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論文

Double-differential cross sections for charged particle emissions from $$alpha$$ particle impinging on Al at 230 MeV/u

古田 稔将*; 魚住 祐介*; 山口 雄司; 岩元 洋介; 古場 裕介*; Velicheva, E.*; Kalinnikov, V.*; Tsamalaidze, Z.*; Evtoukhovitch, P.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(2), p.230 - 236, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

230MeV/u$$alpha$$粒子のAl標的入射実験によって$$alpha$$粒子のフラグメンテーション反応による荷電粒子生成の研究を行った。Si検出器と結晶シンチレータからなるカウンターテレスコープを用いて、p, d, t, $$^{3}$$He、及び$$^{4}$$He各粒子の生成二重微分断面積を放出角15$$^{circ}$$-60$$^{circ}$$について測定した。取得データをより低い入射エネルギーの測定データと比較し分析した結果、(1)前方角の高エネルギー領域では陽子と中性子の放出スペクトルが類似している、(2)低入射エネルギー実験と同様に$$alpha$$粒子の分解で生じたtと$$^{3}$$Heの収量の比は1:2である、(3)$$^{3}$$Heと$$alpha$$粒子の幅広いピークの分布は入射$$alpha$$粒子と標的原子核との衝突過程によって説明できるという一般的な特徴を見出した。

報告書

Proceedings of the 2021 Symposium on Nuclear Data; November 18-19, 2021, On-line Connection Conference

山口 雄司; 明午 伸一郎

JAEA-Conf 2022-001, 226 Pages, 2022/11

JAEA-Conf-2022-001.pdf:17.97MB

2021年度核データ研究会は、2021年11月18日$$sim$$19日にオンライン形式で開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催し、日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会、J-PARCセンター、日本原子力研究開発機構(原子力機構)原子力基礎工学研究センター、および高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共催した。チュートリアルとして「TALYSの新展開とTENDL-2021」および「ADSの役割と開発課題」を企画し実施した。講演・議論のセッションとして、「J-PARCおよび原子力機構の施設」、「核データ研究の現状と展望」および「医療、アイソトープ生成および分析」の3セッションを企画し実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、理論、評価、ベンチマーク、応用等、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は132名であった。それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告集は、本研究会における口頭発表14件、ポスター発表22件の合計36の論文を掲載している。

論文

Deuteron-induced nonelastic cross sections based on the intranuclear cascade model with independent incident particles under interaction potentials

中野 正博*; 山口 雄司; 魚住 裕介*

Physical Review C, 106(1), p.014612_1 - 014612_8, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

核内カスケード(INC)模型を拡張して、重陽子入射反応の弾性外散乱断面積を記述する。陽子と中性子が弱く結合した重陽子の分解,捕獲反応を自然に記述できるようにINC模型に対して陽子,中性子,標的核の三体の枠組みを導入する。この枠組みには陽子-標的核,中性子-標的核,陽子-中性子間の相互作用が含まれ、陽子-中性子間の相互作用は、重陽子を構成する二核子の振動運動を引き起こすため、重陽子の分解反応や陽子、中性子の捕獲の記述において重要である。拡張したINC模型による計算結果は、核子入射反応の先行研究で決めたパラメータとほぼ同様のもので$$^{12}$$C, $$^{40}$$Ca, $$^{58}$$Ni, $$^{208}$$Pb標的の実験データをよく再現する。

口頭

数百MeV/u$$alpha$$粒子入射における分解反応の研究

山口 雄司*; 荒木 優佑*; 藤井 基晴*; 渡邉 岳*; 佐波 俊哉*; 松藤 成弘*; 古場 裕介*; 岩元 洋介; 魚住 祐介*

no journal, , 

炭素を用いた重粒子線がん治療において、重粒子入射反応で生じる二次粒子による低線量被ばくが問題となっている。われわれは、これまで改良を進めてきた陽子入射に対する核内カスケード(INC)の入射粒子の適用範囲を$$alpha$$線、炭素入射反応へ拡張する計画である。拡張後のINCの精度検証に$$alpha$$粒子入射による複合粒子(陽子, 重陽子, 三重陽子, $$^{3}$$He, $$alpha$$粒子)生成二重微分断面積(DDX)の実験データが必要であるが、入射エネルギーが核子当たり35MeV以上において実験データは存在しない。そこで本研究では、量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所のHIMAC棟において、核子当たり100, 230MeVの$$alpha$$粒子を試料(C, Al, Co, Nb)に照射したときの複合粒子のDDXを測定した。Si半導体検出器、無機シンチレータGSOやPWOを散乱槽に設置して生成粒子のエネルギーを測定し、$$Delta$$E-E法を用いて粒子識別を行った。その結果、測定角度30度から90度において、最大300MeVの高エネルギー成分まで実験データを得ることができた。拡張後のINCの計算結果は30度において実験値と良く一致するが、測定角度が増えるにつれて実験値を過小評価することがわかった。

