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Autsavapromporn, N.*; 鈴木 雅雄*; 舟山 知夫; 宇佐美 徳子*; Plante, I.*; 横田 裕一郎; 武藤 泰子*; 池田 裕子; 小林 克己*; 小林 泰彦; et al.
Radiation Research, 180(4), p.367 - 375, 2013/10
被引用回数:58 パーセンタイル:89.5(Biology)ヒト正常培養細胞集団のごく一部に照射を行い、照射シグナルの伝達に細胞間ギャップ結合が果たす役割を解析した。コンフルエント培養した細胞に、X線および重イオンビーム(炭素、ネオン、アルゴン)のマイクロビームを用いて照射を行い、培地へのギャップ結合阻害剤添加の有無によるバイスタンダー効果誘導の違いを比較した。X線と重イオンの双方のマイクロビーム照射によって、線量に応じた微小核形成のバイスタンダー効果誘導が認められた。ギャップ結合阻害剤の添加によって、重イオンマイクロビームによって誘導されたバイスタンダー効果は抑制されたが、X線マイクロビームによるバイスタンダー効果は抑制されなかった。この結果は、バイスタンダー効果の誘導には線質が重要であることを示す。
日野 竜太郎; 横溝 英明; 山崎 良成; 長谷川 和男; 鈴木 寛光; 曽山 和彦; 林 眞琴*; 羽賀 勝洋; 神永 雅紀; 数土 幸夫*; et al.
日本機械学会誌, 107(1032), p.851 - 882, 2004/11
中性子は物質科学,生命科学等の先端的科学研究を推進するうえで不可欠であり、より大強度の中性子源が強く要望されている。この要望に応えるため、日米欧においてMW級陽子ビームによる核破砕反応を利用した新しい中性子源の開発・建設が進められている。我が国では、日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同で核破砕中性子源の建設を中核とした大強度陽子加速器計画を進めている。本計画における核破砕中性子源は既存の研究炉(JRR-3)よりも中性子強度が2桁以上高い性能を有しており、先端的科学研究を推進するとともに、中性子利用による新産業創出に貢献することを目的としている。本小特集号では、大強度陽子加速器計画の核破砕中性子源において、何ができるのか,何に使えるのか,何がわかるのか,何に役立つのかを具体的に示し、核破砕中性子源の設計・開発・製作状況を液体重金属技術等の基盤技術とともに紹介する。併せて、世界最高強度・性能の陽子加速器システム及び大強度中性子の利用系における新技術・知見を紹介する。
シュラウド・再循環系配管サンプル調査チーム; 中島 甫*; 柴田 勝之; 塚田 隆; 鈴木 雅秀; 木内 清; 加治 芳行; 菊地 正彦; 上野 文義; 中野 純一; et al.
JAERI-Tech 2004-015, 114 Pages, 2004/03
東京電力(株)福島第二原子力発電所2号機においては、原子力安全・保安院の指示によりシュラウド溶接部の目視点検を実施し、炉心シュラウド中間胴/中間部リング溶接線H3外面にひび割れを発見した。本調査は、東京電力(株)が日本核燃料開発(株)にて実施するき裂を含む材料サンプルの調査・評価に関して、原研が第三者機関として調査計画の策定段階から加わり、調査中には随時試験データの評価や試験現場への立会を実施し、最終的に得られた調査データを入手し原研独自の調査報告書を作成することにより、調査の透明性を確保することを目的として実施した。本調査の結果と溶接により発生する引張残留応力及び炉水中の比較的高い溶存酸素濃度を考慮すると、このき裂は応力腐食割れ(SCC)であると考えられる。応力腐食割れの発生原因については、さらに施工法の調査などを行い検討する必要がある。
坂本 幸夫; 鈴木 友雄*; 佐藤 理*; 平山 英夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.484 - 487, 2000/03
