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坂本 義昭; 石井 友章*; 稲川 聡*; 軍司 康義*; 武部 愼一; 小川 弘道; 佐々木 朋三*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.481 - 484, 2002/11
ウラン廃棄物の安全評価において必要となるウランの娘核種のうち、AcとPaの土壌に対する吸着挙動を調べた。数種類の土壌にAcとPaを吸着させた後、KClCaCl,塩酸ヒドロキシルアミン,過酸化水素水による逐次抽出を行った。この結果、Acの吸着形態は、KとCaで抽出されるイオン交換的な吸着成分(20-30%)とこれらの試薬で抽出されない土壌への固定成分(60-70%)からなり、Paの吸着形態は、塩酸ヒドロキシルアミンで抽出される非晶質Fe+Mn酸化物への吸着(20-50%)及び土壌への固定成分(40-50%)からなることを示した。これらの結果から、AcとPaの土壌への吸着が不可逆的な吸着形態を取ることを明らかにした。
坂本 義昭; 石井 友章*; 稲川 聡*; 軍司 康義*; 武部 愼一; 小川 弘道; 佐々木 朋三*
原子力バックエンド研究, 8(1), p.65 - 76, 2001/09
ウラン廃棄物の浅地中処分の安全評価において必要となる通気層環境(ローム-雨水系)及び帯水層環境(砂-地下水系)でのウラン及びウラン娘核種である鉛,ラジウム, アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウランの分配係数のpH依存性を求め、これらの元素の吸着形態について検討を行った。 鉛,ラジウム,アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウランの分配係数のpH依存性に対して,各元素の存在形態と土の陽イオン交換容量及び表面電位特性を基にして、イオン交換吸着及び表面錯体形成による吸着を組み合わせた吸着反応のモデル計算を行った結果、各元素に対する吸着挙動とその分配係数をおおむね表すことが可能であることを示した。
石井 友章*; 稲川 聡*; 軍司 康義*; 坂本 義昭; 武部 愼一; 小川 弘道; 佐々木 朋三*
原子力バックエンド研究, 8(1), p.55 - 64, 2001/09
ウラン廃棄物の浅地中処分の安全評価に必要となるウラン系列核種(鉛,ラジウム,アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウラン)の分配係数を通気層環境及び帯水層環境で求めた。通気層環境としてはローム等の4種類の土と雨水の組み合わせ、帯水層環境としては砂等の3種類の土・岩石と地下水の組み合わせで各元素の分配係数をバッチ法により測定した。通気層環境と帯水層環境での分配係数を比べると、アクチニウム以外の元素で通気層環境での分配係数が帯水層環境よりも10倍~100倍大きい値が得られた。また、土の代表的な物性値である陽イオン交換容量(CEC)及び比表面積と各元素の分配係数の関係を求めた結果、鉛,ラジウム,プロトアクチニウムについてはおおむねこれらの物性値と分配係数に相関が認められた。
坂本 義昭; 武部 愼一; 小川 弘道; 村岡 進; 石井 友章*; 稲川 聡*; 軍司 康義*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.663, p.1207 - 1214, 2001/00
ウラン廃棄物処分の安全評価では、ウランのみならずその娘核種による被ばくの寄与が大きいと言われている。これらの核種による被ばくを支配するのは、土壌中における移行挙動であるが、その評価に必要な分配係数について我が国での測定値はほとんどない。そこで、本研究は、ウラン娘核種のうち重要なRa-226及びAc-227の核種の土壌に対する分配係数を測定した。その結果、Ra-226の分配係数は土壌の陽イオン交換容量(CEC)に比例することが明らかとなった。また、Ac-227の分配係数は土壌の種類やpHにより異なることを示した。
向山 武彦; 小川 徹; 軍司 康義*
IAEA-TECDOC-783, 0, p.105 - 114, 1995/01
IAEA「群分離・消滅処理の安全性・環境的局面」技術委員会において概要を報告したものを、IAEA-TECDOCシリーズ報告書用に論文としてまとめたものである。内容はマイナーアクチノイド窒化物燃料専焼炉の概念設計、消滅処理炉物理特性に関する専焼炉と発電炉との比較、軽水炉及び高速炉を消滅処理に用いる場合の、燃料取扱い等に対する影響の定量的な評価について記述したものである。
軍司 康義*; 向山 武彦; 高野 秀機; 滝塚 貴和
JAERI-M 92-032, 77 Pages, 1992/03
