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中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
小出 芳彦; 吉田 清; Wanner, M.*; Barabaschi, P.*; Cucchiaro, A.*; Davis, S.*; Decool, P.*; Di Pietro, E.*; Disset, G.*; Genini, L.*; et al.
Nuclear Fusion, 55(8), p.086001_1 - 086001_7, 2015/08
被引用回数:31 パーセンタイル:83.35(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAの超伝導マグネットシステムの最大の特徴は、スペース利用の観点から最適化されたコイル構造と高いコイル製作精度の実現をとおして、定常トカマク研究を先導する先進的な実験装置となっている。具体的には、新しい概念であるトロイダルコイルケーシングから分離した外側支持構造の採用により細身のトロイダルコイル形状を可能とした。これにより、詳細なプラズマ測定や柔軟な加熱分布を可能とする大口径ポートの確保を可能とした。また、平衡磁場コイルの製造誤差を最小にする方法を確立し、正確なプラズマ形状/位置制御も可能とした。更に、コンパクトバットジョイントを開発することで中心ソレノイドの占有領域を拡大し、長時間放電の実現に大きく貢献できる設計とした。
吉田 清; 木津 要; 村上 陽之; 神谷 宏治; 本田 敦; 大西 祥広; 古川 真人; 淺川 修二; 倉持 勝也; 栗原 研一
Fusion Engineering and Design, 88(9-10), p.1499 - 1504, 2013/10
被引用回数:6 パーセンタイル:44.02(Nuclear Science & Technology)JT-60SA装置はEUと日本の共同で、ITERのサテライト・トカマク(JT-60SA)を製作する計画である。JT-60SA用超伝導マグネットは、18個のトロイダル磁場コイルと4個の中心ソレノイド・モジュール、6個の平衡磁場コイルから構成される。超伝導コイルには、交流損失や核発熱で3.2kWの熱負荷が発生し、4.4Kの超伝導臨界ヘリウムで冷却する。そのために、冷凍機からの冷媒を、クライオスタットに取り付けたバルブボックスで分配する。また、コイル端子箱に取り付けた高温超伝導電流リードから、超伝導フィーダーを経由して各コイルに電流を供給する。クエンチ検出などの計測の設計を示す。JT-60SA用超伝導マグネット装置は、既存のJT-60U装置の改造するために、配置や空間的な制限が多く存在していた。それらの設計条件を満足する概念設計が完了したので報告する。
神谷 宏治; 市毛 寿一; 本田 敦; 吉田 清
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 23 (ICEC-23) and International Cryogenic Materials Conference 2010 (ICMC 2010), p.797 - 802, 2011/07
臨界プラズマ試験装置JT-60は、日欧で結ばれた幅広いアプローチ活動(BA)の一環として、プラズマ閉じ込め用マグネットを超伝導化するJT-60SAとしてプラズマ閉じ込め性能を向上させる。JT-60SAでは、超伝導マグネットは放射シールド(サーマルシールド)で包囲し、プラズマ真空容器や室温からの放射伝熱や伝導伝熱を低減する。本研究では、JT-60SA用サーマルシールドの設計と現状及び熱解析について報告する。次に、熱解析結果の温度を用いたプラズマ運転時のサーマルシールドの構造解析、及びプラズマ真空容器側サーマルシールド組立時の構造解析について報告する。最後に、VVTS10度分の試作を行い、製作公差について報告する。
河合 視己人; 秋野 昇; 池田 佳隆; 海老沢 昇; 本田 敦; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 藻垣 和彦; 能登 勝也; 大島 克己; et al.
