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中谷 勝哉*; 松木 浩二*; 新井 孝志*; 大村 一夫*; 竹内 真司; 荒井 靖; 堀本 誠記*
Journal of MMIJ, 123(1), p.17 - 25, 2007/01
Vascoほかの手法を改良して、傾斜データから地下水流動を推定する新たな手法を開発した。本手法の特徴は、(1)単位岩石体積あたりの地下水の体積変化(以下、単に地下水の体積変化と呼び、vと表す)やSkempton係数Bを要素内で一定としているVascoらの方法に対し、より詳細なvの空間分布を求めるため、要素内の任意点におけるvとBを各要素の節点の値から線形又は二次に内挿すること、(2)地下水の体積変化領域を明瞭に定義するため、設定した地下水の体積変化領域の境界においてvを0とすること、さらに、(3)解を得るための地表面傾斜量の二乗誤差に付加する拘束条件として、Vascoらの用いたvの1階偏微分の二乗和の代わりにvの2階偏微分の二乗和を用いることにある。この手法で線形に内挿する方法をInversion1, 二次に内挿する方法をInversion2と呼ぶ。はじめに手法の妥当性を確認するための注水解析を2つのモデルを用いて実施した。その結果、ゆっくり注水を行った場合(Model 1)は、Inversion1, 2とも理論解と整合し、Vascoほかの手法に比べて正確に地下水の体積変化を表現できることがわかった。一方、急激な注水を実施した場合(Model 2)の体積変化はInversion1, 2とも理論解を再現しなかった。これは解析的にvを決定するための要素数に比べて、実測値が少ないことが原因と考えられる。解析領域Vの大きさがvに与える影響について検討した。その結果、領域Vの大きさが2つの解析方法に与える影響は少ないことがわかった。解析の初期段階では領域Vは広い領域を設定してInversion1もしくはIversion2の解析を実施することが有利であることを示した。
中谷 勝哉*; 松木 浩二*; 新井 孝志*; 大村 一夫*; 竹内 真司; 荒井 靖; 堀本 誠記*
Journal of MMIJ, 123(1), p.26 - 32, 2007/01
地盤傾斜データに基づき逆解析手法を用いて、瑞浪超深地層研究所用地(岐阜県東濃地域)周辺の地下水流動を推定した。傾斜計は4地点設置し、立坑掘削に伴う変動を計測した。逆解析手法の特徴は、単位体積あたりの流体の体積変化量(v)を線形又は2次で内挿したこと,解析領域の境界でvを0とすること,解を得るための地表面傾斜量の二乗誤差に付加する拘束条件として、vの2階偏微分の二乗和を用いていることである。逆解析は3つの解析領域でケース分けをして実施した。その結果、解析領域の大きさに無関係に3つの領域で地下水体積が減少し、2つの領域で増加した。この地下水は研究所用地に存在する2本の断層に囲まれた領域の堆積岩中からくみ出されたと推定される。このことは、これまでの調査から2つの断層が遮水性を有し、水理的なバリアとして機能しているとの解釈と整合的である。以上のことから、本手法は傾斜データから地下水流動を評価できる手法であることが明らかとなった。
竹内 真司; 竹内 竜史; Salden, W.*; 三枝 博光; 新井 孝志*; 松木 浩二*
Proceedings of 11th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM '07) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/00
瑞浪超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削前から掘削中において計測した地下水水圧及び地表傾斜データを用いて水理地質構造の概念モデルを構築した。その結果、地表からの調査段階で2本の立坑間に予測した地下水流動に対する遮水性断層の存在を、研究坑道掘削中の上記モニタリングデータ等の解析によって確認した。
新井 孝志*; 葛木 建大*; 大村 一夫*
JNC TJ7400 2005-040, 65 Pages, 2004/03
本研究は、地下水の流動を規制する水理地質構造要素を推定する手法のひとつとして、地表付近の微小な傾斜量を指標とした水理地質構造推定手法の適用性を確認するものである。本業務では、瑞浪超深地層研究所用地を含む領域を対象として構築した簡易な地質環境モデルに基づき揚水試験に伴う傾斜量の変化を算出した。また、この結果を用いて逆解析的に岩盤の体積歪分布を求め、推定される水理地質構造を抽出した。さらに、本手法により水理地質構造の推定にあたって最適な計測位置や計測点数等について検討を行った。
下村 安夫; 前田 彦祐; 狐崎 晶雄; 永島 考; 大塚 英男; 永見 正幸; 徳竹 利国; 安納 勝人; 大賀 徳道; 谷 孝志; et al.
JAERI-M 6135, 79 Pages, 1975/05
JFT-2a装置の設計・製作時におこなった種々の検討と概要を述べている。JFT-2a装置は、軸対称ダイバータを備えた涙滴形断面プラズマを閉じ込めるトカマク装置である。したがって他の通常のトカマクと異なり種々の特長をもっている。
竹内 真司; 中谷 勝哉*; 松木 浩二*; 新井 孝志*; 大村 和夫*; 荒井 靖
no journal, ,
現在、地熱開発や放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発等の分野では地下水流動のモニタリングが求められている。一方、軍用センサーとして開発されてきた傾斜計の民生化に伴い、高精度傾斜計を用いた地下水流動のモニタリング技術が注目されている。傾斜計の代表的な機種としては、米国ピナクル社によって開発されたTiltmeterがある。長さが107cm,外径が6.4cmで、内部にある水準器によって1ナノラジアンという高い精度で傾斜量を測定できる。地表で測定された傾斜データを用いて地下深部における地下水流動を評価する手法がVascoらによって提案されている。しかし、Vascoらの方法には問題点も多い。本研究では、まず、Vascoらによって提案された方法をもとに幾つかの問題点を修正し、傾斜データを逆解析することで地下水の流動状況をより正確に評価する手法の開発を行い、次に、開発した手法を用いて、岐阜県東濃地域における立坑掘削に伴う地表面傾斜量変化の測定値から、同地域の水理学的構造を推定した。
松木 浩二*; 中谷 勝哉*; 新井 孝志*; 大村 一夫*; 竹内 竜史; 荒井 靖*; 竹内 真司
no journal, ,
本研究では、まず、地表面傾斜量から地下水流動を評価する方法としてVascoらによって提案された方法をもとにその問題点を修正し、傾斜データを逆解析することで地下水流動をより正確に評価する新しい手法の開発を行い、次に、同方法の有効性を検証するために、モデル解析を行った後、超深地層研究所建設用地における立坑掘削に伴う岩盤傾斜量を測定し、観測データを用いて地下水流動の解析を行い、同地区の水理学的構造の評価を行うとともに従来の知見と比較検討した。
大山 卓也; 竹内 竜史; 松木 浩二*; 新井 孝志*
no journal, ,
地表付近における調査や観測により、ボーリング孔で得られる情報を補完する手法の一つとして、地下空洞の掘削などによる人為的な地下水流動場の変化に伴う地表での傾斜変化を観測し、地下深部の地下水流動に影響を与える水理地質構造を逆解析により推定する手法を開発している。国の深地層の研究施設の一つである瑞浪超深地層研究所用地内に設置した傾斜計を用いて、研究坑道の掘削によって生じる地表の傾斜量を把握し、本研究で開発した解析手法により岩盤の体積変化を推定した。さらに、解析結果と瑞浪超深地層研究所用地内外のボーリング孔で実施してきた長期水圧モニタリング等で取得した水圧変化データに基づき結果を比較検討し、水理地質構造の推定に対する本手法の有効性を評価した。