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論文

How different is the core of $$^{25}$$F from $$^{24}$$O$$_{g.s.}$$ ?

Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri. A.*; Hwang, S. H.*; et al.

Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)

中性子過剰核$$^{25}$$Fの構造が($$p,2p$$)反応で調査した。$$pi 0d_{5/2}$$軌道の分光学的因子は1.0$$pm$$0.3と大きいが、一方で残留核である$$^{24}$$Oが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、$$^{25}$$Fのコア核$$^{24}$$Oは基底状態とは大きく異なり、$$^{24}$$Oの$$0d_{5/2}$$軌道に陽子がひとつ加わることで$$^{24}$$Oと$$^{25}$$Fの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。

論文

瑞浪超深地層研究所における地下500mまでを対象とした地震動観測結果とその分析

松井 裕哉; 渡辺 和彦*; 見掛 信一郎; 新美 勝之*; 小林 伸司*; 戸栗 智仁*

第47回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(インターネット), p.293 - 298, 2020/01

日本原子力研究開発機構は、地震による地下深部構造物への影響に着目し、瑞浪超深地層研究所の換気立坑を利用して、地表, 深度100m, 深度300m、および深度500m地点に地震観測システムを設置し、同一地震における深度方向の地震動変化を十数年間観測した。その結果、震源位置やマグニチュードの異なる十数個の地震に対する地上から地下500mまでの間の地震動観測記録を取得し、釜石鉱山での観測などの既往の研究と同様の深度方向の地震動変化に関する知見を得た。また、得られた地震動の波形データなどを用い、地震動のフーリエ振幅と位相差の深度分布を分析した所、直下型地震では理論値に近い結果になる一方、遠方の地震では理論値との乖離があることなどを確認した。

論文

Enhancement of element production by incomplete fusion reaction with weakly bound deuteron

Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.

Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:23(Physics, Multidisciplinary)

陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、$$^{107}$$Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。

論文

Impact of irradiation side on neutron-induced single-event upsets in 65-nm Bulk SRAMs

安部 晋一郎; Liao, W.*; 真鍋 征也*; 佐藤 達彦; 橋本 昌宜*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7, Part2), p.1374 - 1380, 2019/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、電子機器の深刻な信頼性問題として知られている。中性子照射施設における加速試験はソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)の迅速な評価に有用だが、実環境におけるSERへの換算や、他の測定データとの比較を行う際には、測定条件に起因する補正が必要となる。本研究では、影響を及ぼす測定条件を明らかにするために、SEU断面積に対する中性子照射方向の影響を調査した。その結果、封止剤側から照射して得られたSERがボード側から照射したときと比べて30-50%高いことが判明した。そのため、測定値を報告する際には中性子の照射方向も明示する必要性があることがわかった。また、この結果は、デバイスを設置する際に封止剤を下に向けることでSERを減らせることを示している。

報告書

平成29年度緊急時対応技術適用のためのバックグラウンド航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 岩井 毅行*; 瀬口 栄作; 松永 祐樹*; 河端 智樹; 豊田 政幸*; 飛田 晋一朗*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; et al.

JAEA-Technology 2018-016, 98 Pages, 2019/02

JAEA-Technology-2018-016.pdf:18.64MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。福島で培った航空機モニタリングの技術を原子力発電所事故時の対応技術として適用するために、全国の発電所周辺のバックグラウンドモニタリングを実施した。2017年度は泊発電所, 柏崎刈羽原子力発電所および玄海原子力発電所周辺について実施した。ここでは、その結果および実施によって抽出された技術的課題についてまとめる。

報告書

平成29年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 石崎 梓; 岩井 毅行*; 瀬口 栄作; 松永 祐樹*; 河端 智樹; 豊田 政幸*; 飛田 晋一朗*; 平賀 祥吾*; et al.

JAEA-Technology 2018-015, 120 Pages, 2019/02

JAEA-Technology-2018-015.pdf:15.01MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。ここでは、平成29年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果についてまとめた。過去の福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果から線量率の変化量を評価し、変化量に寄与する要因について考察した。また、これまで課題となっていた空気中のラドン子孫核種の弁別手法の開発およびシステム化を行い、実際の測定結果に本手法を適用して、空気中のラドン子孫核種の測定に与える影響について評価した。さらに、複数のGPS受信機用いて同時にデータ取得することによって、位置測定誤差による解析結果への影響評価を行った。

論文

Establishment of a novel detection system for measuring primary knock-on atoms

Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。

論文

Negative and positive muon-induced single event upsets in 65-nm UTBB SOI SRAMs

真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 安部 晋一郎; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1742 - 1749, 2018/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:48.87(Engineering, Electrical & Electronic)