JAEA-Technology 2008-069, 32 Pages, 2008/10
JT-60用NBI加熱装置は、正イオン源を用いた正イオンNBI装置(P-NBI)と、負イオン源を用いた負イオンNBI装置(N-NBI)から構成されている。両NBI装置とも、NBIビームラインとJT-60U本体真空容器とを結ぶドリフト管内の再電離損失量を、従来、ドリフト管近傍の真空度のベース値,ピーク値の各一点データとイオン源及び中性化セルへのガス導入量から概算する方法を採用していた。このため、長パルス入射時には真空度が変化し、正確な入射パワーの評価が困難であった。そこで、時間的に変化する真空度等を自動的に収集・計算する計算機システムによる自動計算機能を構築した。この結果、時系列データとして再電離損失量の算出が可能となり、長パルス入射における入射パワーを精度よく求めることができるようになった。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:41.25(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
篠崎 信一; 本田 敦; 大島 克己; 清水 達夫; 沼澤 呈*; 池田 佳隆
JAEA-Technology 2008-048, 23 Pages, 2008/07
国際熱核融合実験炉(ITER)のサテライトトカマク及びトカマク国内重点化装置として、JT-60U本体を超伝導トカマク装置に改造するJT-60SA計画が進められている。JT-60U用正イオンNBIは、入射パルスを30秒から100秒に伸長が求められている。一方、既存のデータ収集システムは高価なCAMACをベースとしており、製作から20年以上が経過したため、故障頻度が高くなり、運転にも支障をきたすようになっている。このためJT-60SAに向けて、100秒のデータ収集機能と高い信頼性のあるデータ収集システムの開発に着手した。第1段として、今回、低コストの汎用品を組合せた100秒データ収集システムの検証システムを開発・製作し、その基本性能を検証した。この結果、ユーザー要求に柔軟に対応可能な100秒システムをユーザー独自で構築できることが確認できた。
三代 康彦; 柳生 純一; 西山 友和; 本田 正男; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; 新井 貴; 逆井 章
Fusion Engineering and Design, 83(2-3), p.337 - 340, 2008/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60本体制御設備は、JT-60の主要な構造物,付属設備の健全な運転を維持することを主な目的としている。各設備の運転状態をグラフィックパネル,計器,レコーダーと画面表示により情報をオペレーターに提供し、実験運転中において異常時には、実験シーケンスの停止コマンドを全系制御設備に出力する。その機能構成は、機器の起動・停止,警報及び保護回路をハードワイヤード回路で行う「シーケンス制御」,計装信号及び詳細な装置の運転状態を計算機で処理する「CAMACシステム」及び運転監視上必要とされる計装信号を光伝送し中央制御盤に指示・記録する「多重信号処理回路(STU)」から成る。一方、JT-60本体装置は、製造から20年以上経過し老朽化が進んでおり、特にトロイダル磁場コイル(TFC)の冷却配管の不具合が起きている。これに対処するため、光ファイバー温度測定器を用いてコイル内部の温度管理を行うシステムを増設した。これにより、TFCの健全な運転を保持している。さらに、全系制御設備と本システムをLANで接続し、温度データによる冷却所要時間の算出とインターロック動作で、運転に対する信頼性と運転効率の向上を図った。
岡野 文範; 篠崎 信一; 本田 敦; 大島 克己; 沼澤 呈*; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 83(2-3), p.280 - 282, 2008/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60Uの超伝導改修計画であるJT-60SAにおいて、加速エネルギー85keVの中性粒子ビームを入射するP-NBI加熱装置は、24MW(2MW12ユニット),100秒入射が求められる。このためには現在の制御システム(集中管理方式,30秒入射)を全面的に改造して100秒入射に改造する必要がある。このためPLCを用いたユニット単位制御方式で、シンプルな構成で汎用化・拡張性の高い新制御システムを設計した。新制御システムは、汎用PLC及びデータ収集ユニットを用いることでコストダウン化を図った。最新の汎用PLCは本制御システムで要求される200sの処理が可能である。また、監視制御画面は市販のソフトウェアが使用できるようにI/F変換用ソフトウェアを開発することで専用知識を持たない者でも開発が可能である。本稿では、これらの設計内容について報告する。
本田 敦; 岡野 文範; 大島 克己; 秋野 昇; 菊池 勝美; 棚井 豊; 竹之内 忠; 沼澤 呈*; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 83(2-3), p.276 - 279, 2008/04
被引用回数:11 パーセンタイル:59.16(Nuclear Science & Technology)JT-60NBI加熱装置用冷凍設備の制御システムをPLC(プログラマブル・ロジックコントローラ)とSCADA(監視制御及びデータ収集ソフトの略)の組合せにより更新した。従来の制御システムは約400のループ制御を行う分散型計算機システムであるが、運転開始から20年が経過し、高経年化により、最近、故障頻度が著しく高くなってきた。このため冷凍設備の信頼性維持として、PLCとSCADAを組合せた制御システムの更新を計画した。この新制御システムはブロック内の演算とブロック間のリンクを最適化することで、400ループをPLCで構築した。現在、同制御システムは正常に機能している。このシステムは、400以上の制御ループシステムを市場性の高いPLCを用いてユーザー自体が製作した初めての例である。
花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Review of Scientific Instruments, 79(2), p.02A519_1 - 02A519_4, 2008/02
被引用回数:6 パーセンタイル:32.32(Instruments & Instrumentation)高出力負イオンビームの長パルス化研究をJT-60負イオン源を用いて実施した。長パルス化上で問題となる耐電圧特性及び電極熱負荷について調べ、運転条件を最適化した。耐電圧特性に関しては、真空状態である負イオン源内部において、加速電圧印加時に発生する発光と耐電圧特性の相関関係を調べた。分光測定の結果、発光は繊維強化プラスチック(FRP)製絶縁管に電子が衝突することにより、絶縁管自体がカソードルミネッセンスにより発光していると推察された。さらに、発光強度と耐電圧特性の相関関係から、発光がほぼ零となるときに、イオン源は放電破壊は十分に抑制され、安定に動作することがわかった。発光がほぼ零となる加速電圧(340kV)で、負イオン源の長パルス化を図った。電極熱負荷に関しては、負イオン生成のためのアーク放電電力や引き出し電圧を最適化することによって、加速電極熱負荷を許容値(1MW)に抑制した。JT-60に設置されている負イオン源2台それぞれに対して、これらの運転条件を最適化した結果、各イオン源から320keV,約10A重水素負イオンビームを、従来より2倍長い21秒間安定に生成した。中性化後の重水素ビームパワーは3.2MWに達しており、世界で初めて、数MW級の中性粒子を20秒以上入射することに成功した。
梅田 浩司; 大井 貴夫; 大澤 英昭; 大山 卓也; 小田 治恵; 亀井 玄人; 久慈 雅栄*; 黒澤 英樹; 小林 保之; 佐々木 康雄; et al.
