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論文

Thermophysical properties of dense molten Al$$_{2}$$O$$_{3}$$ determined by aerodynamic levitation

Sun, Y.*; 高谷 友哉*; 牟田 浩明*; 藤枝 俊*; 近藤 俊樹; 菊地 晋; Kargl, F.*; 大石 佑治*

International Journal of Thermophysics, 45(1), p.11_1 - 11_19, 2024/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Thermodynamics)

ガス浮遊法は熱物性を非接触で測定するための有用な手法であるが、これまでの測定は溶融試料の中に気泡がなく、楕円球状であることを仮定して行われてきた。本研究ではアルミナを用いて、ガス浮遊法による物性測定と測定後試料の走査型電子顕微鏡による断面観察を行い、試料に含まれる気泡が測定値に与える影響を評価した。また、浮遊ガスにより試料が変形することによる測定誤差の考察も行った。

論文

The Role of collision ionization of K-shell ions in nonequilibrium plasmas produced by the action of super strong, ultrashort PW-class laser pulses on micron-scale argon clusters with intensity up to 5 $$times$$ 10$$^{21}$$ W/cm$$^{2}$$

Skobelev, I. Yu.*; Ryazantsev, S. N.*; Kulikov, R. K.*; Sedov, M. V.*; Filippov, E. D.*; Pikuz, S. A.*; 浅井 孝文*; 金崎 真聡*; 山内 知也*; 神野 智史; et al.

Photonics (Internet), 10(11), p.1250_1 - 1250_11, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Optics)

物質が高強度レーザーパルスと相互作用して生成されるプラズマの電荷状態の発展において、光電場と衝突電離の影響を明確に区別することは困難である。この研究では、プラズマキネティクスの時間依存計算を用いて、クラスターが十分に小さい低密度のガス状ターゲットを用いた場合にのみ可能であることを示した。Arプラズマの場合、クラスター半径の上限は$$R_0=0.1mu$$mと見積もられた。

論文

Thermophysical properties of molten (Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)$$_{0.95}$$-(SiO$$_{2}$$)$$_{0.05}$$ measured by aerodynamic levitation

近藤 俊樹; 戸田 太郎*; 竹内 淳一*; 菊地 晋; Kargl, F.*; 牟田 浩明*; 大石 佑治*

High Temperatures-High Pressures, 52(3-4), p.307 - 321, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Thermodynamics)

原子炉のシビアアクシデントを評価する手法や数値シミュレーションを確立するためには、関連する溶融物の高温物性、特に流動性の取得が不可欠である。本試験ではシビアアクシデントの初期段階で、原子炉の主構成材である鋼材の酸化物と基盤であるコンクリートの主成分であるSiO$$_{2}$$の接触により生じると考えられる代表組成の、(Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)$$_{0.95}$$-(SiO$$_{2}$$)$$_{0.05}$$混合物の密度や粘度などの熱物性を取得した。その結果、(Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)$$_{0.95}$$-(SiO$$_{2}$$)$$_{0.05}$$混合物の物性値は、以前の研究で得られたFe$$_{2}$$O$$_{3}$$の物性値とほぼ同じであり、微量のSiO$$_{2}$$(約5mol.%)は、Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$の流動性に大きな影響を与えないと結論付けることができた。

論文

Thermophysical properties of molten FeO$$_{1.5}$$, (FeO$$_{1.5}$$)$$_{0.86}$$-(ZrO$$_{2}$$)$$_{0.14}$$ and (FeO$$_{1.5}$$)$$_{0.86}$$-(UO$$_{2}$$)$$_{0.14}$$

近藤 俊樹; 戸田 太郎*; 竹内 淳一*; Kargl, F.*; 菊地 晋; 牟田 浩明*; 大石 佑治*

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1139 - 1148, 2022/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:29.26(Nuclear Science & Technology)

原子炉の過酷事故時の対策として、酸化鉄(FeO$$_{1.5}$$)を犠牲材として用いることにより炉心溶融物の流動性を維持し、コアキャッチャーへと効率的に導く効果が期待されている。また、過酷事故時に原子炉構成材である鉄が酸化される可能性があるため、この酸化物の性質は事故時の挙動解明のためにも重要である。一方で、高温融体、特に高温酸化物融体の物性はその高温反応性のために知見がほとんどないのが現状であり、溶融後の酸化鉄が犠牲材として適した物性を有しているのかは不明であった。本研究では、ガス浮遊法測定装置を用いてFeO$$_{1.5}$$, (FeO$$_{1.5}$$)$$_{0.86}$$-(ZrO$$_{2}$$)$$_{0.14}$$ならびに(FeO$$_{1.5}$$)$$_{0.86}$$-(UO$$_{2}$$)$$_{0.14}$$の密度と粘性を評価し、FeO$$_{1.5}$$の添加によって炉心溶融物の融点が低下すること、また、流動性が低い温度でも維持されることを明らかにした。

