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堀内 一穂*; 千葉 拓児*; 星野 安治*; 大山 幹成*; 田中 孝幸; 天野 光*
JAEA-Conf 2010-001, p.71 - 74, 2010/03
世界有数の火山性COガス放出域として知られている青森県八甲田カルデラにおいて、ブナの年輪中C濃度へ及ぼす火山性COガスの影響を調べた。ブナ試料C濃度は、同時代の大気C濃度と調和的に、1991年から2001年に向って減少する傾向があった。カルデラ内試料のC濃度はカルデラ外の対照試料より低い値を示し、年輪のCを利用した化石COガスの局地的動態解明への可能性を示す結果となった。しかしながら、対照試料との差は最大で14‰であった。これは、火山性COガスが最大4.4ppm混入した結果である。この低い混入は、COを吸収する樹幹が、火山性COの放出孔より数メートル上空に存在することによると考えられる。
及川 輝樹*; 笹尾 英嗣; 星野 安治*
第四紀研究, 47(6), p.425 - 431, 2008/12
火山活動や地すべりなどに伴う大規模な地形改変は、地下水流動系を変化させることなどにより、地下深部の地質環境に影響を及ぼす可能性がある。このため、大規模地形改変に関する研究事例を積み重ねることは、さまざまな自然事象が地下深部の地質環境に及ぼす影響に関する理解を深めるとともに、地層処分における地質環境の長期安定性にかかわる不確実性を低減させるうえで有益である。そこで、飛騨山脈を源とする梓川上流部の流路変更時期の推定に重要なデータとなる、焼岳の山麓に分布する段丘礫層の形成年代を、加速器質量分析装置を用いた放射性炭素年代測定によって調査し、礫層中の材化石群から約48ka BPの年代値を得た。この年代は、白谷山火山の活動開始時期とほぼ一致することから、白谷山火山の活動により梓川が堰き止められ、流路が東に変化し、平坦面付近の河川流量が増し急激な下刻が起きた可能性が考えられた。