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梅田 享英*; 小杉 良治*; 福田 憲司*; 森下 憲雄*; 大島 武; 江嵜 加奈*; 磯谷 順一*
Materials Science Forum, 717-720, p.427 - 432, 2012/05
被引用回数:7 パーセンタイル:95.12(Materials Science, Multidisciplinary)炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた金属-酸化膜(SiO)-半導体(MOS)界面に存在する欠陥等を電気的検出磁気共鳴(EDMR)法を用いて調べた。SiC-SiO界面は、従来のシリコン(Si)-SiO界面と異なり炭素(C)等の不純物の存在が考えられるが、50Kでの低温測定を行うことでCダングリングボンドに起因するPと呼ばれる欠陥センターやCダングリングボンドが水素や窒素(N)によって終端されたPセンターが観測された。また、MOSデバイスの特性向上を目的にN処理を行った試料では界面付近にNドナーに起因するNhセンターが観測された。このことは、界面にNドナーが導入されることにより界面付近のキャリア(電子)濃度上昇し、その結果、チャンネルの伝導度が高くなることで高品質なMOSデバイスが作製されることを示唆する結果といえる。
梅田 享英*; 江嵜 加奈*; 小杉 良治*; 福田 憲司*; 大島 武; 森下 憲雄*; 磯谷 順一*
Applied Physics Letters, 99(14), p.142105_1 - 142105_3, 2011/10
被引用回数:50 パーセンタイル:85.84(Physics, Applied)By electrically detected magnetic resonance spectroscopy under low-temperature, the microscopic behavior of nitrogen atoms in the SiC-SiO interface regions of n-channel 4H-Silicon Carbide (SiC) Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistors (MOSFETs) was investigated. As a result, it was found that shallow interface states were eliminated by nitrogen atoms located near the interface. Also, nitrogen atoms showed diffusion into the channel region of the MOSFETs, and acted as shallow donors. These two behaviors enable nitrogen atoms to enhance the channel mobility of electrons in SiC MOSFETs.
福田 憲司*; 長井 清子*; 関川 敏弘*; 吉田 貞史*; 新井 和雄*; 吉川 正人
Proceedings of 1998 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 1998), p.100 - 101, 1998/00
近年、SiC単結晶の中でも、4H-SiCが大きな注目を集めるようになった。これは6H-SiCに比較して電子の移動度が倍以上あり3H-SiCに匹敵するからである。この4H-SiC単結晶をもちいてMOS構造を形成すると、しかしながら、多量の固定電荷や界面準位が発生し、素子化への大きな障害となっていた。本研究ではドライ酸化で作製した酸化膜を10torrの水素雰囲気下で400Cから1000Cまで温度を変えながらアニーリングした。その結果、1000C、30分の水素アニーリングにより固定電荷と界面準位が完全に消失し、MOS構造の電気特性に著しい改善が見られた。原因は明確ではなく、今後の研究課題であるが、水素燃焼酸化による電気特性の改善に関する機構解明という観点からも大きな意味を持っている。
木下 明将*; 田中 保宣*; 田中 知行*; 福田 憲司*; 荒井 和雄*; 大島 武; 菱木 繁臣
no journal, ,
宇宙や原子力の分野において使用される半導体デバイスは放射線に強いことが求められる。耐放射線半導体としてSiCは有力な候補として考えられており、SiCが大容量パワーデバイスとしての研究が広く行われている。SiCの耐放射線性は、その利用方法から放射線検出器としての報告が多くされているが、大容量パワーデバイスとしての耐放射線性の報告は少ない。そこで、600V耐圧のSiCショットキーバリアダイオード(SBD)を作製し、線を照射することによる電気特性の変化を測定することで耐放射線性の評価を行った。その結果、47.5Mradの線照射によって耐圧の変化は見られなかったが、ショットキー障壁高さが照射後に増加する素子とわずかに減少する素子の2グループが存在することが判明した。
梅田 享英*; 小杉 良治*; 福田 憲司*; 大島 武; 森下 憲雄; 江嵜 加奈*; 磯谷 順一*
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた、金属-酸化膜-半導体(MOS)デバイスでは、酸化膜/SiC界面に発生する欠陥により、デバイス特性が低下してしまうという問題がある。今回、この界面に発生する欠陥の起源の同定を行うため、電流検出型の電子スピン共鳴(EDMR)による評価を行った。SiC MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)を異なる酸化膜作製条件で作製し、4Kまでの低温でのEDMR測定を行った。その結果、窒化処理や水素化処理により酸化膜を作製したMOSFETでは、欠陥起因のEDMRシグナルが観測されなかったのに対して、乾燥酸素のみで酸化膜を作製した試料からは、炭素のダングリングボンドに起因するシグナルが観測された。乾燥酸素により酸化膜を作製したMOSFETの電気特性が、窒化や水素化処理により向上することと合わせて考えると、炭素ダングリングボンドに起因する欠陥がMOSFET特性に悪影響を与えていることが示唆される。また、それらのMOSFETに線照射を行い、EDMR測定を行ったところ、水素化処理により作製したMOSFETからは、炭素ダングリングボンド起因のシグナルが観測された、一方、窒化処理では、線照射後も炭素ダングリングボンド起因のシグナルは観測されなかった。このことから水素処理によりダングリングボンドが終端されているが、線照射により結合が切れダングリングボンドは発生したこと、窒化処理は界面そのもの構造をよくし、MOSFET特性の向上に寄与していると帰結できた。