口頭

高しきい値反応を利用したJ-PARCミュオン標的近傍のビームロスモニター

山口 雄司; 明午 伸一郎; 大井 元貴; 原田 正英; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARCセンター物質・生命科学実験施設(MLF)では、3GeV、1MWの陽子ビームを炭素,水銀標的に入射し、それぞれからミュオン,中性子を取り出してビームとして供給する。陽子ビームの効率的な利用の点から、厚さ2cmのミュオン標的を中性子標的の上流に直列配置しているため、3GeV陽子ビーム輸送施設(3NBT)ではミュオン標的近くのビームロスモニターで、標的からの放射線も背景事象として検出され、ビーム損失の正確な把握が課題となる。課題解決のため、ビーム損失事象と背景事象を識別可能なビームロスモニターとして、内壁にビスマス箔を設置した計数管の開発に着手した。ビーム損失事象と背景事象の識別には、各事象からの陽子,中性子がロスモニターに到達するまでの飛行時間の差に加え、高しきいエネルギーをもつビスマスの核分裂反応による高速陽子,中性子の選択的な検出の利用が有効と考えられる。本発表では、粒子輸送計算コードを用いたビスマス箔厚みの検討や選択的検出に必要な信号の波高成分の解析結果について報告する。

口頭

負ミュオン捕獲による放射性核種生成量の測定

山口 雄司; 原田 正英; 河村 成肇*; 羽賀 勝洋

no journal, , 

負ミュオン($$mu$$$$^{-}$$)は、物質に入射すると多くの場合原子核に捕獲される。$$mu$$$$^{-}$$を捕獲した原子核は、原子番号Zが一つ小さい高励起核を形成し、主に中性子や$$gamma$$線を放出して放射性核種となり得るため、物質は放射化することになる。加速器ビーム強度の増強により、$$mu$$$$^{-}$$を利用した研究の活発化が期待される一方で、$$mu$$$$^{-}$$による試料の放射化が問題となる。MLFにおける放射化試料の安全かつ適切な取扱いのためには、照射試料の放射化量の正確な見積もりが重要となる。放射化量の見積もりには、モンテカルロシミュレーションコードPHITSを利用でき、これによる評価を行っている。PHITSの計算結果の信頼性は、放射線安全に直結するため、計算結果のベンチマークが必要であるが、既存の実験データは特定のZの範囲に限定され、包括的に計算結果を検証できない。また、PHITSの結果と実験データとの間に差異があることも確認されている。こうした問題の解決のため、包括的な実験データの新規取得が必要となる。本発表では、包括的データの取得のための測定、解析方法の確立、問題点の洗い出し等を目的として実施した予備実験について報告する。

口頭

400MeV - 3GeV陽子におけるAl(p,xp)反応の二重微分断面積(DDX)の測定,1; 400MeV陽子を用いた試験

明午 伸一郎; 中野 敬太; 山口 雄司

no journal, , 

宇宙開発事業において、衛星搭載用の荷電粒子検出器の応答測定のため数百MeVからGeV領域の陽子の利用が必要となるが、400MeV以上のエネルギー領域で供給が可能な加速器施設は世界的に少なく、国内にはJ-PARCが唯一となる。J-PARCの加速器施設ではユーザー運転を安定に継続するために、利用者の実験装置を陽子ビームダクト内への設置は困難となる。また、シンクロトロン加速器の特性により検出器の動作確認ができる程度の微弱なビーム供給はできない。また、加速器駆動核変換システム(ADS)等の大強度陽子加速器施設では核内カスケードモデル(INCL)の高度化が重要となる。INCLの改良のためには、最前方方向の放出粒子のDDXが重要となるが、実験値が殆どないため新たなデータの取得が望まれる。宇宙開発事業における陽子ビーム利用推進およびINCLの高精度化のため、ビームダンプ入口のビーム窓(Al)における散乱陽子のエネルギースペクトルを測定した。測定の結果、準単色となる陽子のエネルギースペクトルとなることを確認した。

