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末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 浦口 雄世*; 末永 桃太郎*; 牧原 隆博*; 藤吉 孝則*; 石川 法人
Physica C, 530, p.72 - 75, 2016/11
被引用回数:9 パーセンタイル:40.87(Physics, Applied)重イオン照射法により向上した超伝導状態のYBCO薄膜における磁束ピニング特性を、さらに向上させるためにBaSnOナノドットを薄膜内に導入し、その効果を調べた。その結果、ナノドットを導入した場合、単に重イオン照射した試料よりも、特に磁場方向が軸方向に近い方向の条件で、顕著な磁束ピニング特性の向上が見られた。重イオン照射欠陥とナノドットを組み合わせることにより、全方位的な磁場方向条件での磁束ピニング特性の向上が達成できる可能性を示すことができた。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 古木 裕一*; 浦口 雄世*; 甲斐 隆史*; 藤吉 孝則*; 嶋田 雄介*; 安田 和弘*; 石川 法人
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.6603004_1 - 6603004_4, 2015/06
被引用回数:11 パーセンタイル:50.27(Engineering, Electrical & Electronic)GdBCOコート線材に導入した不連続柱状欠陥による磁束ピン止め特性への影響を、連続柱状欠陥による影響と比較することによって明らかにした。具体的には、270MeV Xeイオン照射効果と80MeV Xeイオン照射効果を比較した。前者の場合、連続的な柱状欠陥を導入することができ、後者の場合不連続的な柱状欠陥が形成されることを、透過型電子顕微鏡観察により確認した。それぞれのイオン照射による臨界電流密度(Jc)の上昇を比較した結果、以下のことが分かった。前者の場合、柱状欠陥の導入方向と同じ方向に磁場が向いているときに、最もJcの上昇が顕著にみられ、磁場角度依存性曲線において未照射試料に見られなかったJcピークが現れた。この傾向は、後者の不連続柱状欠陥の場合にも同様に見られた。ただし、後者の場合には、柱状欠陥の導入方向以外の磁場角度においても、平均的なJcの上昇傾向がみられた。この傾向は、点状欠陥の場合でも見られており、不連続な柱状欠陥は、連続的な柱状欠陥と点状欠陥の影響を合わせ持つような効果を与えることが分かった。超伝導体の応用面からは、ある磁場角度に偏らない形でJcの大きな向上を図ることが望ましいため、不連続な柱状欠陥の導入は、材料設計上優れた手法であることが分かった。