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論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

論文

Corrigendum: Beam range estimation by measuring bremsstrahlung (2012 Phys. Med. Biol. 57 2843)

山口 充孝; 鳥飼 幸太*; 河地 有木; 島田 博文*; 佐藤 隆博; 長尾 悠人; 藤巻 秀; 国分 紀秀*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.

Physics in Medicine & Biology, 61(9), p.3638 - 3644, 2016/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:100(Engineering, Biomedical)

2012年にPhys. Med. Biol.誌にアクセプトされた原著論文("Beam range estimation by measuring bremsstrahlung", Phys. Med. Biol. 57 (2012) 2843)について、計算コードPHITSを用いた水中での炭素イオンの飛程に関して再計算したところ、飛程の値に間違いが見つかった。今後、制動輻射を用いたビームモニタリングに関する研究を行う上で無視することができない差異であるため、関連する記述内容も含め、訂正した原稿を投稿する。

論文

Detection of a gas region in a human body across a therapeutic carbon beam by measuring low-energy photons

山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 佐藤 隆博; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 鳥飼 幸太*; 島田 博文*; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; et al.

International Journal of PIXE, 26(1&2), p.61 - 72, 2016/00

炭素線治療中にその軌道上の生体組織内で発生する局所的密度減少は、ブラッグピーク位置のシフトを引き起こし、誤照射の原因となる。この密度減少を炭素線照射中に確認できれば、誤照射を軽減する対策が立てられる。そこで、重粒子線治療で発生する二次電子による制動輻射のうち、発生量が多く効率的測定が可能な低エネルギー光子(63-68keV)による生体内の局所的密度減少の検出方法を開発している。今回、空気間隙による密度減少の存在の検出が可能かどうかをPHITSコードを用いたモンテカルロシミュレーションにより次のように評価した。ビーム軸方向の長さが50mm、奥行き200mm、高さ200mmのアクリルブロック2個を、ビーム軸方向に10mmの間隙を設けて設置した。また、検出器として、幅2.4mmのスリットを持つ鉛製コリメータとテルル化カドミウム製の検出素子を組み合わせた。炭素線を照射した際にビーム軸に対して垂直方向に放出される63-68keVの光子を検出したところ、その検出量に明らかな増減が確認できた。この結果は、間隙の存在を十分検出することが可能であることを示す。

論文

An Evaluation of three-dimensional imaging by use of Si/CdTe Compton cameras

山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 小高 裕和*; 国分 紀秀*; 武田 伸一郎*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.

Proceedings of 2013 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference Record (NSS/MIC), 3 Pages, 2013/00

A Monte Carlo simulation system was developed to estimate the response of Compton camera against $$gamma$$-ray emissions from RI spots in a PET-standard human-body phantom. The quality of the three-dimensional imaging program for the Si/CdTe Compton camera to reconstruct the image of the RI spots in a phantom was evaluated by the system, when the phantom has three hot sphere-regions with the same known RI density and different diameters, in other words, different known intensities. The density values of the hot regions reconstructed by the three-dimensional imaging program for the Compton camera were consistent to the known intensities of the RI. It demonstrates sufficient quality of the program for Si/CdTe Compton camera to image RI spots in the phantom.

論文

A New method for monitoring beam range by measuring low energy photons

山口 充孝; 鳥飼 幸太*; 河地 有木; 島田 博文*; 佐藤 隆博; 長尾 悠人; 藤巻 秀; 国分 紀秀*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.

Proceedings of 2013 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference Record (NSS/MIC), 2 Pages, 2013/00

We studied a new method to monitor a beam range in heavy-ion radiation therapy on the basis of measurement of low energy photons emitted from a track of the ion beam. A 290 MeV/u carbon beam was injected into a cylindrical water phantom. A CdTe semiconductor detector with a lead slit having a width of 2 mm was placed at a side of the phantom. In order to measure the position dependence of the low energy photon count, the beam range was varied by changing the energy of injected ions using a binary energy degrader placed about 100 cm upstream of the beam focal point. The measured photon count decreased when the detector got closer to the end point of the beam range and the derivative of the photon count values sharply changed within a depth variation of a few mm in front of the range position. This was explained by our theoretical study assuming secondary electron bremsstrahlung. These results indicate that this new method could be useful to estimate the range position from the observation of bremsstrahlung with an accuracy of a few mm.