口頭

230MeV/u $$alpha$$粒子入射荷電粒子生成二重微分断面積の測定

古田 稔将*; 魚住 裕介*; 山口 雄司; 岩元 洋介; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*

no journal, , 

本研究では、230MeV/uの$$alpha$$粒子入射荷電粒子生成反応の二重微分断面積(DDX)の取得を目的とする。230MeV/uの$$alpha$$粒子ビームを標的核C, Al, Coに入射し、その結果生じた放出角度15$$^{circ}$$, 20$$^{circ}$$, 40$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$における荷電粒子p, d, t, $$^{3}$$He, $$alpha$$の生成量を測定し、各標的核・放出角度のDDXを取得した。検出器としてSi半導体検出器,GSOシンチレータ,PWOシンチレータで構成されたカウンターテレスコープを使用し、放出粒子の種類およびエネルギーの同定にはE-$$Delta$$E測定法を用いた。

口頭

チェレンコフ光を用いた陽子スペクトロメータの開発,1

明午 伸一郎; 中野 敬太*; 山口 雄司; 大辻 賢一*

no journal, , 

加速器駆動システム(ADS)や大強度陽子加速器において、数GeV領域の(p,xp)反応の実験データの比較検討は重要となる。これまで、当グループではプラスティクシンチレータを用いたカロリメトリックな測定によるスペクトル測定を実施したが、数GeV領域の測定では、シンチレータを用いた測定では困難となる。そこで、チェレンコフ放射に基づくスペクトル測定に着手した。また宇宙利用においても、太陽フレア等で発生する陽子のスペクトル測定が重要となり、チェレンコフに基づくスペクトロメータの開発が進められている。チェレンコフで発生する光子数は、陽子の光速比($$beta$$)に依存する応答を持つため、この応答特性をJ-PARCの加速器施設のダンプ入射窓の散乱陽子を用いて測定した。測定の結果、ほぼ予想された応答関数となることが示された。

口頭

負ミュオン捕獲における放射性核種生成量測定の予備実験

山口 雄司; 原田 正英; 河村 成肇*; 羽賀 勝洋

no journal, , 

負ミュオン($$mu^-$$)の原子核捕獲における放射性核種生成量の包括的なデータ取得のための測定、解析方法の確立を目的として、J-PARCセンター物質・生命科学実験施設で予備実験を実施した。標的に$$mu^-$$を照射し、高純度ゲルマニウム検出器で核種を同定、その生成量を得た。測定方法や計算との比較等について報告する。

口頭

J-PARC核破砕中性子源における金箔放射化法による熱中性子強度の定点観測

原田 正英; 及川 健一; 土川 雄介; 山口 雄司; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源は、水銀ターゲットに3GeV、1MWの陽子ビームを入射し、核破砕反応で発生する中性子を実験装置に供給する設備である。水銀ターゲット容器は、ピッティング損傷のために定期的に交換している。陽子ビーム出力は、低出力から徐々に出力を上げ、2022年6月現在では、800kW運転を行っており、陽子ビームプロファイルは、ビーム出力により、適宜最適なものを使用している。これらを踏まえ、特性試験装置(NOBORU)にて、核破砕中性子源から供給される中性子の強度を同じ測定条件で定期的に観測する定点観測を実施してきた。定点観測では、熱中性子の絶対強度を観測するために、金箔による放射化法を用いた。金箔は、主に、15$$times$$15$$times$$0.1mmを使用し、カドミウム箔の有り無しの2回測定した。陽子ビーム強度に合わせて、照射時間を10分から30分程度に設定した。照射した金箔は、ゲルマニウム検出器で、ガンマ線を測定し、放射化量を同定した。測定の結果、熱中性子強度には、陽子ビーム強度依存性が若干観測された。

口頭

J-PARC核破砕中性子源からの遅発性中性子の観測

原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 山口 雄司; 及川 健一; 土川 雄介; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARCの1MW核破砕中性子施設では、25Hz毎の陽子ビームにより発生するパルス状の中性子を各中性子実験装置に供給している。近年は、800kWまで安定的に運転できることを確認し、継続的に出力を上げている。その中で、他の中性子実験装置において、陽子ビーム入射と時間相関が弱い中性子が観測されることが分かった。供給される中性子パルスの特性を測定する中性子実験装置である特性試験装置(BL10、NOBORU)にて、遅発性の中性子の測定を行うこととした。測定では、NOBORUの実験装置室内の中性子ビーム軸上に中性子検出器を置き、ビーム運転停止直後から飛来する中性子の飛行時間を測定した。中性子と他の成分とを分離するために、パルス波高も測定し、中性子の成分を抽出した。その結果、ビーム運転停止しても、中性子が観測されることを確認した。詳細は、当日発表する。

