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梶野 瑞王*; 猪俣 弥生*; 佐藤 啓市*; 植田 洋匡*; Han, Z.*; An, J.*; 堅田 元喜; 出牛 真*; 眞木 貴史*; 大島 長*; et al.
Atmospheric Chemistry and Physics, 12(24), p.11833 - 11856, 2012/12
被引用回数:45 パーセンタイル:74.69(Environmental Sciences)北東アジア領域の大気汚染を再現するために、新しいエアロゾル化学輸送モデルRAQM2を開発した。単純化したエアロゾル動力学モデルとガス・粒子転換の完全動的解法をモデルに導入した。大気エアロゾルの性状を厳密に考慮するために、エアロゾルの粒径を4つのカテゴリに分類して計算する分類法を適用し、2006年の1年間について北東アジアの大気拡散シミュレーションを実施した。計算値と観測値の比較によると、主要な人為及び自然起源の大気中無機物質の広域輸送プロセスをファクター2から5の精度で再現した。計算された質量ベースの粒径分布と化学組成は、観測結果と一致した。辺戸岬での比較によると、冬季には累積モードのエアロゾルに凝縮したHSOガスが主要であったが、夏季にはエイトケン・累積モードのエアロゾルと混合した非海塩由来のSOが主要であった。エアロゾルの混合形態は光学的性質と雲の凝縮活性化を変化させるため、このプロセスの厳密な予測と検証がエアロゾル・雲・放射相互作用研究において必要不可欠である。
堅田 元喜; 永井 晴康; 梶野 瑞王*; 植田 洋匡*; 穂積 祐*
Agricultural and Forest Meteorology, 150(3), p.340 - 353, 2010/03
被引用回数:31 パーセンタイル:76.95(Agronomy)本研究では、植生への霧水沈着を考慮した精緻な地表面モデルと気象モデルを用いて、乾燥地域における植生への霧水沈着と、その水・熱バランスへの影響を評価した。モデルによる霧水沈着の推定結果から、乾燥地域において霧水沈着が降水量よりも有効な水資源となりうることを示した。霧水沈着に伴う葉面水の蒸発は、蒸散を抑えることによって植物の水ストレスを軽減することがわかった。霧水沈着によって増加した葉面水及び土壌水の蒸発に伴う潜熱によって、日中の土壌及び葉面の温度が減少することを示した。さらに、葉面水の蒸発の増加に伴う蒸散の減少は、乾燥地域において強い水ストレスを受ける植物の光合成に利用される有効な水資源を供給することを明らかにした。
堅田 元喜; 永井 晴康; 植田 洋匡*; Agam, N.*; Berliner, P. R.*
Journal of Hydrometeorology, 8(6), p.1307 - 1324, 2007/12
乾燥・半乾燥地域における熱・水交換過程を良好に予測する鉛直一次元の土壌モデルを開発した。このモデルには、土壌中の蒸発及び吸着を計算する新しいスキームが導入された。このモデルは、イスラエルのネゲブ砂漠において観測された地表面フラックス,土壌中温度及び土壌水分量を詳細に再現しうる。土壌中の蒸発及び吸着過程は、大気-陸面間の熱・水交換過程に大きな影響を与えると同時に、これらの予測には必要不可欠である。開発したモデルと広く用いられる陸面モデルを用いて、土壌の乾燥過程に関する数値実験を実施した。土壌中に乾燥層(DSL)が形成されるとき、大気への水蒸気フラックスは地表面よりもむしろ土壌中で生じた蒸発によって引き起こされる。また、吸着過程が地表面における水・熱バランスに影響する。日中の上向き水蒸気フラックスは、夜間吸着によって土壌に蓄えられた乾燥層内における土壌水の蒸発による。DSLが十分に発達したとき、大気-地表面間では等量の水が日中の蒸発及び夜間の吸着によって交換される。この場合、土壌中蒸発と吸着に伴う潜熱が地表面温度の日変化を大きく減衰させる。
