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塚本 導雄; 高田 準一; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 宮田 定次郎*; 西尾 軍治*; 村田 幹生*; 内山 軍蔵
JAERI-Tech 2001-031, 47 Pages, 2001/03
再処理溶媒(溶媒)と硝酸との異常化学反応に起因した爆発は、再処理施設のDBAに選定されている。そこで、原研では爆発がプルトニウム濃縮缶で起きた場合を想定し、セル換気系の安全性とHEPAフィルタの健全性が確保できることを実証するため、溶媒と硝酸とを反応容器に貯え、密封し、種々の加熱条件下で生成した硝化溶媒(TBP錯体等)を急激に熱分解させて、爆発を誘起させるニトロ化溶媒爆発試験を実施した。試験の結果、以下に述べる知見を得た。硝化溶媒の熱分解により溶媒1kgが噴出して爆発を起こした場合、実験的方法により導出した最大質量放出速度と最大エネルギー速度は、0.59[kg/s]と3240.3[kJ/kg・s]である。この爆発による波及がセル換気系に与える影響は小さく、HEPAフィルムの健全性が確保できることを実証した。
塚本 導雄; 高田 準一; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 宮田 定次郎*; 西尾 軍治*; 村田 幹生
JAERI-Tech 2000-036, p.43 - 0, 2000/03
再処理施設のセル換気系内において再処理溶媒(有機溶媒)と硝酸の異常化学反応に起因した爆発が起きた場合について、爆発規模とエアロゾル発生量の関係、及びセル換気系による放射性物質の閉じ込め効果を把握する試験を実施した。試験ではセル換気系実証試験装置のセル内に設置した反応容器に、純粋な溶媒並びに線照射により劣化した溶媒とCeを混合した硝酸とを充填・密封し、183まで加熱して爆発とエアロゾル発生を誘起させた。爆発により発生したCeエアロゾルは採取し、浮遊率や粒径分布を時間毎に測定した。さらに、質量濃度を実測してエアロゾルの沈降や沈着等による除去効果を調べた。その結果、噴出した溶媒ミストが急激燃焼を起こした場合、セル内に飛散するCeエアロゾルの初期(t=0)濃度は、3~600[mg/m]になることが判明した。しかしながら、爆発による温度上昇や圧力波の伝播は、セルやダクトで構成される換気系で十分に減衰するので、HEPAフィルタの健全性は確保され、セル換気系による放射性物質の閉じ込め効果は十分達成されることが確認できた。
宮田 定次郎*; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 2000-035, p.64 - 0, 2000/03
硝酸によるピューレックス溶媒(TBP,n-ドデカン)の熱分解の反応特性及び反応機構を明らかにするため、示差走査熱量計(DSC)、加速速度熱量計(ARC)等の熱分析装置並びにガスクロマトグラフ(GS)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)等の分析装置による各種検討を行った。その結果、ステンレス製の密封セルを用いた硝酸配位の30%TBP/70%ドデカン混合溶媒のDSC測定では、約170と約320に極大となる発熱ピークが得られ、前者は硝酸と溶媒及びTBPの脱アルキル化により生成した硝酸ブチルとの反応におもに起因し、後者は硝酸とドデカンとの反応により生成したニトロドデカン自身の熱分解に起因することなどを明らかにするとともに、ARCによる検討では、硝酸とTBPとの反応及び硝酸n-ブチル自身の熱分解の活性化エネルギーがそれぞれ123.2及び152.5kJ/molであることなどを明らかにした。また、得られた結果に基づき、本反応の反応機構を推論した。
藤根 幸雄; 村田 幹生; 阿部 仁; 高田 準一; 塚本 導雄; 宮田 定次郎*; 井田 正明*; 渡辺 眞樹男; 内山 軍蔵; 朝倉 俊英; et al.