点減衰核積分法による線遮蔽計算法の計算精度を向上させるため、線ビルドアップ係数データの算出法の検討を行った。現在ANSI/ANSの標準データとして使用されているPALLASコードによる高原子番号の元素のデータは、高エネルギー線について制動輻射線が前方に放出されると近似しているため、電磁カスケードモンテカルロコードEGS4による結果に比べて過大評価となっている。このため、遮蔽体中での線の挙動をPALLASコードより詳細に取り扱うBERMUDAコードで単一層の鉛における線ビルドアップ係数の計算を行った。低エネルギー領域については蛍光X線の効果、高エネルギー領域についてはEGS4コードで計算した制動輻射線生成マトリックスを組み込むことにより、制動輻射線の効果を考慮した。これにより、BERMUDAコードを用いて低エネルギーから高エネルギーまで一貫して線ビルドアップ係数を算出できる見通しを得た。
高田 昌二; 鈴木 邦彦*; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 65(635), p.303 - 311, 1999/07
圧力容器上鏡部に三次元形状でスタンドパイプが林立する高温ガス炉の受動的崩壊熱除去用水冷形冷却パネルシステムの除熱特性と構造物温度分布を実験により調べた。実験装置は頂部に19本のスタンドパイプを設置し、炉心の崩壊熱を模擬した最大出力100kWの電気ヒータを内蔵した直径1m、高さ3mの圧力容器と容器を囲む冷却パネルで構成する。解析コードTHANPACST2を実験データに適用し、コードの解析手法と新たに提案したスタンドパイプをポーラスボディセルにより模擬した軸対象モデルの妥当性を評価した。圧力容器の最高温度が430C、ヘリウムガス圧力が0.47MPaの条件で、数値解析は圧力容器頂部に最高温度が現れる温度分布を適切に評価し、実験結果と比較して-25,+70Cの差異で評価した。一方、冷却パネル除熱量の数値解析結果は、実験結果に対して4.1%低く評価した。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(5), p.413 - 423, 1999/05
被引用回数:2 パーセンタイル:21.18(Nuclear Science & Technology)上鏡部に三次元形状でスタンドパイプが林立する圧力容器を有する高温ガス炉の水冷形冷却パネルによる受動的崩壊熱除去特性と構造物温度を実験により調べた。実験装置は、19本のスタンドパイプを有し、炉心の崩壊熱を模擬した最大出力100KWのヒータを内蔵した直径1m、高さ3mの圧力容器と、空気を充填した炉室と圧力容器を囲む冷却パネルで構成する。軸対称解析コードTHANPACST2を実験結果に適用し、解析手法と新たに提案した三次元形状を有するスタンドパイプをポーラスボディセルで模擬した軸対称モデルを検証した。圧力容器最高温度430C、ヘリウムガス圧力0.47MPa条件で、数値解析は、最高温度が現れる圧力容器頂部温度を実験結果に対し-25、+70Cの差異で、また、冷却パネル除熱量を実験値に対し、-4.1%の差異で比較的よく評価した。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 65(633), p.248 - 254, 1999/05
高温ガス炉の空冷形冷却パネルによる受動的熱除去特性と構造物温度分布を実験により調べた。実験装置は、19本のスタンドパイプを有し、炉心の崩壊熱を模擬した最大出力100kWヒータ内蔵の直径1m、高さ3mの圧力容器と容器を囲む冷却パネルで構成する。軸対象解析コードTHANPACST2を実験結果に適用し、解析手法と解析モデルの妥当性を検証した。圧力容器最高温度514C、ヘリウムガス圧力0.64MPa条件で、数値解析は、圧力容器温度を実験結果に対し-10C、+50Cの差異で比較的よく表すとともに、冷却パネル除熱量を実験値に対し-15.4%の差異で比較的よく評価した。
辻 宏和; 倉田 有司; 三輪 幸夫; 板橋 行夫; 雨沢 博男*; 島川 聡司; 三村 英明; 北 智士; 鈴木 富男; 塚田 隆; et al.
