Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
木津 要; 土屋 勝彦; 島田 勝弘; 安藤 俊就*; 菱沼 良光*; 小泉 徳潔; 松川 誠; 三浦 友史*; 西村 新*; 奥野 清; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1493 - 1499, 2007/10
被引用回数:3 パーセンタイル:25.42(Nuclear Science & Technology)大型超伝導コイルでは、大きな電磁力が発生するので、電磁力支持,電気絶縁の観点から、超伝導素線を数百本撚り合わせたケーブルを、金属製の鞘(コンジット)に納めたケーブル・イン・コンジット(CIC)型の超伝導導体を使用している。CIC型導体では冷却によるコンジットとケーブルとの熱収縮差に起因する熱歪,導体の曲げによる曲げ歪の影響が問題となる。しかしながら、超伝導コイルでは熱歪や曲げ歪を変化させることはできないので、コイル試験では、超伝導工学上重要な、臨界電流値と熱歪・曲げ歪の関係を幅広い領域で評価することは困難であった。そこで、本研究では、液体ヘリウムにより冷却されたCIC導体サンプルに、クライオスタット外部からシャフトを介してねじりを加えることを可能にする試験装置を開発した。この新しい試験装置に、ねじりばね状のNbAl CIC導体サンプルを取り付け、ねじることにより、サンプルに引張り・圧縮歪、及び曲げ歪を連続的に印加し、臨界電流と歪の関係を測定することに成功した。また、本研究の結果より、CIC型導体中の撚り線の歪緩和機構が存在することが明らかとなった。
土屋 勝彦; 木津 要; 安藤 俊就*; 玉井 広史; 松川 誠
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1519 - 1525, 2007/10
被引用回数:4 パーセンタイル:31.31(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおける超伝導コイルシステムには、18個のトロイダル磁場(TF)コイル,7個のプラズマ平衡磁場(EF)コイル,4つのソレノイドから成るセントラルソレノイド(CS)がある。TFコイルは、低コストのニオブチタン導体を採用して、本装置に要求されるt=8.2Tmの起磁力が実現できる設計とした。EFコイルは、プラズマ電流5.5MAのダブルヌル配位や、ITER相似形のシングルヌル配位など、幅広い形状制御が可能な設計とした。CSは、長時間放電を実現するため、40Wbの磁束が供給できる設計としているが、TFコイルの設計変更に伴う空間制限により、最大経験磁場は10Tとなった。このような高い電磁力条件における、CSの導体などの構造物への影響を評価するため、現状のコイル配位に基づいてシミュレートしたプラズマ運転条件の中から、CSの鉛直方向非平衡力が最も高い条件において、ジャケット材(コンジット)が受ける応力に基づく疲労評価を行った。その結果、コンジット厚を現設計から0.4mm増加させることで、本装置の想定ショット数に対する疲労限界以下になることを明らかにした。
木津 要; 土屋 勝彦; 安藤 俊就*; Sborchia, C.*; 正木 圭; 櫻井 真治; 助川 篤彦; 玉井 広史; 藤田 隆明; 松川 誠; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 17(2), p.1348 - 1352, 2007/06
被引用回数:4 パーセンタイル:29.28(Engineering, Electrical & Electronic)原子力機構では、臨界プラズマ試験装置(JT-60)を超伝導コイルを用いたJT-60SAに改修する計画を、ITERのブローダーアプローチの一つとして欧州とともに進めている。JT-60SAのコイルシステムは、18個のトロイダル磁場コイル(TFC),4つのモジュールからなる中心ソレノイド(CS),7つの平衡磁場コイルにより構成される。TFCは6.4Tの最大経験磁場を持ち、蓄積エネルギーは1.5GJである。その高さと幅は、8.8mと4.7mである。超伝導導体(外寸29.1mm角)は、以前は、最大経験磁場が7.4Tであったため、NbAl導体を用いる計画であったが、6.4Tへと設計変更されたことから、NbTi導体を用いた設計を新たに行った。また、CSのための空間がTFC設計変更により狭くなったこと、及びブローダーアプローチのワーキンググループの議論によりITERプラズマ模擬のため、より大きな供給磁束の達成が必要になったことからCSの設計変更も行った。CS導体を従来の7.4T導体から10T導体とすることで、ボアが小さくなったにもかかわらず、供給磁束量を3Wb増加することに成功した。
木津 要; 土屋 勝彦; 島田 勝弘; 安藤 俊就*; 菱沼 良光*; 小泉 徳潔; 松川 誠; 三浦 友史*; 西村 新*; 奥野 清; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.872 - 875, 2006/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.94(Engineering, Electrical & Electronic)NbAl素線の臨界電流値(Ic)は歪みにより減少する。ケーブル・イン・コンジット導体(CICC)中の素線には熱歪みと曲げ歪みが加わる。しかしながら、JT-60定常高ベータ化計画のR&Dにおいてリアクト・アンド・ワインド法によって製作されたNbAl-D型コイルにおいては、0.4%の曲げ歪みが印加されてもIcは減少しないことが見いだされている。これは、素線の曲げ歪みがケーブル効果により緩和したことを示唆している。CICCのIcに対する曲げの効果を評価するためには、素線に対する引張り・圧縮歪みの効果と、CICC中の素線の歪み緩和効果を調査する必要がある。そこで本研究では、素線及びCICCサンプルに引張り・圧縮歪みを印加できる装置を開発した。サンプルはベリリウム銅製のねじりコイルばね形状のサンプルホルダー表面に取り付けられ、ホルダーをねじることで歪みが印加される。CICCサンプルを取り付け可能とするために82mm径のサンプルホルダーを製作した。NbAl素線サンプルのIcを外部磁場612T,歪み-0.86%+0.18%の範囲で測定することに成功した。外部磁場11T,歪み-0.86%でのIcは歪み0%の65%に減少することが見いだされた。
