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阿部 浩之; 青根 茂雄*; 森本 亮*; 内田 裕久*
Journal of Alloys and Compounds, 580(Suppl.1), p.S219 - S221, 2013/12
被引用回数:5 パーセンタイル:31.8(Chemistry, Physical)水素吸蔵合金の吸蔵能の1つに、水素吸蔵初期反応速度がある。今回、イオン照射による表面改質技術を目的に種々のイオンをMm-Ni系水素吸蔵合金に照射したところ希土類イオンであるLaイオン,Ceイオンが水素吸蔵初期反応速度を大きく向上させることが判明した。さらにこれらイオン照射後のサンプルをKOHアルカリ溶液にて化学処理を施した場合、イオン照射したサンプルよりも数倍の初期反応速度の向上が見られた。これら希土類元素は水素を吸収しやすい物質であるため、表面にLaやCeイオンを導入することで初期反応速度が促進されたと考えられる。さらにKOHのアルカリ溶液にて化学処理をすることで、表面酸化膜がエッチングされるとともに、カリウム原子が合金表面仕事関数を下げることで、初期反応速度が速くなると考えられる。
阿部 浩之; 織茂 聡; 岸本 雅彦*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大道 博行; 大島 武
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 307, p.218 - 220, 2013/07
被引用回数:1 パーセンタイル:11.54(Instruments & Instrumentation)荷電粒子照射による金属材料の構造変化や水素吸蔵特性を調べ、メカニズム解明に必要な基礎データを取得するとともに、水素吸蔵材料の高機能化に関する研究の一環として、レーザー駆動プロトンビーム(J-KAREN)において広エネルギー帯域(数十keV3.2MeV)のプロトンビームを水素吸蔵合金MmNiに照射し、その水素吸蔵能向上に対する有用性について調査した。また比較としてTIARAタンデム加速器、イオン注入器において、30keV6MeVプロトンビームを実用水素吸蔵合金に照射した。照射サンプルの水素吸蔵初期反応速度測定を実施し、未照射サンプルとレーザー駆動プロトンビーム、単色プロトンビーム照射との測定結果を比較した。その結果、未照射サンプルに対してレーザー駆動プロトンビームは十数倍の反応速度向上が見られた。一方、単色プロトンビーム照射実験の結果では未照射サンプルに比べ数倍程度の吸蔵能向上であり、このことより、広いエネルギー帯をもつレーザー駆動プロトンビーム照射の有用性が実証された。
阿部 浩之; 青根 茂雄*; 森本 亮*; 内田 裕久*; 大島 武
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 36(1), p.133 - 135, 2011/03
これまでに、パラジウム(水素吸蔵材料)について、重イオン照射により欠陥導入させることで表面構造が乱れ、それにより表面改質効果が生じ、水素吸蔵能向上が見込まれることを見いだしている。本研究ではその表面状態についてさらに詳細な知見を得るため、表面仕事関数測定により電子状態を調べ、初期水素吸蔵反応速度との相関関係を調べた。照射イオンはNイオン,Crイオン,Agイオン,Xeイオン照射を実施し、ドーズ量は1010cmとした。水素吸蔵反応速度測定により、イオン照射したPdは未照射Pdに比べ反応速度が310倍速くなることを確認し、仕事関数測定ではイオン照射のドーズ量の増加に伴い、仕事関数値が負側へシフトすることが判明した。これより、イオン照射により表面構造が乱され、表面電子状態が不安定になった結果、水素原子が取り込まれやすい状態となり、初期水素吸蔵反応速度が速くなったと結論できる。
阿部 浩之; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大島 武
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 145, 2008/11
水素吸蔵合金の実用材料として使用されるMm系合金(MmNiCoMnAl(Mm=LaCe))の水素吸収特性のさらなる向上を目指し、イオン照射と照射前の表面アルカリ処理が水素吸蔵速度に及ぼす影響について調べた。これまで金属Pdにおいて、イオン照射により表面層に高濃度欠陥を生成させることで水素吸蔵特性が改善されることを明らかにしている。さらに、表面アルカリ処理によりLaNiの初期水素吸蔵速度が向上することも見いだしている。そこで、イオン照射とアルカリ処理との相関に着目し、初期水素吸蔵速度測定を行った結果、アルカリ処理とイオン照射の両方を施したサンプルはイオン照射のみの場合に比べ、水素吸蔵能力が向上することがわかった。
