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佐伯 由美*; 高田 衣子*; 内村 要介*; 平島 敬太*; 中原 隆夫*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 田中 淳
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 70, 2008/03
ナスの萼や葉柄にあるトゲは、作業時の怪我や果実を損傷する問題があることから、トゲがない品種が望まれている。このため、小胞子培養とイオンビーム突然変異育種を組合せ、トゲのない変異体の早期作出を図った。今回は、ナス系統「AE-P11」( L.)の変異体を効率的に作出するため、その小胞子へのイオンビーム照射線量がカルス形成率に及ぼす影響を調査した。無照射でのカルス形成数に対する各照射線量のカルス形成率は、線量0.5Gyでは91%、1Gyで80%、2Gyで48%、5Gyで12%、10Gyで5%、20Gyで3%と、照射線量が増加するに従ってカルス形成率が低下した。現在、320MeV炭素イオンビームを0.5から20Gy照射した小胞子からカルスが約400個形成し、カルスから倍加半数体を再生中である。今後、これらの再生植物体について、トゲのない変異体を選抜する予定である。
内村 要介*; 高田 衣子*; 佐伯 由美*; 平島 敬太*; 中原 隆夫*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 田中 淳
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 80, 2007/02
青枯病は、によって発生するナス科植物の土壌伝染性の病気であり、病害を防ぐために、台木品種への接ぎ木による栽培が通常行われている。青枯病菌は、ナスに対する病原性の違いにより5つのグループに大別されているが、グループIVの青枯病菌に高度に耐性を持つ台木品種は存在しない。本研究では、イオンビームで照射した小胞子から植物体を再生する方法を確立し、グループIVの青枯病菌に耐性を持つ再生植物体の2段階選抜を試みた。その結果、炭素イオン1と2Gy照射区から、グループIVの青枯病菌に感染しない再生植物体が計3系統得られた。今後、グループIV以外の青枯病菌に対する耐性と品種の特性評価を継続して行う予定である。
内村 要介*; 高田 衣子*; 佐伯 由美*; 平島 敬太*; 中原 隆夫*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 田中 淳
no journal, ,
青枯病は、によって発生するナス科植物の土壌伝染性の病気であり、病害を防ぐために、台木品種への接ぎ木による栽培が通常行われている。これまでに、青枯病抵抗性ナス台木品種を短期間に育成する目的で、ナス台木品種「ヒラナス」の半数性の組織である小胞子から遺伝的に固定した純系(倍加半数体)を得る技術を確立し、さらに、イオンビームを照射した「ヒラナス」小胞子を培養して、突然変異を誘発した再生植物体を得ることに成功した。本研究では、得られた再生植物体にナス青枯病菌を接種して、抵抗性系統の選抜を行ったので報告する。
内村 要介*; 佐伯 由美*; 高田 衣子*; 平島 敬太*; 中原 隆夫*; 長谷 純宏; 吉原 亮平; 鳴海 一成
no journal, ,
青枯病に強度の抵抗性で福岡県の促成栽培に適するナス台木品種はなく、青枯病抵抗性品種の育成が急務となっている。そこで、突然変異育種による青枯病抵抗性品種の育成を試みた。促成栽培に適するが青枯病罹病性のナス台木品種「ヒラナス」()の小胞子からの植物体再生技術を確立し、イオンビームを照射した小胞子に由来する261の再生植物体を作出した。これらの植物体及び自殖後代の青枯病IV群菌抵抗性を評価し、「ヒラナス」より青枯病罹病株率がやや低い「よしきナス台2号」「よしきナス台3号」を選抜した。しかし、完全な青枯病IV群菌抵抗性ではなく実用性は低いと考えられた。青枯病抵抗性に関する遺伝子は、遺伝解析によって多数存在することが示された。突然変異育種で強度の抵抗性個体を獲得するためには、さらに多数の変異体を作出して選抜するか、変異体の選抜とイオンビーム照射を繰り返して変異を集積していく必要があると考えられる。