論文

Beam range estimation by measuring bremsstrahlung

山口 充孝; 鳥飼 幸太*; 河地 有木; 島田 博文*; 佐藤 隆博; 長尾 悠人; 藤巻 秀; 国分 紀秀*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.

Physics in Medicine & Biology, 57(10), p.2843 - 2856, 2012/05

 被引用回数:41 パーセンタイル:79.35(Engineering, Biomedical)

We describe a new method for estimating the beam range in heavy-ion radiation therapy by measuring the ion beam bremsstrahlung. We experimentally confirm that the secondary electron bremsstrahlung process provides the dominant bremsstrahlung contribution. A Monte Carlo simulation shows that the number of background photons from annihilation $$gamma$$ rays is about 1% of the bremsstrahlung strength in the low-energy region used in our estimation (63-68 keV). Agreement between the experimental results and the theoretical prediction for the characteristic shape of the bremsstrahlung spectrum validates the effectiveness of our new method in estimating the ion beam range.

口頭

過渡臨界実験装置(TRACY)の放射線管理から得られた知見

増山 康一; 荒川 侑人; 大塚 義和; 横須賀 美幸; 小林 誠; 秋山 勇; 清水 勇

no journal, , 

日本原子力研究開発機構の燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)に設置してある過渡臨界実験装置(以下「TRACY」という)では、臨界超過(臨界事故)におけるウラン溶液燃料の挙動研究が行われている。運転に伴って生成された核分裂生成ガス(以下「FPガス」という)は2日以上ベント系内で隔離し、短半減期核種を減衰させた後、気体廃棄物処理設備を経由して排気筒から放出される。この放出されたFPガスは、排気筒ガスモニタで濃度の測定が行われてきた。本件では、排気筒ガスモニタの濃度測定から求めた放出量(以下「排気筒ガスモニタ実測値」という)の妥当性を確認するために、FP核種崩壊データファイルをもとに算出した理論値と実測値とを比較し、得られた知見について発表する。

口頭

Substantiative experiments of distortion correction for novel Si/CdTe Compton camera

河地 有木; 山口 充孝; 長尾 悠人; 鈴井 伸郎; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 小高 裕和*; 国分 紀秀*; 武田 伸一郎*; 石川 真之介*; et al.

no journal, , 

In order to extend the application of Compton imaging to the fields of medicine and biology, the imaging quality and quantitatively of Compton camera systems must be improved by correcting and normalizing spatial distortions. Several techniques have been developed for correcting the imaging errors in radionuclide-based imaging systems used to quantitatively analyze target physiological functions. Spatial distortion can be corrected by integrating individually reconstructed peaks of imaging data obtained by a Compton camera with the peaks of point $$gamma$$ sources. To improve the efficiency distortion, the individual detector efficiencies are normalized by flat panel phantoms, which is equivalent to the image of efficiency map of the camera geometry. Currently, we are constructing a Si/CdTe Compton imaging system. The imaging system has high spatial and energy resolutions and a wide energy range. We performed imaging experiments by placing point $$gamma$$ sources of $$^{133}$$Ba (364 keV) and $$^{22}$$Na (511 keV) in a reticular pattern at intervals of 20 mm within an FOV in front of the camera. As a result, an intensity distribution map of each source and distorted images point source showing the forms of elliptical object around the corner of the FOV were obtained. Such a distortion is a marked characteristic of Compton imaging at near-field area of camera head for medicine and biology.

口頭

NUCEF施設における放射線管理モニタの故障分析とその予防保全対応

中嶌 純也; 横須賀 美幸; 荒川 侑人; 清水 勇; 梅原 隆

no journal, , 

原子力科学研究所のNUCEF施設では、81台の放射線管理モニタによる連続監視を行っている。これらは定期的に点検を実施しているが、さまざまな原因により故障が発生している。そこでわれわれは、過去18年間に起きたモニタ故障を集計し、故障原因別に分類した。その結果、モニタによって故障件数は大きく異なり、またそれらの故障原因にも偏りがあることがわかった。次に、発生頻度が突出して高かったダストモニタ用GM計数管の劣化について、平均指示値と交換間隔の関係を調べたところ、両者の間に因果関係を見いだすことができなかった。以上のようなモニタ故障の状況に対し、消耗品の定期交換などにより故障件数の減少を図っているが、今回の分析結果もフィードバックさせ、さらなる予防保全に努めていく。