青根 茂雄*; 森本 亮*; 阿部 浩之; 内田 裕久*
no journal, ,
水素吸蔵材料の水素反応において試料表面状態の情報は非常に重要である。そこで本研究では水素吸蔵材料であるPdの表面近傍にイオン照射により空孔型欠陥を生成させ、水素吸蔵特性に及ぼす影響について調べた。特に、イオン照射エネルギー及び照射量の違いによる水素吸蔵初期反応速度(水素化速度)への影響を調べた。用いたイオン種はHイオン,Arイオン,Xeイオンで、30350keVで、110, 110, 110/cmのフルエンスを照射した。水素吸蔵評価では照射サンプルそれぞれ1サイクルの吸放出実験を行い、各サンプルの水素化速度を測定した。その結果、未照射サンプルよりもイオン照射したサンプルの方が高い水素化速度を示し、照射エネルギー、あるいは照射量が増えるにつれて、水素化速度が向上する傾向が見られた。このことより、試料表面にイオン照射により空孔型欠陥を形成することが、水素化反応の向上に有効であることが明らかとなった。また水素化速度向上のイオン種依存性も観測されており、欠陥形成だけでなく、試料内部に若干残留するイオンの性質や状態も水素吸蔵特性に影響を及ぼすことが示唆された。
阿部 浩之; 森本 亮*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
Pdは水素吸収(吸蔵)する単体金属である。また実用材料としての水素吸蔵合金はニッケル水素電池の負極材やそのほかさまざまな用途に用いられている。これら材料の水素吸蔵性能を大幅向上させることは実用上重要である。そこでわれわれはイオン照射による吸蔵能向上を検討するため、PdへのCrイオン及びXeイオン照射を実施し、水素吸収初期反応速度や水素吸放出前後の仕事関数測定をして評価した。その結果、未照射に比べ、照射量変化による水素吸収初期反応速度の向上,表面仕事関数の負方向へのシフトや水素吸収速度が最大で10倍程度の向上を示した。
阿部 浩之; 森本 亮*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
水素吸放出可能な単体金属材料として、パラジウム(Pd)がよく知られている。材料の水素吸蔵能高機能化や水素吸蔵反応についてのメカニズム解明(モデル化)につながるデータ取得のために、材料改質に有効な手法であるイオン照射を行った。照射によるPdの欠陥形成過程や表面活性について、水素吸蔵初期反応速度測定やPd表面における仕事関数測定により評価を行った。その結果、照射によってPd表面を活性状態にさせることで、未照射Pdに比べ数倍高い水素化速度を示すことがわかった。また仕事関数に関しては、照射量の増加に伴い未照射Pdよりも低い値になることが見いだされた。このことにより、アルカリ溶液中での水素吸蔵実験では、アルカリ単原子がPd表面上に吸着することで、仕事関数の減少が生じ、それにより水分子とPd表面上での電子交換が早まり、結果としてHOの解離反応が促進され、水素吸蔵初期反応速度が向上したと推測される。
青根 茂雄*; 阿部 浩之; 内田 裕久*
no journal, ,
水素吸蔵材料の水素化反応において、その表面状態の知見を得ることは重要である。本研究ではイオン照射(Cuイオン照射)により材料表面に欠陥形成を行い、水素吸蔵材料Pd(パラジウム)の水素化特性に及ぼす影響について調べた。その結果、Cuイオン照射Pdは、未照射よりも速い水素化速度(水素吸収初期反応速度)を示すことが明らかになった。イオン照射により、Pd表面近傍に空孔型欠陥が形成され、水素化反応初期において水素化物相の核形成・成長に寄与していると推測され、イオン照射が水素化速度の向上に有効であると考えられる。
青根 茂雄*; 内田 裕久*; 阿部 浩之
no journal, ,
水素吸蔵合金の実用材料として使用されているMmNi(Al, Mn, Co)系合金のさらなる特性向上を目指し、イオン照射と照射前のKOH処理が水素吸収速度に及ぼす影響について調べた。これまでわれわれは、イオン照射は金属に高濃度の欠陥を生成することができ、Pdにおいて水素吸収特性が改善されること,アルカリ処理によりLaNiの初期水素吸収速度が向上することを見いだしている。これら2つの知見をもとに、イオン照射とアルカリ処理との相関に着目し、初期水素吸収速度の測定を実施した。その結果、吸蔵初期反応において、アルカリ処理の有無とイオン照射と未照射により、水素吸蔵初期反応について明らかな差異が認められ、アルカリ処理に加え、さらにイオン照射を施すことで、水素吸蔵初期反応が大幅に改善されることが明らかとなった。