Advances in Science and Technology, 24, p.483 - 490, 1999/00
高速増殖炉「もんじゅ」の構造材である304ステンレス鋼を対象として、中性子照射による弾き出し損傷量を約2dpa一定に保ちながら、核変換ヘリウム生成量を1,3及び16appmの3水準に変えることにより、中性子照射材の機械的性質に及ぼすヘリウム生成量の影響を分離抽出することを目的として、熱中性子炉JMTR用の特殊照射キャプセルを開発した。この特殊照射キャプセルを用いてJMTRにおいて400及び550Cで304ステンレス鋼の中性子照射を行い、照射材の引張、破壊靱性、クリープ、疲労の諸試験及びTEMによる組織観察を行うとともに照射前の基本特性試験を行う体系的な研究プログラムを進めてきた。本報告では、計画の全体概要について述べるとともに特殊照射キャプセルの特徴、これまでに得た照射前の基本特性試験結果及び照射後試験結果について述べる。
渡辺 昇*; 勅使河原 誠*; 相澤 一也; 鈴木 淳市; 大山 幸夫
JAERI-Tech 98-011, 15 Pages, 1998/03
原研における中性子化学研究計画では、主加速器として陽子エネルギー1.5GeV、総ビーム出力約8MWの超伝導リニアックが考えられており、そのうちの約5MWを用いて世界最大級の短パルス核破砕中性子源施設の計画が目論まれている。本稿では、大強度核破砕中性子源施設の基本的なコンセプトを構築するために、まず、完成時に重要になると考えられる実験の種類、測定器を想定し、それらに必要な冷、熱及び熱外中性子ビームを得るためのモデレータの選定を行い、実験室内における測定器の最適配置を基にターゲット・減速材・反射体システムのコンセプトを提案した。中性子源施設の性能指標としては、各ビームラインの中性子ビーム強度とビームラインの数の積で表せるが、できる限り多くの測定器が設置できるよう工夫した結果、中性子ビームラインが30本以上、中性子測定器が40台以上設置できる配置案が得られた。
山田 安定*; 渡辺 昇*; 新村 信雄; 森井 幸生; 片野 進; 相澤 一也; 鈴木 淳市; 小泉 智; 長壁 豊隆; 勅使河原 誠*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 241-243, p.42 - 45, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:33.02(Physics, Condensed Matter)原研は、従来、研究用原子炉を中心として研究を行って来た東海研究所の新しい将来を拓く目的で「中性子科学研究センター構想」を提案している。この研究センターは「大強度陽子加速器を中心とする多目的研究施設」として特徴づけられる。この計画の第1の柱は自然科学の基礎分野の発展を図ることで、この中には、中性子散乱による物質科学、材料科学、生命科学の研究の他中性子核物理学等が含まれる。第2の柱は、高レベル廃棄物の処理に関連して加速器駆動長寿命核種消滅処理技術を開発することである。6~8MWの陽子加速器を用い、このうち約5MWが中性子散乱施設に供給される。
大山 幸夫; 水本 元治; 日野 竜太郎; 滝塚 貴和; 鈴木 康夫*; 安田 秀志; 渡辺 昇*; 向山 武彦
Proc. of 2nd Int. Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerator Technology (AccApp'98), p.337 - 344, 1998/00
原研中性子科学研究計画では、大強度パルス及び連続ビーム核破砕中性子源を含む核破砕中性子を利用する研究施設の概念検討を行っている。この計画は、基礎科学及び長寿命核種の加速器駆動消滅処理の技術開発を、中性子を利用して推進するものである。主な施設は8MWの陽子加速器、中性子散乱研究用の5MWの核破砕中性子ターゲットステーション、消滅処理技術、核物理、材料照射、医療用RI利用、RIビームの各研究開発施設である。本編では加速器及び核破砕ターゲットの技術開発、研究施設概念設計の現状について報告する。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
Transactions of the American Nuclear Society, 79, p.160 - 161, 1998/00
高温ガス炉の空冷形冷却パネルシステムによる受動的崩壊熱除去特性と構造物温度分布を実験で調べた。実験装置は、19本のスタンドパイプ、模擬炉心として出力100KWのヒータを内蔵した直径1m、高さ3mの圧力容器と容器を囲む冷却パネルで構成する。システム設計・評価で高い信頼性が要求される過熱ガスの自然対流による圧力容器温度への影響評価のために6分割ヒータの最下段のみ点火した条件と、圧力容器最高温度を514Cまで高めた事故時温度条件の実験結果に、解析コードTHANPACST2を適用し解析手法とモデルの妥当性を検証した。数値解析は、スタンドパイプにより除熱が抑制され、高温のガスの自然対流により過熱される圧力容器頂部の温度を、実験値に対し0~+50Cの差異で比較的よく表し実験値を高く評価する保守性を有した。システム除熱量は、実験値に対し-5.9~-18%の差異で比較的よく表し実験値を低く評価する保守性を有した。
篠原 孝司*; 星野 克道; 白岩 俊一*; 花田 和明*; 遠山 濶志*; 三浦 幸俊; 鈴木 紀男; 山岸 健一*; 及川 聡洋*; 戸塚 裕彦*; et al.