口頭

Si/CdTeコンプトンカメラによる近接領域における$$gamma$$線源強度分布の定量撮像を目的とした画像再構成手法の開発

長尾 悠人; 山口 充孝; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 武田 伸一郎*; 小高 裕和*; 渡辺 伸*; 国分 紀秀*; 高橋 忠幸*; et al.

no journal, , 

従来のガンマカメラ・SPECTといった$$gamma$$線イメージング装置は、物理的コリメータを実装しているために感度と空間分解能の向上が競合してしまうという本質的な問題を抱えており、また対象となる$$gamma$$線も低エネルギーに限られている。これに対しコンプトンカメラは、コンプトン散乱の運動学を$$gamma$$線のコリメーションに応用することで、感度と空間分解能の向上が競合せず、また幅広いエネルギーの$$gamma$$線を撮像可能な次世代$$gamma$$線イメージング装置である。照射施設管理課は、宇宙観測用に開発が進められているSi/CdTe半導体コンプトンカメラを、医学・生物学における生体内トレーサイメージングへ応用することを目的とした研究開発を行っている。特に、医学・生物学での利用には、カメラの近接領域に存在するRIトレーサの分布を定量的に推定することが不可欠である。本研究では、そのために必要な画像再構成手法の改良を行った。

口頭

コンプトンカメラの医学・生物学応用に向けた定量的画像再構成法の開発

長尾 悠人; 山口 充孝; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 武田 伸一郎*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; 鳥飼 幸太*; 荒川 和夫*; et al.

no journal, , 

医学・生物学における生体内トレーサイメージングへ応用するコンプトンカメラでは、その近傍に存在するRIトレーサの分布を定量的に表現できることが不可欠である。このため、本研究では、それに必要な画像再構成手法の開発を進めている。画像再構成にLM-ML-EM法を用いるとき、対象領域からの$$gamma$$線に対する検出効率分布の算出は、イメージングの定量性に大きな影響を及ぼす。特に、カメラ近傍では検出効率の空間的な変化が大きいため、その重要度はより顕著である。本研究では、$$gamma$$線のエネルギーや検出器との相互作用断面積といった物理的条件を考慮して検出効率分布を算出する手法を独自に開発した。等間隔に等強度の点線源を配置した場合のシミュレーションを実施し、本開発手法を用いて画像再構成した。この結果、広い領域に渡って均一な線源強度を示す画像が得られ、本手法の有効性が示された。さらに、コンプトンカメラを用いて、実際に非密封線源で製作したファントムの撮像を試みた。

口頭

医学・生物学応用のためのSi/CdTe半導体コンプトンカメラの開発

山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 荒川 和夫*; 神谷 富裕; 小高 裕和*; 国分 紀秀*; 武田 伸一郎*; 渡辺 伸*; et al.

no journal, , 

医学分野における近距離領域撮像用のコンプトンカメラは、散乱体を起点とした角度分解能ではなく、検出体最表面を起点とした角度分解能(実効角度分解能)を指標として検出器構成の設計を行う必要がある。また、検査・治療支援等を目的とした撮像を行う際は、撮像時間の短縮及び投与RIの減量によって、患者の身体的及び精神的負担を軽減するため、コンプトンカメラの設計には検出効率向上に重きを置く必要が生じる。そこで、CdTeが散乱体かつ吸収体となるイベント(CdTe-CdTeイベント)を取り入れることによる検出効率の大幅な向上効果と、その際の実効角度分解能を指標として検出器構成のシミュレーションによる検討を行った。これに基づいて構築したSi1枚CdTe4枚の構成を持つコンプトンカメラについて、Ba-133(356keV)の点線源を用いて検出効率と角度分解能を測定した結果はシミュレーション結果と整合した。これにより、Si/CdTeコンプトンカメラによる近接領域撮像においてCdTe-CdTeイベントを取り入れることによる検出効率の向上効果の有効性が実証できた。

