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大山 幸夫; 池田 裕二郎; 新井 正敏; 森井 幸生
日本原子力学会誌ATOMO, 51(1), p.14 - 19, 2009/01
平成13年度から着手したJ-PARC施設が平成20年度末の完成を目指して、ビーム試験が行われている。J-PARCの実験施設群の中でも、特に世界最高性能のパルス中性子源は中性子利用研究の新時代を拓くものである。本解説では、J-PARCの概要と平成20年12月に供用を開始するパルス中性子源及びそこに整備されつつある中性子実験装置について紹介する。また、量子ビームテクノロジーの一つの柱である中性子利用について、稼動中のJRR-3原子炉での利用を含め、J-PARC利用開始で幅広い展開が予想される生命科学研究,物質科学研究,産業利用への貢献など、最新の中性子利用研究の成果と今後の展望を述べる。
Harjo, S.; 盛合 敦; 鳥居 周輝; 鈴木 裕士; 鈴谷 賢太郎; 森井 幸生; 新井 正敏; 友田 陽*; 秋田 貢一*; 秋庭 義明*
Materials Science Forum, 524-525, p.199 - 204, 2006/00
J-PARCにおいて工業部品内での応力や結晶構造の評価を含めた材料工学におけるさまざまな課題を解決するために工学利用の中性子回折装置(新材料解析装置)を設計・建設する。本装置は、許容の波長範囲では対称性の良い回折プロファイルを作ることができる遅い中性子を発生させるポイゾン型の非結合型液体H減速材を見て、減速材-試料及び試料-検出器のフライトパスはそれぞれ40m及び2.0mである。中性子強度のロス及び速中性子や線を低下させるためにカーブスパーミラーガイド管を導入する。モンテカルロシミュレーションを用いて本装置の最適化を行い、試料のゲージ幅が5.0mm以下では分解能d/dが0.2%以下である。1.0mmゲージ幅用のラジアルコリメータの試作機を作製し、中性子を用いた実験から正規分布の半値幅が1.0mmでありシミュレーションした結果と一致した。
小池 良浩; 目時 直人; 森井 幸生; 小林 達生*; 石井 ともひこ*; 山下 正廣*
Journal of the Physical Society of Japan, 69(12), p.4034 - 4042, 2000/12
被引用回数:6 パーセンタイル:46.54(Physics, Multidisciplinary)NDMAZ及びNDMAPのQ(0 0 0.5)における磁気励起スペクトル測定の結果、NDMAZでは約1.7MeVと約3.5MeVに、NDMAPでは約0.6MeVにギャップを観測した。これらの値は帯磁率の結果から予測される値とだいたい一致している。さらにこれらの励起の分散関数及び磁場依存性の測定を行った。その結果、0Tにおける0.6MeV付近のピークがゼーマン効果によって分裂し、5Tではギャップは0.2MeV以下まで減少した。さらに、比熱測定によって報告されている臨界磁場(H~6T)以上の磁場を加えたところ、H以下で観測されていた2つの励起が観測されなくなった。これはHでエネルギー準位が交差し基底状態が入れ替わったことによると考えられる。さらに反強磁性秩序状態について調べるために、中性子弾性散乱を行った。おもにQ(0 0 0.5),(1 0 0.5)等の反強磁性の散乱ベクトル近傍を注意深く測定したが、秩序状態に伴うブラッグピークは観察されなかった。
森井 幸生; 一色 正彦
結晶解析ハンドブック, p.111 - 114, 1999/09
材料開発、新物質の理解にはその構造を原子的尺度で解明し、それに基づいた物質諸性質を理解することが必要である。X線、中性子線等を用いた回折結晶学の歴史は古く、物質の構造に関し最も信頼し得る結果を与えてくれる手段を提供する学問として発展し、その実積もあり、広く利用されてきた。最近の結晶学における新しい成果や技術を時代の要求に即応して、ハンドブックの形に集大成することとなった。ここでは、原子炉を使った定常中性子源に関して、歴史、中性子発生法、施設、特徴などについて解説を行う。
森井 正*; 小川 由美*; 岡本 倫明*; 吉岡 直樹*
PNC TJ9216 98-003, 96 Pages, 1998/02