論文

Surface nanostructures on Nb-doped SrTiO$$_{3}$$ irradiated with swift heavy ions at grazing incidence

石川 法人; 藤村 由希; 近藤 啓悦; Szabo, G. L.*; Wilhelm, R. A.*; 小河 浩晃; 田口 富嗣*

Nanotechnology, 33(23), p.235303_1 - 235303_10, 2022/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:56.43(Nanoscience & Nanotechnology)

高速重イオンを微小入射角で照射したNb添加SrTiO$$_{3}$$の表面ナノ構造を調べた成果についてまとめた。セラミックスに対して高速重イオンを微小入射角で照射すると、ヒロックチェーン(イオンの飛跡に沿って、複数個並んで形成されるナノヒロック)が表面付近に形成されることが知られている。我々は、ヒロックチェーンの形態・性状をAFM(原子間力顕微鏡)とSEM(走査型電子顕微鏡)を利用して、詳細に調べた。その際に、全く同じヒロックチェーンを、AFMとSEMのそれぞれで観察することに成功した。AFMの観察データは、先行研究の示す通りに、ヒロックチェーンが形成されていることを示している一方で、SEMの観察データは(同じヒロックチェーンを観察しているにもかかわらず)ヒロックチェーンをつなぐ黒い線状コントラストも現れることが判明した。これらの新しい損傷データをもとに、ヒロックチェーンの形成メカニズムについて推論した。さらにTEM(透過型電子顕微鏡)観察し、微小入射角で照射した際に形成される特殊なイオントラック損傷の形成プロセスを明らかにした。

論文

Development of negative muonium ion source for muon acceleration

北村 遼; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; Kim, B.*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; et al.

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(3), p.033403_1 - 033403_9, 2021/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:18.12(Physics, Nuclear)

低エネルギーミューオン源としてアルミニウム薄膜標的を用いた負ミューオニウムイオン(Mu$$^{-}$$)源を開発した。Mu$$^{-}$$イオン源の性能評価のためMu-イオンを生成する実験を行った。Mu$$^{-}$$イオンの測定強度は入射ミューオン強度$$1.3times10^{6}$$/sに対して$$(1.7 pm 0.3) times 10^{-3}$$ Mu$$^{-}$$/sであった。アルミニウム標的上での入射ミューオンに対するMu$$^{-}$$イオンの比である生成効率は$$(1.1 pm 0.2(textrm{stat.})^{-0.0}_{+0.1}(textrm{syst.})) times10^{-6}$$であった。このMu$$^{-}$$イオン源はミューオン加速器の開発を促し、比較的簡便な装置による低エネルギーミューオン源の実用性を実証した。

論文

Production of $$^{266}$$Bh in the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5$$n$$)$$^{266}$$Bh reaction and its decay properties

羽場 宏光*; Fan, F.*; 加治 大哉*; 笠松 良崇*; 菊永 英寿*; 小森 有希子*; 近藤 成美*; 工藤 久昭*; 森本 幸司*; 森田 浩介*; et al.

Physical Review C, 102(2), p.024625_1 - 024625_12, 2020/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:58.52(Physics, Nuclear)

The nuclide $$^{266}$$Bh was produced in the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh reaction at beam energies of 125.9, 130.6, and 135.3 MeV. Decay properties of $$^{266}$$Bh were investigated with a rotating wheel apparatus for $$alpha$$ and spontaneous fission (SF) spectrometry under low background conditions attained by a gas-jet transport system coupled to the RIKEN gas-filled recoil ion separator. The half-life of $$^{266}$$Bh was measured to be $$T_{rm 1/2}$$ = 10.0$$^{+2.6}_{-1.7}$$ s. The $$alpha$$-particle energies of $$^{266}$$Bh disperse widely in the range of 8.62 - 9.40 MeV. The maximum production cross section for the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh reaction was determined to be $$sigma$$ = 57 $$pm$$ 14 pb at 130.6 MeV.

論文

Devil's staircase transition of the electronic structures in CeSb

黒田 健太*; 新井 陽介*; Rezaei, N.*; 國定 聡*; 櫻木 俊輔*; Alaei, M.*; 木下 雄斗*; Bareille, C.*; 野口 亮*; 中山 充大*; et al.

