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山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 田中 万也; 桧垣 正吾*; 小林 徹; 谷田 肇; 小原 義之*; 横山 啓一; 矢板 毅; et al.
Journal of Colloid and Interface Science, 661, p.317 - 332, 2024/05
被引用回数:0ラジウム(Ra)は放射性元素であり、放射性廃棄物処理やウラン鉱山周辺の環境問題で重要なため、環境中Ra挙動の解明は急務である。しかし、Raは安定同位体が存在しないため分子レベルの実験が難しく、環境中で重要と考えられる粘土鉱物への吸着反応についても詳細なデータは得られていない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法によりRaの分子レベルの情報を得る手法を確立し、さらに第一原理計算を利用することでRaの粘土鉱物への吸着構造を明らかにした。また、同族元素との比較を行い、粘土鉱物への吸着反応の系統的な理解に資する結果を得た。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08
被引用回数:9 パーセンタイル:68.46(Multidisciplinary Sciences)ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。
奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I.-H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 31(5), p.2101704_1 - 2101704_4, 2021/08
被引用回数:1 パーセンタイル:11.15(Engineering, Electrical & Electronic)超伝導転移端センサー(TES)マイクロ熱量計は、優れたエネルギー分解能と高い効率を持った、加速器施設での実験に理想的なX線検出器である。高強度パルス荷電粒子ビームを用いたTES検出器の性能を研究するために、日本の陽子加速器研究施設(J-PARC)でパルスミュオンビームを用いてX線スペクトルを測定した。X線エネルギーの実質的な時間的シフトがパルスミュオンビームの到着時間と相関していることを発見した。これは、最初のパルスビームからのエネルギー粒子の入射によるパルスパイルアップによって合理的に説明された。
奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I. H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.
Physical Review Letters, 127(5), p.053001_1 - 053001_7, 2021/07
被引用回数:13 パーセンタイル:79.44(Physics, Multidisciplinary)超伝導遷移エッジ型センサーマイクロカロリメーターを用いて、鉄のミュー原子から放出される電子X線を観測した。FWHMでの5.2eVのエネルギー分解能により、電子特性およびX線の非対称の広いプロファイルを約6keVの超衛星線線とともに観察することができた。このスペクトルは、電子のサイドフィードを伴う、負ミュオンと殻電子による核電荷の時間依存スクリーニングを反映している。シミュレーションによると、このデータは電子殻および殻の正孔生成と、ミュオンカスケードプロセス中のそれらの時間発展を明確に示している。
奥村 啓介; 大木 繁夫*; 山本 宗也*; 松本 英樹*; 安藤 良平*; 辻本 和文; 笹原 昭博*; 片倉 純一; 松村 哲夫*; 青山 卓史*; et al.
JAERI-Research 2004-025, 154 Pages, 2005/01
本報告書は、シグマ研究委員会・核燃料サイクル専門部会・核種生成量評価ワーキンググループ(WG)における平成1315年度の活動成果についてまとめたものである。同WGでは、軽水炉及び高速炉で照射されたUO又はMOX燃料、及び高速炉で照射されたアクチノイド試料に対する照射後試験の解析を、JENDL-3.2, JENDL-3.3及びその他の海外の核データライブラリとORIGENコードやより詳細な解析コードを使用して行った。これらの結果から、核種生成量評価の予測精度の現状と問題点が論じられる。さらに、最新のJENDL-3.3に基づくORIGENコード用のPWR, BWR, FBR用の断面積ライブラリの作成,ORIGEN計算への中性子スペクトルインデックスの導入検討、及びORIGENユーザーへの核種生成量評価に対する期待精度のアンケート調査といった活動の成果についても報告する。
岩村 公道; 大久保 努; 秋江 拓志; 久語 輝彦; 与能本 泰介; 呉田 昌俊; 石川 信行; 長家 康展; 新谷 文将; 岡嶋 成晃; et al.