阿部 浩之; 森本 亮*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
パラジウム(Pd)にイオン照射を行い欠陥を導入することで、表面改質が生じ、水素吸蔵能力が向上することを見いだした。さらに、表面状態の理解のために仕事関数測定を行った。イオン照射はCrイオンを用い、エネルギー350keV,ドーズ量10-10cmの範囲で行った。水素吸蔵初期反応速度を調べたところ、照射により未照射に比べ、最大で5倍吸蔵初期反応が早まることが判明した。その際の仕事関数の変化を求めたところ未照射Pdを基準として、負方向に約0.11eVシフトすることが見いだされた。ドーズ量の増加によりこの値はさらに負側にシフトした。仕事関数値が負側にシフトすることは、実験装置内の水溶液中での電子交換が容易になることを意味し、このことにより水素原子が取り込みやすくなり、結果として吸蔵初期反応が向上したと推測される。
阿部 浩之; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
水素吸蔵合金のさらなる向上を目指し、実用材料として使用されているMmNiCoMnAl(Mm=LaCe)合金へのイオン照射とアルカリ処理が水素吸収反応速度に及ぼす影響について調べた。MeV級プロトン照射を実施し、その後6M-KOH溶液にて373K, 30分間のアルカリ処理を行った。電気化学的水素化反応実験にて初期水素吸収反応速度(反応速度)を測定した。アルカリ処理有無とイオン照射有無によるMm合金の反応速度を評価した結果、アルカリ処理+イオン照射を施すことで、反応速度が数倍速くなることが明らかになった。イオン照射によりサンプル表面近傍に欠陥が生成され、表面活性となり、未照射に比べ高い水素化速度を示すことに加え、アルカリ処理により表層付着した酸化物や不純物層がエッチングされ表面活性が戻り、その結果HOの解離反応が促進されたと推測される。以上より、イオン照射による表面改質とアルカリエッチングによる表面活性の効果は水素吸蔵能の高機能化へ寄与することが明らかとなった。
阿部 浩之; 織茂 聡; 岸本 雅彦*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 大道 博行; 大島 武
no journal, ,
荷電粒子を利用した高付加価値材料の創製には、照射効果のメカニズムを理解し、効率的に特性改質を図ることが重要である。われわれは、荷電粒子線照射による金属材料の構造変化や水素吸放出特性を調べ、メカニズム解明に必要な基礎データを取得するとともに、水素吸蔵材料の高機能化に関する研究を行っている。既に単色プロトン照射ビームをはじめ種々のイオン照射を実施しているが、今回は、関西光科学研究所のレーザー駆動プロトンビーム(J-KAREN)において広エネルギー帯域(数十keV3.2MeV)のプロトンビームを水素吸蔵材料Pdに照射し、その有用性について調査した。また比較としてTIARAタンデム加速器で16MeVプロトンビームを実用水素吸蔵合金に照射した。照射サンプルの水素吸蔵初期反応速度測定を実施し、未照射サンプルとレーザー駆動プロトンビーム,単色プロトンビーム照射(TIARA)との測定結果を比較した。その結果、未照射サンプルに対してレーザ駆動プロトンビーム照射では最大で16倍の反応速度向上が見られた。TIARAを用いた単色プロトンビーム照射実験の結果では5倍程度の向上であり、このことより、広エネルギー帯域なプロトンビーム照射の有効性が実証された。
阿部 浩之; 米田 安宏; 青根 茂雄*; 内田 裕久*
no journal, ,
水素吸蔵材料であるAB型のLa-Ni系水素吸蔵合金について、水素貯蔵状態と水素吸放出を繰り返した後の水素放出後の表面構造について、そのミクロスコピックな構造の違いをSPring-8, BL14B1にて調べた。今回対象としたLaNi合金とMmNi合金は両者とも同じ六方晶(P6/mmm)構造であり、これまで水素吸放出を繰り返した場合でも構造変化はどちらも同じであると考えられていた。しかし、本研究のX線局所構造解析により、水素吸蔵初期段階の水素固溶相(相)から水素化物相(相)へ移る途中の水素固溶相+水素化物相(+相)までの水素吸蔵量H/M=0.51.0程度のエリアでの局所構造がLaNiでは相、+相領域ともにP6/mmmであるのに対し、高い水素吸蔵能をもち、より実用に近い材料であるMmNiでは+相の初期の段階でP6/mmmではなく、Cmmmという異なる空間群を持つことがわかった。
織茂 聡; 阿部 浩之; 大道 博行; 西内 満美子; 岸本 雅彦*; 青根 茂雄*; 内田 裕久*; 小倉 浩一; Pirozhkov, A. S.; 杉山 博則*; et al.
