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報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 藤田 奈津子; 横山 立憲; 小北 康弘; 福田 将眞; 中嶋 徹; 鏡味 沙耶; 小形 学; et al.

JAEA-Review 2023-017, 27 Pages, 2023/10

JAEA-Review-2023-017.pdf:0.94MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

Reconstructing the thermal structure of shallow crust in the Tono region using multi-OSL-thermometry of K-feldspar from deep borehole core

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂

Earth and Planetary Science Letters, 591, p.117607_1 - 117607_14, 2022/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:36.25(Geochemistry & Geophysics)

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法(またはOSL温度計測法)は、侵食速度が遅い地域に対して、ボーリングコアを利用し深度ごとに長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)を測定することで古地温構造を復元することができる。しかし、この手法の先行研究は現在までに1例のみであり、また、ナトリウム長石を対象としたものである。本研究では、東濃地域で掘削されたボーリングコア(MIZ-1)から抽出したカリ長石にmulti-OSL熱年代法(またはmulti-OSL温度計測法)を適用し、カリ長石に対する本手法の適用性を検討した。深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL 50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は、現在の地温と一致した。この結果より、ボーリングコアを利用したカリ長石のOSL熱年代法は古地温構造の復元に利用できることが示された。

論文

熊野川中流部における環流旧河谷の堆積過程の検討

中西 利典*; 小松 哲也; 小形 学; 川村 淳; 安江 健一*

月刊地球「基礎データから考える第四紀学の新展開-I」号外No.71, p.148 - 155, 2022/02

熊野川中流部の穿入蛇行跡において採取したボーリングコア試料を観察・解析して同段丘地形の形成過程を検討した。古い段丘地形ほど現在の河床面よりも高い位置に分布すると想定したが、環流旧河谷の地下には支流成の土石流堆積物が厚く分布する場合があるため、同地表面を隆起・侵食の指標とする際には注意が必要である。

論文

17th International Conference on Thermochronologyの参加報告

中嶋 徹; 福田 将眞; 小形 学; 末岡 茂

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.25 - 26, 2021/12

17th International Conference on Thermochronology (以下、Thermo2021)が2021年9月12-17日にアメリカ、ニューメキシコ州Santa Fe市街地のEldorado Resortにて開催された。2020年開催予定の本大会であったが、新型コロナウイルスの蔓延と社会情勢を理由に延期となっていた。本大会に先立ってVirtual Thermo2020/1と銘打ったオンラインセッションが開催されたこともあり、本大会は原則現地開催となったが、社会情勢の悪化により渡航を断念したグループも多く、発表はZoomを通して全世界と共有された。本稿では、参加までの経緯、本大会にて行われた発表の内容や傾向、2023年、2025年大会に向けての課題を報告する。

論文

長石光ルミネッセンス(OSL)年代測定法を用いた穿入蛇行河川堆積物の年代推定; 紀伊山地十津川の事例

小形 学; 小松 哲也; 中西 利典

第四紀研究, 60(2), p.27 - 41, 2021/06

紀伊山地十津川において125ka以前に離水したと考えられている環流旧河谷の流路堆積物に長石の光ルミネッセンス(OSL)年代測定を適用し、堆積年代の推定を試みた。線量応答曲線の定量限界値を飽和線量($${propto}$$飽和年代)とみなし、等価線量($${propto}$$OSL年代)の飽和率を求めたところ、測定試料の大半がOSL年代の飽和を示した。加えて、不完全ブリーチに起因するOSL年代の過大評価が疑われたため、堆積年代の決定はできなかった。一方で、OSL年代が飽和に達していない測定試料の飽和年代から、堆積年代は少なくとも280kaより若いと考えられた。流路堆積物の堆積年代を280-125kaとして算出した下刻速度は0.39-0.87mm/yrとなり、紀伊山地の削剥速度からみて矛盾のない値であった。このことは、不完全ブリーチの影響によって堆積年代の決定が困難な場合であっても、OSL年代測定により堆積年代の最大値を制約できる可能性があることを示す。