Nature Communications (Internet), 11, p.2888_1 - 2888_9, 2020/06

 被引用回数:21 パーセンタイル:74.83(Multidisciplinary Sciences)

Solids with competing interactions often undergo complex phase transitions. Among them, CeSb is the most famous material where a number of the distinct magnetic phases called devil's staircase appear. We observed the electronic structure evolution across the devil's staircase transitions using bulk-sensitive angle-resolved photoemission spectroscopy.

論文

Development of a bunch-width monitor for low-intensity muon beam below a few MeV

須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 北村 遼; et al.

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(2), p.022804_1 - 022804_7, 2020/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:25.09(Physics, Nuclear)

低エネルギー、低インテンシティーミューオンビームのビーム進行方向のバンチ幅を測定するための破壊的モニターを開発した。このバンチ幅モニター(BWM)は、1つずつのミューオンを高い分解能で測定するためにマイクロチャンネルプレートを用いている。それに加え、タイミングウオークを抑制するために、コンスタントフラクションディスクリミネータ回路を用いている。時間分解能は精密パルスレーザーを用いて65psと測定された。この分解能は、J-PARC E34実験で要求される性能を満たしている。我々は、このBWMを用いて、高周波四重極リニアックによって加速された負ミューオニウムイオンのバンチ幅を測定した。バンチ幅54$$pm$$11nsと測定することに成功した。

論文

Multi-step magnetic transitions in EuNiIn$$_4$$

池田 修悟*; 金子 耕士; 田中 佑季*; 川崎 卓郎; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; 中尾 朗子*; 鬼柳 亮嗣; 大原 高志; 望月 健生*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 89(1), p.014707_1 - 014707_7, 2020/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.81(Physics, Multidisciplinary)

Magnetism in EuNiIn$$_4$$ has been studied by specific heat, magnetic susceptibility, magnetization, $$^{151}$$Eu M$"o$ssbauer spectroscopy, and neutron diffraction experiments. The specific heat shows two magnetic transitions at $$T_{rm N1}$$ and $$T_{rm N2}$$ at zero magnetic field. An antiferromagnetic ground state of EuNiIn$$_4$$ has a uniaxial magnetic anisotropy along the b-axis, revealed by the magnetic susceptibility and the M$"o$ssbauer spectroscopy. Single crystal neutron diffraction experiments clarify that this antiferromagnetic structure in the ground state is characterized by the commensurate propagation vector $$q$$ = (1/2, 1/2, 1/2) which reveals no distinct anomaly at $$T_{rm N2}$$. The magnetization curve along the b-axis at 2 K shows four successive magnetic field-induced transitions up to 50 kOe and, reaches 7 $${mu}_{rm B}$$/f.u. above 190 kOe, The magnetic phase diagram in EuNiIn$$_4$$ has unique characteristics with five magnetic states in low magnetic field.

論文

Development of inter-digital H-mode drift-tube linac prototype with alternative phase focusing for a muon linac in the J-PARC muon g-2/EDM experiment

中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012054_1 - 012054_7, 2019/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:92.17(Physics, Particles & Fields)

J-PARC E34実験用の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)を開発している。このIH-DTLはミューオンを0.34MeVから4.5MeVまで加速周波数324MHzで加速する。さらに、交換収束法を用いるため、横方向の収束が電場のみでなされ、磁場収束に比べて収束力が弱い。そのため、入射マッチングが重要になる。そのためプロトタイプを製作し、ビーム特性を検証する計画である。この論文では、IH-DTLプロトタイプのためのチューナーやカップラーの開発、特に低電力測定結果について述べる。

論文

Negative muonium ion production with a C12A7 electride film

大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 的場 史朗*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 長谷川 和男; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012067_1 - 012067_6, 2019/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:72.74(Physics, Particles & Fields)

負ミューオニウムはそのユニークな性質から様々な科学の分野で応用される可能性がある。1980年代に真空中で初めて生成されて以来、仕事関数の低い物質を用いて負ミューオニウム生成効率を高めることが議論されてきた。アルミナセメントの構成物質であるC12A7は良く知られた絶縁体であるが、電子をドープすることで導体として振舞うことが近年発見された。このC12A7エレクトライドは2.9eVという比較的低い仕事関数を持ち、負イオン生成効率を示すと期待されている。本論文では、従来用いていたアルミニウム、C12A7エレクトライド、さらにステンレスターゲット用いた負ミューオニウムイオン生成効率の比較について述べる。測定された生成率は10$$^{-3}$$/sであり、現状セットアップではエレクトライドにおいても大きな生成率向上は確認されず、表面状態をより注意深く整える必要であることが推定される。また、生成された負ミューオニウムの平均エネルギーに材質依存はなく、0.2$$pm$$0.1keVであった。

