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神戸 高志*; 小松 拓磨*; 道内 尊正*; 早川 弘毅*; 大石 大輔*; 花咲 徳亮*; 吉井 賢資; 池田 直*
Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012077_1 - 012077_4, 2010/02
被引用回数:4 パーセンタイル:80.4(Materials Science, Multidisciplinary)電荷秩序を起源として強誘電体となる鉄酸化物LuFeOについて、外部磁場下において誘電率測定を行い、電気磁気効果を観測した。330K以下の三次元鉄電荷秩序を持つ強誘電相において、本系の誘電応答は外部磁場に強く依存して変化することがわかった。外部磁場依存性は、磁気転移温度(240K)近傍において増強されることも見いだした。これは誘電性と磁性の相関が存在することを強く示唆する。また、本測定から観測された、磁気転移温度以上の電気磁気効果と、試料の酸素量などについての関係も報告し、観測された電気磁気効果の起源などについて議論する。
道内 尊正*; 横田 祐輔*; 小松 拓磨*; 早川 弘毅*; 黒田 朋子*; 真栄田 大介*; 松尾 祥史*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 花咲 徳亮*; et al.
Ferroelectrics, 378(1), p.175 - 180, 2009/00
被引用回数:18 パーセンタイル:59.66(Materials Science, Multidisciplinary)鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記物質LuFeOにつき、合成条件を変えることにより酸素量を変えた試料に対する磁性と誘電性について報告する。試料作成はCO-CO混合ガスフロー中で行い、COとCOの比を変えることで酸素量を変えた。CO:COのフロー比が1:5付近において、磁気転移温度が最高の240250K近傍となったことから、この試料が最良のものと判断される。本試料の誘電率は、室温で10000近傍であった。誘電率の虚数部分から求めた活性化エネルギー0.40.5eV程度であり、これまでLuFeOにおいて報告されていた0.3eVよりも大きい傾向が見られた。今後さらに測定を行い、物性の詳細のわかっていないLuFeOの性質とその起源を明らかにする予定である。
吉井 賢資; 米田 安宏; 真栄田 大介*; 横田 祐輔*; 道内 尊正*; 小松 拓磨*; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7599 - 7602, 2008/09
被引用回数:8 パーセンタイル:33.28(Physics, Applied)新規強誘電体RFeO(R=Y,Ho-Lu)の性質を明らかにするため、標記酸化物の物性を調べた。RFeOのうち、物性の報告例のないHoFeOを合成し、磁性と誘電性を調べた。誘電率は室温で1000程度であり、ほかのRFeOと類似であるが、誘電応答における系の乱れと磁気転移温度は明瞭な違いが見られた。この違いは、酸素量の違いに由来すると推測される。また、希土類サイトの置換を行い、物性を調べた。最もイオン半径の異なるYとLuの間で混晶が作成でき、その物性が非混晶系と類似であることから、R=Y,Ho-Luの間で混晶が作成でき、物性も非混晶系と本質的に同じと推測された。さらに、LuFeOのLuの一部を、希土類の中で最も小さいScに置換した。X線回折からは、20%ほどのSc置換が上限であることがわかった。誘電性はLuFeOと類似であったが、磁気転移温度はSc置換により、250Kから200Kへと大幅に下がった。このことは、希土類サイトの置換により、物性コントロールが可能なことを示唆する。
小松 拓磨*; 神戸 高志*; 道内 尊正*; 早川 弘毅*; 大石 大輔*; 花咲 徳亮*; 池田 直*; 吉井 賢資
no journal, ,
LuFeOは、鉄電荷が実空間において秩序化することによって強誘電性を発現する、新しいカテゴリーの強誘電体である。本発表では、この物質における磁場下の誘電特性を測定した。電荷秩序転移及び磁気転移近傍において、磁場の大きさに依存する誘電率の変化を見いだしたので報告する。この結果は、この物質における誘電性が磁場などの外部パラメータでコントロールできることを示しており、基礎応用両面から興味深い。
池田 直*; 神戸 高志*; 小松 拓磨*; 道内 尊正*; 早川 弘毅*; 花咲 徳亮*; 吉井 賢資; 松尾 祥史*; 森 茂生*
no journal, ,
われわれが放射光などを用いて最近発見した、新しいタイプの標記強誘電体について解説する。通常の強誘電体では、正と負のイオン位置の重心がずれることにより電気双極子を生み出し、それが強誘電性の起源となることはよく知られている。一方、標記物質では、三角格子上の2+と3+の鉄イオンが特殊な配列構造をすることで電気双極子を発生し、それが強誘電性の起源となることがわかった。本発表では、この系の交流誘電率・分極測定・磁化測定などの結果について紹介し、新規強誘電体の興味深い性質について、基礎・応用両面から解説する。