を利用することで、系にスピンギャップ(ハルデーン量子相出現の証左)が現れることを、密度行列繰り込み群を用いた数値計算により、確認している。この成果は、鉄系超伝導など多軌道が関与する高温超伝導等の理解を目標とした研究の一環ではあるが、さまざまな物質で普遍的な問題である多軌道強相関物性に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後の発展が期待される。なお、本成果は科学技術振興機構(CREST)受託研究の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーションの技術開発にも資する成果でもある。

口頭

擬一次元光学格子冷却中性フェルミ原子気体におけるハルデーン相

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

本発表では、科学技術振興機構(CREST)の受託研究課題「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」に従い実施した超伝導メゾスケールのシミュレーションに関する研究成果を発表する。光学格子に閉じ込められた中性原子気体フェルミオン原子気体においては、縮退した多軌道を利用することによりハルデーン量子相を実現することが可能であるが、その実現方法について考察し、実際に数値シミュレーションにより確認した結果を報告する。近年、ハルデーン相を用いることにより量子計算が可能となることが指摘されており、中性原子気体系においてハルデーン相を実現することは、この観点から第一歩であり、重要な進展に位置づけられる。発表者らは、実際に、密度行列繰り込み群を用いた数値計算により、多軌道を持つフェルミオン原子気体においてハルデーン相が出現することを、高精度で見いだすことに成功しており、実現可能性は高いと判断できる。なお、この成果は、鉄系超伝導など多軌道が関与する高温超超伝導現象の理解を目標とした研究の一環ではあるが、さまざまな物質で普遍的な問題である多軌道強相関物性に対する知見の取得とも位置付けられ、科学技術振興機構(CREST)受託研究の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーションの技術開発にも資する成果でもある。

口頭

マルチバンドを持つ光学格子中の引力フェルミ原子気体の解析

小林 恵太; 太田 幸宏*; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

冷却中性フェルミ原子気体はその高い実験制御性から、物質の量子シミュレーターとして注目を集めており、高温超伝導の機構解明に寄与するものと考えられている。近年では多軌道を持つ原子気体が実現しており、より実際の物質に近い状況での実験が可能となっている。本発表では、光学格子中に閉じ込められた、多軌道を持つ引力相互作用するフェルミ原子気体に対し密度行列繰り込み群を用いた数値解析を行った。原子間相互作用,フィリング率などを変更することにより、ハルデーン絶縁体相,超伝導相,密度波相などの多彩な相が出現することを明らかにした。またスピンインバランスが存在する場合にフェルミオンペアと余剰スピンの強い相分離が引き起こされることを示した。これらの結果は、例えば鉄系超伝導体などの多軌道を持つ超伝導物質に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後の発展が期待される。

口頭

多軌道冷却フェルミ原子気体における$$eta$$-paringのDMRG解析

小林 恵太; 太田 幸宏; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦

no journal, , 

光格子中に閉じ込められた冷却中性原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができ、その高い実験制御性から量子物性のシミュレーターとして注目を集めている。本研究では多軌道を持つ一次元フェルミ原子気体に対し、密度行列繰り込み群を用いた超伝導状態の解析を行った。スピン偏極がある場合にはFFLO状態が、また相互作用が強い場合には相分離状態が実現することを示した。更に、スピン偏極、原子間相互作用が共に大きい場合には、クーパーペアの重心運動量が$$pi$$となる$$eta$$-paringと呼ばれる長距離秩序状態が現れることを明らかにした。

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