堅田 元喜; 永井 晴康; 植田 洋匡*
Proceedings of 4th International Conference on Fog, Fog Collection and Dew, p.33 - 36, 2007/07
半乾燥環境の山岳地域の沿岸部における霧の発生をメソスケールモデルMM5を用いて調べた。本研究では、2002年1月に発生したサウジアラビアの西部アシール山脈に形成された濃い霧のイベントに焦点を当てた。MM5は、山岳地域でのタワー観測による霧水量,風速及び風向,気温,湿度及び日射量を再現した。計算された風速及び風向,気温,湿度はゾンデ観測ともよく一致した。この地域における水資源に及ぼす霧水の影響を評価するために、霧水沈着過程を考慮した大気-土壌-植生鉛直1次元モデル(SOLVEG)を用いた数値実験を実施した。数値実験には、MM5のシミュレーション結果である最下層における気象及び霧水量のデータを用いた。沿岸地域に発生する霧が、この地域に生息する植物にとって重要な水資源となりうる可能性が示唆された。
寺田 宏明; 植田 洋匡*; Wang, Z.*
Atmospheric Environment, 36(3), p.503 - 509, 2002/01
被引用回数:48 パーセンタイル:70.24(Environmental Sciences)東アジアにおける酸性雨のトレンドと黄砂による中和作用を大気質予測モデリングシステム(AQPMS)によって調べた。AQPMSは移流、拡散、気相・液相化学、乾性・湿性沈着を考慮している。また、砂塵負荷の情報を得るために新しい黄砂の巻き上げ過程モジュールが考案された。これは以前のサハラ砂漠等についてのものとは異なり三つの重要な予測要素(摩擦速度、地表面湿度、支配的気象条件)を考慮しており、AQPMSと連結されている。モデルの検証として、雨のpH値や硫酸・硝酸イオン濃度、ガス状汚染物質の地表面濃度の予測結果を大気汚染測定局での観測値と比較し妥当な結果を得た。このモデルにより中国からの汚染物質の排出量の急速な増大による1985年から1995年にかけての酸性雨地域の急速な拡大が再現され、月平均降水pH値は中国中央部から北東部にかけて0.3から0.8、韓国、日本においても0.lから0.2下降する結果となった。また1995年4月の計算結果から黄砂による降水の中和作用の存在が示され、これによって中国北部での月平均降水pH値は0.6から1.8上昇し、一方中国南部では0.1以下の上昇にとどまることが示された。また韓国、日本においても黄砂による中和は0.1から0.2のpH値の上昇をもたらすことが示唆された。
寺田 宏明; 植田 洋匡*; Wang, Z.*
Proceedings of 7th International Joint Seminar on the Regional Deposition Processes in the Atmosphere, p.115 - 122, 2001/11
東アジアにおける酸性雨の黄砂による中和作用について大気質予測モデリングシステム(AQPMS)を用いて調べた。AQPMSは移流, 拡散, 気相・液相化学, 乾性・湿性沈着を考慮している。また砂塵発生の情報を得るために新しい黄砂の巻き上げ過程モジュールが考案された。これは、既存のサハラ砂漠やオーストラリアの砂漠のためのものとは異なり、三つの重要な予測要素(摩擦速度, 地表面温度, 支配的気象条件)を考慮しておりAQPMSと連結されている。モデルの検証として、雨のpH値や硫酸・硝酸イオン濃度, ガス状汚染物質の地表面濃度の1995年4月の予測結果を大気汚染測定局での観測値と比較し妥当な結果を得た。このAQPMSにより黄砂の化学的寄与に関する感度実験を行った結果、降水の黄砂による強い中和作用の存在が示された。これによって中国北部での月平均降水pH値は0.6から1.8上昇し、一方黄砂の飛散域ではない中国南部では0.1以下の上昇にとどまることが示された。また韓国, 日本においても黄砂による中和は0.1から0.2のpHの上昇をもたらすことが示唆された。
