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藤島 浩史*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 矢嶋 徹*
Journal of the Physical Society of Japan, 80(8), p.084003_1 - 084003_7, 2011/08
被引用回数:2 パーセンタイル:20.1(Physics, Multidisciplinary)現在、原子物理学の研究の最前線は、レーザー冷却により得られる超低温の原子ガスである。本研究では、その冷却原子ガス系において、量子多体系における非線形現象を正確に調べるため、ポテンシャル衝突問題における非線形効果を数値シミュレーションによって調べた。初期状態はガウシアンとし、相互作用は引力の場合を考え、ポテンシャルは箱形と井戸型を考えて、透過率と反射率を求めた。その結果、透過率と反射率は相互作用の大きさだけでなく、ポテンシャルの高さ(深さ)や幅に大きく依存することがわかった。加えて、井戸型ポテンシャルによる散乱問題において、井戸型ポテンシャル内部に長い時間波束が捉えられてしまう現象が観測された。なお、この結果は相互作用する量子多体系の情報伝達の基礎を調べたものであり、将来の機能材料開発にも資する成果と位置付けられる。