高速炉蒸気発生器(SG)の設計基準水リーク(DBL)の妥当性を確認するためには、実機SGでのナトリウム-水反応現象をより現実的に評価する必要がある。本研究においては、ナトリウムと水の化学反応を考慮した多成分-混相流モデルに基づく計算コード(CHAMPAGNE)を用いて、実機SGにおけるナトリウム-水反応域の加熱条件に及ぼす影響を解析により確認することを目的として下記作業を実施した。(1)SWAT-3 Run-19体系でのパラメータ解析による計算コードの適用性確認(2)実機SG体系での解析これら作業により以下の結果が得られた。a.ヘリカル型管群に対する適切なメッシュ分割モデル及びRun-19に対する適切な境界条件を設定できた。b.主要なモデル要素となる管群での圧力損失特性、気液各相への反応熱分配方法、及び、反応速度定数について、それらが反応温度分布解析結果に及ぼす影響を把握できた。c.現状での最適パラメータによるRun-19模擬解析では、高温領域の温度レベルは妥当と考えられるものの、温度分布に関しては低温(未反応水蒸気)領域が広めの結果が得られた。この改善のためには今後、伝熱管モデルのさらなる改良、2次元モデルから3次元モデルへの拡張が必要と考えられる。d.カバーガス圧をパラメータとした解析では、カバーガス圧が1.453.8kg/cm2乗Gに上昇すると反応温度は50程度上昇する結果となった。e.実機SG(蒸発器)管束上部、ナトリウム流動下での水リークを想定した解析により、ナトリウム流動の影響により反応域が上下に振動し、一定位置で高温領域が定在することはないとの結果が得られた。これは高温ラプチャ評価上有利な結果であり、他の条件でも発生するものか確認する必要がある。
井川 直樹; 長崎 正雅*; 石井 慶信; 野田 健治; 大野 英雄; 森井 幸生; Fernandez-Baca, J. A.*
J. Mater. Sci., 33, p.4747 - 4758, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:31.59(Materials Science, Multidisciplinary)正方晶安定化ジルコニアの優れた機械的強度は正方晶相から単斜晶相へのマルテンサイト型変態に起因すると考えられている。しかしながらその変態機構は十分には解明されていない。本研究では、アルコキシド法で作製した準安定正方晶ジルコニアに関して、正方晶相から単斜晶相への相変態速度を米国オークリッジ国立研究所・高中性子束アイソトープ原子炉に設置した広角中性子回折装置により測定し、さらに相変態のモデル化を行った。相変態は1000Cでは100分以内に終了したが、850Cにおいては4000分以上必要であり、アニール温度が高くなるに従って相変態速度は著しく速くなった。この相変態速度は(1)相変態がマルテンサイト型であり、臨界結晶子径が存在する、(2)結晶子径が対数正規分布をとる、(3)結晶子は正常粒成長をする、という仮定を基にモデル化を行うことでうまく説明できた。
森井 幸生; 一色 正彦
Radioisotopes, 45(11), p.717 - 721, 1996/11
「中性子による計測と利用」と題する講座の中で、中性子源に関する章のうちの原子炉から得られる中性子について概観したものである。まず世界の主な研究用原子炉を紹介し、その中の原研改造三号炉を例にとりながら、中性子発生法、熱中性子スペクトル、中性子ガイドホールなどについて、中性子散乱実験を実施する観点からその特徴や利用法について記述した。
Dnni, A.*; 北澤 英明*; Fischer, P.*; Tang, J.*; 神木 正史*; 遠藤 康夫*; 森井 幸生
Journal of Physics; Condensed Matter, 7, p.1663 - 1678, 1995/00
被引用回数:32 パーセンタイル:83.46(Physics, Condensed Matter)電気抵抗、比熱、帯磁率測定から三つの磁気相転移がT=5.9K、T=4.3KとT=2.2Kで起こることが判明しているCePtAlについて中性子粉末回折実験を行った。CePtAlの磁気構造はT≦T≦Tではk=0とk=[0,0.463,0]、T≦Tではk=0、k=[0,1/2,0]の二つの磁気伝播ベクトルで表されることが判明した。このような磁気構造の複雑さは、Ce-Ce最近接間相互作用がb軸方向にあり、Ce-Ce第2近接相互作用がa軸方向にある異方性の競合に起因している。