原子炉におけるマイナーアクチノイド消滅処理特性を詳細に解析するためにABC-SC(Actinide Burnup Calculation code using SLAROM and CITATION)コードシステムを開発した。このシステムは、衝突確率法による断面積計算コードSLAROM、拡散理論による体系計算コードCITATION及び燃焼計算コードORIGEN-2を有機的に結び付けたものであり、SLAROMで求めた実効断面積を用いて、数多くの核種を対象としてORIGEN-2により詳細な核種生成・燃焼計算を行う事ができる。燃焼計算で得られた各核種の重量・発熱量・放射能・毒性指数等のデータはユーティリティプログラムにより、簡単に必要なデータの帳票印刷・グラフ出力を行える。また、マイナーアクチノイド専焼炉設計研究のためにNa冷却金属燃料専焼炉及びHe冷却粒子燃料専焼炉における燃料要素の軸方向温度分布を計算するプログラムも開発した。
岡嶋 成晃; 軍司 康義*; 向山 武彦
JAERI-M 92-031, 81 Pages, 1992/03
アクチノイド消滅処理専焼炉(ABR)の設計研究において、炉心過渡特性解析は安全性の観点から、重要である。そこで、Na冷却酸化物燃料高速炉用炉心過渡挙動解析コード「EXCURS」を、Na冷却金属燃料高速炉に適用できるように改造を行った。改造の妥当性を確認するために、ANLで行ったEBR-IIでの過渡試験解析結果や電中研で行った1000MWe級金属燃料高速炉の過渡特性解析結果と改造「EXCURS」の解析結果とを比較した。その結果、全般的に改造「EXCURS」の解析結果と他の解析結果は良い一致を示し、改造「EXCURS」がLMRやABRの炉心過渡現象を予測するのに使用できることが確認できた。改造「EXCURS」を用いて、Na冷却金属燃料専焼炉(M-ABR)のULOFおよびUTOP解析を実施した。さらに、安全性を検討するために、燃料の熱伝導率やフィードバック反応度係数のATWS解析結果に与える影響について、パラメータサーベイを行った。その結果、フラワリング係数、遅発中性子割合、燃料熱伝導率が燃料最高温度に強く影響することが分かった。
向山 武彦; 吉田 弘幸; 軍司 康義*
Proc. of the Int. Conf. on Fast Reactors and Related Fuel Cycles,Vol. II, p.19.6_1 - 19.6_10, 1991/00
長寿命核種消滅処理の有望な方法として専焼炉の概念を提案し、工学的に成立し得る専焼炉モデルを炉物理、炉工学、燃料工学観点から検討し2つの炉型モデルを得ている。これら専焼炉と軽水炉及びFBRとをマイナーアクチノイド燃焼特性について比較し、専焼炉の優れている事を明らかにした。さらに消滅処理過程において生成される高次CmやCfや線放出核種が発電炉の燃料サイクルにおいては施設の遮蔽設計に影響を及ぼす事を指摘し、この点からも専焼炉方式が有利になる事を述べている。
向山 武彦; 高野 秀機; 滝塚 貴和; 小川 徹; 吉田 弘幸; 軍司 康義*
Transactions of the American Nuclear Society, 64, p.548 - 550, 1991/00
ANS冬期会議炉物理部門招待論文として発表する。専焼炉概念の検討、設計及び専焼炉を用いたマイナーアクチノイド消滅処理の特性について述べる。結論としては、専焼炉は消滅処理特性に優れているが、現行設計では実効遅発中性子分率が小さいという欠点がある。軽水炉は消滅特性は専焼炉にそれ程遜色無いものの、Cf等のより重いアクチノイドの生成のため核燃料サイクル施設の観点から受け入れる事は出来ない。
高野 秀機; 向山 武彦; 滝塚 貴和; 小川 徹; 刑部 真弘; 軍司 康義*
JAERI-M 89-072, 74 Pages, 1989/06
TRU専焼炉の概念設計研究のために、炉心の核的検討を行った。可能性のある専焼炉として、Na-冷却金属燃料専焼炉とHe-冷却粒子燃料専焼炉を選定した。Na冷却金属燃料専焼炉では、燃料要素、炉心形状、出力分布及びTRU消滅量等をパラメータとして、燃料や被覆管の制限温度を満たす燃料と炉心形状をサーベイした。更に出力平坦化と燃焼反応度の低減化を検討し、内側炉心(58Np-22Pu-20Zr)と外側炉心(60Am,Cn-35Pu-5Y)からなる2領域炉心を得た。この炉の一基当りの熱出力は170MWTでTRUを年間47Kg消滅でき、6つの炉心からなるモジュラー炉を考えると年間PWR10基分から生成される260kgのTRUを十分に消滅させることが可能である。He-冷却粒子燃料専焼炉についてのサーベイ計算を行い、熱出力が1200MWTで、300日燃焼により約17%高燃焼率が得られる炉心を得ることができた。
飯島 進; 岡嶋 成晃; 三田 敏男*; 大部 誠; 大杉 俊隆; 小圷 龍男; 向山 武彦; 大野 秋男; 早瀬 保*; 佐藤 邦雄; et al.
JAERI-M 85-045, 136 Pages, 1985/04
FCA XII-1集合体は軸方向非均質炉心模擬実験計画における2番目の炉心である。測定項目は臨界性、Naボイドワース、サンプルワース、反応率分布、ドップラーワースB制御棒ワースおよび線発熱であり、軸方向核特性全般について実験した。以上は標準炉心での測定であり、続いてBC模擬制御棒挿入体系での測定を行った。実験結果は核データとしてJENDL-2を用い、原研の標準的核特性計算手法を用いて解析を行ない、軸方向非均質炉心の核特性計算における核データと計算手法について検討した。