松川 誠; 玉井 広史; 藤田 隆明; 木津 要; 櫻井 真治; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; 安藤 俊就; 三浦 友史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.914 - 917, 2006/06
被引用回数:4 パーセンタイル:29.18(Engineering, Electrical & Electronic)本論文は、ITERと同様に発電実証炉への貢献を目指すトカマク国内重点化装置(NCT)のポロイダル磁場(PF)コイルの配置設計についてまとめたものである。核融合炉の電力売価は、建設費と核融合出力で決まり、核融合出力はプラズマの規格化ベータ値の約2乗に比例して増大する。このため、高ベータプラズマの実現が経済的な核融合実現の鍵であり、具体的には、理想MHD限界に近い高規格化ベータ値の達成が求められている。プラズマの断面形状パラメータS(=q95*Ip/a*Bt)は、限界ベータ値と相関があると考えられており、核融合炉の設計までに、これらの最適値を検証する必要がある。このため、NCTではアスペクト比やプラズマ断面形状制御性能でITERよりも広い運転領域をカバーすることを目標にしてPFコイルの配置設計を行った。結果的には、アスペクト比が2.6から3.4の領域を、プラズマの形状パラメータSはダブルヌル配位で最大7程度、シングルヌル配位で最大6程度を得ることができた。さらに小断面PFコイルを追加することでプラズマの四角度の制御性が改善できることも明らかにした。
土屋 勝彦; 木津 要; 高橋 弘行*; 安藤 俊就*; 松川 誠; 玉井 広史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.922 - 925, 2006/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.94(Engineering, Electrical & Electronic)トカマク国内重点化装置における超伝導トロイダル磁場(TF)コイルの支持構造の最適化を進めている。プラズマ運転シナリオ上、最大の電磁力が加わると考えられる条件での応力や変位を、有限要素法解析により評価した。この評価に基づき、最も変位の低減に有効なコイルケースやシアパネルの配置を検討した結果、アウトボード側斜め下部において、コイルケースやシアパネル構造の増強を行えば、最も効率的に変位を抑えられることを見いだした。また、ボルトやキーの配置及び本数を調整して支持構造の簡素化を図り、構造物の応力/変位が設計基準を満たしていることを確認した。さらに、これまで未評価であった超伝導導体によって構成される巻線部に生じる歪みや、インボード部で巻線が受ける横圧縮力について、最大の電磁力荷重条件において評価した。その結果、導体長手方向の歪みは、熱処理時にコンジットから受ける歪みを緩和する伸び方向が顕著であり、導体の臨界電流劣化に寄与しないことがわかった。また、横圧縮力については、最大経験磁場の箇所で、ニオブアルミ素線の臨界電流値の劣化が始まると報告されている60MPa以下であった。このことから、現設計の支持構造は想定している導体性能に悪影響を及ぼさないことが確認できた。
高橋 弘行*; 工藤 祐介; 土屋 勝彦; 木津 要; 安藤 俊就*; 松川 誠; 玉井 広史; 三浦 幸俊
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1005 - 1011, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.06(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)のセンターソレノイドのケーブルインコンジット(CICC)は、矩形断面のSUS製のコンジットの中心に円形に超伝導線材を配置した構造であり、全長約2.2kmのコンジットを約10mごとに溶接して製作される。この溶接部の健全性を評価するためには、想定される最大溶接欠陥の応力拡大係数を求める必要がある。この応力拡大係数は、平板表面に半楕円亀裂を想定し、Newman-Rajuの式により計算することはできるが、実形状のCICCとの相違が評価に与える影響が明らかではなかった。そこで、この形状ファクタを求めるために、三次元有限要素法を用い実形状のCICCの想定欠陥について応力拡大係数を計算した。この結果、矩形断面のCICCの最大想定欠陥の最大応力拡大係数について三次元有限要素法で求めた値は、Newman-Rajuで求めた値よりも3%大きいだけであることがわかった。このことから、Newman-Rajuの式はこのような矩形断面のCICCに関する破壊靭性の評価に用いることが適用可能であることが判明した。本論文ではこの結果も含め欠陥形状,溶接開先のシニング形状をパラメータに多数有限要素法解析の値とNewman-Rajuの値と比較した結果についての詳細を述べる。