JAERI-Research 99-056, p.278 - 0, 1999/09
東海再処理施設アスファルト固化処理施設における火災爆発事故について、原研の調査検討会が行った原因究明にかかわる試験及び環境影響評価の結果を報告する。原因究明にかかわる試験においては、実廃液サンプルの化学分析、アスファルト塩混合物の熱分析、暴走的発熱反応試験、発煙時の可燃性ガス分析などを行った。環境影響評価では、環境モニタリングデータと大気拡散シミュレーションコードSPEEDIによる解析結果より、環境へ放出されたCs量を推定した。また、一般住民の被ばく線量評価を行った
宮田 定次郎; 高田 準一; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-040, 194 Pages, 1999/05
耐圧ガラス製反応装置(内容積約1000ml)を用いて、4種類の溶媒系(100%TBP,100%TBP/U,30%TBP/70%n-ドデカン及び30%TBP/70%n-ドデカン/U)を温度129~192C,反応時間90~270分の条件の下で硝酸と反応させる方法によりレッドオイル(Red Oil)を合成し、その成分及び合成時に発生したガス成分をガスクロマトグラフ(GC)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)により同定・定量した。レッドオイルは150種類以上の成分からなりその中の94成分の化学形を確定または推定した。レッドオイルの主要な成分はn-ドデカンとTBPのモノ及びジニトロ化物、ドデカノン、硝酸n-ブチル、DBP及びMBPである。合成時に発生した気体成分(vol%)はNO(23~50)が最も多く、以下CO(17~34)、NO(5.5~15)、N(4.3~12)、CO(4~12)、NO(1.5~8)、炭化水素(0.7~1.2)の順に減少し、OとHはほとんど検出されなかった。蒸発成分の水冷却凝縮液の大部分は硝酸n-ブチルであり、n-ブタノールは非常に少ない。
宮田 定次郎; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 塚本 導雄; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-039, 70 Pages, 1999/05
溶媒及び劣化溶媒と硝酸との反応の反応特性及び発熱特性に関する情報収集を目的として、純粋な溶媒並びに熱化学的及び放射化学的に劣化させた溶媒を用いて、密封セル示差走査熱量計(SC-DSC)及び加速速度熱量計(ARC)による熱分析試験、並びに密閉容器(内容量3.0 )による熱分解試験を実施し、以下に述べる結果を得た。硝酸飽和溶媒、100%TBP溶媒(100%TBP/~2.7M HNO)及びドデカン含有溶媒(30%TBP/70%n-ドデカン/~0.8M HNO)は、約170Cと約210Cに極大を有する発熱ピークを与え、前者のピークは溶媒と硝酸との反応に起因し、その活性化エネルギーと頻度因子は124kJ/mol及び8.410secである。硝酸水溶液共存下での、密閉系における硝酸による溶媒の急激熱分解の開始温度は、開放系の場合とほぼ等しく140C以上である。過濃縮したCe(NO)含有硝酸配位溶媒は約180C以上で急激に熱分解する。ドデカノン、n-ブタノール、硝酸n-ブチル等の溶媒劣化物は約80C以下で硝酸と発熱的に反応する。
西尾 軍治*; 山崎 昇*; 河野 浩二*; 渡邊 浩二*; 村崎 穣*
JAERI-Data/Code 98-033, 235 Pages, 1998/11
CELVA-3Dは、再処理施設のセル内で想定される爆発時の熱流動現象と放射性物質の移行挙動を評価するため開発された計算コードである。この計算コードでは、3次元熱流動解析によりセル内の温度、圧力、流速を、熱流動を考慮した物質移流解析によりセル内の放射性物質の閉じ込め効果を計算する。また、CELVA-3Dは爆燃用解析のCELVA-3D(M)と爆轟用解析のCELVA-3D(R)に分かれている。ここで、CELVA-3D(M)の数値解法はSIMPLE法及びSIMPLEST法(半陰解法)が、CELVA-3D(R)はICE法(陽解法)が採用されている。CELVA-3Dの解析モデルは、再処理施設の想定爆発を模擬した安全性実証試験の結果と比較することにより検証された。