no journal, ,
関西光科学研究所において、既存の加速器では出すことが困難であるレーザー駆動陽子ビームの特徴(ns以下の短いパルス幅,数10KeV数MeV級の広いスペクトル領域、等)を活かした1Hz陽子ビームを燃料電池材料に数10数100ショット積算照射することによって金属材料表面改質を行い、燃料電池としての性能向上を目的とした実験を行ったので報告する。
阿部 浩之; 青根 茂雄*; 岸本 雅彦*; 村木 啓太*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
実用水素吸蔵材料であるMm系合金の特性向上を目指し、荷電粒子線照射(電子,イオン)と表面アルカリ処理が水素吸蔵速度に及ぼす影響について調べた。これまで単体金属Pdにおいて、イオン照射により表面層に高濃度欠陥を生成させることで水素吸蔵特性が数5倍程度向上することを明らかにしている。さらに、LaNi系吸蔵合金にアルカリ処理を施すことで、水素吸蔵初期反応速度が2, 3倍向上することも見いだしている。これらの知見から、Mm系合金へ荷電粒子線照射とアルカリ処理との両方の処理を施した二つの複合効果を調べた結果、二つの処理を施すことで照射サンプル、アルカリ処理をそれぞれ一方のみ行ったサンプルよりもさらに35倍もの水素吸蔵初期反応速度測定が速くなることが判明した。
中島 大斗*; 青根 茂雄*; 阿部 浩之; 内田 裕久*
no journal, ,
水素吸蔵合金の材料改質として、われわれは過去にフッ化水素(HF)処理や水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)そして水酸化ナトリウム(NaOH)による強アルカリ処理を行ってきた。またそれとは別に軽イオン照射による表面改質も行ってきた。本研究では、過去の処理条件と比べて重イオン(Bi)を用いたイオン照射が水素吸蔵合金Mm(CeLa)Ni(NiCoMnAl)の水素吸収特性に及ぼす影響について調べた。さらにそのイオン照射後に従来行われてきたアルカリ処理も行い、水素吸蔵初期反応速度の変化について調べた。結果として、重イオン照射の方が軽イオン照射に比べ、表面近傍で多量な欠陥を生成するため、より大きな表面改質がなされ水素吸蔵能の向上に寄与することが判明した。さらに照射後にアルカリ処理を施すことで、さらに初期吸蔵速度が速まることも判明した。
阿部 浩之; 青根 茂雄*; 森本 亮*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
水素吸蔵材料表面には表面酸化皮膜や水酸化被膜が形成されやすい。前者の被膜では、気相反応系での水素分子の解離が著しく阻害され、後者では電気化学反応系での水分子における解離が阻害される。それらいずれの場合においても、水素吸蔵速度が低下することが知られており、水素吸蔵反応において、表面状態の制御が非常に重要となってくる。そこで、表面改質処理としてイオン照射とアルカリ処理を用い、水素吸蔵材料の水素吸収初期反応速度に及ぼす影響、特に、それら表面改質処理の相乗効果について調べた。その結果、イオン照射とアルカリ処理を施すことで、従来のアルカリ処理のみ(未照射アルカリ処理)の場合よりも水素吸蔵能が向上することを見いだした。特にLaやCeといった希土類イオン照射にアルカリ処理を施した場合は、何も処理を施さない場合(未照射未アルカリ処理)に比べ水素吸蔵初期反応速度が、317倍も速くなることが判明した。これより、希土類イオン照射とアルカリ処理を組み合わせることで相乗効果が生じ、従来よりもはるかに高い吸蔵能向上を示すことを見いだした。