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藤井 健太郎; 泉 雄大; 成田 あゆみ*; Krishna, G.*; Alain, T.*; Rodolphe, V.*; Marie-Pierre, G.*; Marie-Francoise, P.*; Marie-Anne, H.*; 横谷 明徳
no journal, ,
これまでに、直接効果によって生じるDNA鎖切断が、糖ラジカルを中間体として生成する過程の他に、内殻イオン化後に糖分子のフラノース環が激しく分解して生じる過程があることを、放射光軟X線分光実験により明らかにした。最近、第一原理計算を用いた研究によって、水和塩基分子の内殻イオン化後の反応では、塩基と水の水素結合により、孤立塩基分子で見られたフラグメンテーションが抑えられることが予測されている。水和塩基分子で理論的に予測された物理過程が、水和デオキシリボース(dR)分子においても起こるかどうかを実験的に検証するため、我々は、水和dR分子の薄膜試料を作成し、内殻イオン化後の分子変化を観測することを試みた。水和dR薄膜への照射では、乾燥dR薄膜への照射で観測された、フラノース環の分解により生じたと推測されるフラグメントイオンの収量が著しく減少した。この実験結果から、塩基分子で理論的に予測されたフラグメンテーションの抑制が、dR分子においても起こると考えられる。現在、水和dR分子のフラグメンテーションに関する理論計算を進めている。
藤井 健太郎; 泉 雄大; 成田 あゆみ*; Krishna, G.*; Alain, T.*; Rodolphe, V.*; Marie-Pierre, G.*; Marie-Francoise, P.*; Marie-Anne, H.*; 横谷 明徳
no journal, ,
内殻イオン化によって誘発されるDNA主鎖切断の生成に関わる、吸着水分子の役割を明らかにするために、DNA主鎖の一部であるデオキシリボース(dR)に水分子を吸着させて、酸素の内殻電子をイオン化することのできる放射光軟X線(560eV)を照射した。照射中に試料から脱離するイオンの質量スペクトルから、内殻イオン化によるdR分子の分解過程を調べた。その結果、dR分子から脱離するイオンの収量が水の吸着によって減少した。この結果から、吸着水分子はdR分子の分解の抑制、あるいは分解後のイオン脱離の抑制に関わっていると予想される。
藤井 健太郎; 泉 雄大; Krishna, G.*; Pablo, L.-T.*; Alain, T.*; Rodolphe, V.*; Marie-Pierre, G.*; Marie-Francoise, P.*; Marie-Anne, H.*; 横谷 明徳
no journal, ,
内殻イオン化によって誘発されるDNA主鎖切断の生成に関わる、吸着水分子の役割を明らかにするために、DNA主鎖の一部であるデオキシリボース(dR)に水分子を吸着させて、酸素K殻電子のイオン化閾値を超えた軟X線(560eV)を照射した。照射中に試料から脱離するイオンの質量スペクトルから、内殻イオン化によるdR分子の分解過程を調べた。その結果、dR分子から脱離するイオンの収量が水の吸着によって減少することを明らかにした。時間依存密度汎関数法による分子動力学シミュレーションの結果から、酸素K殻電子のイオン化直後(およそ10fs後)に、dR分子から水和水分子へのプロトン移動が起こっていることが明らかになった。このように水和水分子は、dR分子の分解の抑制、あるいは分解後のイオン脱離の抑制に関わっていると予想される。