口頭

J-PARC MLFにおける減速材・反射体遠隔取り合い試験

大井 元貴; 山口 雄司; 勅使河原 誠; 直江 崇; 菊池 佳範*; 安原 利幸*; 猿田 晃一; 木下 秀孝; 原田 正英

no journal, , 

J-PARC物質生命科学実験施設(MLF)の中性子源では、水銀ターゲットで発生した中性子を減速し、効率良く実験装置に送り出すために、反射体と3台の減速材が設置されている。反射体と減速材は30000 MWhを設計寿命としており、順調に運転が行われた場合、2026年には設計寿命に到達する。使用済みの減速材及び反射体は、非常に高い放射能を有するため、交換作業は遠隔操作で行う必要が有る。MLFは運転開始から既に15年が経過しており、遠隔作業の手順の見直しおよび再確認し、問題点の洗い出しを行うこととした。遠隔取り合い試験については、MLFのホットセル内で交換用の予備機を用いて2021年と2022年に実施した。試験では、非結合型減速材の着脱、および、反射体の着脱は大きな問題なく実施できたが、結合型減速材とポイズン型減速材の取り扱いに置いて問題があることが判明した。また、いくつかの吊り具に変形があり、作業に影響があることが分かった。確認された問題については、適宜改善を行い、2023年度の夏期メンテナンス期間中に再度仮組試験を行う。実機の交換作業は2024年度に実施を予定している。

口頭

400MeV - 3GeV陽子におけるAl(p,xp)反応の二重微分断面積(DDX)の測定,2; 400MeV陽子を用いた試験

明午 伸一郎; 山口 雄司; 岩元 大樹

no journal, , 

宇宙衛星搭載用の荷電粒子検出器の試験には数百MeVからGeV領域の陽子利用が必要となるが、400MeV以上のエネルギー領域で供給が可能な加速器施設は国内でJ-PARCが唯一となる。加速器駆動核変換システム(ADS)等の大強度陽子加速器施設では核内カスケードモデル(INC)の高度化が重要となる。INCの改良のためには、最前方方向の放出粒子のDDXが重要となるが、実験値が殆どないため新たなデータの取得が望まれる。本研究ではJ-PARCの陽子ビーム利用推進およびINCの高精度化のため、ビームダンプ入口のビーム窓による散乱陽子のエネルギースペクトルをプラスチックシンチレータを用いて測定した。実験データに基づきINCとの比較検討を実施した結果、PHITSに標準的に用いられるINC(INCL-4.6)は、実験データの約4倍の値を与えることが示された。

口頭

MLF陽子ビーム窓の材料に対する照射試験

山口 雄司; 明午 伸一郎; 大久保 成彰; 大井 元貴

no journal, , 

MLFでは、高真空の3GeV陽子ビーム輸送ラインと大気圧ヘリウム雰囲気のターゲットステーションを隔離するため、アルミニウム合金(A5083)製の陽子ビーム窓を用いている。陽子ビーム窓は利用運転中、1MWの大強度陽子ビームの照射下にあり、安定した運転のためには、陽子ビーム窓材の放射線照射による影響の理解が重要となる。MLFの陽子ビーム窓材と同様なアルミニウム合金は、スイスのポールシェラー研究所の核破砕中性子源(SINQ)のセーフティハルとして用いられており、SINQではすでに照射後試験がおこなわれた。照射後試験の結果として、はじき出し損傷や水素(H)及びヘリウム(He)の生成に起因した材料の脆化、硬化の観測が報じられている。一方、MLFでは法規上の問題で照射後試験を実施できないという問題がある。そこで、イオン照射施設を利用し、アルミニウム合金A5083に対する照射試験をおこなった。本発表では、高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設(TIARA)で実施したイオン照射と、照射したA5083試料の押込み試験について報告する。

口頭

400MeV - 3GeV陽子におけるAl(p,xp)反応の二重微分断面積(DDX)の測定,3; 400MeV陽子の二重微分断面積の導出

明午 伸一郎; 山口 雄司; 岩元 大樹

no journal, , 

宇宙衛星搭載用の荷電粒子検出器の試験には数百MeVからGeV領域の陽子利用が必要となるが、400MeV以上のエネルギー領域で供給が可能な加速器施設は国内でJ-PARCが唯一となる。加速器駆動核変換システム(ADS)等の大強度陽子加速器施設では核内カスケードモデル(INC)の高度化が重要となる。INCの改良のためには、最前方方向の放出粒子のDDXが重要となるが、実験値が殆どないため新たなデータの取得が望まれる。本研究ではJ-PARCの陽子ビーム利用推進およびINCの高精度化のため、ビームダンプ入口のビーム窓による散乱陽子のエネルギースペクトルをプラスチックシンチレータを用いて測定し、アンフォールディング法によりDDXを導出した。実験データに基づきINCとの比較検討を実施した結果、PHITSに標準的に用いられるINC(INCL-4.6)は、準弾性散乱において実験データの約4倍の値を与えることが示された。

