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戸沢 誠一*; 大内 康喜; 伊藤 彰彦
防食技術, 31(7), p.460 - 466, 1982/00
我が国の工業施設は海塩粒子の影響を受ける場合が多く、腐食しやすい環境下におかれており、鉄鋼資材の腐食は安全性の観点からも重要な問題である。本報告は、海塩粒子存在下の鉄鋼資材の塗装による防食という考え方から、従来多方面で使用されているメラミン樹脂塗装と長期防食用に橋梁などで使われているジンクリッチペイントを含む重防食塗装系を取上げ、小型の試験片により約1年間の野外大気ばく露試験を行った結果をまとめたものである。本試験の環境条件下では、メラミン樹脂塗料を12~36の膜厚で上塗又は下塗に使用した試験片では塗膜が劣化し、鋼板素地上に赤銹が発生した。これに反し、ジンクリッチペイントなどを下地とした膜厚173~495の重防食塗装系の試験片ではたとえ上塗塗膜に人為的に付傷した場合においても、塗装系に異常は見られず、鋼板素地上にも赤銹は発生しなかった。
戸沢 誠一*; 森山 昇; 土尻 滋; 塩田 善孝*
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(5), p.410 - 418, 1982/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.83(Nuclear Science & Technology)原子力発電所から発生する低中レベル放射性廃棄物の処理・処分のため、当所ではポリエチレン固化法を開発したが、フィルタースラッジや使用済イオン交換樹脂をポリエチレンで固化したものは、比重が1程度でセメント固化体の海洋投棄の基準の1.2に達しない。上記固化体の比重を1.2以上とするために、増重材としてBWRの濃縮廃液の主成分である硫酸ナトリウムを固化体に添加し、比重を1.2以上にした固化体の物性試験を行った。無水硫酸ナトリウムを固化体の比重が1.2以上になるように、36~38w/o混合したときの固化体の一軸圧縮強度は190~270Kg/cmであった。また、イオン交換水中に約400日浸漬した結果では、粉末イオン交換樹脂とフィルタースラッジの場合、体積・重量共10%以内の変化にとどまった。さらに固化体からのイオン交換水中におけるナトリウムの浸出は、2Cにおいて拡散係数で10~10cm/dayであり、ナトリウムの浸出量は極微量であった。
戸沢 誠一; 土尻 滋; 森山 昇
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(2), p.162 - 168, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:36.87(Nuclear Science & Technology)当所においては、原子力発電所から発生するフィルタスラッジや使用済イオン交換樹脂のポリエチレン固化方法を開発したが、このような比重の小さい放射性廃棄物をポリエチレンで固化したものは、固化体の比重がセメント固化体の海洋投棄の基準である1.2に達せず、外部の封入容器が破損した場合には内容物が海面に浮上する恐れがある。本報告書は、この難点の解決策の1つとして、ポリエチレン固化体に増重体として銅製錬工程から排出する水砕銅?を添加した場合のポリエチレン固化体の諸物性の検討を行ったものである。水砕銅を30W/o程度混合して固化体の比重を1.2以上にした場合、固化体の一軸圧縮強度は150kg/cm以上であり、イオン交換水中においても500日間安定した性状を示した。さらに、減溶比については、水砕銅?を添加することにより無添加のものよりもやや低下するものの、セメントやアスファルト固化体に比べ大きいことがわかった。
加藤 清; 戸沢 誠一*; 前田 頌
日本原子力学会誌, 23(5), p.338 - 341, 1981/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)本試料は、わが国の原子力発電所および大型研究施設等において使用されている放射性廃棄物の封入用ドラム缶の構造や塗装などの仕様および使用状況を調査したものである。調査方法は、ドラム缶製造メーカ、販売元および一部使用事業所に質問方式で調べた。このドラム缶はJISZ-1600(1977)に規定された鋼製オープンドラム(200l)であり、原子力発電所ではH級(厚さ 1.6mm)、バンド・ボルト式のもの、大型研究施設では主としてM級(厚さ 1.2mm)、バンド・レバー式のものが使われている。また塗装は外面にメラミン樹脂系および内面にエポキシ樹脂系塗料のものが大部分である。