安藤 俊就*; 木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一; 小泉 徳潔; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.99 - 103, 2005/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.41(Nuclear Science & Technology)トカマク国内重点化装置のTFコイルはNbAl導体を用い、リアクト・アンド・ワインド法で製作することが検討されている。その製作方法の妥当性を実証するために、実機サイズの導体に0.4%の曲げ歪みを加えて巻き線したコイルサンプルを試作し、試験した結果、その臨界電流値は曲げ歪みを加えていない導体サンプルの臨界電流値とほとんど同じであった。このことは、コイル製作時の曲げ歪みによって臨界電流値が約10%低下するとの予想に反し、実機コイルの製作には朗報である。この現象について解析を行った結果、導体のケーブル部を構成するNbAl線が曲げ加工中に互いに滑ったことが予想された。その考察、解析について議論する。
木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 安藤 俊就*; 小泉 徳潔; 松井 邦浩*; 逆井 章; 玉井 広史; 松川 誠; 石田 真一; et al.
Nuclear Fusion, 45(11), p.1302 - 1308, 2005/11
被引用回数:4 パーセンタイル:14.20(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の工学研究をとおして、将来の核融合装置に適用できる先進的な超伝導コイルの製作技術を開発した。その開発技術の一つは超伝導導体を熱処理後巻き線する方法(リアクト・アンド・ワインド法:R&W法)のNbAlのD型コイル製作への適用である。R&W法による導体の曲げの影響を評価するために臨界電流測定部がトロイダル磁場コイル実機と同じ曲率となるD型のコイルを開発し、臨界電流を測定した。その結果、R&W法による曲げ歪は、導体の臨界電流特性に影響を与えないことが見いだされた。また、中心ソレノイドコイル用のNbSn導体の開発においては、熱処理後のNbSnコイル導体に故意に曲げ歪を加えることにより、導体の交流損失を減らす方法を考案し、その効果を実験的に実証した。また、平衡磁場コイル用NbTi導体の開発においては、高銅比化による安定性とフィラメント径の極細化による低交流損失を同時に達成するNbTi素線を開発し、実断面サイズの導体サンプルの通電試験により、臨界電流目標値を達成することを確認した。
安藤 俊就*; 西尾 敏; 吉村 秀人*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1481 - 1484, 2004/06
被引用回数:8 パーセンタイル:43.08(Engineering, Electrical & Electronic)低アスペクト比トカマク動力炉が核融合発電コストの低減の観点から考察している。そのコイル・システムにおいてはコンパクト化として、中心ソレノイドを使用せずに、トロイダル磁場コイルのインボード側を中心柱構造としている。このトロイダル磁場コイルの高磁場と高電流密度を実現するために、高温超伝導体を用い、その導体を支持するラディアル板を折り曲げたビーク様式を考案した。また、コイルの剛性を高めるために、導体は間接冷却とし、ラディアル板間に熱伝導板を挿入構造を採用した。本内容について紹介する。
土屋 勝彦; 木津 要; 三浦 友史; 安藤 俊就*; 逆井 章; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1427 - 1430, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.53(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60改修装置におけるトロイダル磁場(TF)コイルを支持する構造物の一つであるシアパネルは、転倒力に対するコイルの変位を抑えるためコイル間に配され、計測/加熱用ポートなどの周辺機器へのアクセス空間を確保するため、これらの周辺機器の取り付け後に、設置する構造になっている。そのため、シアパネルとコイル本体を結ぶボルトのモデル化にも充分注意しなければ、有限要素法(FEM)を用いた応力解析による精確な評価を得られない。本論文にて報告するFEMモデルでは、実機と同じ位置に、実際と同じスケール,材質のボルトを要素として与え、典型的な放電シナリオにおいて転倒力が最も大きくなる条件での最大変位,トレスカ応力を評価した。その結果、最大変位は8.8mm、最大トレスカ応力も、接線ポートに隣接するシアパネルを締結するボルトの一つにピークが現れることが明らかになった。これにより、実機に近いモデルに基づく評価の下で、設計目標値である「最大変位10mm以下,最大応力667MPa以下」を満たすことが明らかになった。発表では、さまざまな電磁荷重条件における評価を行い、TFコイルとセンターソレノイドの一体化支持による応力緩和の効果などについて議論する。