西尾 軍治*; 渡邊 浩二*; 河野 浩二*; 山崎 昇*; 向出 恵勇*; 吉岡 逸夫*
JAERI-Data/Code 98-017, 279 Pages, 1998/03
この報告書は、再処理施設のセル内で想定される火災・爆発時の放射性物質閉じ込め効果を評価するため開発された計算コード(CELVA-1D)の解析モデルの説明、検証結果、及び使用手引き書から構成されている。この計算コードは、再処理施設内のセル換気系内の温度、圧力、流速の変化を1次元熱流動解析で計算すると共に、放射性物質の移行、沈着、フィルタ捕集等の閉じ込め効果が評価できる。CELVA-1Dの計算値は、セル内の火災・爆発を模擬した実証試験の効果を比較され、よく一致することを確かめた。したがって、CELVA-1Dの数学モデルとプログラムは検証されたとみなしてよい。
西尾 軍治*; 高田 準一
エアロゾル研究, 12(1), p.50 - 56, 1997/00
この論文は、特別基礎研究において実施した線の照射効果によるエアロゾルの除去に関する実験について記載したものである。線照射により生成した正と負のどちらかのイオンをエアロゾルに作用させれば、単極に帯電したエアロゾルが発生する。この帯電エアロゾルは、逆の極性をもつ電極上に沈着し、またHEPAフィルタ上に高い効率で捕集される。負に帯電したエアロゾルの電極上のDF値は、0.4m以上のエアロゾルに対して10を越えた。また、通常のHEPAフィルタの固有のDF値に比較して、HEPAフィルタに対する帯電エアロゾルのDF値は1000倍ほど向上した。
西尾 軍治*; 渡邊 浩二*; 小池 忠雄; 宮田 定次郎
JAERI-Tech 96-056, 59 Pages, 1996/12
ロシアの再処理施設、トムスク-7で発生した事故の原因を解析するためには、熱的に不安定な反応性物質を含むTBP/ケロシンと硝酸が熱分解した場合の反応速度定数や反応熱を決定する必要がある。そこで、硝酸と反応し易いn-ブタノール、硝酸n-ブチル、芳香族化合物、および環式炭化水素について、原研で得た示差熱分析(DTA)の熱量測定データを利用して、これらの反応速度定数と反応熱を求めた。また、トムスク貯槽内の発熱と放熱の熱収支計算をこれらの反応速度定数と反応熱を用いて実施し、急激な熱分解反応によって破裂した貯槽の安全評価を行った。その結果、貯槽破裂の原因は石油系ケロシンに含まれた芳香族化合物の急激な熱分解反応に起因していることが明らかになった。
高田 準一; 鈴木 元衛; 塚本 導雄; 小池 忠雄; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 96-054, 237 Pages, 1996/12
原研では、再処理施設の安全性研究の一環として、溶媒/硝酸の急激な熱分解反応に起因した爆発的燃焼が再処理施設のセル内で起こった場合の安全性実証試験をセル、ダクト、ダンパー、HEPAフィルタ及び排風機からなる大型装置を使用して実施した。実証試験では、セル換気系内の圧力上昇の影響を調べるため、加圧したタンクから装置のセル内に空気を吹き込み、装置内を通過する圧力応答を測定した。その結果、有効な圧力減衰が装置内のセルやダクトの配置により与えられた。また、実証試験ではHEPAフィルタや排風機の健全性を調べるために、空気の吹き込みによりHEPAフィルタや排風機の過渡応答を調べた。その結果、HEPAフィルタと排風機の健全性は圧力負荷において十分であった。この報告書に記載された内容は、再処理施設で爆発的燃焼が起こった場合のセル換気系の安全評価に資することができる。
西尾 軍治; 高田 準一; 成冨 満夫*; 村田 幹生; 阿部 仁; 渡邊 浩二*