近年、半導体デバイスの放射線耐性の低下に伴い、二次宇宙線ミューオンに起因する電子機器の誤動作現象が注目されている。本研究では、J-PARCにおいて半導体デバイスの設計ルール65nmを持つUTBB-SOI SRAMへミューオンを照射し、シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する依存性を明らかにした。実験の結果、ミューオンの照射エネルギーが35MeV/cから39MeV/cの範囲では、正ミューオンに比べて負ミューオンによるSEU断面積が2倍から4倍程度高い値となった。続いて、供給電圧を変化させて38MeV/cのミューオンを照射したところ、電圧の上昇に伴いSEU断面積は減少するが、負ミューオンによるSEU断面積の減少幅は、正ミューオンと比べて緩やかであることを明らかにした。さらに、PHITSを用いて38MeV/cの正負ミューオン照射実験を模擬した解析を行い、負ミューオン捕獲反応によって生成される二次イオンが、正負ミューオンによるSEU断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する傾向の差異の主因となることが判った。

論文

Measurement and mechanism investigation of negative and positive muon-induced upsets in 65-nm Bulk SRAMs

Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 安部 晋一郎; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1734 - 1741, 2018/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:23.21(Engineering, Electrical & Electronic)

設計ルールの微細化に伴い半導体デバイスのソフトエラーへの感受性が高まっており、二次宇宙線ミューオンに起因するソフトエラーが懸念されている。本研究では、ミューオン起因ソフトエラーの発生メカニズムの調査を目的とし、J-PARCにて半導体デバイス設計ルール65nmのBulk CMOS SRAMへミューオンを照射し、ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を測定した。その結果、正ミューオンによるSERは供給電圧の低下に伴い増加する一方で、負ミューオンによるSERは0.5V以上の供給電圧において増加した。また、負ミューオンによるSERは正のボディバイアスを印加すると増加した。更に、1.2Vの供給電圧において、負ミューオンは20bitを超える複数セル反転(MCU: Multiple Cell Upset)を引き起こし、MCU率は66%に上った。これらの傾向は、負ミューオンによるSERに対し、寄生バイポーラ効果(PBA: Parasitic Bipolar Action)が寄与している可能性が高いことを示している。続いて、PHITSを用いて実験の解析を行った結果、負ミューオンは正ミューオンと比べて多量の電荷を付与できることがわかった。このような付与電荷量の多いイベントはPBAを引き起こす原因となる。

論文

Features of particle and heavy ion transport code system (PHITS) version 3.02

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; Tsai, P.-E.; 松田 規宏; 岩瀬 広*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(6), p.684 - 690, 2018/06

 被引用回数:153 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITS Version 3.02を開発して公開した。核反応モデルや原子反応モデルを改良することにより、適応エネルギー範囲や精度を向上させた。また、計算効率を向上させる新しいタリーや、放射性同位元素を線源とする機能、医学物理分野にPHITSを応用する際に有用となるソフトウェアなど、様々なユーザーサポート機能を開発して、その利便性を大幅に向上させた。これらの改良により、PHITSは、加速器設計、放射線遮へい及び防護、医学物理、宇宙線研究など、幅広い分野で3000名以上のユーザーに利用されている。本論文では、2013年に公開したPHITS2.52以降に追加された新機能を中心に紹介する。

論文

日本原子力学会「2018年春の年会」部会・連絡会セッション,核データ部会「シグマ」特別専門委員会共催; 我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン,4; PHITSコードにおける核反応モデルの役割と高度化

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 仁井田 浩二*

核データニュース(インターネット), (120), p.26 - 34, 2018/06

放射線の挙動を模擬できる粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器の遮へい設計や宇宙線・地球科学、放射線防護研究等の広範な分野で利用されている。PHITSでは、放射線が引き起こす物理現象を輸送過程と衝突過程の2つに分けて記述しており、さらに核反応が含まれる衝突過程を「核反応の発生」、「前平衡過程」、「複合核過程」の3段階的に分けて計算することで模擬している。これらの計算では断面積モデルKurotamaや核反応モデルINCL4.6やJQMDといった数多くの物理モデルが使用されており、PHITSの信頼性を高めるために、我々は各モデルの高度化を行ってきた。本稿は、日本原子力学会2018年春の年会の企画セッション「我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン」における報告を踏まえ、PHITSにおける核反応モデルの役割を解説するとともに、近年我々が行ってきた様々なモデルの高度化や今後の展開についてまとめたものである。