JAEA-Review 2007-050, 82 Pages, 2007/12
本報告書は、2006年度(平成18年度)の地層処分技術に関する各々のプロジェクトにおける研究開発の現状とトピック報告を示した年度報告書である。
池田 佳隆; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 本田 敦; 鎌田 正輝; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.791 - 797, 2007/10
被引用回数:22 パーセンタイル:80.64(Nuclear Science & Technology)ITERや原型炉に向けた研究を強化するため、JT-60Uを超伝導化するJT-60SA計画が進められている。この計画におけるNBI加熱装置は、入射パワーは1基あたりの入射パワー2MW(85keV)の正イオンNBI加熱装置が12基、入射パワー10MW(500keV)の負イオンNBI加熱装置が1基から構成され、総計34MW,100秒のビーム入射を行う予定である。一方、これまでにJT-60Uにおいては、正イオンNBIで2MW(85keV),30秒、負イオンNBIで3.2MW(320keV),20秒入射を既に達成している。これらの運転において両イオン源の加速電極の冷却水温度上昇は約20秒以内で飽和していることから、改修計画に向けては、電源の容量強化や負イオンNBIの加速エネルギー向上が鍵となると考えられる。本論文では、JT-60SA計画における、NBI加熱装置の増力に関する工学設計を報告する。
大島 克己; 岡野 文範; 本田 敦; 篠崎 信一; 薄井 勝富; 能登 勝也; 河合 視己人; 池田 佳隆
JAEA-Technology 2007-044, 27 Pages, 2007/06
JT-60U用正イオン中性粒子入射加熱装置(P-NBI)の長パルス運転時に電源設備が許容通電電力値を超えないようにする電源保護検出システムを開発した。このシステムでは対象とする電源機器においてリアルタイムで実通電電力量(I2t及びV2t)を監視し、許容値を超過したときに通電を遮断し、電源機器を保護する。第1期としては、5ユニットに対して1台のPLCで計測・演算するシステムを構築し、2003年以来、有効に機能している。一方、2006年、第2期として、8ユニットに対してユニットごとにパッケージ型PLCを用いることで、監視サイクルタイムの大幅な短縮とともに、ユニット増加に対して容易に拡張が可能なシステムを構築した。さらにSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition; 監視制御ソフトの総称)を用いてシステムの状態監視ができる監視画面を採用し、性能と使いやすさを向上させた。本報告書は、JT-60U P-NBIにおける長パルス化運転に向けた電源保護検出システムの設計及び主な機能についてまとめたものである。
本田 敦; 岡野 文範; 篠崎 信一; 大島 克己; 沼澤 呈*; 池田 佳隆
JAEA-Technology 2007-026, 19 Pages, 2007/03
国際熱核融合実験炉(ITER)のサテライトトカマク及びトカマク国内重点化装置として、JT-60U本体を超伝導トカマク装置に改造するJT-60SA(JT-60 Super Advanced)計画が進められている。JT-60SA化における主加熱装置である正イオンNBI加熱装置(P-NBI)は、既存の入射パルスを30秒から100秒に伸長し、12ユニットで24MWの中性粒子ビーム入射が求められる。このためには、製作から20年以上経過した現行の大型制御システム(デジタル:約4000点)を全面的に改造する必要がある。新制御システムの予備設計を、拡張性,コストパフォーマンスに加え、プログラムの自主開発の視点から行った。この結果、大型システムにおいてもPLC(Programmable Logic Controller)を主要機器に用いたユニット単位制御方式の導入により、現行制御機能を確保しつつ拡張性を有する100秒化制御システムを汎用品の組合せで構築できることが明らかとなった。
池田 佳隆; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Nuclear Fusion, 46(6), p.S211 - S219, 2006/06
被引用回数:59 パーセンタイル:87.2(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負イオンNBI装置では、準定常状態のプラズマ研究を行うため、パルス幅を10秒から30秒に拡張する試みに着手した。そのための最も重要な課題は、イオン源電極の熱負荷軽減であり、2つの改良を提案した。1つは、ビーム同士の相互作用によるビームの拡がりの抑制であり、そのために薄板を引出電極に取付け、局所的な電界を修正した。その厚みは、ビームの偏向を最適に制御するよう決めた。もう1つは、負イオンから電子が剥ぎ取られ、その電子がイオン源内で加速,電極に衝突するストリッピング損失の低減化である。このために加速部の真空排気速度を改善するようイオン源を改造した。これらの改造を行い、現在まで17秒,1.6MWあるいは25秒,約1MWの入射に成功した。