JAERI-Research 95-064, 45 Pages, 1995/09
本報告書は、「放射線によるエアロゾルの電離効果に関する研究」として特別基礎研究に応募し実施した研究の成果である。実験では、線が照射された金網電極と遮蔽した金網電極をもつ容器(TRAPOL)にエアロゾルを導入し、単極に帯電したエアロゾルを製造した。この単極化した帯電エアロゾルは、帯電粒子の静電気力により物体の表面に沈着し易い性質をもっており、HEPAフィルタに流すと通常のフィルタに比較して約1000倍ほど捕集効率が向上する。放射線を利用した本エアロゾル除去法は、大量のエアロゾルを高い効率で処理できるので、広い範囲の波及効果が期待できる。この報告書では、帯電エアロゾルの除去法の原理、実験の内容と結果、理論的背景と計算結果についてまとめた。
西尾 軍治; 小池 忠雄; 宮田 定次郎; 高田 準一; 渡辺 浩二*
JAERI-Tech 95-029, 59 Pages, 1995/03
ロシアの再処理施設トムスクにおいて、溶媒と硝酸の発熱反応に起因した急激な熱分解反応により硝酸ウランを含む貯槽が加圧して爆発事象が発生した。この事故は、貯槽の排気管に設置された弁が開放であるにも関わらず、硝酸水溶液の沸点以下で大量の熱が発生した特異な反応挙動を持っている。従って、貯槽内で硝酸による溶媒の劣化に起因した不安定な熱分解性物質の蓄積が推測された。そこで、劣化溶媒の化学分析を実施し、熱分解性物質の化学形を同定した。また、推定した熱分解性物質の反応熱を示差熱分析計(DTA)と示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
高田 準一; 鈴木 元衛; 塚本 導雄; 小池 忠雄; 西尾 軍治
JAERI-Tech 95-024, 339 Pages, 1995/03
原研では、科学技術庁の委託を受けて、再処理施設のセル内で想定される急激燃焼がセル換気系の安全性に与える影響について大型試験装置による安全性実証試験を実施した。再処理施設では、溶媒と硝酸の急激な熱分解反応による爆発的な燃焼を想定している。本実証試験では、再処理施設モデルプラントのセルやダクトを模擬した試験装置を用いて、セル内で溶媒のミストや熱分解ガスが爆発的に燃焼した場合を想定して、固体ロケット燃料を燃焼させ、爆燃領域の爆圧や温度上昇の影響がセル換気系内を伝播・減衰する挙動を明らかにした。この報告書に記載された試験データは、セル換気系の放射性物質閉じ込め安全性解析コード(CELVA)の検証に利用されることを念頭において整理された。
小池 忠雄; 西尾 軍治; 高田 準一; 塚本 導雄; 宮田 定次郎; 渡邉 浩二*
JAERI-Tech 95-005, 84 Pages, 1995/02
再処理施設で使用する溶媒と硝酸の熱分解反応は発熱性であるので、溶媒と硝酸が存在する状態で温度しきい値(熱的制限値)を超えて加熱すると、急激な熱分解反応を引き起こす恐れがある。原研では、科学技術庁の委託を受けて、再処理施設において想定される溶媒と硝酸の急激な熱分解反応が蒸発缶などの加熱機器の安全性に及ぼす影響について実証試験を実施した。本報告書は、硝酸や硝酸ウランを含む溶媒の熱分解反応挙動、反応速度、反応熱等の試験結果についてまとめたものである。さらに、再処理モデルプラントのPu蒸発缶を対象にして、溶媒と硝酸の熱分解反応に関わる熱的制限値の妥当性や自己反応温度の意味を明らかにし、再処理プラントにおけるPu濃縮蒸発缶の安全裕度を推算した。
阿部 仁; 西尾 軍治; 内藤 俶孝
JAERI-M 93-220, 107 Pages, 1993/11
再処理施設の事故時安全性を評価する目的で事故解析コードTRANS-ACEの開発を進めている。TRANS-ACEには、米国ロスアラモス国立研究所で開発された1次元熱流動解析コードEVENTの機能に、ソースターム解析機能、壁面への放熱計算機能さらにHEPAフィルタ捕集解析機能が付加されている。今回の作業では、初期定常状態設定時に対する流量による収束判定機能の追加、フィルタ・ブロアの初期流動抵抗自動計算機能の追加さらに入力データ形式の整理・簡素化、の3点について改良を行った。本報告書は、改良を行った第2次版TRANS-ACEの使用手引書であると同時にコードの解析機能解説書でもある。