論文

光ルミネッセンス(OSL)を用いた超低温領域の熱年代学

小形 学; 末岡 茂

Radioisotopes, 70(3), p.159 - 172, 2021/03

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定できる手法である。一般的な地温構造を仮定すると、削剥深度にして数百メートルに相当するため、地殻浅部のより詳細な削剥史復元への利用が期待できる。本稿では、OSL熱年代法の原理や閉鎖温度、現在における最新の熱史解析法、応用研究例について紹介する。

口頭

光ルミネッセンス(OSL)年代測定試料採取のためのボーリング調査事例

石原 隆仙*; 細矢 卓志*; 植木 忠正*; 小形 学

no journal, , 

光ルミネッセンス(OSL)年代測定法は、地質環境の長期安定性を評価する上で重要な隆起・侵食速度の推定に利用できる。OSL年代測定は試料が最後に露光した年代の測定を行うため、試料採取の際に試料を露光させないようにする必要がある。試料採取は、各地点の地質などの状況を考慮し、それぞれ塩ビ管を内蔵したトリプルサンプラーを用いて採取する方法と、ダブルコアチューブを用いて採取し、暗幕内で試料の取り出しと梱包をする方法で行った。トリプルサンプラーを用いる手法は、塩ビ管を内蔵するサンプラーを必要とする一方、通常のボーリング作業と同じ作業人員でのサンプリングが可能であり、梱包も1人で可能であった。対して、ダブルコアチューブを用いた手法では、通常のツールスでの掘削が可能だが、暗室の準備、試料の取り出しなど手間と人員を必要とした。どちらの手法を用いるかは、地質,現場環境などに応じて適宜選択する必要がある。

口頭

大深度ボーリングコアを利用した光ルミネッセンス熱年代法による10万年スケールの熱履歴推定; 六甲山地の事例

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂; 山田 隆二*; 小村 健太朗*

no journal, , 

光ルミネッセンス(optically stimulated luminescence: OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定可能とするOSL年代測定法の応用手法であり、深度にして数百mオーダーの削剥史復元への利用が期待できる。OSL熱年代法の適用は、ルミネッセンス信号が数十万年で飽和するため、露頭試料においては削剥の速い地域(約5mm/yr以上)に制限される。しかし、大深度ボーリングコアを用い、ルミネッセンス信号が飽和していない深部の試料を利用することで、侵食速度の遅い地域にも適用できる可能性がある。本研究では、防災科学技術研究所が六甲山地で掘削した「甲山」コア試料にOSL熱年代法を適用した。このコア試料に対しては、フィッション・トラック熱年代法を適用した先行事例がある。六甲山地は、六甲変動から推測される隆起速度や宇宙線生成核種による削剥速度より、中程度の削剥速度(0.1-1mm/yr)が予想される。甲山コアの全長は1313mであり、408, 642, 818, 1048m地点の試料の測定を行った。本発表では、本研究の熱史モデリング結果と削剥速度が遅い地域で掘削されたコア(MIZ-1; 岐阜県瑞浪市; 0.1mm/yr以下)の結果との比較や、六甲山地の隆起・削剥速度の既往研究との整合性の確認結果、また熱史復元結果より推定される六甲山地の侵食史・地形発達史について報告する予定である。

口頭

Multi-OSL-thermochronometry using deep borehole core for thermal history over 0.1 Myr in Rokko Mountains

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 山田 隆二*; 小村 健太朗*; 末岡 茂

no journal, , 

光ルミネッセンス(optically stimulated luminescence: OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定可能とするOSL年代測定法の応用手法であり、深度にして数百mオーダーの削剥史復元への利用が期待できる。OSL熱年代法の適用は、ルミネッセンス信号が数十万年で飽和するため、露頭試料においては削剥の速い地域に制限される。しかし、大深度ボーリングコアを用い、ルミネッセンス信号が飽和していない深部の試料を利用することで、削剥速度の遅い地域にも適用できる可能性がある。本研究では、防災科学技術研究所が六甲山地で掘削した「甲山」コア試料にOSL熱年代法を適用した。六甲山地は、先行研究より0.1-1mm/yr程度の削剥速度が予想される。甲山コアの全長は1,313mであり、408, 642, 818, 1048m地点の試料の測定を行った。全試料のOSL熱年代測定の結果は、約10万年前から現在まで大きな温度変化がないことを示した。この結果は六甲山地の削剥速度と整合的であるため、大深度ボーリングコアを用いることで削剥速度が遅い地域に対してもOSL熱年代法を適用できる可能性が示された。今後は、OSL熱年代測定結果から削剥速度を推定する手法を開発する予定である。