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.433 - 436, 1997/00
被引用回数:4 パーセンタイル:37.09(Nuclear Science & Technology)JFT-2での正常波反射計によるプラズマの密度揺動の測定結果について報告する。波の位相差は「暴走位相」すなわち、予想される位相変化よりかなり大きな変化を示す。この原因については、種々の原因が考えられるが未だ同定するに至っていない。しかし、高速サンプリングを行い位相の時間発展を詳細に調べてみると、位相はステップ状に変化していることがわかった。その平坦部の密度揺動は、規格化小半径0.8で1%(OH加熱のみ)、Lモードで4%、小半径0.9で10%(Hモード)となっていることがわかった。また、この揺動は100kHz付近にピークをもつスペクトルをもつことがわかった。これをドリフト波周波数と比較した。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
Heat Transfer-Jpn. Res., 26(3), p.159 - 175, 1997/00
高温ガス炉(HTGR)の崩壊熱除去用水冷形冷却パネルシステムの除熱特性と構造物の温度分布を調べるため、システムを模擬した実験装置により実験を行った。実験装置は、炉心の崩壊熱を模擬した最高出力100kWの電気ヒーターを内蔵した、直径1m,高さ3mの圧力容器と、容器を取り囲む冷却パネルからなる。数値解析コードTHAPACST2の数値解析手法と提案されたモデルを検証するために、実験と数値解析の比較検討を行った。圧力容器内ヘリウムガス圧力を0.73MPa,温度を210Cの条件で、圧力容器温度は-29C,+37Cの誤差の範囲で実験データをよくあらわした。冷却パネルの除熱量の数値解析結果は実験結果に比べて11.4%低く、放射による伝熱量は除熱量の全入熱量の74.4%であった。また、圧力容器のスカート形サポートの上下端の空気流路を流れる自然対流により圧力容器の下鏡部が効果的に冷却されることがわかった。
鈴木 康夫*; 大山 幸夫; 佐々 敏信; 安田 秀志; 滝塚 貴和; 水本 元治; 渡辺 昇*; 向山 武彦; 鈴木 邦彦; 東稔 達三
Application of Accelerators in Research and Industry, 0, p.1115 - 1118, 1996/00
原研では、中性子科学研究計画を将来の大型研究プロジェクトとして提案している。このプロジェクトは新しい基礎科学と原子力研究を大強度陽子加速器によって開拓しようとするものである。中性子科学研究計画は、超伝導陽子加速器、ターゲットシステム、利用研究施設からなる。大強度陽子加速器は1.5GeV、10mA程度が想定されている。利用研究計画としては、基礎研究としては、構造生物学、物質科学の中性子散乱、中性子核物理、スポレーションRI核物理、原子力研究では、核廃棄物消滅処理施設のための研究開発、照射実験などが検討されている。すでに、大強度陽子加速器の入射部についてのR&Dに着手され、10年後の完成をめざして計画を進めている。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 62(600), p.3109 - 3117, 1996/00
高温ガス炉の崩壊熱除去用水冷形冷却パネルシステムを模擬した実験装置により、各構造物の温度分布とシステムの除熱特性を調べた。実験装置は炉心の崩壊熱を模擬する直径1m、高さ3mの圧力容器と圧力容器を取り囲む冷却パネルから構成される。解析コードTHANPACST2を実験結果に適用し、解析手法及びモデルの検証を行った。圧力容器内に0.73MPaのヘリウムガスを充填し圧力容器の最高温度が210Cとなる条件で、圧力容器温度の解析結果は実験結果に対して-29~+39Cの誤差で評価した。冷却パネル除熱量の解析結果は実験結果に対して11.4%低く、放射伝熱の割合は全除熱量の74.4%を占めた。解析結果から、圧力容器を支持するスカート型サポートの上下端に設けた流路を流れる自然対流が圧力容器下鏡を有効に冷却することがわかった。
日野 竜太郎; 鈴木 邦彦; 羽賀 勝洋; 根小屋 真一; 深谷 清; 清水 三郎; 小貫 薫; 高田 昌二; 茂木 春義; 数土 幸夫
JAERI-Review 95-016, 115 Pages, 1995/10