口頭

J-PARC物質・生命科学実験施設における大面積金箔放射化法による熱中性子強度及び分布測定

原田 正英; 山口 雄司; 河村 聖子; 古府 麻衣子; 楡井 真実; 羽賀 勝洋; 奥 隆之; 松浦 直人*; 日下 勝弘*; 杉山 晴紀*

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)では、水銀ターゲットに3GeVの陽子ビームを入射し、核破砕反応で発生する中性子を実験装置に供給しており、2023年6月現在、陽子ビーム出力800kW運転を行っている。中性子実験装置に共有される中性子の強度は、実験装置の性能を決める重要な要素である。これまで、中性子強度測定では、He-3カウンターや金箔放射化法での測定を行ってきた。その中で、空間分布と絶対値との両方を精度よく測定することが課題であった。この問題を解決するために、熱中性子に対して、大面積金箔放射化法を提案した。本発表では、大面積金箔放射化法の手法説明を行うともに、BL02、BL03、BL14での中性子強度及び分布測定に適用した事例を報告する。

口頭

MW級中性子源用ホウ素含有Al基熱中性子吸収材の開発

奥冨 敏文*; 勅使河原 誠; 原田 正英; 大井 元貴; 山口 雄司; 倉本 繁*

no journal, , 

J-PARCの大強度核破砕中性子源の熱中性子吸収材としては、材料の共鳴吸収を組合せることで、高い中性子カットオフエネルギーを実現できる銀/金-インジウム-カドミウム(Ag/Au-In-Cd)合金を使用しているが、近年Cdを用いた材料製作が困難になっている。我々は、新たな熱中性子吸収材として1/v型で高い中性子カットオフエネルギーが期待できるホウ素($$^{10}$$B)に再度着目した。$$^{10}$$Bは、$$^{10}$$B(n、$$alpha$$)$$^{7}$$Li反応により生成したヘリウム(He)が材料脆化を引き起こすため、大強度中性子源では使用が困難とされてきたが、He生成の生じないガドリニウム(Gd)等、別の熱中性子吸収材を混在させることで$$^{10}$$Bの中性子吸収を抑制し、脆化を軽減するとともに$$^{10}$$Bの高い中性子カットオフエネルギーを生かす、プレデカップリングと呼ぶ概念を考案した。本研究では、プレデカップリングの概念に基づき、母材であるアルミニウム(Al)中に炭化ホウ素(B$$_{4}$$C)と酸化ガドリニウム(Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$)を分散させた材料開発に着目した。今回、Al中にB$$_{4}$$C、Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$を分散させた材料をAlの粉末焼結を用いて試作し、その材料において引張試験を行い、機械的特性を調査した結果及び今後の展望について報告する。

口頭

負ミュオン原子核捕獲による生成放射性核種の収量の測定

山口 雄司; 新倉 潤*; 水野 るり恵*; 反保 元伸*; 原田 正英; 河村 成肇*; 梅垣 いづみ*; 竹下 聡史*; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARCセンター物質・生命科学実験施設(MLF)における負ミュオン照射試料の正確な放射化量の見積もりを目的として、MLFのミュオン科学実験施設で、負ミュオンの原子核捕獲によって生成する放射性核種の収量を測定した。2022年の予備実験より測定効率の良い入射負ミュオン数の計数方法に改良することで、予備実験時に測定が困難であった試料についての測定結果を得た。

口頭

Life cycle of the proton beam window in J-PARC MLF

大井 元貴; 山口 雄司; 木下 秀孝; 明午 伸一郎; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)では、エネルギー3GeV、熱出力1MWの陽子ビームを使用した核破砕中性子源施設である。中性子生成標的には水銀が使用されており、標的容器は大気圧のヘリウム雰囲気中に設置されている。その一方で、3GeV陽子ビームを輸送する陽子ビームラインはビームロス低減のために10$$^{-5}$$Pa以下の高真空に維持されている。このヘリウム領域と真空領域の境目として、陽子ビーム窓が設置されている。陽子ビーム窓は、アルミ合金で構成されているが、陽子ビームを直接受けるため放射線損傷のために定期的な交換が必要であり、設計寿命はビーム照射量10000MWhである。そして、この夏のメンテナンス作業において、陽子ビーム窓を4号機から5号機に入れ替えをおこなう。本発表では、MLFにおける陽子ビーム窓のライフサイクル、構造、交換作業について報告する。

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