木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 安藤 俊就*; 濱田 一弥; 原 英治*; 今橋 浩一*; 石田 真一; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1535 - 1538, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.53(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル(TFC)製作においては、NbAl導体が歪による臨界電流()の減少が少ないために、より低コストなコイル製作を可能とする熱処理後巻線する方法(リアクト・アンド・ワインド法:R&W法)が適用可能と考えられる。しかしながら、曲げに起因するの減少を評価するためのデータが不足しており、核発熱などによる温度上昇に対するコイルの温度裕度を見積もることが困難であった。そこで、R&W法による導体の曲げの影響を評価するために測定部がTFC実機と同じR=1.06m(曲げ歪:0.4%)の曲率となるD型のコイルを開発し、を測定した。また曲げの寄与を明確にするために、曲げを加えていない短尺サンプルも製作した。コイル製作は、導体をR=2.13mの環状に成形した状態で熱処理を行い、その後、D型コイル形状に巻線を行った。D型コイルを温度(T)4.3-4.4K,磁場(B)7-12Tで試験し、30kA(7.3T, 4.4K)のを達成した。D型コイルと超伝導素線との比較より、導体の歪は-0.6%程度と見積もられた。これは、短尺サンプルと同程度の歪であり、0.4%の曲げはにほとんど影響を与えないことが明らかとなり、TFCをR&W法で製作した場合でも、設計基準の温度裕度を確保できることが見いだされた。
礒野 高明; 濱田 一弥; 河野 勝己; 阿部 加奈子*; 布谷 嘉彦; 杉本 誠; 安藤 俊就*; 奥野 清; 坊野 敬昭*; 富岡 章*; et al.
低温工学, 39(3), p.122 - 129, 2004/03
高温超伝導体(HTS)を核融合用電流リードに応用する開発を行ってきた結果、ITERに必要な60kA級への大電流化と性能試験に成功した。本開発研究では、従来の銅を用いた電流リードの性能と比較して、4Kへの熱侵入量を1/10、冷凍機消費電力を1/3となることを開発目標とした。これらの目標を達成するための課題として、HTSシース材の選択,銅部の最適化,接続部発熱の軽減,HTSとステンレス鋼間の熱接触の改善を行った。開発した電流リードは60kA通電と開発目標を達成した。このHTS電流リードはITERに適用でき、冷凍機電力の低減が期待できる。
土屋 勝彦; 木津 要; 三浦 友史; 安藤 俊就*; 中嶋 秀夫; 松川 誠; 逆井 章; 石田 真一
Fusion Engineering and Design, 70(2), p.131 - 140, 2004/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.45(Nuclear Science & Technology)JT-60改修装置における主要なコンポーネントの一つであるTFコイルでは、超臨界圧ヘリウムで超伝導(ニオブアルミ)線を強制冷却するため、コンジットと呼ばれる金属内に超伝導素線を納める、ケーブル・イン・コンジット導体を採用している。ここで用いるコンジットは円形中空の矩型であり、突き合わせ溶接して長尺化する。本形状のコンジットは、ステンレス鋼では製作実績がないため、30m長導体を試作(10mコンジット3本使用)する一貫としてR&Dを行った。この時、溶接面において、ケーブル引き込み時の妨げとなるような凸部を作らないようにした結果、コンジット内に送るガス圧を調節することで裏波の制御が可能であることがわかった。また、小型CCDカメラをコンジット内に挿入する視覚的観察法の導入により、コンジット内側における裏波の状態の良否判断に寄与できた。ケーブルの引き込み時においては、引き込み張力は途中から増加せず、滞りなく全長分を引き込むことに成功した。この後、縮径工程を経て実機サイズとし、一部をリアクト・アンド・ワインド法実証用D形サンプルに用いられた。この製作時に行われた750Cの熱処理後でも、溶接面の健全性は保たれていた。これらのことから、本装置TFコイル用導体の量産化に対する見通しができた。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を使用して、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めている。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材,緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:22.85(Physics, Fluids & Plasmas)超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30 mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を用いて、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めた。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材、緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
新井 和邦*; 二ノ宮 晃*; 石郷岡 猛*; 高野 克敏*; 中嶋 秀夫; Michael, P.*; Vieira, R.*; Martovetsky, N.*; Sborchia, C.*; Alekseev, A.*; et al.