論文

粒子輸送計算コードPHITSと宇宙線スペクトル予測モデルPARMAの紹介

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

めそん, (47), p.34 - 39, 2018/03

巨大構造物の内部イメージングや核物質検知など、二次宇宙線ミュオンラジオグラフィに関する研究が活発に行われている。ミュオンラジオグラフィに要する期間の見積もりや測定系の最適化を行う際、シミュレーションは有用な手段となる。本稿では、物質中でのミュオンの挙動を解析するプログラムとして粒子輸送計算コードPHITS及びミュオンを含む大気圏内宇宙線スペクトル予測モデルPARMAについて、各コードの概要を説明するとともに、それぞれのベンチマーク結果を示す。PHITSのベンチマークとしては、地中での環境ミュオン透過フラックスを非常に良く再現する結果が得られている。また、ミュオンと物質との相互作用反応からの粒子生成についても概ね良く再現することを示した。これにより、ミュオンラジオグラフィのシミュレーションへのPHITSの実用性を実証した。次に、PARMAについてベンチマークを行った結果、様々な地点における宇宙線フラックスを良く再現できることを示した。特に、ミュオンラジオグラフィで重要となる大角度の天頂角および高エネルギー領域のフラックスに関して、PARMAは測定値と非常に良く合致することを明らかにした。

報告書

平成28年度緊急時対応技術適用のためのバックグラウンド航空機モニタリング(受託研究)

眞田 幸尚; 森 愛理; 岩井 毅行; 瀬口 栄作; 松永 祐樹*; 河端 智樹; 豊田 政幸*; 飛田 晋一朗*; 平賀 翔吾; 佐藤 義治; et al.

JAEA-Technology 2017-035, 69 Pages, 2018/02

JAEA-Technology-2017-035.pdf:32.92MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。福島で培った航空機モニタリングの技術を原子力発電所事故時の対応技術として適用するために、全国の発電所周辺のバックグラウンドモニタリングを実施した。2016年度は、大飯・高浜原子力発電所及び伊方原子力発電所周辺について実施した。ここでは、その結果及び実施によって抽出された技術的課題についてまとめる。

報告書

平成28年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

眞田 幸尚; 森 愛理; 岩井 毅行; 瀬口 栄作; 松永 祐樹*; 河端 智樹; 豊田 政幸*; 飛田 晋一朗*; 平賀 翔吾; 佐藤 義治; et al.

JAEA-Technology 2017-034, 117 Pages, 2018/02

JAEA-Technology-2017-034.pdf:25.18MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。ここでは、平成28年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果についてまとめた。福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果は、過去の測定結果からの線量率の変化量を評価し、変化量に寄与する要因について考察した。また、これまで課題となっていた空気中のラドン子孫核種の弁別手法の開発を行い、実際の測定結果に手法を適用して、空気中のラドン子孫核種の測定に与える影響について評価した。さらに、複数の性能の異なったGPSを同時にデータ取得することによって、位置測定誤差による解析結果への影響評価を行った。

報告書

AWJによる模擬燃料集合体加熱試験体の切断作業

阿部 雄太; 中桐 俊男; 綿谷 聡*; 丸山 信一郎*

JAEA-Technology 2017-023, 46 Pages, 2017/10

JAEA-Technology-2017-023.pdf:8.01MB

本件は、廃炉国際共同研究センター(Collaborative Laboratories for Advanced Decommissioning Science: CLADS)燃料溶融挙動解析グループにて平成27年度に実施した「プラズマトーチによる模擬燃料集合体加熱試験(Phase II)」で用いた試験体について実施したAbrasive Water Jet (AWJ)切断作業に関する報告である。模擬燃料集合体は、外周のるつぼ及び模擬燃料にジルコニア、制御ブレード及びステンレス、そして被覆管及びャンネルボックスにジルカロイ(Zr)を利用している。したがって、プラズマトーチを用いて高温に加熱し物質移行した模擬燃料集合体に対して、材料分析を実施するためには、硬度及び靭性の異なる材料を一度に切断する必要がある。加えて、本試験体は、大型かつ、溶融物を保持するためエポキシ樹脂が充填されている。これらの影響を鑑みて、AWJ切断を選定した。以下の点を工夫することで、本試験体をAWJで切断することができた。ホウ化物の溶融部分のように1回(ワンパス)で切断できない場合は、アップカットとダウンカットを繰り返す往復運動により切断を行った。切断が困難な箇所には、Abrasive Injection Jet(従来工法AIJ)方式より切断能力が高いAbrasive Suspension Jet(ASJ)方式を用いた。本作業を通じて、プラズマトーチを用いた模擬燃料集合体加熱試験における切断方法が確立できた。なお、切断作業では、AWJの先端で切断能力を失うと送り方向と反対に噴流が逃げる際に生じる湾曲した切断面が試験体中央部で確認できた。その結果を元に、切断面の荒さや切断時間の短縮のための課題の抽出を行った。

論文

Recent improvements of particle and heavy ion transport code system: PHITS

佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 奥村 啓介; et al.