口頭

Estimation of emergence age using feldspar OSL dating; Case studies in the Noto Peninsula and the Oi River

小形 学; 塚原 柚子; 川村 淳; 菅野 瑞穂; 西山 成哲*; 末岡 茂; 小松 哲也; 中西 利典*; 安江 健一*

no journal, , 

長石の光励起ルミネッセンス(OSL)年代測定法は適用範囲が数千年から数十万年であり、堆積物に普遍的に含まれる長石粒子を対象とすることから、地形学的時間スケール(数千年から数十万年)での堆積物の編年が可能な方法として期待できる。本発表では、離水地形の離水時期の制約に基づく隆起速度推定技術の高度化の一環として実施中の長石のOSL年代測定による離水時期の推定研究について能登半島(海成地形)と大井川(河成地形)を事例として報告する。

口頭

大深度ボーリングコアを利用したmulti-OSL熱年代法による地殻浅部の古地温構造の復元; 東濃地域における事例

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂

no journal, , 

過去10万年の侵食速度は、地質環境の長期安定性を評価する上で重要な情報である。光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、過去数十万年の数十度以下の超低温領域の熱史を推定可能とするOSL年代測定法の応用手法であり、深度数百m以浅の侵食史の評価が期待できる。OSL熱年代法の適用は、ルミネッセンス信号が数十万年で飽和するため、露頭試料においては侵食速度が速い地域(数mm/yr以上)に制限される。しかし、大深度ボーリングコアを用い、地表よりも温度の高い地下深部の試料を利用することで、侵食速度が遅い地域にも適用できる可能性がある。本研究では、10万年スケールの侵食速度が0.1mm/yr程度の東濃地域で掘削された「MIZ-1」ボーリングコア(岐阜県瑞浪市; 掘削長1300m)にmulti-OSL熱年代法を適用し、侵食速度が遅い地域に対するOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を検証した。復元された古地温構造は、過去約10万年間は数mm/yrを超えるような侵食が起きていないことを示し、東濃地域の10万年スケールの侵食速度(0.1mm/yr程度)と調和的な結果となった。これらより、侵食速度が遅い地域に対するOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を確認することができた。今後の課題は、OSL熱年代法の適用可能性のより詳細な評価及び最適なカイネティックパラメータの導出方法の確立によるOSL熱年代法の精度・確度の向上である。

口頭

穿入蛇行河川の旧流路地形・堆積物に基づく下刻速度の推定; 赤石山脈南部,大井川の事例

塚原 柚子; 小形 学; 川村 淳; 菅野 瑞穂*; 西山 成哲; 末岡 茂; 中西 利典*; 小松 哲也

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法: 吉山・柳田、1995)に基づき推定されている。TT法の適用にあたっては、最終氷期の堆積段丘と一つ前の氷期の堆積段丘のペアを認定する必要がある。しかし、そのような段丘のペアが認められない山地も多い。そこで、我々は、TT法の代替手法として、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいて10万年スケールでの下刻速度を算出する方法(例えば、安江ほか、2014; 小形ほか、2021)の研究を進めている。本発表では、そのような研究の一環で大井川中流部を事例に実施した調査の結果について報告する。

口頭

Will ESR thermochronometry reveal the timing of Rh$^o$ne valley incision?

