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山岡 信夫*; 斉藤 正樹*; 宮崎 慶次*
PNC TJ9605 92-002, 128 Pages, 1991/03
高速増殖炉のエネルギー輸送・変換系を簡素化すると同時に、安全姓の向上を図ることを目的として、二相流自然循環と液体金属MHD発電を組み合わせた新しい概念の自律型エネルギー変換システムの成立性に関する基礎研究を実施した。まず、最初、本システムのサイクル解析を実施した。基本的な作動流体として、水と低融点合金、水銀とスズの組合せを選び、二相流上昇部入口ボイド率、気液スリップ比、そして各コンポーネントの効率をパラメータとし、さらにシステムの最高温度を変化させて感度解析を行った。本解析の結果、本システムは従来の蒸気タービンサイクルに十分競合できるだけのサイクル効率が得られる可能性が高いことがわかった。しかし、サイクル効率は、気液分離器、再生熱交換器、及び熱力学的作動流体用循環ポンプの各効率にはあまり影響を受けないが、気液スリップ比と単相流下降部に設置する発電器効率に大きく影響を受け、気液スリップ比が低い値になるような二相流の心要があることがわかった。サイクル解析の結果、サイクル効率は循環する二相流の気液スリップ比に大きく影響を受けるため、次に、特に二相流上昇部における気液スリップ比に注目した、液体金属二相流自然循環特性を調べる基礎実験を実施した。作動流体としてウッズメタル(融点70度C、密度約9・5g/cm/SUP3)と窒素ガスを用い、二相流上昇部高さ約2mの試験装置で二相流自然循環の基本的な循環特性を調べた。本実験結果により、以下に示す結果を得た。(1)ボイド率が、約0.13程度までは気泡流で、気相流量の増加とともに液体循環流量は急激に増加し、気液スリップ比が比較的に小さいが、それ以降はスラッグ流に遷移しするため、気液スリップ比が増加し、液相循環流量の増加量は減る。(2)二相流自然循環におけるボイド率は、クオリティ-、フルイド数、気液密度比により以下に示す相関式で求められる。=8.7(X/1-X)0.33(Fr)0.78(1/g)-0.22
秋山 守*; 宮崎 慶次*; 竹下 寿英*
PNC TJ2360 88-001, 222 Pages, 1988/03
最近の超電導技術開発の進展は、原子力分野への適用可能性を拡げており、将来のFBR開発にも、様々の適用可能性が考えられる。本研究では、初めに超電導の特徴と基盤となる技術を調べ、原子力関連分野への超電導技術導入の領域とその導入プロセスを検討した。その後、FBRへの適用分野として超電導電磁ポンプ及び液体金属MHD発電システムに注目し、基本概念と効果、今後の開発課題を明らかにした。超電導の電磁ポンプへの適用では、交流誘導式ポンプ(ALIP)、DCファラデー型ポンプ、及びフローカプラーのフィージビリティが高い。将来への課題としては、ALIPに対する交流超電体の開発、DCファラデー型ではシステム構成そのもの、フローカプラーでは強い磁場の有効な活用があり、具体的な数料検討をすすめる必要がある。超電導のMHD発電システムへの適用では、中央発電所の場合と、宇宙用発電の場合を検討した。中央発電所方式では、サイクルとして2成分2相流エリクソンサイクルが最も有望と考えられるが、現行の温度条件の制約、低温側タービンとの結合の必要性等が効率と経済性上の課題となる。宇宙用発電では、軽量小型化、高信頼度が重要視されるので、高温FBR及び超電導による利点が大いに活かせる。今後の液体金属MHD発電システム開発の課題としては、磁場端部(損失)効果の低減、熱サイクル・流体加速法の工夫、作動流体の沸騰、凝縮等の特性の把握と有効利用、等がある。電磁流体力学の応用としては、FBRの緊急冷却系、核融合Li冷却、電磁冶金、電磁推進等が考えられ、技術開発の波及効果は大きい。
宮崎 慶次*; 高橋 克郎*
PNC TN951 80-02, 69 Pages, 1980/02
ここ数年来原子炉の安全性に関連した蒸気爆発現象の解明に,多くの研究者の努力が傾けられてきたが,いまだ充分に解明されていない。最近ではOECD/CSNI/NEAの主催により各国の研究者が協力してこの現象の解明に当っており,問題点の整理,提案されている各モデルの是非が議論されている。本著作は,蒸気爆発現象に関してよくまとめられているので邦訳したものである。