Cryogenics, 44(1), p.15 - 27, 2004/01
被引用回数:3 パーセンタイル:15.44(Thermodynamics)ITER計画のもとで中心ソレノイド・モデル・コイルの試験を行い、コイルで発生するAE信号を直流運転時に測定した。その結果、コイルで発生するAE信号は、超伝導導体で発生する交流損失と関係があることが明らかになった。このことは、コイルの繰り返し通電時の撚線の動き及び素線間接触の剥がれにより交流損失が発生し、それらの動きをAE信号として測定したことを示している。また、AE信号はコイルのバランス電圧で見られる電圧スパイクとも関係があり、機械的攪乱が存在していることが明らかとなった。このことから、CSモデル・コイルにおいては、機械的攪乱の発生場所はAE信号及び電圧スパイクの情報を用いることで求めることが可能である。
礒野 高明; 河野 勝己; 濱田 一弥; 松井 邦浩; 布谷 嘉彦; 原 英治*; 加藤 崇; 安藤 俊就*; 奥野 清; 坊野 敬昭*; et al.
Physica C, 392-396(Part2), p.1219 - 1224, 2003/10
核融合応用を目的として、4.2Kへの熱浸入の少ない60kA高温超伝導(HTS)電流リードの開発及び試験を行った。本HTS電流リードは、低熱浸入量だけではなく、事故時の安全性も考慮した設計となっている。HTS電流リードは、強制冷凍の銅リード部と伝導冷却のHTSリード部から構成される。HTSリード部は、288本の銀合金シース型Bi-2223テープをステンレスのチューブ上に円筒状に配置しており、自己磁場のテープに対して垂直な成分を減少させることにより、HTSの臨界電流の低下を抑える工夫を行っている。さらに銀合金として、熱伝導を減少させるため10%の金を含んだ銀を使用している。HTS部の直径は146mm,長さは300mmである。試験の結果、世界最高記録である60kA通電に成功した。この時の銅リード部の冷媒条件は入口温度20Kで冷媒流量3.2g/s,4.2Kへの熱浸入量は5.5Wであり、冷凍機電力としては従来の電流リードと比較して1/3まで減らすことができた。この結果により、核融合用大型HTS電流リードの技術が確立できた。
小泉 徳潔; 安藤 俊就*; 中嶋 秀夫; 松井 邦浩; 杉本 誠; 高橋 良和; 奥野 清; 木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; et al.
Proceedings of 20th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2003), p.419 - 422, 2003/10
13T以下の磁場で運転されるTFコイル用導体として、NbSn導体が開発された。しかし、NbSnは歪に弱く、磁場が高くなると性能低下が大きい。このため、13Tを超える磁場での使用は困難である。他方、NbAlは歪に強く、潜在的にはNbSnより高い臨界電流値を有するため、次世代の超電導導体として考えられている。そこで、原研では80年代より、NbAl導体の開発を行ってきた。第一段階では、素線の大量生産技術を開発した。第二段階で、大型コイルの開発を行い、定格点の134T-46kAまでの励磁に成功した。これらの成果から、JT-60SCのTFコイル導体として、NbAl導体の開発も進めている。D型のコイルを製作し、成功裏に試験することができた。以上の結果は、16T級TFコイルNbAl導体の開発に多大な貢献をし、本開発は着実に進んでいる。
安藤 俊就*; 菊池 満
Fusion Engineering and Design, 66-68, p.1097 - 1102, 2003/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)核融合炉用超伝導コイルの導体の高電流密度化とコイルが常伝導状態に転移した時にコイルに蓄積した磁気エネルギーを消費する外部抵抗器を縮小するために、導体の常伝導状態に転移の際に電流のバイパスとして導体内に備えてある純銅線を導体から取り除き、その代わりに常伝導コイルを超伝導コイルの内側に配置した超伝導コイル・システムを考案し、その実現性を検討した。その結果、導体の断面積で約35%に縮小が可能であること、また、外部抵抗を約40%に縮小できることが示された。