黒岩 芳弘*; 西村 正弘*; 野田 幸男*; 森井 幸生
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.396 - 398, 1995/00
被引用回数:11 パーセンタイル:57.88(Physics, Condensed Matter)鉄原子をインターカラントとする層間化合物FeTiSは0x0.2でスピングラス相を、0.4x1で強磁性相をとる。クラスターガラス相と呼ばれる0.2x0.4の領域で鉄原子の配置を調べるために、中性子粉末回折実験を行った。その結果磁気秩序を示す回折ピークは観測できなかった。70Kでの結晶構造をリートベルト法で解析したところ、x~1/3でP31Cの空間群、z=6、a=5.9006、c=11.407であり、√3a√3a2cの超格子が形成されていることが判明した。一方x~1/4では、2a2a2cの超格子が形成されており、結晶構造はx~1/3のそれと違っていることを示している。
S.Purwanto*; 大橋 正義*; 小野寺 秀也*; 森井 幸生; 舩橋 達; 山内 宏*; 山口 泰男*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.318 - 320, 1995/00
被引用回数:3 パーセンタイル:25.66(Physics, Condensed Matter)高分解能中性子粉末回折法により、TbMnGeは4KTTt=95.3Kでフェリ磁性をTtT414Kで反強磁性を示すことが判明した。またTbMnSiでは、54.3KT64.5Kではこれより低温の相、高温の相、長周期構造構の共存状態にあることが判明した。この二つの物質の磁気秩序温度が高いことを考慮すると、Tb-Tb間の交換相互作用が大きすぎて、DyMnGeで観測されたTbモーメントがフラストレーション状態にある交換相互作用競合状態を作り出すことができないでいると示唆される。Tbの一部をYで置換した系についての実験から磁気秩序温度はより低温へと減少しており、交換相互作用競合状態が実現している可能性がある。
芹澤 弘幸; 福田 幸朔; 石井 慶信; 森井 幸生; 桂 正弘*
Journal of Nuclear Materials, 208, p.128 - 134, 1994/00
被引用回数:16 パーセンタイル:78.48(Materials Science, Multidisciplinary)非化学量論的化合物-UNは広い組成幅をもつ事が知られており、N/Uが増加するとともに-UN相からUN相へと連続変態すると考えられてきた。しかしながら、これまでUN単相を生成したという報告例はなく、相状態は今だに不明である。そこで本研究は、X線及び中性子回折を並用して組成の異なる試料の結晶構造解析を行い、U及びN原子の原子位置の変化を調べた。X線回折により、N/U比の高い-UNの結晶形が低窒素含有量の-UNと同様にMnO型である事がわかった。U原子の位置は、組成変化とともに連続的に変化する事が判明したが、従来考えられていたようなMnO型からCaF型への変化は示さなかった。中性子回折の結果、過剰窒素原子の固溶サイトが判明した。以上の結果から、N-U原子間距離を計算した。
菅家 康*; 泉 富士夫*; 森井 幸生; 秋葉 悦男*; 舩橋 達; 加藤 克夫*; 磯部 光正*; 室町 英治*; 内田 吉茂*
Journal of Solid State Chemistry, 112, p.429 - 437, 1994/00
被引用回数:33 パーセンタイル:82.3(Chemistry, Inorganic & Nuclear)中性子及びX線回折実験によって、強磁性NaVOは冷却するにつれて六方晶系(P6/mmc)から六方晶(P6mc)へ、さらに斜方晶系(Cmc2)へと2次の相転移を2度起こすことが判明した。第一番目の相転移は245Kでの磁気転移を伴っていると考えられ、第二の相転移はこの物質のキュリー温度(64.2K)より低温の35Kから40Kの間で起こる。
井川 直樹; 石井 慶信; 長崎 正雅; 森井 幸生; 舩橋 達; 大野 英雄