西尾 軍治; 山崎 昇*
Nuclear Technology, 102, p.232 - 251, 1993/05
被引用回数:3 パーセンタイル:38.1(Nuclear Science & Technology)再処理施設のセル換気系の安全性を解析するため、抽出工程で想定される溶媒火災の挙動が解析できる計算コードFACEを作成した。この計算コードは、1次元と2次元の熱流動解析による温度、圧力及び流束の計算のみならず、火災時の放射性物質を含む煤煙の移行、沈着及び捕集などの放射性物質閉じ込め解析が可能である。計算コードの解析モデルを検証するため、FACEによる抽出工程の想定溶媒火災の計算を実施し、実証試験結果と比較した。
西尾 軍治; 鈴木 元衛; 高田 準一; 小池 忠雄; 塚本 導雄
JAERI-M 93-019, 209 Pages, 1993/02
原研では、科学技術庁の委託を受けて、再処理施設のセル内で想定される急激燃焼がセル換気系に与える影響について大型装置による安全性実証試験を実施した。実証試験では、再処理施設の抽出工程において想定されるセル内溶媒火災の状況と火災に伴うボイルオーバー燃焼の挙動を把握した。試験では、再処理モデルプラントを模擬した試験装置を用いて、溶媒火災時の定常燃焼の状況と煤煙によるHEPAフィルタの目詰り効果を調べた。さらに、溶媒火災時に発生する爆発的なボイルオーバー燃焼の挙動を調べ、燃焼の規模を明らかにした。この報告書に記載された試験データは、セル換気系安全性解析コード(CELVA)の検証に利用されることを念頭において整理された。
橋本 和一郎; 西尾 軍治; 早田 邦久
Nuclear Technology, 101, p.218 - 226, 1993/02
被引用回数:7 パーセンタイル:60.43(Nuclear Science & Technology)わが国の再処理施設では、抽出工程における溶媒火災が想定事故の一つとなっている。抽出工程には高濃度の核分裂生成物(FP)と多量の核燃料物質が存在するため、想定溶媒火災事故時において換気系がこれら多量の放射性物質の閉じ込め機能を有することを実証する必要がある。このため、高性能粒子エアーフィルタ(HEPAフィルタ)を含む火災事故時フィルタ実証試験装置(FFF)を用いた大規模試験が実施された。実証試験の結果、換気系のHEPAフィルタは、想定溶媒火災事故に対してその健全性を維持し、火災により発生した放射性物質を含むと考えられる煤煙粒子に対し十分に高い除染係数をもつことが実証された。
鈴木 元衛; 西尾 軍治; 高田 準一; 塚本 導雄; 小池 忠雄
JAERI 1328, 90 Pages, 1993/01
再処理施設のセル内で溶媒火災にともなう急激燃焼、あるいは溶媒のニトロ化反応による急激燃焼が想定上発生した場合でもセル換気系の安全性が確保されることを実証する目的で、再処理施設のセル換気系を模擬した大型試験装置を用い、4種類の実証試験を実施し、急激燃焼によって発生する圧力と温度のパルスがセル・ダクト構造により有効に緩和されることを明らかにした。ボイルオーバー燃焼試験においては、燃焼皿表面積を主要パラメータとしてセル内溶媒燃焼実験を実施し、ボイルオーバー燃焼を規定する要因に関する分析を行った。その結果、ボイルオーバー燃焼の強度は、セル内酸素と溶媒蒸気の蓄積量及びそれらの相対的比率に強く依存することを見いだした。穏やかな爆発試験においては、急激燃焼源として固体ロケット火薬を燃焼させ、発生した圧力と温度のパルスがセル、ダクト系によって有効に減衰され、換気系の健全性は保持されることを見いだした。排風機健全性試験においては、定格の約6倍の流量の空気を遠心型ターボ排風機に吹き込み、過渡応答性を調べ、排風機の健全性が維持されることを確認した。