北端 秀行*; 土浦 宏紀*; 植田 洋匡*; 相川 裕史
JAERI-Data/Code 98-015, 34 Pages, 1998/03
酸性雨影響予測計算コードSTEM2に対し、スカラ並列計算機SP2とベクトル並列計算機VPP30のタイプの違う2機種の計算機を用いて並列化を行った。その結果、スカラマシンのSP2における34並列で13.7倍、ベクトルマシンVPP300の12並列で24.2倍の高速化を実現するとができた。STEM2は、有害な一次汚染物質である、NO,SOからラジカルな光化学オキシダントにいたるまで、大気中に存在するほとんどすべての大気汚染物質を含んでおり、複雑な化学反応過程をモデルの中に組み込んでいるのが最大の特徴である。本報告書ではこの酸性雨予測計算コードSTEM2に対して行ったベクトル・並列化の方法とそれによる性能向上について報告する。
堅田 元喜; 永井 晴康; 植田 洋匡*
no journal, ,
土壌水の吸着過程を含む新しい鉛直1次元土壌モデルを開発した。Negev砂漠における地表面フラックス,土壌温度及び土壌水分量のデータを用いてモデルを検証した。モデルは、これらの観測値の日変化をよく再現した。特に、地表面熱・水収支を予測するうえで重要な地表面温度と夜間の吸着に伴う潜熱フラックスを正確に予測した。以上の結果から、本モデルが乾燥・半乾燥地域へ適用可能であることが示された。
堅田 元喜; 永井 晴康; 梶野 瑞王*; 植田 洋匡*
no journal, ,
数値環境システムSPEEDI-MPで構築を行っている包括的動態予測モデルのうち、物質動態の媒体となる水循環を詳細に計算するモデルを水環境問題に適用した。陸面における水交換過程は、一般に降水量(Pr)と蒸発散量(E)のバランスによって決定される。乾燥地域に生息する植物の水資源として、大気中の霧水が植生へと沈着する霧水沈着量(Pf)が重要であることが指摘されている。本研究では、乾燥地域の霧水沈着量が地表面の水バランスに与える影響を数値的に評価した。その結果、対象地域の霧水沈着量は、全降水量に対して20から30パーセントを占め、植物にとって無視できない水資源となりうることを示した。
梶野 瑞王*; 堅田 元喜; 永井 晴康; 石川 裕彦*; 植田 洋匡*
no journal, ,
数値環境システムSPEEDI-MPで構築を行っている包括的動態予測モデルのうち、物質動態の媒体となる水循環を詳細に計算するモデルを水環境問題に適用した。本研究では、シリーズ発表その1で行った霧水沈着を考慮した陸面水収支の詳細計算結果に基づき、植林による緑化を想定した際の存続可能性をあらわす指標として陸面植生モデルで計算した一定期間の正味降水量を「緑化ポテンシャル」と定義し、西アジア域での分布を評価した。その結果、緑化ポテンシャルが正となる領域は海岸沿いや山岳地域に分布しており、霧水沈着の寄与率が50パーセントを超える地域も多く存在することが示された。
梶野 瑞王*; 堅田 元喜; 平木 隆年*; 藍川 昌秀*; 小林 禧樹*; 植田 洋匡*
no journal, ,
1999年7月における六甲山地の森林への主要な大気汚染物質(SO, NH, NO, Cl及びNa)の沈着経路を数値的に調べた。霧沈着を考慮し改良版WRFモデル(fog-WRF)と領域大気質モデル2(RAQM2)をシミュレーションに用いた。モデルの再現性能を確かめるために、霧水中の化学物質濃度の測定結果をモデルによる計算結果と比較した。計算期間中、大阪湾から六甲山に向かう南風によって湿潤な空気が流入し、夜間、高度400mを超える山岳の尾根に沿って凝結が起こっていた。シミュレーション結果から、HNOの高い沈着速度のために窒素の乾性沈着量は大きかったが、全般的に霧沈着が主要なメカニズムであることが示された。