King, G. E.*; Wen, X.*; Bartz, M.*; Anderson, L.*; Bossin, L.*; 塚本 すみ子*; Li, Y.*; Herman, F.*; 小形 学; 末岡 茂

no journal, , 

To determine a rock cooling history using ESR thermochronometry, signal accumulation and signal thermal loss must be robustly determined within the laboratory. We have collected a series of geological samples including rocks from boreholes that have known isothermal histories to investigate the potential of this technique. Our objective is to use the latter rocks to confirm the validity of our laboratory measurements and data-fitting/numerical models. Specifically, we have investigated known-thermal history samples from the MIZ1 borehole (Japan) and the KTB borehole (Germany) as well as samples from Sion in the Western European Alps. Preliminary data reveal that the ESR dose response and thermal decay of different quartz samples is highly variable. Whereas the Al-centre of some samples exhibits linear dose response to laboratory irradiation up to 15 kGy, the Al-centre of other samples exhibits exponential, or double exponential growth and saturates at doses of 3-4 kGy. The Ti-centre of most samples is well described by a single saturating exponential function, however samples from the MIZ1 borehole exhibit pronounced sub-linearity in the low-dose response region. Furthermore, whereas for some samples the Al-centre is less thermally stable than the Ti-centre, for other samples the inverse is observed. These observations suggest that a uniform measurement protocol and data-fitting approach may not be appropriate for quartz ESR data. Inversion of two KTB samples yielded temperatures within uncertainty of borehole temperature, however results for the MIZ1 borehole are more variable and can only recover temperature at best within c.a. 10%. Investigations into the cause of the poor results for the MIZ1 borehole are ongoing (i.e. measurement protocol, data-fitting/numerical model) and will be discussed. Preliminary data from Sion are promising and reveal consistent cooling rates.

口頭

Working towards a robust thermochronometer based on the ESR of quartz minerals

King, G.*; Bartz, M.*; Bossin, L.*; Wen, X.*; 塚本 すみ子*; Herman, F.*; 小形 学; 末岡 茂

no journal, , 

Electron spin resonance dating of quartz minerals offers a significant advantage over luminescence dating because of its later signal saturation. We are seeking to exploit this to build upon earlier studies in the development of a thermochronometry system capable of resolving rock cooling rates throughout the Quaternary. In order to determine a rock cooling history, it is necessary to constrain both signal accumulation and signal thermal loss robustly within the laboratory. We have collated a series of geological samples including rocks from boreholes that have known isothermal histories to investigate the potential of this technique. Our objective is to use the latter rocks to confirm the validity of our laboratory measurements and data-fitting/numerical models. Specifically, we have investigated known-thermal history samples from the MIZ1 borehole (Japan) and the KTB borehole (Germany). Preliminary data reveal that the ESR dose response and thermal decay of different quartz samples is highly variable.

口頭

大深度ボーリングコアを用いたカリ長石のmulti-OSL熱年代法による東濃地域の地殻浅部の古地温構造復元

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂

no journal, , 

過去数十万年の侵食速度は、地質環境の長期安定性を評価する上で重要な情報である。光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、過去数十万年の数十度以下の熱史推定を可能とするため、従来の熱年代法では困難だった数十万年スケールの深度約1km以浅の侵食速度評価ができる。しかし、OSL信号は数十万年で飽和するため、OSL熱年代法による侵食速度の定量化は侵食速度の速い地域(数mm/yr以上)に限られる。侵食速度が遅い地域に対しては、ボーリングコアを利用し、長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)から古地温構造を復元することで、熱安定性(すなわち、侵食速度の遅さ)を評価できる。しかし、この手法の研究例は一例しかなく、また、ナトリウム長石を対象としている。本研究では、岐阜県東濃地域で掘削されたボーリングコアにmulti-OSL熱年代法を適用し、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を検証した。深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は、現在の地温と一致した。これは、過去から現在まで熱的に安定であったことを示し、東濃地域の侵食速度と整合的な結果となった。この結果より、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を確認できた。

口頭

Reconstructing the thermal structure of shallow crust using OSL-thermometry of K-feldspar from deep borehole core; Case studies in the Japanese Islands