口頭

Development of a method calculating detection efficiency maps for quantitative image reconstruction of a Compton camera

長尾 悠人; 山口 充孝; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 武田 伸一郎*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; 鳥飼 幸太*; 荒川 和夫*; et al.

no journal, , 

We have been studying the application of Compton cameras to the field of medicine and biology. A quantitative image reconstruction method for Compton cameras has been investigated to analyze quantitatively the physiological functions of the target subjects, since it is essential to estimate the quantitative distribution of radioactive tracers within a given field of view (FOV) of the camera. Detection efficiency maps play an important role in quantitative image reconstruction in a statistical image reconstruction algorithm. Particularly, there are significant spatial variations of efficiency in the near-field area of the camera, which is the main FOV in the medical and biological application. A method to calculate the efficiency maps has been developed considering geometrical and physical conditions. A Monte Carlo simulation was carried out to test the validity of the method. The point sources of 511 keV photons were placed in a plane at a distance of 150 mm from the scattering detector of the CdTe Compton camera. The efficiency map agreed well with the result of Monte Carlo simulation. An imaging experiment of a $$^{22}$$Na source in the shape of line was performed using the efficiency map. The source was placed in the same plane as considered in Monte Carlo simulation. The shape of line is well reconstructed by list-mode ML-EM, though distribution of activity is not uniform sufficiently.

口頭

医学・生物学用マルチヘッドSi/CdTe半導体コンプトンカメラのための横断断層撮像画質のシミュレーションによる評価

山口 充孝; 酒井 真理*; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 荒川 和夫*; 神谷 富裕; 小高 裕和*; 国分 紀秀*; 武田 伸一郎*; et al.

no journal, , 

本研究では、複数核種同時撮像が可能なイメージング装置として注目されているSi/CdTe半導体コンプトンカメラを用いた核医学診断装置の開発を目的としている。これまでに、コンプトンカメラによる二次元画像の撮像に関する研究は進められてきたが、核医学診断装置に求められる横断断層撮像に関しては、複雑な三次元画像解析が必要なため十分研究が進められておらず、画質評価方法も確立していない。そこで、PET診断で用いられている標準的な評価方法を適用し、コンプトンカメラの横断断層画質の評価をシミュレーションにより行った。シミュレーションの対象は、内部に放射能濃度の濃い球形のホット球と放射能濃度がゼロであるコールド球を配置した人間胴体ファントムであり、標準的な評価方法に従い、合計6個の球の重心が断層面と重なるようにした。さらに、Si/CdTe半導体検出器を断層面内にファントムを取り囲むように配置した。各球のサイズ及び濃度比を変えてシミュレーションを行い、コントラスト及びバックグラウンドの変化を調べた結果、高コントラストで、かつコントラスト及びバックグラウンドの変動が少ない鮮明な画像が取得できる見通しが得られた。

口頭

医学用Si/CdTe半導体コンプトンカメラの体幹部における散乱が画質に与える影響

酒井 真理*; 菊地 美貴子*; 鳥飼 幸太*; 荒川 和夫*; 山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 小高 裕和*; et al.

no journal, , 

コンプトンカメラは多核種同時撮像能力を持つことから、新しい核医学診断装置として期待されている。我々は臨床研究を目指し、体内に集積した放射性薬剤の可視可能性について基礎データの収集を行っている。本発表では宇宙$$gamma$$線観測用に開発されたSi/CdTeコンプトンカメラを基本としたシステムおよびNEMA IECボディファントムを用いて、人体体幹部による$$gamma$$線散乱の影響について評価を行った。ファントム中心部にNa-22, Co-57, Ba-133の標準点線源を設置し、それらからの511keV, 122keV, 356keVの$$gamma$$線について、ファントム内が空気の状態と、人体を模すために水を満たした状態でそれぞれ撮像を行い比較した。その結果、取得画像での位置分解能の変化はほとんど見られなかったが、画質の顕著な低下が見られた。コンプトンカメラで取得された$$gamma$$線エネルギースペクトルを比較したところ、水での$$gamma$$線散乱の影響によって画像再構成に用いることのできたイベント数がおよそ1/2に減少しており、かつエネルギー幅の広がりや低エネルギー側のバックグランドレベルの増加が生じており、このことが原因と考えられた。今後画像再構成手法の見直しにより画質改善を図るとともに、複数核種同時撮影時の核種定量に向けてさらに検討を進める予定である。