論文

Experimental evaluation of wall shear stress in a double contraction nozzle using a water mock-up of a liquid Li target for an intense fusion neutron source

近藤 浩夫*; 金村 卓治*; 朴 昶虎*; 小柳津 誠*; 平川 康; 古川 智弘

Fusion Engineering and Design, 146(Part A), p.285 - 288, 2019/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.81(Nuclear Science & Technology)

核融合中性子源では重陽子ビームターゲットに液体金属リチウムの壁面噴流(Liターゲット)を採用し、Liターゲットは真空中(10$$^{-3}$$Pa)を高速(15m/s)で流れ、重陽子との核反応で中性子を発生させるともにビーム入熱(10MW)を除去する。本研究では、IFMIF/EVEDA工学実証活動で建設した液体リチウム試験ループ(ELTL)の構造健全性評価のため、Liターゲットを生成するノズル内流動場の評価を行った。ターゲットアッセンブリのアクリルモデルおよび作動流体として水を用い、ノズル内の流速分布をレーザードップラー流速計により計測し、せん断応力分布を評価した。結果として、2段縮流ノズルの2段目付近でせん断応力が最大値をとることが明らかになり、この箇所の腐食損傷を調査する必要があることを示した。

論文

Beam commissioning of muon beamline using negative hydrogen ions generated by ultraviolet light

中沢 雄河*; Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; 北村 遼; Kim, B.*; Ko, H. S.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 937, p.164 - 167, 2019/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.89(Instruments & Instrumentation)

再加速された熱ミューオンビームを用いたミューオンの異常磁気モーメント及び電気双極子モーメント精密測定実験用のミューオンリニアックを開発中である。このリニアックのためのUV光駆動の負水素イオン源を開発した。ミューオン加速実験の前にこのイオン源を用いたビームラインの調整を行った。加速ミューオンの分別に必要な偏向電磁石の磁場強度を負水素ビームを用いて確認することができた。このイオン源はミューオンビームラインのコミッショニングに広く用いることができる。

論文

Enhancement of element production by incomplete fusion reaction with weakly bound deuteron

Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.

Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:55.71(Physics, Multidisciplinary)

陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、$$^{107}$$Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。

論文

ミューオン高周波加速のための高時間分解能バンチ長測定

須江 祐貴*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 四塚 麻衣*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 下村 浩一郎*; 二ツ川 健太*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.55 - 60, 2019/07

本論文では、RFQによって89keVまで加速されたミューオンのバンチ長測定について述べる。ミューオンの性質の詳細測定のための、4種類の加速構造を持つリニアックがJ-PARCにおいて開発中である。2017年に、RFQを用いたミューオン加速の実証と横方向プロファイル測定が行われた。次の課題は、次段の加速器のアクセプタンスとビーム整合するために必要な縦方向のビームモニタである。このために、マイクロチャンネルプレートを用いた新しい縦方向ビームモニタを開発中である。このモニタは加速周波数324MHzの1%に相当する時間分解能である30から40psを目標にしている。2018年10月に、RFQによって89keVまで加速された負ミューオニウムイオンのバンチ長測定に成功した。測定されたバンチ長は、0.54$$pm$$0.13nsであった。

論文

J-PARC E34 muon g-2/EDM実験; 低エミッタンスミューオンビーム実現に向けた高時間分解能縦方向ビームプロファイルモニターの開発

四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 下村 浩一郎*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.814 - 817, 2019/07

ミューオンの異常磁気能率(g-2)は新物理の兆候が期待されている物理量であり、実験値と標準理論の予測値の間には現在3$$sigma$$以上の乖離が確認されている。J-PARC E34実験では独自の手法による精密測定を目指しており、主要な系統誤差を削減するために低エミッタンスビームを使用する。これは、熱エネルギーまで冷却したミューオンを、速度に応じた複数段階の線形加速器を用い212MeVまで再加速することによって生成する。実験の要求から加速中のエミッタンス成長を抑える必要があるため設計値実現には異なる加速器間でのビームマッチングが重要であり、実際のビームプロファイル測定に基づいて行われる必要がある。時間方向の測定に使用するモニターには、加速位相の1%である30$$sim$$40psに相当する精度が要求されている。また、イオン源開発初期のビーム強度が低い段階でも使用可能でなければならないため、ミューオン1つに対して感度を持つ必要がある。この2つの要求を満たすため、高い感度を持つマイクロチャンネルプレートと、波高依存性の削減により高時間分解能の達成が可能であるCFD回路を用いたモニターの開発を行った。また、性能評価のためにテストベンチの構築を行い、ピコ秒パルスレーザーをMCP表面に照射した際に起こる光電効果によって生成した光電子を用い、時間分解能65psの評価値を得た。本発表では、テストベンチによるモニターの性能評価結果を報告する。

