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後藤 亜紀*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 田川 雅人*; 山下 真一*
Langmuir, 39(34), p.11954 - 11963, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)原子状酸素(AO)は地球低軌道における残留大気の主要成分の1つであり、5eVのエネルギーで宇宙船に衝突し、高分子材料表面にナノスケールの突起を形成する。本研究では、高分子の化学構造がAOによる微細構造形成に与える影響を明らかにするため、陽電子消滅寿命測定法を用いて高分子材料の自由体積空孔サイズおよび化学変化を調べた。AO照射によって高分子両面に形成される酸化層の表面からの深さは、ポリエチレンとポリプロピレンの方がポリスチレンよりも深いことがわかった。自由体積空孔サイズはポリスチレンが最も小さく、ポリピロピレン,ポリエチレンの順に大きかったことから、高分子の自由体積空孔の大きさの違いがAOの注入深さに影響を与え、結果として酸化層の厚さや表面形状が変化したと考えられる。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.14(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
後藤 忠*; 植竹 満*; 名雲 靖*; 中沢 学*; 床井 博見*; 斉藤 義則*; 小沢 一雅*
PNC TJ9124 97-009, 150 Pages, 1996/12
Na燃焼反応生成物の化学組成に及ぼす気流と湿分の影響を評価するため、気流影響実験と、湿分影響実験が可能なNa漏えい燃焼実験装置を使用し、500のNaを100200cc用いて最大湿分濃度5モル%、燃焼面への最大気流速度2.5m/Sの大気条件でNa燃焼実験を実施した。燃焼中の反応生成物を液化Ar中で急速固化し、大気に触れることなく、その化学組成を化学分析とX線回析で評価して以下の結論を得た。(1)Naプール燃焼実験時の燃焼皿内にはNa2Oが燃焼時間の経過と共に増加して燃焼末期まで主成分となるが、燃焼後期においてはNa2O2が漸増する。(2)大気に放出されるエアロゾルはNa2Oを微量含有するが、主成分はNa2O2であり、大気中の湿分を吸収してNaOHを生成する。(3)燃焼皿内の反応生成物の化学組成には湿分の影響は顕著でないが、エアロゾル組成には湿分の増加と共にNaOHやNa2CO3が顕著に増加する。(4)燃焼皿内の燃焼反応生成物及びエアロゾルの化学組成に及ぼす気流の影響は顕著でない。(5)燃焼反応生成物の化学組成はプール燃焼、液滴燃焼(落下高さ550mm)の燃焼形態に大きく依存しない。
近江 正男; 三村 英明; 石井 敏満; 深谷 清; 米川 実; 後藤 一郎; 加藤 佳明; 齋藤 順市; 衛藤 基邦; 酒井 陽之
JAERI-Tech 96-005, 39 Pages, 1996/02
高温工学試験研究炉用圧力容器鋼材の中性子照射による耐久特性として疲労強度データを取得するために、高温真空雰囲気中で疲労試験が行える遠隔操作型高温疲労試験装置を開発した。本装置は、試験機の駆動に油圧を必要とするなどその複雑さからホットセルでの使用経験が少なく、また、ホットセルにおいて遠隔操作で使用しなければならないため、試験機各部の操作を自動的に行えるように設計する必要があった。今回開発した装置は、高温真空雰囲気で疲労試験を行うための試験片掴み、伸び測定等、試験機各部に数々の改良が施され、十分にその仕様を満足するものである。本報告書は、装置を開発するために実施した疲労試験機の調査結果、本装置の機能、開発項目、性能及び高温工学試験研究炉用圧力容器鋼の非照射材及び照射材の低サイクル疲労試験結果について報告する。
JRR-2管理課; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1027, 57 Pages, 1962/09
1961年3月に行われたJRR-2の第1次出力上昇試験全般にわたって記してある。まず第1章に出力上昇の問題となった第1次燃料について、燃料要素の仕様・検査及び問題点と安全性についての検討をした結果を述べてある。この検討に従い、万一燃料被覆破損が生じた場合、でき得る限り早期に発見し、処置を容易にするために破損燃料検出装置を追加設置した。この破損燃料検出装置の検出の方法,装置の内容について第2章に記してある。最後に第3章に実施した第1次出力上昇試験の経過について述べてある。
JRR-2臨界実験グループ; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1025, 62 Pages, 1962/03
第2号研究用原子炉JRR-2は、20%濃縮ウランのMTR型燃料を用いた重水減速・冷却の熱中性子研究炉である。この炉の最大熱出力は10MW,平均熱中性子束密度は110n/cmsecである。この論文は昭和35年10月1日、臨界に到達し、翌36年1月末まで実施した各種の特性試験についての報告書である。内容はJRR-2の臨界試験,制御棒の校正,重水上部反射体効果,燃料要素の反応度効果,温度係数等の特性試験,熱中性子束分布の測定と出力の校正について述べてある。これらの実験は、JRR-2管理課並びに技術研究室より特別に編成されたJRR-2臨界実験グループによって実施されたものである。
後藤 亜紀*; 田川 雅人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 山下 真一*
no journal, ,
宇宙機が周回する地球低軌道には残留大気が存在し、その主成分は原子状酸素(AO)である。宇宙機の周回速度は約8km/sであり、これを相対速度としてAOに衝突される。宇宙機を構成する熱制御材料など高分子材料は、AOとの相互作用によってその表面が酸化および浸食され、機械特性や熱光学特性が低下するため、地球低軌道を模擬したAO照射環境における高分子材料の劣化予測や防護技術の確立が不可欠である。本研究では、ポリエチレンなどの高分子材料にAOを照射し、微視的突起構造の形成と、照射に伴なう表面近傍での高分子の自由体積の変化を調べたところ、突起構造形成と自由体積サイズの減少の関連が示唆された。
後藤 亜紀*; 丹司 尊*; 田川 雅人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 山下 真一*
no journal, ,
宇宙機が周回する地球低軌道に存在する残留大気の主成分である原子状酸素(AO)によって、宇宙機を構成する熱制御材料など高分子材料の機械特性や熱光学特性が低下することが知られているが、AO照射による表面形状の変化、特にナノ-マイクロスケールの突起物の形成メカニズムが未だ解明されていない。そこで、高分子材料にAOを照射して系統的に変化を調べたところ、形成された突起構造は照射温度の上昇とともに大きくなるが数は減ったことから、高分子鎖の熱的な運動が表面形状に影響をおよぼしていると推察された。
後藤 亜紀*; 丹司 尊*; 田川 雅人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 山下 真一*
no journal, ,
宇宙機が周回する地球低軌道には残留大気が存在し、その主成分は原子状酸素(AO)である。宇宙機を構成する熱制御材料など高分子材料は、時速8km/hでAOと衝突することで表面が酸化および浸食され、表面にナノスケールの突起構造を形成する。突起構造の形成を支配する要因を調べるため、結晶性と熱物性を評価した各種高分子材料に対してAOを照射し、SEMおよび陽電子消滅寿命測定法で表面を観察した。その結果、高分子の自由体積空孔および熱運動性がAOの侵入深さを左右し、その結果、突起構造のサイズや数密度を変化させるとわかった。