口頭

廃液貯槽の高濃度放射性残渣回収及び除染作業における放射線管理

荒川 侑人; 藤井 克年; 三村 竜二; 中塩 信行; 小沼 勇; 宍戸 宣仁; 梅原 隆

no journal, , 

再処理特別研究棟における再処理試験に伴い発生した廃液を貯蔵していた、廃液貯槽LV-1の高濃度放射性残渣の回収及び除染作業が実施された。残渣回収作業では集塵器を使用するため、集塵中の放射能濃度上昇による内部被ばくと、残渣を回収した容器からの外部被ばくが懸念され、残渣回収後の除染作業はLV-1内に入り実施するため、身体汚染及び内部被ばく、体幹部と末端部(手足)の外部被ばくが懸念された。このため被ばく低減について検討し、適切な呼吸用保護具の着用、遮蔽、作業時間の管理等で被ばく低減を図ることとした。そのほか、作業場の汚染拡大防止措置として、グリーンハウスによる区画管理を実施した。その結果、個人の最大実効線量は計画の1/8程度に抑えられ、内部被ばくについても作業後の全身カウンタでの測定で有意な値は検出されなかった。実効線量が低く抑えられた理由として、検討した被ばく低減措置が有効であったこと、作業手順を事前に確認及び検討することにより計画より短い時間で作業できたこと、残渣回収によりLV-1内の線量当量率が予測よりも低減されたことがあげられる。また、区画管理を適切に実施したことにより作業場所以外の区画における空気中放射能濃度や表面密度の上昇はなく、汚染が拡大することはなかった。高濃度汚染環境下での作業における放射線管理として、特に被ばく低減措置、汚染管理について検討し、適切な放射線管理を実施することができた。引き続き実施されるLV-1本体の解体作業についても、得られた経験を踏まえて適切な管理を実施する。

口頭

Influence of scattered $$gamma$$ rays by body tissue on the image of semiconductor Compton camera for nuclear medical use

酒井 真理*; 菊地 美貴子*; 鳥飼 幸太*; 荒川 和夫*; 山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 小高 裕和*; et al.

no journal, , 

人体中に集積した放射性物質分布のコンプトンカメラによる撮像においては、放出された$$gamma$$線が人体を構成する物質により散乱するため、この影響を事前に評価しておく必要がある。そこで、核医学分野で標準的に利用されている人体体躯形状を模した水ファントム(NEMA IEC規格)の中央に、密封点線源(Co-57, Ba-133, Na-22($$gamma$$線エネルギーはそれぞれ122, 356, 511keV))を設置し、ファントムに水を満たした場合と空の場合とでコンプトンカメラのイベント検出率と角度分解能を測定し、人体を構成する物質による散乱の影響を評価した。実験の結果、3つの線源のどのエネルギーにおいても、数十%程度の検出率の劣化は見られるが、角度分解能の劣化はほぼ無いことが分かった。これにより、現在開発中のコンプトンカメラでは、人体中の撮像においても、大幅な測定時間の遅延なしに、散乱影響のない場合と同画質の画像が取得できることが分かった。

口頭

Detection of a gap across a particle-beam track by measuring 63-68 keV photons

山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 鳥飼 幸太*; 島田 博文*; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; 荒川 和夫*; et al.

no journal, , 

重粒子線治療中に炭素ビームの軌道上の生体組織内で局所的密度減少が生じた場合、この影響でブラッグピークの位置がシフトすることで、誤照射の発生が懸念されている。この密度減少を照射中に確認できれば、誤照射の影響を軽減する対策が立てられる。そこで、2次電子による制動輻射のうちの検出効率が高い低エネルギー光子(63-68keV)の測定による密度減少箇所を特定する方法を開発している。本研究では実験によりこの方法の有効性を評価するために、中央に長さ1cmの空気領域を持つアクリルブロックに治療で使用される290MeV/uの炭素ビームを入射させ、ビーム軸に対して垂直に放出される光子発生量の位置依存性を測定した。光子の検出には、鉛製コリメータ(幅2.4mmの厚さ100mm)を挟んでアクリルブロックの側方に設置したCdTe半導体検出器を用いた。検出器及びコリメータは、ビーム軸に沿って間隙位置を中心に2mm間隔で移動させた。測定の結果、検出位置が間隙位置と一致した時に測定光子数が最少になり、この変化から間隙位置を計測可能であることが分かった。これにより、低エネルギー光子の測定による局所的密度減少の検出が可能性であることを示すことができた。