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 山田 隆二*; 小村 健太朗*; 末岡 茂

no journal, , 

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、過去数十万年の超低温領域(数十度以下)の熱史推定を可能とするため、地殻浅部の侵食速度評価ができる。OSL信号は数十万年で飽和するため、OSL熱年代法による侵食速度の定量化は侵食速度の速い地域(数mm/yr以上)に限られる。侵食速度が遅い地域に対しては、ボーリングコアを利用し、長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)から古地温構造を復元することで、熱安定性(すなわち、侵食速度の遅さ)を評価できる。しかし、この手法の研究例は一例しかなく、また、ナトリウム長石を対象としている。本研究では、岐阜県東濃地域と兵庫県六甲山地で掘削されたボーリングコアを用いて、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法の適用性を検証した。東濃地域の事例では、深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は現在の地温と一致した。これは、過去から現在まで熱的に安定であったことを示し、東濃地域の侵食速度と整合的な結果となった。この結果より、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を確認した。本発表では、六甲山地の事例についても紹介する。

口頭

MIS 5e海成段丘堆積物の長石OSL年代測定; 紀伊半島における事例

小形 学; 小松 哲也; 中西 利典*

no journal, , 

地盤の隆起と海水準変動の相互作用により形成される海成段丘は、地形学的時間スケール(数千年から数十万年)での隆起速度の推定に利用される。その際、段丘構成層や被覆層に有機物やテフラが含まれないと、堆積時期の制約が難しく、隆起速度の評価が困難となる。長石の光励起ルミネッセンス(OSL)年代測定法は、適用範囲が数千年から数十万年であり、堆積物に普遍的に含まれる長石粒子を対象とすることから、海成段丘の絶対編年にここ数年利用され始めてきた。本発表では、紀伊半島南部全域にほぼ連続して分布し、MIS 5eに対比される海成段丘面の堆積物に長石OSL年代測定法を適用した事例について報告する。

口頭

Borehole calibration of ESR thermochronometry

King, G. E.*; Wen, X.*; Bartz, M.*; Bossin, L.*; 塚本 すみ子*; Li, Y.*; Herman, F.*; 小形 学; 末岡 茂

no journal, , 

Whereas the luminescence thermochronometry system is limited to areas experiencing very rapid rock cooling (exhumation) of 10s of mm/yr, our data indicate that ESR thermochronometry can resolve rates of $$<$$1 mm/yr over Quaternary timescales. To determine a rock cooling history using ESR thermochronometry, signal accumulation and signal thermal loss must be robustly determined within the laboratory. We have collected a series of borehole samples with known isothermal histories to investigate the potential of this technique. Our objective is to use the latter rocks to confirm the validity of our laboratory measurements and data-fitting/numerical models by using the ESR-thermochronometry method to recover their known in-situ temperatures. Specifically, we have investigated known-thermal history samples from the MIZ1 borehole (Japan) and the KTB borehole (Germany). Preliminary data reveal that the ESR dose response and thermal decay of different quartz samples is highly variable. Whereas the Al-centre of some samples exhibits linear dose response to laboratory irradiation up to 15 kGy, the Al-centre of other samples exhibits exponential, or double-exponential growth and saturates at doses of 3-4 kGy. The Ti-centre of most samples is well described by a single saturating exponential function, however samples from the MIZ1 borehole exhibit pronounced sublinearity in the low-dose response region. Furthermore, whereas for some samples the Al-centre is less thermally stable than the Ti-centre, for other samples the inverse is observed. These observations suggest that a uniform measurement protocol and data-fitting approach may not be appropriate for quartz ESR data.

口頭

旧流路堆積物に対する長石OSL年代測定法の適用による下刻・隆起速度の推定; 大井川の事例

小形 学; 塚原 柚子; 西山 成哲; 小松 哲也; 内田 真緒; 川村 淳; 石原 隆仙; 中西 利典*

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法)に基づき推定されているが、気候段丘の分布の乏しい地域ではTT法を適用することができない。TT法の代替手法としては、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいた方法が提案されている。この手法は、旧流路堆積物と現河床の比高を旧流路堆積物の離水時期で除することで河川の下刻速度を算出する方法である。対象とする河川が下刻速度と隆起速度が釣り合っている平衡河川であれば、下刻速度を隆起速度に読み替えることができる。これまでに赤石山脈を流れる大井川流域を事例として、本手法の適用性に関する研究開発を行ってきた。本発表では、これまでの長石OSL年代測定による離水年代の推定結果、及び下刻・隆起速度の推定結果について報告する。

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