Journal of the American Ceramic Society, 76(10), p.2673 - 2676, 1993/10
被引用回数:49 パーセンタイル:92.82(Materials Science, Ceramics)酸化ジルコニウム(ジルコニア)は常圧で3種類の結晶構造をとる。室温では単斜晶が安定であり高温の正方晶をquenchして安定化させることはできない。従って、一般にYO等を数mol%dopeして正方晶を安定化している(正方晶安定化ジルコニア)。一方、本報ではアルコキシド法によってdopantを含まない正方晶ジルコニアを調製できた(準安定正方晶ジルコニア)。この試料について、JRR-3Mに備え付けた高分解能粉末回折装置(HRPD)で中性子回折像を測定、Rietveld解析して結晶構造を求めた。準安定正方晶ジルコニアの格子定数はa=0.3591nm、C=0.5169nmで軸比はC/√2a=1.018であった。正方晶安定化ジルコニアと比較して、本試料はC軸方向に伸びた結晶構造であることが明らかになった。本試料中の酸素イオンは正方晶安定化ジルコニアの場合と同様に格子siteからC軸方向に変位していることが分かった。その変化量は/C=0.046であった。
大沼 正人*; 佐々木 修*; 桑野 寿*; 片野 進; 森井 幸生; 舩橋 達; H.R.Child*; 濱口 由和*
Mater. Trans. JIM, 34(10), p.874 - 881, 1993/10
被引用回数:12 パーセンタイル:69.42(Materials Science, Multidisciplinary)FePSi非晶質合金の結晶化過程を電気抵抗測定X線回折測定、中性子回折測定、透過電子顕微鏡観察により研究した。この非晶質合金の結晶化過程は2つに分類でき、X6at%Siでは非晶質母相から安定相である-Fe相とFeP相とが直接晶出し、X6at%Siでは結晶化初期に2種類の準安定な未知相が晶出した。これらの準安定相のひとつは-Mn型の構造を持ち、もうひとつは、-Mn型の構造を持つことがわかった。境界組成であるX=6at%Si合金の等温焼鈍による結晶化では焼鈍温度による結晶化過程に違いが見られた。683K、703K、723Kでの結晶化過程では-Mn型の準安定相が晶出するが、668Kの結晶化過程では準安定相は晶出せずに結晶化過程は進行した。高Si合金でのFrank-Kasper型の配位多面体を副格子とする-Mn型相と-Mn型相の晶出(あるいは-Mn型相単独での晶出)は非晶質合金の局所構造に起因している可能性が高い。
藤下 豪司*; 佐藤 正俊*; 森井 幸生; 舩橋 達
Physica C, 210, p.529 - 535, 1993/00
被引用回数:5 パーセンタイル:34.11(Physics, Applied)PbSrYCuO(=0,1.67)の結晶構造を中性子粉末回折法により決定した。=0の試料では以前から考えられていた斜方晶系よりも単斜晶系と考えた方が回折実験をより良く説明することが明らかになった。X線回折では決定困難だった酸素位置、特にO(2)原子位置を精密に決定することができた。熱処理した試料についてはX線回折結果は正方晶系を、中性子回折結果は斜方晶系を支持しているが、今回の実験結果をリートベルト解析した結果でも斜方晶の方がよりよいフィッティング結果を示した。
梶谷 剛*; 平賀 賢二*; 細谷 正一*; 福田 承生*; 大石 克嘉*; 菊地 昌枝*; 庄野 安彦*; 森井 幸生; 渕崎 員弘; 舩橋 達
JJAP Series, 7(7), p.59 - 67, 1992/00
X線および中性子回折法を用いてKNiF型構造をもつ214型銅化合物、ニッケル化合物について研究した。(La,Sr)CuO,(Nd,Ce)CuO,(Pr,Ce)CuOなどの酸化物超電導体では、酸素濃度や、SrやCeの添加に応じて電導面であるCuO面に垂直な方向の格子定数がかなり変化することがわかった。LaNiOではyが0から0.1変化する間に少くとも四つの構造をとることを明らかにした。
梶谷 剛*; 北垣 康成*; 平賀 賢二*; 細谷 正一*; 福田 承生*; 山口 泰男*; 和田 信二*; 水貝 俊治*; 森井 幸生; 渕崎 員弘; et al.
