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今泉 悠也; 山田 文昭; 有川 晃弘*; 矢田 浩基; 深野 義隆
Mechanical Engineering Journal (Internet), 5(4), p.18-00083_1 - 18-00083_11, 2018/08
ループ型高速炉において想定される液位確保機能喪失(LORL)に対しては、ナトリウム汲み上げあるいはサイフォンブレークといった液位確保対策が考えられるが、それらの対策の有効性を評価するために、液位計算プログラムを開発した。確率論的リスク評価(PRA)により発生確率が無視できないため、本研究では、一次主冷却系での2か所漏えいが発生するものとして評価を行った。従来の保守的な想定に替り、漏えいの原因となる現実的な配管破損規模の検討を行うとともに、代表的な事故シーケンス及び漏えい箇所を選定した上で、炉容器内の液位の変化を計算した。さらに、液位確保策への影響を明らかにするため、より大きな破損規模での計算も行った。その結果、液位確保対策を考慮すれば、一次主冷却系での2か所漏えいが発生した場合においても、一次冷却材の循環ループを維持することができることを明らかにした。
山田 文昭; 今泉 悠也; 西村 正弘; 深野 義隆; 有川 晃弘*
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/07
ループタイプ・ナトリウム冷却高速原型炉の設計基準事故(DBA)を超える除熱機能喪失の一つとして、2箇所の1次冷却材漏えいによる原子炉容器液位確保機能喪失(LORL)のシビアアクシデント(SA)評価手法を開発した。2ヶ所の1次冷却材漏えいは、DBAの出力運転中の1ヶ所の1次冷却材漏えいに伴う原子炉停止後の低温停止中に、別ループの1次冷却系配管において2ヶ所目の漏えいが発生し、過度に原子炉容器(RV)液位が低下し、LORLに至る可能性がある。本論文では、想定される漏えい部位の組合せから、厳しいRV液位となる代表事故シーケンスの選定、RVへの冷却材ナトリウムの汲み上げ、1次主冷却系のサイフォンブレークによるRV内冷却材ナトリウムの汲み出し停止の液位確保策、RV液位を過度計算するプログラム、液位計算プログラムを用いた代表事故シーケンスのRV液位挙動を示した。評価の結果、DBAを超える2ヶ所の1次冷却材漏えいに対して、2ヶ所目漏えいに対する液位確保策により崩壊熱除去運転に必要なRV液位が確保され、除熱機能喪失を防止できることを明らかにした。
山田 文昭; 有川 晃弘*; 深野 義隆
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
ナトリウム冷却高速炉において低圧である冷却材配管のギロチン破断は物理的に生じないが、高速増殖原型炉もんじゅでは安全評価の一つとして、ギロチン破断を念のために仮想的に設定し、許認可のための評価を行ってきた。本論文では、もんじゅ1次主冷却系配管大口径破損時の炉心冷却能力評価において、評価結果に影響を及ぼす現象について、以下のこれまでの試験データの蓄積を踏まえ、解析評価の妥当性を検証した。(a)炉心流量低下に伴い生じる炉心ナトリウム沸騰に関する試験データ、(b)1次主冷却系循環ポンプトリップ後のフローコーストダウンのもんじゅデータ、(c)燃料被覆管の破損評価に用いるLMP回帰曲線の照射済み燃料被覆管急速加熱バースト試験データ、さらに、原子炉トリップ信号応答時間等のもんじゅ実機データも適用し、炉心冷却能力を最新評価した。その結果、燃料被覆管の破損率は従来評価を上回ることなく、あえて1次主冷却系配管にギロチン破断を仮定したとしても、炉心の大規模な損傷に至らないことを評価した。
山田 文昭; 橋本 昭彦*; 加藤 満也*; 有川 晃弘*
no journal, ,
「もんじゅ」安全評価では、発生頻度は無視し得る程極めて低いが、設計基準事故の1次冷却材漏えいの安全余裕を確認するために敢えて大口径破損評価が行われた。その後の試験データ等の蓄積を踏まえて最新評価した結果、従来評価の重大な炉心損傷に至らないことを再確認した。
山田 文昭; 有川 晃弘*
no journal, ,
高速炉の設計基準事故を超える2箇所目の1次冷却材漏えいによる原子炉容器(RV)液位低下に対し、RVへの冷却材補給等の液位確保策の有効性を検討するために、漏えい位置や破損開口量、1次主循環ポンプやカバーガス圧の運転状態、液位確保策の実施により変化するRV液位挙動の計算プログラムを開発した。