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.06008_1 - 06008_6, 2017/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:8.34

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構を中心とする日本やヨーロッパの研究所が共同で開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。現在、国内外2500名以上のユーザーが、加速器設計、放射線遮へい、放射線防護、医学物理、地球惑星科学など様々な分野で利用している。本発表では、PHITS2.52からPHITS2.82までの間に導入した新しい物理モデルや計算機能などを紹介する。

論文

Technical basis of accident tolerant fuel updated under a Japanese R&D project

山下 真一郎; 永瀬 文久; 倉田 正輝; 野澤 貴史; 渡部 清一*; 桐村 一生*; 垣内 一雄*; 近藤 貴夫*; 坂本 寛*; 草ヶ谷 和幸*; et al.

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09

我が国では、事故耐性燃料の技術基盤を整備するために2015年に軽水炉の事故耐性燃料等(ATFs)に関する研究開発プロジェクトが立ち上がった。日本原子力研究開発機構は、国内のプラントメーカ, 燃料メーカ, 大学等が有する国内軽水炉においてジルカロイを商用利用した際の経験、知識を最大限活用するために、これらの機関と協力して本プロジェクトを実施するとともに取りまとめを行っている。プロジェクトの中で検討されているATF候補材料は、微細な酸化物粒子を分散することで強化されたFeCrAl鋼(FeCrAl-ODS鋼)と炭化ケイ素(SiC)複合材料であり、通常運転時の燃料性能は同等かそれ以上で、事故時にはジルカロイよりも長い時間原子炉炉心においてシビアアクシデント条件に耐えることが期待されている。本論文では、日本のプロジェクトで実施中の研究開発の進捗について報告する。

論文

Improving the corrosion resistance of silicon carbide for fuel in BWR environments by using a metal coating

石橋 良*; 田邊 重忠*; 近藤 貴夫*; 山下 真一郎; 永瀬 文久

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09

沸騰水型原子炉環境における炭化ケイ素(SiC)の耐食性を改善するため、SiCの耐食性に及ぼすコーティングの効果を評価した。SiCは、ジルカロイに比べて水素発生速度や反応熱が低いため、事故耐性燃料の有力な候補材料として期待されている。しかしながら、SiC燃料被覆管やチャンネルボックスを実際に適用するには、いまだに多くの解決すべき課題が残されており、その一つが高温水中での腐食である。SiCは化学的には安定であるが、酸化によって形成されるSiO$$_{2}$$が高温水に溶出する。SiCの溶解速度は非常に低いが、炉水に溶出したSiO$$_{2}$$濃度は規制基準値以下に抑制されなければならない。本研究では、非照射条件での高純度水中における腐食試験前後を比較し、SiCの腐食挙動に及ぼす候補コーティング技術の効果を評価した。

論文

The Applicability of SiC-SiC fuel cladding to conventional PWR power plant

古本 健一郎*; 渡部 清一*; 山本 晃久*; 手島 英行*; 山下 真一郎; 齋藤 裕明; 白数 訓子

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09

2015年以降、三菱原子燃料(MNF)は、日本原子力研究開発機構(JAEA)が経済産業省からの受託事業で実施している日本の事故耐性燃料の研究開発プロジェクトに加わった。このプログラムにおいて、MNFは、現行の沸騰水型軽水炉(PWR)において炭化ケイ素複合材料(SiC)を被覆管として導入した場合の影響を評価することを担当している。本論文では、既存のPWRに対してSiCを被覆管として用いる場合の適用性に関する評価結果を報告する。既存PWRへのSiC被覆管の適用性評価として、SiC複合材を用いた場合の解析評価と炉外試験の両方を実施した。解析評価では、三菱独自の燃料設計コードとJAEAが開発した燃料ふるまいコードを用いた。なお、これらのコードは、SiC複合材被覆管を用いた燃料のふるまいを評価するために改良が施されている。一方、炉外試験としては、SiC複合材サンプルの熱伝導度測定とオートクレーブを用いた腐食試験を実施した。合わせて、設計基準事故を模擬した条件下でのSiC複合材の性能評価が行えるようにするために、新たに試験装置も開発した。

論文

実環境におけるベンチュリスクラバの除染性能に関する予測評価

堀口 直樹; 吉田 啓之; 上澤 伸一郎; 阿部 豊*

第22回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 4 Pages, 2017/06

ベンチュリスクラバは原子力発電所におけるフィルタ付ベントシステムの構成機器として導入されており、核分裂生成物を含む微小なエアロゾルを除去する役割がある。しかしながら、ベントシステムの運用時に想定されうる全ての圧力条件範囲において除染性能を予測する手法はない。そこで、本研究は、機構論的な流動解析コードをベースとした除染性能解析手法を構築し、これによって実環境で想定される流動及び除染性能に関する知見を得ることを目的とした。解析の結果、ベンチュリスクラバの入口圧力が下がるにつれ、ベンチュリスクラバ喉部での流入する気相の速度は抑制されること、自吸される液相速度は変化すること、除染係数は増減傾向となることがわかった。またエアロゾル径が大きくなるにつれ除染係数が増加することがわかった。

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