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天羽 美紀*; 鈴木 徳行*; 篠田 敏男*; Ratnayake, N. P.*; 高橋 一晴
Organic Geochemistry, 38(7), p.1132 - 1145, 2007/07
被引用回数:15 パーセンタイル:37.57(Geochemistry & Geophysics)北海道幌延の後期中新世から更新世の海成の珪質岩はステレンとステラジアンを多く含む。JAEAによって掘削されたHDB-3孔とHDB-4孔の岩芯試料を用いて、有機物が未熟成な稚内層と声問層の海成の珪質岩に含まれるステレンとステラジアンの続成作用による分解と変質についての研究を行った。幌延地域の現在の地温勾配と続成作用(オパールAからオパールCTへのシリカ鉱物の相変化)を考慮すると、埋没続成作用によって影響を受けた最大温度条件を示す海成の珪質岩の古温度は3060度の範囲となる。ステラジアンとステレンの濃度は、4560度の範囲で、急激に減少する。また、同じ4560度の範囲でのステランの濃度は著しい増加を示し、ステランの一部分がステレン及びステラジアンから供給されていることを示唆している。稚内層と声問層中のC, C, Cのステラン/ステレン比は熟成度が進むことに伴い、その比が増加する。したがって、幌延の海成の珪質岩のステラン/ステレン比は埋没続成作用によって影響を受けた最大温度条件を示す古温度の指標として用いることが可能である。ステレンとステランのC, C, Cの相対的な量比については、幌延の試錐の岩芯分析の結果によると、ほぼ同様な量比を示す。つまり、有機物が未熟成度な堆積物中の有機物起源を特定するために、ステレンのC, C, Cの相対的な量比は、十分に有効な指標であることを示唆している。
高橋 一晴; 新里 忠史; 安江 健一; 天羽 美紀*; 鈴木 徳行*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、処分場の地質環境が長期間にわたって十分に安定していることが求められる。このため、長期間を対象とした地殻変動を予測する調査手法の整備が必要と考えられる。特に、隆起・侵食については、過去百万年程度の期間を対象として時間・空間的分布を把握し、外挿法等により将来数万年程度の変動を予測することが重要となる。本報告では、昨年度の報告(高橋ほか、2005a)に引き続き、幌延町内でのH1617年度に実施したボーリング調査(HDB-9HDB-11孔)及び地下浅所のボーリング調査(深度15m程度)から得られた分析結果を加え、幌延に分布する新第三紀珪質岩(稚内層・声問層)の鉱物学的及び有機地球化学的特徴に基づく隆起・侵食にかかわる推定手法の適応結果を述べる。
天羽 美紀*; 鈴木 徳行*; 篠田 敏男*; Ratnayake, N. P.*; 高橋 一晴
no journal, ,
稚内層・声問層の未熟成な幌延珪藻質堆積物中のステロイドと鎖状イソプレノイド炭化水素の続成分解と変化について、HDB-3孔とHDB-4孔の岩芯試料を用いて研究を行った。北海道幌延の後期中新世から鮮新世の海成珪藻質泥岩は、ステレン,ステラジエン,ステランのようなステロイド炭化水素とプリステン,フィテン,プリスタン,フィタンのようなイソプレノイド炭化水素が豊富である。今回の研究では未熟成な泥岩の厚い堆積層中のそれら化合物の続成過程について明らかにすることを試みている。幌延珪藻質泥岩を用いた詳細な地球化学的分析により、続成作用の間のイソプレノイド炭化水素の変化の時期と組成の変化を明らかにした。ステレンとステランの比,プリステンとプリスタンの比,フィテンとフィタンの比をもとにした潜在的な熟成度指標を今回の研究で提案する。また未熟成な堆積物における堆積環境の指標として、これらの化合物の持つ潜在性についても今回の研究で調査している。
高橋 一晴; 新里 忠史; 安江 健一; 天羽 美紀*; 鈴木 徳行*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、処分場の地質環境が長期間にわたって十分に安定していることが求められる。このため、安全性を論ずるうえで重要となる地殻変動を予測する手法の整備が必要である。特に、隆起・侵食については、過去百万年程度の期間を対象として時間・空間的分布を把握し、外挿法や数値シミュレーション等により将来数万年程度の変動を定量的に予測することが求められている。本報告では、昨年度の報告(高橋ほか、2005a)に引き続き、幌延町内で平成1617年度に実施した深層試錐調査(HDB- 9-11孔)及び浅層試錐調査(H15-1-01孔及びH15-1-07孔:深度15m程度)による岩芯試料の分析結果を加え、幌延地域に分布する新第三紀珪質岩(稚内層・声問層)の鉱物学的及び有機地球化学的特徴を示すとともに、その有機地球化学的特徴に基づき作成した侵食量の推定手法とその適用結果について報告する。
田中 桐葉*; 武藤 潤*; 高橋 美紀*; 岡 壽崇; 長濱 裕幸*
no journal, ,
電子スピン共鳴法(ESR)による断層年代測定は、最後に地震が発生した断層活動の年代を推定する方法である。この方法では、自然放射線によって生成した欠陥にトラップされた電子に由来するESRシグナルが、断層すべりによって消滅(ゼロ化)することを利用しており、高速摩擦試験によってこの現象を模擬可能である。しかし、今までの模擬実験で使用していたチタン合金が実験中に破損して混入すると、チタン合金が高誘電率のためにESR感度を低下させ、見かけ上のゼロ化が起きる可能性があることがわかった。そこで、低誘電率なアルミナ-シリカ化合物を利用することでこの問題を解決し、模擬実験により地表付近の地震性断層すべりによるゼロ化を検討した。石英のラジカルは断層すべり量が増加すると熱摩擦によって減少すると予想していたが、地表付近の地震性断層すべりによる結晶粒破壊によってラジカル量が増える可能性があることが初めてわかった。
田中 桐葉*; 武藤 潤*; 高橋 美紀*; Jayawickrama, E.*; 佐々木 理*; 岡 壽崇; 長濱 裕幸*
no journal, ,
断層が最後に動いた年代を直接推定する方法として、電子スピン共鳴(ESR)法による断層年代測定法を開発している。この方法では、地震間期に自然放射線によって生成した欠陥にトラップされた電子に由来するESRシグナルが、断層すべりによって消滅(ゼロ化)されることを利用しているが、不完全なゼロ化は年代の過大評価の原因となるため、詳細な条件やメカニズムの解明が必要である。我々は高速摩擦実験を行い、さまざまな深さでの地震性断層スリップによる信号ゼロ化の可能性を検討した。その結果、断層の不均質性に由来する地震性断層すべりにともなう結晶粒破壊と摩擦加熱が複雑なゼロ化機構をもたらすと推察された。
田中 桐葉*; 武藤 潤*; 高橋 美紀*; Jayawickrama, E. G.*; 佐々木 理*; 岡 壽崇; 長濱 裕幸*
no journal, ,
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて、断層が最後に動いた年代を直接推定する手法(断層年代測定法)を開発している。本手法では、地震が起きていない期間に自然放射線によって生成した欠陥に捕捉された電子のESR信号が、断層のスリップによって消滅することを利用している。断層スリップによる消滅の詳細な条件やメカニズムの解明のため、高速摩擦実験を行ったところ、断層の不均質性に由来する地震性断層スリップによる結晶粒破壊やスリップ時の摩擦加熱が、複雑なESR信号の消滅の原因であると推察された。