口頭

低エネルギー光子測定による治療用炭素ビーム軌道上の空洞検出のシミュレーションによる評価

山口 充孝; 長尾 悠人; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; 河地 有木; 佐藤 隆博; 神谷 富裕; 藤巻 秀; 荒川 和夫*; 鳴海 一雅

no journal, , 

炭素線治療においてビーム軌道上の空洞の発生はブラッグピークのシフトによる誤照射の原因となり、その発生を照射中に検出できれば、誤照射の影響を軽減する対策を講じることが可能となる。今回、人体を模したアクリル製ターゲット中の空洞を、検出視野が広く短時間測定に有利なマルチスリット型ガンマカメラで検出できるかどうかを、PHITSコードを用いたモンテカルロシミュレーションで次のように評価した。計算条件として(1)中心に半径2.5mm、長さ10mmの円柱形の空気空洞をもつ、半径50mm、長さ100mmの円柱形アクリルターゲットに、(2)入射エネルギー290MeV/uの炭素12ビームを、ビーム軸がターゲット及び空気空洞の回転中心軸と一致するよう入射させた。(3)放出光子測定のため、マルチスリット型コリメータ(鉛製)と検出器(テルル化カドミウム製)からなるガンマカメラを配置し、炭素ビームを照射した際にビーム軸に対し垂直方向に放出される光子を算出した。その結果、空洞の存在する領域と存在しない領域とで検出器へ到達する63-68keVの光子数に明らかな差があり、ビーム軌道上の空洞が十分検出可能であることが示された。

口頭

J-PARC物質・生命科学実験施設ホットセル内における空気の放射化の評価

坂下 耕一; 春日井 好己; 原田 正英; 関 一成; 佐藤 浩一; 加藤 小織; 荒川 侑人

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設 放射化機器取扱室(ホットセル)内のビーム運転中における空気の放射化により生成される放射性ガスの組成及び濃度を調査した。プラスチックシンチレーション式ガスモニタ等を用いて、ホットセル内の空気中の放射能濃度を測定した。測定値の減衰及び最小二乗法による半減期測定から核種組成と核種毎のガス濃度の評価を行った。その結果、中性子による空気の放射化に伴い生成される核種及びそれらの濃度を特定した。

口頭

J-PARC MLFのホットセル内に生成される短寿命核種測定に用いたシンチレーション式ガスモニタの放射能換算係数の評価

坂下 耕一; 荒川 侑人; 春日井 好己; 石井 哲朗

no journal, , 

大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)では、3GeVの陽子ビームを水銀標的に入射し、発生した中性子を使用して物質・生命科学等の実験を行っている。水銀標的が設置されている放射化機器取扱室(ホットセル)内ではビーム運転に伴う放射性ガスが生じ、そのガスは建家排気系を通して排気筒より環境中へ放出されることから、放射性ガスの種類及び濃度を可搬型プラスチックシンチレーション式ガスモニタを用いて評価している。中性子による空気の放射化によって生じる$$^{41}$$Arと短半減期核種($$^{11}$$C,$$^{13}$$N,$$^{15}$$O)の評価において、濃度を評価するための換算係数としては$$^{41}$$Arに対する係数のみ与えられ、短半減期核種の換算係数としては$$^{41}$$Arの係数を流用していた。そこで、短半減期核種の換算係数をモンテカルロコード(Geant4)により計算した。その結果、$$beta$$線の平均エネルギーの増加とともに換算係数が減少する傾向が再現されることが確認できた。また、当該の$$beta$$線エネルギー領域における短半減期核種の計算結果が$$^{41}$$Arの換算係数と約4%以内で一致したことから、短半減期核種の濃度評価に$$^{41}$$Arの換算係数を適用しても精度よく評価できることがわかった。

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