JAERI-Research 2004-008, 383 Pages, 2004/06
本報告書は、日本原子力研究所,日本原子力発電,日立製作所,東京工業大学が財団法人エネルギー総合工学研究所からの委託を受けて平成1214年度に実施した革新的実用原子力技術開発提案公募事業「受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発」の成果をまとめたものである。本提案公募事業では、エネルギーの長期安定供給を確保するとともに、コスト競争力の強化,プルトニウムの有効利用,使用済燃料蓄積量の低減など、原子力発電及び核燃料サイクルが直面する課題の解決、及び安全性・経済性にかかわる技術の一層の向上を図るため、既に実用化している軽水炉技術を最大限に活用し、中性子の減速を抑制して転換比を上げることにより燃料の増殖,高燃焼度・長期サイクル運転,プルトニウムリサイクルが可能となる低減速軽水炉の開発を実施した。 炉心設計,プラントシステム設計とともに、熱流動成立性,炉物理的成立性,燃料の安全性,燃料サイクルの検討を実施し、実用化へ向けた成立性の見通しを得た。
安井 幸夫*; 金田 昌基*; 伊藤 雅昌*; 原科 浩*; 佐藤 正俊*; 奥村 肇*; 加倉井 和久; 門脇 広明*
Journal of the Physical Society of Japan, 71(2), p.599 - 606, 2002/02
被引用回数:80 パーセンタイル:90(Physics, Multidisciplinary)強い磁気的フラストレーションを示すパイロクロア系物質,TbTiO,の静的及び動的磁気的性質をT=0.4Kまでの低温下で単結晶中性子散乱により研究した。30K以下の温度で磁気的散乱強度の波数依存性が顕著になり磁気的相関を示すことが明らかになった。その相関のエネルギー依存性から弾性,準弾性及び非弾性の成分が存在することが明らかになった。この静的相関を記述できるクラスターとして二つの四面体に属する7つのモーメントの配列を提案した。また1.5K以下で観測されるグラス的状態の原因についても議論した。
稲見 俊哉; 森本 多磨喜*; 西山 昌秀*; 前川 覚*; 岡 与志男*; 奥村 肇*
Physical Review B, 64(5), p.054421_1 - 054421_6, 2001/08
被引用回数:33 パーセンタイル:81.11(Materials Science, Multidisciplinary)磁化率と粉末中性子回折の測定から、カゴメ格子反強磁性体KCr(OD)(SO)がこれまでの報告と異なり、4.0Kで明確な反強磁性秩序を持つことを見いだした。磁気構造はいわゆるq=0型の120度構造であったが、定量的な解析を行ったところ、ほぼ平面型の120度構造をなす磁気モーメントの方向が、ab面内で均等に分布しているという結果になった。われわれは、この物質の基底状態として、q=0構造がc軸の回りでゆっくり回転しているというモデルを提案する。この解釈は得られた磁気構造や試料依存性を良く説明するものである。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たず希ガスのラドンを生成するといった取り扱いの難しさから分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合的であり、さらに第一原理計算ではアナログ元素であるバリウムについても計算を実施し、両者の比較も行った。これらの結果を比較したところ、Raは粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 矢板 毅; 吉村 崇*; 奥村 雅彦; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
環境化学や核医学などの分野で重要な元素であるラジウム(Ra)については、安定同位体が存在しないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、Raの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。さらに人形峠旧ウラン鉱床周辺のコア試料分析を行い、環境中Raの挙動を調べた結果、分子レベルの吸着構造と整合する結果を得た。
山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 矢板 毅; 吉村 崇*; 奥村 雅彦; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境汚染や放射性廃棄物処理の観点から重要な元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、比較的高濃度の試料が必要な分光法は適用できず、分子レベルでの情報は殆ど得られていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、さらに第一原理計算を実施することで、Raは粘土鉱物の層間に脱水して吸着していることを明らかにした。この結果は、これまでの研究結果である環境試料の分析と整合的である。以上の結果は、粘土鉱物にRaが強く固定されることを示唆しており、Raの環境動態解明や環境中Raの除去手法開発等に資する。