論文

ミューオン線形加速器APF方式IH-DTLプロトタイプ用入力RFカップラーの開発

中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩下 芳久*; 岩田 佳之*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 須江 祐貴*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.404 - 407, 2019/07

J-PARCミューオンg-2/EDM精密測定実験を実現するためのミューオン線形加速器の1つであるAPF方式IH-DTLのプロトタイプでは、ミューオンを$$beta$$=0.08から0.15まで加速するために運転周波数324MHzが採用された。加速性能を満たすためには60kWの高周波電力を投入する必要がある。ビーム電流はほぼゼロかつデューティーが0.25%と低いことから、構造を単純化するために一台のRF入力カップラーを介して電力を投入する。カップラーは同軸導波管をベースに設計し、空洞との整合にはループアンテナを用いる。ループアンテナを空洞に挿入した場合、インピーダンス不整合や空洞内の電磁場歪みにより、加速性能が低下する恐れがある。電磁場歪みを抑制するためにループアンテナの挿入量を必要最低限にしつつ、空洞との電力反射が最小(VSWR(電圧定在波比)$$sim$$1)となるようにループアンテナを最適化する必要がある。我々はループを最適化するためのテストカップラーを用いた低電力試験を行うことで、VSWR=1.01かつ電磁場歪みを7%以内に抑制するループ形状を確認した。本発表では、テストカップラーによるループアンテナの最適化の結果を報告すると共に、実機カップラー開発に向けた高周波窓の設計について述べる。

論文

J-PARCミューオンg-2/EDM実験; 低エミッタンスミューオンビームにおけるスピン反転装置の開発

安田 浩昌*; 飯沼 裕美*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 須江 祐貴*; 中沢 雄河*; 的場 史朗*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.371 - 375, 2019/07

基礎的な物理量の一つであるミューオンの異常磁気モーメント(g-2)は理論的および実験的にも高精度に求められることから、理論を検証するためにも重要な物理量である。ブルックヘブン国立研究所で行われた先行実験により、標準模型による計算値と実験による測定値との間に3$$sigma$$以上の乖離があることがわかった。これは、標準模型を超えた物理を示唆しており、より高精度な測定により検証する必要がある。J-PARC muon g-2/EDM実験では、低エミッタンスなミューオンビームを用いることで、先行実験における主要な系統誤差要因を抑制することができる。一方で、高強度なミューオンビームを利用するため、検出器などによる時間応答性の系統誤差が発生する。本研究では、加速低速部でのスピン反転を行うことで可能なスピン反転解析法により、時間応答性由来の系統誤差抑制を目指す。現在、スピン反転装置の候補としてWien-filter型を検討しており、概念設計を行い、現状のシミュレーションではx方向及びy方向のエミッタンス増大がそれぞれ64%と56%であるが、さらなる電場の改良により46%と2%まで抑えられる可能性があることを見出した。本講演ではミューオンスピン反転装置の設計・開発状況について報告する。

論文

Development of the longitudinal beam monitor with high time resolution for a muon linac in the J-PARC E34 experiment

四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 須江 祐貴*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 齊藤 直人; 長谷川 和男; 近藤 恭弘; 北村 遼; et al.

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2571 - 2574, 2019/06

J-PARC E34実験はミューオンの異常磁気モーメントと電気双極子モーメントの高精度測定を目標にしている。この実験では、室温で生成されたミューオニウムをレーザー共鳴方でイオン化した超低速ミューオンを多段のリニアックで加速したミューオンビームを用いる。実験の要請を満たすには加速中のエミッタンス増大を抑えることが必要である。エミッタンス増大の主要な要因の一つは異なった加速構造間でのビームの不整合であるので、これらを測定するための縦横両方向のビームモニタが重要である。このうち、324MHzの加速構造の縦方向測定を行うモニタは、その加速周期の1%の時間分解能が要求される。さらに、ビーム調整段階でのミューオンビーム強度が非常に低いので、ミューオン1つに対する感度が必要である。これらの要求を実現するために、我々はマイクロチャンネルプレートを用いた縦方向ビームモニタを開発している。テストベンチでの分解能評価では、65psを達成した。さらに、RFQを用いたビーム試験で、縦方向バンチ長を測定することに成功した。さらに精度を高めるための改良も計画中である。本論文ではこの縦方向ビームモニタのテストベンチでの性能評価について述べる。

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