HTTRの目的の一つは高温核熱利用の有効性を実証することである。HTTRに熱利用系を接続するのに先立ち、熱利用系及び構成機器の性能、熱利用系と原子炉システムとの整合性、安全性能などを検証する必要がある。そこで、HENDELを用いた炉外実証試験を提案し、これまで熱利用系の候補として挙げられてきた水素/メタノール製造システム(水蒸気改質システム)、熱化学法及び高温水蒸気電解法による水素製造システム、ガスタービン発電等について、R&Dの現状、技術的問題点、システムの概要などについて検討を行った。本報告はその検討結果を示すものであり、水蒸気改質システムは他のシステムより容易に設計・製作が可能であるため、HENDELに早期に設置し、炉外実証試験を通して、システム特性の把握、運転制御法の確立等を行うとともに、将来の核熱利用系に対して汎用性のある高温隔離弁、受動的冷却型蒸気発生器などの各種安全機器・技術を検証・高度化することができることを示した。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
JAERI-Research 95-049, 36 Pages, 1995/07
MHTGR用水冷型冷却パネルシステムの除熱特性を調べるために、冷却パネル特性試験により得られた代表的3ケース(圧力容器内真空、ヘリウム0.73MPa、窒素1.1MPa)に、二次元数値解析コード-THAPACST2-を適用し、実験データとの比較により数値解析コードを検証し、水冷型冷却パネルシステムの除熱特性について以下の各項を明らかにした。(1)圧力容器及び冷却パネル外表面の熱放射率0.80を用いた圧力容器温度と冷却パネル除熱量の数値解析結果は0.95の場合と比較して保守的で適切な評価であった。容器温度が最高420Cとなる窒素ガス条件で、容器温度は実験値に対して+72C、-128C、冷却パネル全除熱量はヒータ出力に対して-16.4%の精度で予測可能だった。(2)炉室内空気の自然対流による除熱量が15~30%と冷却パネル全除熱量に対する割合が小さいにも関わらず、容器温度が炉室内空気の自然対流に大きく影響を受ける。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 井岡 郁夫; 数土 幸夫
JAERI-Research 95-048, 41 Pages, 1995/07
MHTGR用受動的冷却システムの冷却特性を把握するために、高温ガス炉炉床部(CBS)の実寸大モデルであるHENDEL-T試験部により、圧力容器内ヘリウムガス圧力を1~3MPaの範囲で変えて、冷却材強制循環喪失事故を模擬した自然循環試験を行った。試験により得られたデータを用いて数値解析コードTHANPACST2の数値解析手法及びモデルの検証を行うとともに、自然循環時におけるヘリウムガスの伝熱流動特性及び構造物温度の過渡変化挙動を調べた。炉床部黒鉛ブロック間のヘリウムガスの漏れ流れを考慮した数値解析結果は実験結果をよく表した。また、構造物の温度の過渡変化は、炉床部黒鉛ブロック間のヘリウムガスの漏れ流れ、ヘリウムガス圧力及びHENDEL-M+Aループにある高温配管等の高温機器からの放熱の影響を受ける。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
Transactions of the American Nuclear Society, 73, p.477 - 478, 1995/00
モジュラー型高温ガス炉の崩壊熱除去用水冷型冷却パネルシステムにおける構造物の温度分布及び除熱特性をシステムを模擬した実験装置により調べた。実験装置は径1m高さ3mの圧力容器に内蔵した最高出力100kWのヒータと圧力容器を囲むように設置した冷却パネルと大気雰囲気の炉室により構成される。本実験で得られた圧力容器内ヘリウムガス0.73MPa、窒素ガス1.1MPa充填の2条件に数値解析コードTHANPACST2を適用し、実験結果との比較からコードの検証を行った。圧力容器温度が最高420Cとなる窒素ガス条件での圧力容器表面温度の解析結果は、実験値に対して最大-72C、+128Cの差であった。冷却パネル除熱量の解析結果は、ヒータ出力の実験値に対して-16.4%の精度で予測が可能であった。炉室内空気の自然対流による除熱量が15~30%と冷却パネル全除熱量に対する割合が小さいにも関わらず、圧力容器温度が炉室内空気の自然対流に大きく影響を受ける。