本田 敦; 岡野 文範; 大島 克己; 秋野 昇; 菊池 勝美; 棚井 豊; 竹之内 忠; 沼澤 呈*
JAEA-Technology 2006-020, 20 Pages, 2006/03
JT-60中性粒子ビーム入射装置(NBI)は臨界プラズマ試験装置(JT-60U)の主加熱装置の1つである。NBIは14基の正イオンNBIビームユニット(2イオン源/ユニット)と1基の負イオンNBIビームユニット(2イオン源/ユニット)があり、プラズマ源と中性化のためには、1基あたり35Pam/sの重水素ガスを導入する必要がある。一方、中性ビームが再電離を起こさないように、導入した重水素ガスを素早く排気するために、排気速度20000m/sの大容量クライオポンプが設置されている。クライオポンプの冷却は2.4kWの冷凍能力を有するヘリウム冷凍設備で行っている。このヘリウム冷凍設備の制御は、1985年以来、DCS計算機システム(総制御ループ数:約400)で行っていた。しかし、近年DCS機器の高経年化等による故障頻度が著しく高くなってきたため、PLC計装を用いて制御システムの更新を実施した。本更新は、エンジニアリングメーカーに頼らず日本原子力研究開発機構の職員が独自に設計・製作したものである。本報告書は、これらの改造への取り組み及び成果についてまとめたものである。
岡野 文範; 本田 敦; 大島 克己; 秋野 昇; 菊池 勝美; 沼澤 呈*
計装, 49(3), p.22 - 26, 2006/03
日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所では、核融合実験装置(JT-60U)を用いて高性能プラズマ長時間維持を目指した研究開発を行っている。核融合実験装置において臨界プラズマ条件を成立させるためにはプラズマを追加熱する必要があり、その加熱装置の一つとして中性粒子ビーム入射装置(NBI)がある。NBIは14基のビームラインから構成されており、ビーム入射運転時に動作ガスとして1基あたり35Pam/sの重水素ガスが導入される。そのために、冷媒として極低温である液体ヘリウムを用いたクライオポンプ(1基あたり1,400m/s)が各ビームラインに設置されている。クライオポンプへの液体ヘリウムの供給は、国内最大級の冷凍能力を有する液体ヘリウム製造装置(高圧ガス製造施設)で行っている。本液体ヘリウム製造装置は約20年前に導入された設備であり、制御システムは、DCS計算機システム(総ループ数:約400)で行っていた。近年、DCSの性能低下等による故障頻度が著しく、また、本システムは、製造中止後10年経過しているため部品調達も困難な状況になっており、実験運転に支障をきたし始めてきた。これを機に新しい試みとして、PLC計装を用いた大規模な制御システムの改造を実施した。なお、本改造は、エンジニアリングメーカーに頼らず日本原子力研究開発機構の職員が自ら実施したものである。本稿では、これらの改造への取り組み及び成果について報告する。
仲野 友英; 小出 芳彦; 本田 敦; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 東島 智; 竹永 秀信; 久保 博孝
プラズマ・核融合学会誌, 81(9), p.708 - 716, 2005/09
中性粒子ビーム入射実験を開始した直後では中性粒子ビームには重水素に対して8%以上の酸素が含まれており、炉心プラズマに含まれる酸素量のうち約50%が中性粒子ビームに由来するものであった。中性粒子ビームに含まれる酸素量はビーム入射を重ねるごとに減少し、約850ショット後には約1%になった。このとき、プラズマに含まれる酸素量のうち中性粒子ビームに由来する酸素量は20%以下であった。中性粒子ビームから入射された酸素のプラズマにおける閉じ込め時間は0.18秒と評価された。
大島 克己*; 本田 敦; 岡野 文範; 薄井 勝富; 能登 勝也*; 武藤 秀生*; 河合 視己人; 大賀 徳道; 池田 佳隆
平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03
JT-60Uの長時間放電実験運転に対応して、正イオン及び負イオン各NBI装置の入射パルス幅の伸長(目標30秒)を図った。これに伴い、30秒運転時の電源構成機器の定格に対する裕度の検討を行った結果、熱的余裕の少ない機器については、実通電電力量(I2t及びV2t)を監視して保護する電源保護検出器を新規に製作した。