Physica C, 185-189, p.579 - 580, 1991/00
被引用回数:16 パーセンタイル:69.11(Physics, Applied)LaNiO(0≦y≦0.1)について10Kから900KにわたってX線および中性子線を使った結晶構造解析を行い、正方晶、斜方晶(1)、斜方晶(2)の相図を作成した。さらにLaNiOにおいて室温の斜方晶(1)で構造要素であるNiO八面体がbc面内(bca設定)で傾くことや、70K以下の斜方晶(2)で磁気散乱ピーク(011)が巾広くなることが判明した。
千歳 敬子*; 森井 正*
PNC TJ9214 90-004, 123 Pages, 1990/06
「常陽」高性能炉心への移行の準備として,制御棒2本を炉心第3列から第5列に移設し,照射スペースを拡大することが計画されており,まず第1段階として制御棒1本を移設する。この場合,スクラム反応度価値の小さい外側の領域に制御棒を移設するため,制御棒反応度価値から現在の炉心よりも小さくなる。本研究では,現行申請書の添付書類10記載の想定事象について, スクラム反応度価値が減少した場合に生じる炉心各部の最高温度の変化の検討を行った。解析は, スクラム反応度価値を現在の解析に使用している値 7.4%K/Kから, 6.7%K/Kに減少させて行った。各事象をその特性から,TOP型,LOF型,LOHS型に分けて結果を考察すると,スクラム反応度価値の減少による影響が現れる事象は,TOP型であり,他の事象ではほとんどその影響は出なかった。また,TOP型事象で,最も各部最高温度の変化が大きい事象でも,その最高温度は健全性判断基準を満足していることが確認できた。
森井 正*; 池田 一三*
PNC TJ9214 90-002, 93 Pages, 1990/04
次年度初から予定している高速実験炉「常陽」の制御棒移設に係わる設置変更許可申請の為に必要な変更後の原子炉施設の安全性の確認解析を実施した。ここでは,2つの項目について評価を実施した。最初に,設置許可申請書添付資料十に記載されている「仮想事故」をVENUSコードにより解析を行った。その結果,制御棒1本を炉心3列から5列に移設することにより,仮想事故による有効破壊エネルギーは,移設前よりも約8%増加し,約78MJとなることが分かった。しかしながら,この値は現設置許可申請書記載値120MJを下回っており,制御棒移設後の炉心に対し,仮想事故の観点からは,申請書を変更する必要が無い事が分かった。次に,2本の制御棒の種々のスタックパターンにおける炉停止余裕を確認するとともに,申請書添十記載の想定事故の代表事象について,2本の制御棒がスタックした場合について,制御棒移設の影響を評価した。
森井 正*; 金城 秀人*
PNC TJ9214 89-008, 74 Pages, 1989/11
高線出力試験に係わる設置変更許可申請に必要な試験用要素破損事故の解析評価を実施した。具体的には,何らかの原因により,高線出力試験用要素の被覆管が破損し,その後被覆管内の溶融した試料が冷却材中に放出して局部的に冷却材流路を閉塞する事故を想定し以下の解析を実施した。1) コンパートメントの局所閉塞事象の計算として以下の解析を実施a) コンパートメントの外側り冷却材流量の設定b) 各閉塞率におけるコンパートメントの温度評価c) 各閉塞位置におけるコンパートメントの温度評価2) コンパートメントと溶融試料との接融の計算以上の評価の結果,試験用要素内の試料全量がコンパートメント内で閉塞したと想定しても,コンパートメント外側を約2200kg/(m2,S)の流量でNaを流してやれば,コンパートメントの健全性は確保されることが分かった。さらに,溶融試料が直接コンパートメントに接触したと想定しても,コンパートメントは溶液融貫通することは無いことが分かった。