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大矢 恭久*; 広畑 優子*; 中畑 俊彦*; 須田 泰市*; 吉田 雅史*; 新井 貴; 正木 圭; 奥野 健二*; 田辺 哲朗*
Fusion Science and Technology, 52(3), p.554 - 558, 2007/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60Uで用いられた第一壁グラファイトタイル表面の水素同位体蓄積挙動を評価するために、SEM, TDS, XPS及びSIMSを用いて、主要なタイルの堆積・損耗分布及び水素同位体蓄積量を調べた。その結果、第一壁上側は厚いボロン膜に覆われていた。一方、第一壁下側ではボロンと炭素の混合膜が形成していた。ポロイダル方向の重水素分布は比較的均一であることがわかったが、TDSによる重水素脱離挙動はタイルの位置により大きく異なっていた。第一壁上側では厚いボロン膜に覆われており、重水素TDSスペクトルは第一壁下側のボロン濃度が低い膜中の重水素脱離温度と比べて低い温度で放出ピークが観測された。また、第一壁タイルにおけるD/H比はダイバータタイルで測定されたD/H比よりも明らかに大きく、第一壁へのNBIによる高エネルギーの重水素の打ち込みによる影響が考えられた。さらに、ダイバータと比較して第一壁では放電実験中の温度が573Kと低いため、打ち込まれた重水素の脱離が少なく、D/H比が高くなったと推察された。
中畑 俊彦*; 大矢 恭久*; 吉河 朗*; 須田 泰市*; 小柳津 誠*; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 柳生 純一; 木津 要; 信太 祐二; et al.
no journal, ,
JT-60Uにて行われているボロニゼーションを模擬し、静岡大学のP-CVDにて膜調製を行った高純度ボロン膜に対して飽和量の重水素を照射した後、加熱とSIMS測定を繰り返し行い、膜中に捕捉された水素同位体放出過程に関する以下の知見を得た。673K, 773K, 873Kでの等温加熱実験の結果、膜中に捕捉された重水素は表面に偏在しており、表面での再結合反応を律速段階として放出していることがわかった。各加熱温度での等温加熱実験の結果と質量平衡方程式による解析により、各温度での実効的な再結合定数をそれぞれ算出し、実効的な活性化エネルギーを1.80.02eVと決定した。この値は、Gaussian 03を用いた計算結果とH-H結合の生成エネルギーの関係から算出された値よりもわずかに大きい。この違いは膜内における拡散の影響と考えられる。一方、算出された活性化エネルギーをもとに数値解析した昇温脱離スペクトルのピーク位置が実験結果と一致することから、質量平衡方程式から算出された活性化エネルギーを用いて、実機における水素同位体の放出過程を模擬できることが期待される。
小林 和容; 林 巧; 五十嵐 恵美*; 須田 泰市*; 大矢 恭久*; 山西 敏彦; 奥野 健二*
no journal, ,
ITER及び将来の核融合炉建設に向けて、環境へのトリチウム放出や作業従事者被ばくを低減し安全を確保する観点から、材料表面におけるトリチウムの汚染挙動を把握することは非常に重要である。特に、ホットセルでのメンテナンス時等において各種材料は高濃度のトリチウムに曝される。それら各種材料のトリチウム汚染挙動を把握するために、建屋内に用いられる有機系材料であるアクリル樹脂,ブチルゴム及びエポキシについてトリチウム水蒸気への曝露・除染試験をし、脱離係数を求めるとともに、その後さらにパージガス中の水分濃度をパラメーターに、材料表面に残留するトリチウムの除染効果について検討した。これまで、エポキシ塗料に関しては、パージガス中の水分濃度をパラメーター(100ppm, 1000ppm, 10000ppm)にデータを蓄積してきた。本報告では、アクリル樹脂及びブチルゴムに関して検討するとともに、FT-IR等により材料表面に吸着したトリチウムの化学形を明らかにするとともにその付着(吸着)・除染メカニズムについて検討した。
西川 祐介*; 小柳津 誠*; 須田 泰市*; 吉河 朗*; 篠崎 崇*; 宗像 健三*; 藤井 俊行*; 山名 元*; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; et al.
no journal, ,
LiSiOペブルを用い、日本原子力研究開発機構の核融合中性子源施設(FNS)にて14MeV中性子照射を、京都大学原子炉実験所にて熱中性子照射を実施し、生成する照射欠陥の熱アニーリングによる消滅過程を速度論的に解明し、トリチウム放出過程と比較検討した。等温加熱アニーリング実験としての加熱を行った後、照射した試料を電子スピン共鳴(ESR)測定を行った。また熱中性子照射した試料に関して、等速昇温加熱実験によるトリチウム放出挙動を調べた。測定結果より、両照射試料において、酸素空孔に電子が1つ捕捉されたE'-センターを含む種々の欠陥が生成され、欠陥量は熱中性子照射試料の方が多いことがわかった。また熱中性子照射試料より14MeV中性子照射試料の方が生成した欠陥が速く消滅することが示唆された。さらに減衰曲線の形状から、照射欠陥の消滅挙動には速い過程と遅い過程の2つの過程が存在することが確認された。これら2つの過程の活性化エネルギーを算出した結果、14MeV中性子及び熱中性子照射試料の速い過程においてはそれぞれ、0.13eV, 0.12eVであり、ほぼ同じ値を示した。一方、遅い過程においてはそれぞれ、0.39eV, 0.56eVで明確な差が確認された。特に、遅い過程は酸素の拡散によるE'-センターの消滅の活性化エネルギーであり、その差は、酸素が拡散する際の、試料内における欠陥密度の差による障壁の差であると考えた。
林 巧; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 小林 和容; 山西 敏彦; 須田 泰市*; 奥野 健二*
no journal, ,
水素同位体の金属-水界面での移行挙動は、界面の物理化学的構造と水素及び酸素との相互作用により大きく変動し得る。これらの現象の理解は、ブランケットや熱交換器等での冷却水へのトリチウム透過など核融合炉のトリチウムの安全取扱上、非常に重要であるが、系統的な実験結果は報告されていない。本研究では、まず比較的水素移行挙動がよく理解されている純鉄配管と高純度のトリチウムを用い、トリチウムの金属から水中への移行挙動を水中でのトリチウムの存在化学形を監視しながら連続測定した。その結果、(1)界面の酸化膜の成長により、金属から水へ移行する水素同位体の存在化学種が水素状から水状へと劇的に相対変化する。酸化膜を機械的に除去すると一時的に水素状トリチウムが増加。(2)純鉄-水界面にマグネタイトが成長しても水素同位体透過防止効果を促進しない。(3)パージガス種を変えても大きな変化はないこと、等が判明した。
林 巧; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 小林 和容; 須田 泰市*; 大矢 恭久*; 奥野 健二*; 山西 敏彦
no journal, ,
純鉄配管内に封入したトリチウム(1kPa)の外側水ジャケットへの移行挙動実験を、423Kにて、水中でのトリチウムの化学形をモニタリングしつつ実施した。水へのトリチウム移行速度はガス透過計数からの計算値の約1/5程度で、水中加温で自然に形成されるマグネタイト酸化物層(0.060.07micro-meter/h)に大きく影響することなく定常的にトリチウムが移行し続けた。水中に移行したトリチウムは実験開始直後はHT成分が約30%見られたが、その後時間とともに1%以下に減少し、酸化物層の自然形成との関係が示唆された。また、パージガスとして水素を導入したが、実験条件の範囲内では顕著なトリチウム移行挙動の変化は見られなかった。