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平出 哲也*; 武田 展雄*; 宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 浜 義昌*
Advanced Composite Materials, 1(4), p.321 - 331, 1991/00
炭素繊維強化樹脂(CFRP)の宇宙での構造材料としての使用を考え、曲げ強度と層間破壊靱性を高温・室温・低温で測定し、その照射効果を調べた。120MGyまで従来型も高靱性型も高い曲げ強度を示す。しかし曲げ試験の破壊様式が複雑であり破壊の仕方によって強度が変わると考えられる。そこで層間破壊靱性によって評価を試みる。高靱性型は見かけ上非常に高い値を示すがこれは繊維の切断を結果的に見ていることとなり真の値を測定するのはむづかしい。従来型、高靱性型ともに初期においてはほぼ等しい靱性を示すと考えられるが高靱性型は樹脂が20~30MGyで劣化している可能性がある。従来型は60MGyまで靱性の低下は認められない。
平出 哲也*; 宇田川 昂; 武田 展雄*; 浜 義昌*; 瀬口 忠男
EIM-90-126, p.11 - 18, 1990/12
樹脂を母材にした炭素繊維強化複合材料は多くの分野で使用され始め、その応用は宇宙にまで及びつつある。また将来、核融合炉の超伝導マグネットの構造材として期待されている。このような放射線場での使用を考えた場合、劣化が重要であるのは言うまでもないがそのクリープ速度も重要な設計因子となると考えられる。そこで樹脂のクリープが放射線でどれだけ促進されるかを知る事は重要である。今回我々は3点曲げ荷重を樹脂板にかけ線照射することによってその応力緩和の測定を架橋密度の異なる3種類のエポキシ樹脂について行い、クリープに及ぼす放射線の効果及びそのメカニズムについて検討を行った。
平出 哲也*; 武田 展雄*; 宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 浜 義昌*
EIM-89-120, p.61 - 69, 1989/12
炭素繊維強化樹脂(CFRP)は宇宙用構造材料として期待されている。今回、炭素繊維とエポキシ樹脂を組み合せたCFRP(従来型T-300/3601、高靱性型IM-6/R6376)について電子線照射効果及び測定時の温度効果を調べた。どちらも照射によって初期に靱性の改善が見られるが、T-300/3601の場合照射によって内部の歪が減少したためであり、IM-6/R6376の場合ファイバーブリッジングする繊維の数が増えるためであると考えられる。また20~30MGyで靱性の低下が少し見られるが60MGyまで大きな低下は見られなかった。しかしながらIM-6/R6376の場合20MGy程度から-100、25、80Cでの靱性がほぼ同じ値を示しこの線量域ですでに樹脂は劣化していると考えられ、材料として使用する場合に本質的に靱性が高いかどうか疑問が残る。
萩原 幸; 宇田川 昂; 河西 俊一; 江草 茂則; 武田 展雄
Journal of Nuclear Materials, 133-134, p.810 - 814, 1985/00
被引用回数:4 パーセンタイル:54.56(Materials Science, Multidisciplinary)この報告は耐放射線性の優れた有機複合材料を得る基礎研究として、室温照射(電子線3MeV,1.0Mrad/hr)210Mradまでの劣化挙動を3点曲げ試験、剪断試験、電子顕微鏡観察等により考察したものである。複合材料、ガラス/di-glyciohylether bisphenol-Aは少線量で強度低下を起し、マトリックス相に大小多数のボイド生成が認められた。劣化はマトリックスの放射線分解によると考えられる。ガラス/TGDDMでは3000Mradで強度が急激に低下した。電顕観察から充てん材-マトリックス界面の剥離が劣化の原因であることがわかった。なお、カーボン/TGDDMでは210Mrad照射後も強度の低下はみられず、また、ボイド生成、界面剥離等も認められなかった。以上の事実から、複合材料の耐放射線化には、耐放射線性の樹脂の選択と、界面の耐放射線化が重要であることを述べる。